1時間雨量と浸水範囲の時間変化

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 ここに示すのは1時間ごとの雨量分布の移り変わりと諫早市の浸水の時間的変化です.

 雨量分布は55地点で観測された雨量観測値を直接用いて作成していますので,レーダーアメダス合成図よりも正確かつ精密です.

 浸水範囲は諫早市役所農林部の調査結果をもとに長崎自然史仮想博物館が作図し直したもので,市街地については示されていません.また,農地の大半が水田であり,もともと水があるため,浸水の有無の線引きを厳密に行なうのは無理です.あくまでも消長を見るための目安程度と考えてください.なお,長崎県農林部によると諫早市以外から浸水の報告はなかったとのことです.

参照
1999年7月23日集中豪雨による浸水 市街地の浸水状況を痕跡調査結果で示しています.
集中豪雨発生のメカニズム 北西九州の広域的な雨量分布の変化と豪雨が激しくなった要因を示します.
1999年諫早集中豪雨と1957年・1982年豪雨との比較 1957年・1982年豪雨の場合と比較して,今回豪雨の特徴を示します.
諫早湾周辺低地の水路系統 浸水範囲に関係の深い水路のつながり方を示します.

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1時間降水量の移り変わり

2000年07月09日修正

降水量の単位はmm

青破線
=降水量5mmの線

黒破線の内側
=調整池の流域

赤点
=観測点

 雨量図の作成にあたっては気象庁・建設省ほか官公署等の観測資料を使用しました.

 豪雨帯が南下してきて本明川(図左側の長田と小野島に挟まれた川)の南側にかかってきたころです.図では長田や白浜の浸水が記されていませんが,この時刻には白浜から仲沖にかけての全域で排水機場(ポンプ)が始動しています.
 豪雨がおさまったばかりで,それまでの2時間のうちに浸水範囲が一挙に拡大しています.小野島流域は比較的雨が少なかったため,浸水もそれほどの広がりはありません.
 豪雨がおさまったあとにもかかわらず浸水範囲が拡大しています.仲沖流域の幸町で住民が「浸水のピークは午後だった」と話していることとも一致します.これらは上流に降った雨による流れ込みが依然として続いているためです.
 本明川以北ではかなりの部分で浸水が残っています.これは総雨量(実質8時間)で見た場合,本明川北側に最強部が広がっていることや低地面積に対して上流の山地面積が大きいため,流れ込みが多いのが原因と考えられます.
 長田流域でわずかに浸水が残っていますが,そのほかでは終息し,排水ポンプも運転を終了しています.


このページを含む<諫早湾と防災>閉鎖保存版は有明海漁民・市民ネットワーク事務局が著作者から全面的な管理を委ねられ、独自に複製・配布・公開しています。著作者は諫早湾の問題からは手を引いており、質問等は受け付けていません。

http://www.fsinet.or.jp/~hoteia 制作・著作 布袋 厚 1999年