期間を通じて最大の1時間雨量は10日12−13時(下左図)の50.5mmである.しかし,この時間帯は低平地に関係する諫早湾沿岸の大部分で20mm以下である.調整池の流域全体の平均雨量で見るとピークは10日10−11時(下右図)であり,1時間雨量は流域の平均(面積を考慮)で22.5mm,最大の地点で35mmであった.
(注)流域の平均雨量はティーセン法により算出しました.
1997年の雨量分布図を一部修正いたしました.(2000年7月12日)
これに対し諫早豪雨のピーク(下図,『諫早水害誌』をトレース)ではほぼ全域で1時間60mm以上,本明川流域を中心に100mm以上の区域が広範に見られる.その前1時間,後1時間もこれに近い状態であった.歴史に残る惨事を引き起こしたのは,これら3時間の雨である.
当日は諫早湾周辺の大部分で昼過ぎから夕方まで1時間30−80 mm(一部100mm)の雨が休みなく降っていたが,大事に至ってはいない.
1997年7月のピークはさらにその半分である.したがって,大きな災害がなかったのは当然である.
このページを含む<諫早湾と防災>閉鎖保存版は有明海漁民・市民ネットワーク事務局が著作者から全面的な管理を委ねられ、独自に複製・配布・公開しています。著作者は諫早湾の問題からは手を引いており、質問等は受け付けていません。
http://www.fsinet.or.jp/~hoteia 制作・著作 布袋 厚 2000年