有明海漁民・市民ネットワーク

有明海の再生を考えるオンライン連続講座

 2021年4月、諫早湾の開門をめぐる裁判(請求異議訴訟)で、福岡高裁は和解協議を提案しました。期限を12月までとした協議の中で、開門調査について議論が行われることになると思われます。また、環境省の有明海・八代海等総合調査評価委員会では、2021年度に「中間取りまとめ」を公表することになっていて、有明海の再生に関する審議が一つの節目を迎えようとしています。こうした状況から今後、有明海の再生や開門調査の問題への関心の高まりが予想されます。

 そこで、有明海漁民・市民ネットワークと諫早湾開門研究者会議では、有明海の再生や開門問題をテーマにした一般向けの連続講座を8月から9月にかけてオンラインで実施することにしました。講座は全7回で、Zoomを使ってリアルタイムで講義やディスカッションを行います。また各講座は録画して、この問題に関心のある人々が有明海再生について学べる動画コンテンツとしてオンデマンドで視聴できるように、YouTubeで公開する予定です。連続講座へのご参加、記録動画のご視聴をよろしくお願いします。


●プログラム


【第1回】諫早湾潮止め後24年間の有明海奥部における底生動物群集の経年変化

日時:2021年8月28日(土)14:00〜15:00
講師:佐藤慎一(静岡大学理学部教授)
内容:有明海奥部海域で、諫早湾潮止めから現在まで24年間、大型底生動物の平均生息密度の経年変化を観測した。その結果、潮止め直後の1997年6月から2001年6月まで底生動物が減少した後、短期開門直後の2002年6月に一転して急激に増加した。しかし、その後は2004年から2021年まで減少傾向が続いており、短期開門直後のような急激な変化は最近の18年間ではまったく見られていない。これら長期観測事実を基に、開門・非開門の是非を検証する。
★録画YouTube公開→  https://youtu.be/sXCkUhopUZY


【第2回】有明海の潮汐潮流と貧酸素水塊

日時:2021年8月29日(日)14:00〜15:00
講師:速水祐一(佐賀大学農学部准教授)
内容:有明海奥部では、夏季になると毎年貧酸素水塊が形成され、二枚貝などの動物の生育に悪影響を及ぼしており、大きな問題になっている。このような貧酸素水塊の長期変動について、有機物量の指標であるCOD、諫早締切、潮汐振幅の長期変化との関係を調べた結果(Hayami and Fujii, 2018; Yamaguchi and Hayami, 2018等)について紹介する。また、諫早湾潮受け堤を開門した場合の潮流の変化予測(Hayami and Hamada, 2016)についても合わせて紹介する。
★録画YouTube公開→  https://youtu.be/LTN8RnMl-w0


【第3回】有明海の赤潮頻発に端を発する生態系異変のメカニズム

日時:2021年9月4日(土)14:00〜15:00
講師:堤 裕昭(熊本県立大学副学長、環境共生学部教授)
内容:豊饒の海と称された生物生産性の高い有明海奥部海域で、1990年代後半から赤潮が頻発するようになり、毎年夏季には貧酸素水が広範囲にわたって発生し、海底生態系の破壊によって沿岸漁業が極度に衰退する事態となった。講師は過去約20年間にわたって行ってきた現場調査の結果をもとに、この生態系異変のメカニズムの真相に迫る。
★録画YouTube公開→ https://youtu.be/McwqvQ2-zvQ


【第4回】諫早湾人工調整池「新たな生態系」の正体

日時:2021年9月5日(日)14:00〜15:00
講師:髙橋 徹(元・熊本保健科学大学保健科学部教授)
内容:1997年の潮受堤防締切によって、3550haの諫早湾奥部浅海域が失われ、2600haの調整池が誕生した。農水省は、農業用水確保と防災を目的として造られたこの「池」には「新たな生態系」が創造されたと宣伝している。生態系は、汚水の中にも在るので、間違いとは言えないが、問題はその中身である。ここでは、有毒アオコの大発生が繰り返される特異な生態系の実態を、10年以上の調査データに基づいて紹介したい。
★録画YouTube公開→ https://youtu.be/x80O8VnPwug


【第5回】有明海の泥干潟に生き残っている絶滅危惧種について

日時:2021年9月11日(土)14:00〜15:00
講師:佐藤正典(鹿児島大学名誉教授)
内容:近年の沿岸開発などによって日本中の多くの干潟が失われ、それと共に内湾での漁業も衰退した。そんな中で、有明海の奥部の泥干潟には、日本中から姿を消しつつある多くの生物と人々の伝統漁業が今もかろうじて生き残っている。絶滅の危機に瀕しているゴカイや貝などの底生動物を紹介しながら、有明海が今日の日本にとってどんなに重要な場所であるかを示したい。
★録画YouTube公開→ https://youtu.be/ijIaIrYHv0Y


【第6回】有明海という干潟の海のユニークな魚類生態系

日時:2021年9月16日(木)19:00〜20:00
講師:山口敦子(長崎大学水産・環境科学総合研究科教授)
内容:有明海の再生を図るには、生態系ベースで全体を捉え、その機能を解明することが必要である。日本の全干潟の約40%にも及ぶ広大な干潟をもつ一方で、外洋水の影響が及ぶ水深の深い海域も備えるこの海に棲む魚類についてはこれまで十分に理解されていなかった。この泥の海には、捕食者である大きなサメ・エイ類をはじめ、外洋から一時的に来遊するトラフグなど他種多様な魚類が存在し、それらが互いに関係しあうことで複雑な食物網を形成していることがわかってきた。講演では、有明海の環境や豊かさとともにそのユニークな生態系についてこれまでの約20年の研究で明らかにしたことを紹介し、干潟の重要性と海域再生について考えたい。
★録画YouTube公開→ https://youtu.be/v9afpAYBjU8


【第7回】総合討議:有明海・諫早湾の海域環境の再生に向けて

日時:2021年9月23日(木・祝)14:00〜16:00
内容:諫早湾開門研究者会議のメンバー(佐藤慎一、佐藤正典、髙橋徹、堤裕昭)によるディスカッション。6回の講座を総括し、寄せられた質問や意見に答えながら、有明海の環境悪化のメカニズムや再生のための方策、諫早湾の開門調査の必要性や干拓事業をめぐる諸問題の解決の道筋について、自然科学の研究者の立場から総合的に検討する。
参加申込フォーム(第7回)


参加申込方法
参加費無料(カンパ歓迎!下記参照)
ご希望の講座ごとに上記の「参加申込フォーム」からお申し込みください。

主催:有明海漁民・市民ネットワーク、諫早湾開門研究者会議

お問い合わせ:有明海漁民・市民ネットワーク 東京事務局
Eメール ph@ariake-gyomin.net  TEL/FAX 03-3986-6490

ご質問・ご意見フォーム
講座視聴後のご質問やご意見はこちらのフォームにお送りください。
第7回の「総合討議」で検討や回答を行います。

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ゆうちょ銀行 振替口座 00120-3-250346 有明海漁民・市民ネットワーク
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