諫早湾締め切り後の半造川合流点付近の河床変化

2km400地点から下流を向いて撮影

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諫早湾締め切り後の本明川の河床変化

1997年4月19日

 締め切り5日後です.まだ原形に近い状態です.水面が奥のほうで見えなくなっていますが,そのあたりが支流である半造川(はんぞうがわ)の合流点です.洪水時に調整池の「防災効果」(洪水の水位を下げる効果)があるのは,この合流点付近から河口までの間に限られます

1997年6月21日

 締め切り2か月後です.泥が流されて手前のほうの右岸(低水路の右側)の捨石が露出しています.干潟が乾燥して無数の割れ目が生じています.注意してみると岸に平行な水平の割れ目がわかります.これは内部の軟らかい泥が流動して低いほうに移動し,干潟に段差を生じているためです.
 このようにして締め切り1年目に,乾燥による収縮,雨や流れによる浸食,流動による沈下の3つの要素により,干潟面が低下しました.

1997年12月29日

 締め切り8か月後です.両岸の泥が浸食されて低水路が広がっています.手前のヨシが広がり,草丈も伸びたため,干潟面や捨石が見えなくなりました.

1999年6月8日

 締め切り2年後です.低水路の浸食が停止して,高水敷(洪水のときだけ水が流れるところ)は一面に大型草本に覆われています.
 合流点左岸(写真中央の左側)に低い平坦な裸地があります.これは高水敷の泥を除去して,河道を広げているところです.ちょうど撮影時に,新しい河道断面の測量が行なわれていました.湾を締め切る方法と違って,高水敷の地面を下げる方法だと市街地の洪水軽減が可能です.
光江橋付近  2km400付近から上流向き


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http://www.fsinet.or.jp/~hoteia 制作・著作 布袋 厚 1999年