本明川と半造川に挟まれた幸町や仲沖町では1999年の洪水で,大半の家屋が床上浸水を免れ,床下浸水も一部に限局されました(浸水図).これは仲沖救急排水機場(排水能力毎秒3トン)と田井原第1排水機場(排水能力毎秒3トン)および移動ポンプ車(2台で排水能力毎秒1トン,県外から搬入)の効果です.建設省長崎工事事務所『平成11年7月23日洪水における排水ポンプ効果』によると次のような効果があったとされています.
仲沖排水機場あり | 仲沖排水機場なし | |
浸水面積(ha) | 約114 | 約123 |
浸水戸数 | 約21 | 約118 |
これは田井原第1排水機場(仲沖排水機場と同等の排水能力)を考慮に入れない場合の比較なので,田井原第1排水機場を考慮すれば,浸水面積や浸水戸数の軽減効果はさらに大きくなります.
建設省ではあらたに移動ポンプ車(毎秒2.5トンおよび0.5トン)を配備することになり,その格納庫を仲沖排水機場の隣に建設しています.さらに本明川本流の対岸にある諫早排水機場を強化し,排水能力を毎秒5トンから毎秒7トンに上げることになりました.
写真奥は仲沖救急排水機場,手前は建設中の格納庫
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長崎自然史仮想博物館 制作・著作 布袋 厚 2000年