佐賀県有明海沿岸の防災対策

着々と整備される排水機場

諫早湾の目次
佐賀県有明海沿岸の防災対策 見出し

 佐賀県内には大小あわせて137か所(建設中・計画中を含む)の排水機場があり,とくに六角川流域や鹿島市の周辺に密集しています.総排水量は毎秒1000トンを超えています.中でも蒲田津(佐賀市・諸富町の境界)・八田江(東与賀町・川副町の境界)・高橋(武雄市)・牛津江(牛津町,いずれも所在地)の各排水機場は排水量が毎秒50−60トン(蒲田津は120トンに増設予定)という大掛かりなものです.これらの整備により,浸水被害がめっきり減ったということです.諫早湾と異なる点は,農水省直轄の排水機場(諫早湾には全くない)がいくつもあり,現在も新設が続いていること,農村地域でも土木部所管(利点が多い)の排水機場がたくさんあることです.また,排水対策特別事業という農水省補助事業で設置された機場がいくつもある,土地改良区所有の機場は見当たらない(国か県あるいは市町村が所有)などの特徴もあります.  一覧表を参照ください.
 

八田江排水機場(上流側から見たところ)

 ちょっとした小学校のように見える.排水量は毎秒60トン.左は八田江防潮水門.満潮時に洪水が重なったときは水門を閉鎖して(通常は少し開いており潮が通る),川の水を強制排水する.

 
 

蒲田津排水機場(水門の上流側を見たところ)

 排水量は毎秒60トンで,将来は120トンに増強される.佐賀県最大の排水機場で,建設省筑後川工事事務所諸富出張所を兼ねている.車と比較すると建物や水門(蒲田津防潮水門)の大きさがわかる.

 
 

農水省川上排水機場新設工事

九州農政局の文字が見える.

 この資料を作成するにあたっては,1998年秋の現地調査をはじめ,多くの方のご協力を頂きました.


このページを含む<諫早湾と防災>閉鎖保存版は有明海漁民・市民ネットワーク事務局が著作者から全面的な管理を委ねられ、独自に複製・配布・公開しています。著作者は諫早湾の問題からは手を引いており、質問等は受け付けていません。

長崎自然史仮想博物館 制作・著作 布袋 厚 1998・2000年