諫早湾の目次
水理学による検証
背水
ブレッスの式
不等流計算
比較のために,より精密な不等流計算の結果も合わせて示します.
上から流量を毎秒500トン,1000トン,1450トン,1720トンとして計算しました.
黒実線=現状の堤防高
赤線=河口水位が計画高水位
緑線=大潮満潮時
青線=干潮時(これより下がることはありません.限界流の説明参照)
左右を見比べるとかなり似ています.これは,異なった2つの計算結果が一致することを示しています.
これらの計算結果は,河口付近での流量が計画流量(毎秒1720トン)の半分程度でも,諫早湾干拓には,河口から3.5km以上離れた諫早市街地での洪水軽減効果がまったくないこと,さらに下流部の氾濫防止効果も無に等しいことを裏付けています.
ブレッスの式による簡略計算 破線は等流水深線 |
より精密な不等流計算 破線は限界流水深線 |
河口潮位や堰の影響を受けて上流側で川の水位が変化する現象を背水といいます.自然河川の場合,水位を求めるには不等流計算という面倒な計算が必要です.
しかし,川を幅が一定,底の勾配も一定で,横断面が長方形の水路とみなすと,比較的簡単に水位を計算することができます.このときに使う公式をブレッスの式といいます.
水位(水面の標高)と流積(流れの断面積)の関係が,現実とほぼ等しくなるように設定してあります.
断面=長方形
川幅=185m
底勾配=0.00070(1000mさかのぼると川底標高が0.70m高くなる)
河口河床高=T.P.+0.08m(河口川底の標高=東京湾平均海面より0.08m高い)
粗度係数=0.025(おおむね石積み護岸や砂底に相当)
このページを含む<諫早湾と防災>閉鎖保存版は有明海漁民・市民ネットワーク事務局が著作者から全面的な管理を委ねられ、独自に複製・配布・公開しています。著作者は諫早湾の問題からは手を引いており、質問等は受け付けていません。
http://www.fsinet.or.jp/~hoteia 制作・著作 布袋 厚 1999年