裏山流域の洪水シミュレーション1999年

諫早湾の目次
貯留関数法の説明=流量の計算法
流量観測の方法

 流入係数は降った雨のうち,地下に浸透せずに地表にとどまり,洪水に関与する分の割合です.

 相関係数は,シミュレーションで使った貯留関数法の数式 S=KQP (KとPは定数)が現実に合っているかどうかを表わす目安(相関係数が1ならば完全に合っている,0ならば全く違う)で log10Q と log10S の相関(Qは流出量,Sは貯留量)を示します.
(注  S=KQP の両辺の対数をとるとlog10S=log10K+Plog10Q なので log10Q と log10S の関係は直線となる.)

 グラフでは青線がシミュレーション結果,赤線が実際の流量に相当します.

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23日2時まで
流入係数=0.24 相関係数=0.997
23日3時から
流入係数=0.90 相関係数=0.933

 降水量流量の関係式を決めるさいに,貯留関数法の一般的なモデルにうまく合わない(両対数グラフで Q と S の関係が直線とならず,Qを横軸にとると上に凸の曲線となる.S-Q相関図を参照)ため,洪水時(流量20m3/s以上)に適合するように式を決定しました.その結果,減水期のシミュレーション結果実際の流量に合わなくなりました.また,23日2時までの期間についての式を決めるさいには途中の不規則な変化を除外して計算しました.

 シミュレーションにあたってはモデルがどれだけ現実に合っているか,いつも注意しておく必要があります.

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長崎自然史仮想博物館 制作・著作 布袋 厚 2000年