≪諌早湾干拓事業関連総合年表≫      97年へjump 01年へjump 04年へjump 08年へjump
1948年 9月   国営諫早干拓事業(現在の国営諫早湾干拓事業とは別)着工。
1952年 10月   諌早湾全体を閉め切る長崎大干拓構想(閉め切り面積1.1万ha、米作地6718ha。他に水田2万ha・工費160億円との報道も)を西岡竹次郎・長崎県知事が発表。11月には西岡知事が農林省と交渉し、予備調査に着手。この構想のため、国営諫早干拓事業の第2区810ha(現国営諫早湾干拓事業の中央干拓地周辺)と第3区300ha(同小江干拓地周辺)は中止され、森山地区の第1区351haのみ続行。
1953年   長崎大干拓期成同盟会(地元1市11町村)発足。
1954年 3月 30日 オランダのヤンセン博士一行が現地調査。
  7月 1日 農林省長崎干拓調査事務所開設。
1957年 7月 25日 諌早大水害(死者・行方不明者539人。630人、680人、700人超、760人という説もある)。本明川沿岸に現在設置されている看板写真1
1958年   佐藤勝也・前副知事が対立候補の金子岩三・前県会議長を破って長崎県知事に当選。
1959年     学識経験者による長崎大干拓特別委員会設置。
1960年   泉水海(諌早湾)のノリ養殖が軌道に乗り始め、長崎大干拓期成同盟から諌早湾内12漁協が脱退。
1963年      国営諌早干拓(森山干拓・共栄干拓とも言い、現・諫早湾干拓地の南西側に位置する350ha)に46戸が入植開始。
1964年   長崎干拓全体実施計画が認可される。目的は水田造成による米増産。閉め切り規模は諌早湾ほぼ全体の約1万ha。
      国営諫早(森山)干拓事業(351.37ha)完工。
1965年 2月   諌早湾内12漁協で長崎干拓絶対反対実行委員会結成。
  7月    長崎干拓絶対反対実行委員会の漁協組合員ら約500人が漁船約200隻で海上パレード。
      長崎干拓とは別に、島原半島と三角半島間に堤防を築く有明海総合開発計画の骨格まとまるも69年に中止。
      九州農政局が長崎干拓水理委員会を設置。委員リストには現在も各種委員会に名を連ねる戸原義男九大助教授の名も。
      長崎干拓実施設計書完成、着工予算5億円決定。
1968年  2月   諌早湾の漁民300人が上京。千代田区の全国町村会館で「長崎干拓絶対反対漁民大会」を開催し都内をデモ行進。
  3月   佐藤知事が長崎干拓に反対する漁協に対しては漁業権の更新をしないと表明。
  6月  21日  運輸相埋め立て認可、22日建設相埋め立て認可。 
1969年 9月 18日 米余りによる生産調整開始を背景に、県が長崎干拓計画を手直し。米作から多目的へ。
1970年 1月 23日 佐藤知事、長崎干拓埋立承認。
    24日 大蔵省が調査費のみ認め事業打ち切り方針。
  2月 23日 長崎県知事選挙で久保勘一氏が佐藤知事に圧勝。
4月   減反政策が始まり、長崎干拓事業は中止され、上水道を含む水資源確保、畑作などを目的に長崎南部地域総合開発事業(南総)として再出発。閉め切り面積は当初計画では約1万ha。
1972年 9月   農林大臣、長崎干拓事業の埋立権放棄。
1973年 10月   諌早の自然を守る会結成(野呂邦暢代表、山下弘文事務局長)。
  12月   県と湾内12漁協との漁業補償交渉が行き詰まり、久保知事は南総計画休止。
1975年 7月    南総計画の漁業補償交渉再開。73年の提示額130億円が215億円へ。
1976年 9月   諌早湾内の12漁協が長崎県との漁業補償交渉で仮調印。総補償費額246億8千万円。
1977年 2月   有明海沿岸の佐賀・福岡・熊本の3県漁連が長崎南部総合開発絶対反対期成会結成。
  南総着工の予算がつく。
1979年 5月   長崎県が、南総の環境アセス縦覧開始。
  7月    佐賀県が独自に南総アセスを実施。「湾外漁業への影響が大きい」との結論。
  12月   南総開発絶対反対期成会の3県漁連と長崎県島原漁協が1400隻の漁船で海上デモ。
1980年  3月   長崎・佐賀・福岡・熊本の4県漁連と九州農政局が五者委員会を設置し閉め切り規模を検討。 
6月   国際的に重要な湿地保護を目的としたラムサール条約を批准。
  8月   農水省が長崎県知事に公有水面埋立を出願。これに対し佐賀県大浦漁協の青年婦人部270人が九州農政局に押しかけ、願書の撤回、南総の中止を訴え、庁内に座り込むなどして抗議。
  9月    3県漁連と島原地区の漁協が2500隻を動員し、農水省の埋立出願に抗議して海上デモ。 
1981年 1〜3月   諌早湾内12漁協のうち10漁協が埋め立て同意を決議。
3月   小長井漁協、埋め立て同意を否決。
8月   小長井漁協、埋め立て同意を可決。
10月 4日 最後に残った瑞穂漁協も埋め立てに逆転同意。
11月 26日 諌早湾内12漁協が漁業補償協定に調印、補償総額322億8000万円。
  12月    五者委員会が規模縮小で実質合意。
1982年 2月   高田勇・前副知事が長崎県知事に当選。
  6月    大浦漁協青年部の20人が長崎県庁を訪ね、高田長崎県知事に土下座して南総の中止を訴える。
7月   長崎大水害(死者299人)。
12月   金子岩三・農水大臣「諌早湾外、県外の同意がえられず、推進は困難」として未着工のまま南総打ち切り、防災対策を主目的にした事業として再検討の上、干拓は推進することを表明。農水省も83年度予算編成で南総事業を打ち切り、規模を縮小して防災の観点を重視した「総合干拓事業」として再編成する方針を決定。
1983年  4月   高田知事らが金子農水大臣と協議して総合干拓事業計画に同意。(1)干潟がある諌早湾の3分の1を干陸化して、その外側に防災対策上必要な遊水池を設ける。閉め切り堤防の位置については技術上の問題、防災効果を十分技術的に検討し、できるだけ速やかに基本的な考えを明らかにする。(2)事業着工には諌早湾内外の漁業者の合意を確保する必要がある。(3)国営干拓事業として進める。
5月 17日 金子農水相が参院農林水産委員会で「防災が主で干拓は副産物」と答弁。
30日 農水省内に、専門家からなる諌早湾防災対策検討委員会を設置し、複式干拓を前提とした場合の防災上必要な閉め切り面積を諮問。
8月   佐賀・福岡・熊本の3県漁連会長が閉め切り面積は3000ha以内に収めて欲しいと金子農水相に陳情。
11月   閉め切り規模4600ha、3900ha、3300haの3案を検討してきた諌早湾防災対策検討委員会が、3300haは問題が多い、3900haも後背地からの導水を許容するなら「安全性に対する余裕は少ないものの許容しうる案」とする中間報告書をまとめる(同委員会はこれで解散)。
      農水省は閉め切り規模を3900ha(干陸地2100ha、調整池1800ha)と決定。
    26日 漁業者の転業対策のため諫早湾地域振興基金設立。
1984年 11月   九州農政局が、3県漁連でつくる諌早湾干拓事業対策委員会に閉め切り規模を3680haとする縮小案を提示するが、同意を得られず。
      12月   諌早湾干拓事業対策委員会は3000ha程度を主張し、自民党の三池信(佐賀県選出)、民社党の稲富稜人(福岡県選出)両代議士に調停を依頼。
1985年 8月   三池・稲富代議士、閉め切り規模を3550haに縮小する調停案提示。
    31日  諌早で潮位3.21mの高潮。越波で床上浸水18戸、水稲被害1800ha。
  10月 3日 閉め切り面積3550haで福岡・佐賀・熊本県漁連が農水省と合意。
  11月 18日 九州農政局長が長崎県に対し、諫早湾干拓事業計画(案)及び諫早湾干拓事業の工事計画、施工計画(案)を説明。
      九州農政局が、長崎県アセス要綱に基づき(財)九州環境管理協会に環境影響評価についての検討を委託。
  12月    政府予算案に25億円計上。
1986年 3月   九州農政局が「諫早湾干拓事業計画に伴う漁業影響調査報告書」を策定。
  5月    知事が諫早湾漁業権補償対策会議に対し、231億7000万円の補償金提示。湾内12漁協長は上積みを要望。
  7月   県は、諫早湾漁業権補償対策会議に243億5000万円を再提示。
      環境アセス書完成。
  8月 17〜30日 湾内12漁協臨時総会で漁業補償大筋妥結協定を次々可決。
    25日 九州農政局が環境影響評価書(案)を長崎県知事に送付。
9月   九州農政局、「諌早湾干拓事業計画に係る環境影響評価書(案)」(県要綱に基づく環境アセスメント)の縦覧開始(9月5日〜10月2日)、意見書提出期限10月9日。
    8日 湾内12漁協が県と漁業補償協定に調印(補償額243億5千万円)。
  10月  7日 日本野鳥の会長崎県支部がアセスへの意見書提出。縦覧総件数は68。
12月 2日 土地改良法に基づく諫早湾干拓事業の事業計画を決定。
    15日 湾外11漁協と県が補償協定に調印(補償額12億1千万円)。
      農水省、諌早湾干拓事業(総事業費1350億円、完成予定2000年度)の公有水面埋立願書を長崎県知事に出願、受理される。政府予算案に40億円計上。
1987年  1月 21日 小長井漁協が漁業権放棄(一部放棄と影響補償)を否決。
    31日 小長井漁協が漁業権放棄(一部放棄と影響補償)を決議。
  3月  19日 湾内12漁協が補償契約に調印。
  7月  20日 大浦・有明町・島原など湾外11漁協が補償契約に調印。
  12月    政府予算案に85億円計上。
1988年 2月   九州農政局長と3県漁連会長が漁業補償契約に調印(補償額15億円)。
  3月   佐賀県大浦漁協が漁業補償契約に調印(補償額8億6千万円)。
      環境庁が環境影響評価に干潟再生策などの意見書を提出、建設・運輸両省が干拓を認可、高田知事が公有水面埋立承認。
  5月 25日 九州農政局諫早湾干拓事務所開所式。
1989年  1月    政府予算案に93億円計上。
11月 8日  「諌早湾干拓事業」起工式。潮受け堤防試験堤205mの工事に取りかかったこの年、5月からサンドコンパクションパイル1296本を海底に打設。1本打ち込むと周囲のガタ土が3〜4m盛り上がったと言われる。
1990年      陸から南部排水門までのA工区、陸から北部排水門までのB工区の築堤工(計14万立米、1215m)。
      有明海と八代海の全域で赤潮、被害額10億円(?090804yomiuri-kumamoto)。
1991年  1〜3月    試験堤部分に敷砂工。
1月   建設省からの要求で潮受け堤防排水門を南部の1カ所から、本明川河口の延長上に北部水門を設置することになり、改めて環境アセスメントを実施へ。しかし湾内北側に位置する小長井漁協はこの計画に反対。
  4月    堤体建設材料に使う砂を諌早湾湾口部の採砂地から採取開始。秋には多くのタイラギが泥をかぶって斃死しているのが発見される。
  8月   南部排水門に加えて新たに北部水門も建設することに伴い、九州農政局が「諫早湾干拓事業計画(一部変更)に係る環境影響評価書」を作成(要約版「はじめに」)。
  12月 1日 タイラギ大量死について、諫早湾内海底に堆積した20〜100センチのヘドロをかぶっての窒息死と報道される。
91〜92年     転業希望者の転業完了し、堤内8漁協が次々に解散。
1992年      両排水門間工区の床堀・敷砂工開始。
10月   潮受け堤防工事本格化。諌早湾内のタイラギが大量死滅。翌年から現在まで連続休漁。
  12月   湾内タイラギの2年続きの不漁について、禁漁区にしていた竹の崎漁場でも貝がヘドロに埋まっていたと報道される。
1993年 1月   小長井漁協青年部は21日18隻、22日24隻の漁船を動員し、干拓工事現場に向かう資材運搬船の航行を阻止。2月にも砂運搬船の航行を阻止。この年に打設されたサンドコンパクションパイル20422本。
  3月    諌早湾地域振興基金が、着工にこぎつけたのを記念して『諌早湾干拓のあゆみ』を刊行。
  5月    生物多様性条約を批准。
6月   九州農政局がタイラギ死滅の原因究明のため諌早湾漁場調査委員会を設置(原因不明という報告書が出されたのは2002年)。
1994年     94年度末までにはC区間全6工区で工事が始まり、海面下の堤防は概成。築堤工の累計100万立米、打設されたサンドコンパクションは33169本、採砂地からの採取量は70万立米に達した。 
1995年 1月   14日、小長井漁協が漁船20数隻で工事船の航行を阻止。
1996年 6月   諌早湾近辺に住む住民が、諌早湾に棲む生物などの「自然の権利」の代弁者として諌早湾干拓事業の差し止めを求めて長崎地裁に提訴(「諌早湾自然の権利訴訟」ムツゴロウ裁判)。総事業費2370億円に。
      4期連続のタイラギ休漁を決めるに当たり、小長井漁協組合員は「潮受け堤防工事用資材の砂が採取されるなどした結果、タイラギが酸欠状態で死んだ」と語る。
  高田知事が県議会で「干拓というものをやるがために周りの海岸堤防というものはそのまま放置しておったのであります」と答弁。
  12月    九州地方建設局が、調整池の水質対策を求める。
      ニフティサーブの自然環境フォーラムに地元農民を装って諫干必要論の書き込みをしていた人物が、実は森山町に出向中の農水省職員だったことが判明。職員のハンドルネームから「ドウキン事件」と呼ばれた。
1997年  2月  28日 総務庁が干拓事業に対する行政監察結果を勧告
  3月  8日 日本野鳥の会長崎県支部が渡り鳥調査。11種類、6258羽を観察。
      佐賀県太良町の2つの漁協が、タイラギがいないか、いても身が小さいとして操業打ち切り。
    28日  九州農政局諌早湾干拓事務所が「洪水排水計画」を作成。完成後に諌早大水害級の大雨と伊勢湾台風級の高潮が重なった場合、調整池水位は3.17mとなる計画。防災を目的とする諫干を口実に、本来対策である排水機場やクリークの整備が進められてこなかった背後地は、閉め切りによって農地が冠水(湛水)の危険にさらされることが明らかに。
4月 14日  潮受け堤防の最後に残された区間約1.2kmを293枚の鉄板をドミノ式に落下させて閉め切る。その映像が全国に衝撃を与え、「ギロチン」と呼ばれる。調整池の-1m管理に移行するために、当日から水門から排水が続けられたため、日に日に干潟が乾燥し、次々にムツゴロウ・カキ・トビハゼ・シチメンソウなどの生物が死滅。後に、干潟上に横たわっていたハイガイの死骸だけでも1億個と言われた。16日、諌早干潟緊急救済本部が山下弘文氏の自宅に開設される。
    21日  批判の矢面に立った九州農政局は湾内4漁協に業務委託して調整池内に残された魚類などの捕獲を始める。
    24日  日本湿地ネットワークや日本野鳥の会など自然保護団体が、農水省に水門開放を求める要望書送付。
    27日 約200人のボランティアがムツゴロウ救出活動。
  5月 7日  4月14日の閉め切り時+0.56mだった調整池水位が、この日12回目の排水操作が行われ-1mの目標まで低下。干陸地広がる。
    11日 民主党菅代表ら超党派の国会議員が諫早市で緊急シンポジウム開催し、水門開放を求めるアピールを採択。 
    13・14日 13日64ミリ、14日69ミリの降雨で背後地157haが冠水。100ミリ以下での湛水被害は閉め切り前は皆無だったが99年6月にも100ミリ以下で湛水被害。これは閉め切りによって干潮時の自然排水が妨げられたためと見られ、「防災どころか増災」の声。
    14日 事業の見直しを求める超党派の議員の会結成。
都内で水門開放を求める集会。地元から時々刻々入る冠水被害の情報が壇上の山下弘文氏から報告される。
16日  自民党農林部会の議員らが諌早湾干拓を視察、松岡利勝代議士は「自民党ある限り、排水門をあけることはない」と発言。
    18日  社民党土井たか子党首ら同党調査団が現地視察。
    20日 閣僚懇談会で、排水門を開けないことを了承。
    22日  都内で諌早干潟緊急救済本部主催の「守れ諌早干潟」東京集会開催。また日弁連が水門開放後に事業見直しを検討するよう求める声明を発表。
    23日  日本共産党が水門開放を政府要請。
    24日  日本野鳥の会長崎県支部が有明海沿岸3県支部と協力して、シギ・チドリ類の一斉調査。
    25日  福岡市の市民団体が、干陸地に地元から持ち込んだ水をまく「焼け石に水」作戦。
    26日 農水省と環境庁が調整池水質悪化防止を目的に「諫早湾干拓環境保全連絡会議」の設置を表明。
    27日 朝日新聞の世論調査で、水門開放に賛成が全国58%、長崎県54%。
    27日 県の調査で調整池のCODが閉め切り前の2倍に悪化していることが明らかに。
    28日 環境庁職員が現地視察調査。またこの日、日弁連諫早湾問題調査団が県庁などを訪れ、水門開放を求める。
    29日 自民党が民主党に事業の是非に関する公開討論を申し入れ。
    30日 農水省・環境庁による「諌早湾干拓環境保全連絡会議」の初会合で、「いつアオコが発生してもおかしくない」との報告がなされる(新聞報道1)。
    31日 諫早市で諌早干潟緊急救済本部と「諌早湾を考える議員の会」が集会。
1997年 6月  2日 「諌早湾を考える議員の会」が石井環境庁長官に水門開放を要請。
    3日 石井環境庁長官が「今、アセスをすれば違った判断をしたかもしれない」と発言。
    4日 「諌早湾を考える議員の会」の会合。水質悪化問題に関し「一度海水を入れて浄化すべき」との意見。
    5日 日本ペンクラブが水門開放を求める声明を発表。
    7日 地元推進団体「諫早湾干拓推進住民協議会」が2300人を集めて総決起大会。集会に参加した高田知事は「大都市の人たちは干渉してほしくない」と発言。
    12日 九州農政局に設置された「諫早湾干拓調整池等水質委員会」の初会合開催。
「諌早湾を守るアメリカNGO連合」が「干拓事業は国際条約違反だ」として、日本政府に事業の中止を要請するよう求めた書簡を国務長官らに送る。
    13日 堤防下から海水が入っている可能性高いと報道。
「ムツゴロウを殺すな!諌早湾を殺すな!」(週刊金曜日6月13日号)
    14日 都内で水門開放を求める集会とデモ行進に150団体・600人が参加。
    20日 長崎県が生活排水中の汚濁物質削減を呼びかけるチラシ4万枚を湾沿いの家庭に配布。
    22日 日本の環境保護団体が国連本部前で事業見直しを求める抗議行動。
デンヴァーでのサミットに出席中の橋本首相が、外国人記者からの質問に「諫早では過去にどれだけの水害が起こり、どれだけの人が亡くなったか、ご存じか」と色をなして反論。この頃、「ムツゴロウか人間か」との与党議員発言も。河口「ダム」の調整池には、中・上流の河川洪水の防止機能がないという一般人の常識は、なぜか農水省のレクを受けた政治家には通用しない模様。
    23日 「諌早干拓推進論のウソ」(AERA6月23日号)
  7月 8日 石井環境庁長官が、農水省の横やりで現地視察を中止。
6〜12日 諌早地方に大雨。田畑が冠水、住宅が床下浸水。事業の防災効果に再び疑問符がつく。
    27日 長崎市で「日本干潟サミット:諌早湾が問いかけるもの」開催。
  9月     諫早市が台所の水切袋を26000世帯に無料配布。
  10月 7日 諌早湾を撮影した写真展「干潟のレクイエム」が東京で開催。
    13日 日本湿地ネットワークがシギ・チドリ類の重要渡来湿地の保全を求める要望書を環境庁などに提出。
    14日 閉め切り後半年のこの日、国会や霞が関周辺で市民らが水門開放を訴えるデモ行進。
諫早干潟緊急救済本部、排水門開放を求める30万人の署名を首相に提出。
    17日 日弁連が諫干の見直しと、法的措置による干潟の生物保護を柱とする意見書を農水省・環境庁に提出。
  11月   「自然の権利訴訟」第6回公判で、田村干拓事務所長が、市街地への防災効果はないと証言。
1998年 2月   衆議院議員だった金子原二郎氏(金子岩三元農相の子息)が長崎県知事に。
  4月    閉め切りから1年。東京と諫早市で集会やシンポジウム。
20日 山下弘文・諫早干潟緊急救済本部代表が米国のゴールドマン環境賞受賞。
  5月 11日 日本ペンクラブの梅原猛会長らが現地訪問。
7月 19日 小長井町沖の赤潮発生後の貧酸素でアサリ大量死。被害は1億円近く。スズキやボラなど魚類も大量死(推計1万匹以上)。シャットネラ・アンティカというプランクトンの異常繁殖による。天然魚が死ぬ赤潮は諌早湾で初めて(週刊金曜日8月21日号記事)で、89年の観測開始以来最大規模の赤潮で、島原沖から熊本県側まで広がり8月上旬に消滅。
  10月 25日 諫早湾内で発生した珪藻赤潮が、幅1キロ、長さ十数キロの帯となって有明海へ。
  11月   有明海のタイラギ漁、事前調査で資源の減少が判明していたため9日遅れで解禁。大浦漁業では昨年の1割にも達しない水揚げ。
  12月    93年からの長崎県諫早湾に続いて、佐賀・福岡・熊本の3県でもタイラギ漁の休漁を決める。
1999年  2月    諫早市が、調整池の水質改善策としてヤシ油の台所洗剤23000世帯に無料配布。
3月   ギロチン工区を含めて潮受け堤防完成。総計では築堤工484万立米、サンドコンパクション50231本、湾口部からの採砂量257万立米。
  6月 3日 小長井漁協青年部の5人が赤潮で被害を受けたとして、第三者による調査や融資を求める要望書を県に提出。
7月 23日 諌早地方の集中豪雨で市内全域に避難勧告。床上浸水234棟、床下浸水427棟。諫干に洪水防止効果のないことが全市民に明らかとなって、農水省が喧伝する防災効果にまたしても疑問の声。
9月   アサリの斃死に抗議する小長井漁協の漁民が数隻の漁船に乗り、潮受け堤防北部排水門の前で「汚い水は流すな」などと抗議行動。
11月   農水省、事業計画変更を決定。事業完成予定が2000年度から2006年度へ、総事業費は120億円膨らんで2490億円、費用対効果は1.03から1.01に変更と発表。
2000年 1月 7日 湾の閉め切りから1/8で1000日を迎えることから、諌早干潟緊急救済東京事務所メンバーが農水省前でアピール行動
3月 7日 大浦漁協の振興研究部(大鋸幸弘部長)が、水門開放と工事の中止を求めるよう漁協役員会に申し入れ。
    17日 大浦漁協組合員が、漁船で排水門から調整池に突入し抗議。
    22日 大浦漁協の役員30人が、初めて干拓工事現場を視察。
25日 大浦漁協の漁師会(大鋸武吉会長)の25人が、排水門の開放を求めて北部排水門前で抗議行動。魚介類を供養するため、花束を海中に投げ込む。
4月 14日 大浦漁協の漁師会・振興研究会・周辺漁協有志の計150人が、70隻の漁船で北部排水門前に集結し排水門開放を訴える。
  6月  11日 朝日新聞が「農水省が「諌早湾」議事録を改ざん 委員ら抗議」と報じる。1月に開かれた「諫早湾干拓調整池等水質委員会」(委員長・戸原義男九大名誉教授)では、水質予測のやり直しでまとまったにもかかわらず、議事録では「再予測はしない」との結論が勝手に書き加えられたりしていたなどがわかったという。
7月 21日 諫早干潟の保護運動に献身した山下弘文氏、急性心不全のため、66歳で死去。
  8月  10日 湾内でシャットネラ赤潮が発生し、潮受け堤防周辺でチヌ・クチゾコ・スズキ・カニなどの死骸。小長井漁協でも養殖アサリ1027トンが全滅し、被害額2億6千4百万円。
    30日 小長井漁協が県に対し、原因の調査研究・水質改善策の実施・漁業振興支援策を求める要望書提出。
  10月 14日 新聞報道(1)で調整池でミクロキスティスと見られるアオコが発生していたことがわかる(アオコ毒について・・・国立環境研究所愛知県衛生研究所)。
12月 2日 衛星写真から諫早湾での赤潮発生確認。それが12月7日には有明海全域に拡大し、01年3月初旬まで継続。この間、有明海のノリ養殖は空前の大凶作となる。
2001年 1月 1日 松藤文豪氏(漁民ネット現代表)の呼びかけで、福岡、佐賀、熊本、長崎の漁民有志約1000人が漁船200隻で海上デモ。諌早湾の潮受け堤防前面でシュプレヒコールをあげる。その際、漁民たちは大量の大型プランクトン(リゾソレニアインブリカータ)が堤防前にキラキラと漂っている状況を目撃、諌早湾の閉め切りがノリ凶作の原因と確信。
    6日 福岡県有明海漁連が色落ち被害に伴い、ノリ網の一斉撤去を開始。
    10日 福岡県有明海漁連の組合長らが干拓現場を視察し、工事の一時中止と水門開放を九州農政局に口頭で申し入れ。また同日、熊本県漁連は、他の3県漁連と連携して原因究明を求めていくことを申し合わせる。
    11日 佐賀県有明海漁連が現地視察し、農政局干拓事務所川嶋所長に原因究明までの工事停止と水門開放を要請。所長は水質調査データから因果関係を否定。また同日、佐賀県東部地区漁協青年部会が集会を開き、漁連に抗議デモを行うよう提案。
    12日 佐賀・福岡・熊本・長崎4県の水産試験場研究員による緊急会議で、珪藻プランクトン増殖メカニズムの調査方針決定。
福岡県柳川・大川漁連が福岡県有明海漁業振興対策協議会に特別融資などの対策を要望。また同県高田漁連・大牟田漁連も各首長や議会に要請。
13日 佐賀県東部地区漁業協同組合青年部の呼びかけで2回目の海上デモ。4県の漁業者約1200人が漁船300隻で参加。
    15日 日本海洋学会誌「海の研究」に宇野木早苗「有明海の潮汐と潮流はなぜ減少したか」が掲載。
    17日 長崎県有明町漁協の組合員60人が海上デモを行い、調整池水質改善を求める要望書を農政局に提出。併せて南共第79号漁業権者会名でも、原因究明を求める要請。
福岡県有明海漁連が、水産庁の外郭団体「日本水産資源保護協会」に調査を依頼するよう、沿岸4県漁連緊急対策会議で提案することを決定。
18日 農水省、有明海のノリ凶作の原因究明と漁業者への支援策などを検討するための「有明海ノリ不作等対策本部」(本部長・渡辺好明水産庁長官)設置。
    19日 沿岸4県漁連会長会議で、長崎を含む4県漁連揃った抗議行動・海上デモの実施を申し合わせ。
    22日 長崎県漁連が抗議行動への不参加を決め、結局佐賀・福岡・熊本の3県漁連が農政局に抗議書を提出し、工事中止と水門開放を求める。応対した任田九州農政局長は、モニタリング調査では海域の水質に変化がないとして因果関係を認めず。
    23日 佐賀県有明海漁連もノリ収穫を断念し支柱撤去始まる。
谷津義男農水相が記者会見で「必要なら水門をあけて調査するのもやぶさかではない」と発言。水産庁栽培養殖課長が記者会見し、「3月末までに水門をあけて調査できるかどうかの判断はできない」と大臣発言を否定。
小長井・瑞穂・神代・土黒の湾内4漁協が、「調整池の汚濁水と泥が大量に流れ出る」として(実際は閉門時の排水で流れ出ており、開門後は海水が出入りするだけなので、誤解なのか意識的曲解なのか不明)、先週、県に開門に反対するよう要望していたことが明らかに。小長井漁協は合同デモに不参加を決定。また湾外にも漁業権を有する土黒漁協も参加する「南共第79号共同漁業権者会」の10漁協としても、デモへの参加は各漁協の自主判断とし、抗議目的を「調査の実施要求」に限定。
全国漁業協同組合連合会(全漁連)が「有明海ノリ不作等対策本部」を設置し4県漁連から情報収集開始。
    24日 民主党の鳩山由起夫代表が定例会見で「かねてから大きな問題として受け止め、水門を開けるよう要望してきた」と説明。貝類など海産物全体の収穫も減少している点にふれ、「このような被害状況を見れば、水門との因果関係は明らか。そもそも漁業被害が出るのは最初から予測されていた」と指摘。
    25日 長崎を含む4県漁連が、原因究明と漁業者救済策を求める要望書を関係省庁・自民党へ、また漁場環境調査を求める要望書を金子知事・長崎県議会議長に提出。また26日に予定していた合同デモは悪天候が予想されるため28日に延期を決める。
    26日 民主党が「有明海漁業被害対策・諫早湾干拓事業見直し本部」(本部長は菅直人幹事長、事務局長は原口一博議員)を立ち上げ。
    27日 菅幹事長ら民主党議員団が現地視察
28日  福岡、佐賀、熊本の3県漁連と長崎県の9漁協が参加する合同の海上デモ実施。漁業者6000人、漁船1300隻。陸側からは市民団体も水門開放に声援。デモ後に開かれた島原市漁協の会合では、長崎県漁連が3県漁連連名の開門要求に署名しなかったことへの怒りの声が相次ぐ。
29日 谷津農水省が現地視察し、水門開放に柔軟姿勢強調。同日、松岡利勝農水副大臣も「(4月以降に実施する)本格調査の中で必要だということが、専門家の判断として出てくれば、水門開放もあり得る」と述べる。
熊本県荒尾市の2漁協が市議会に早期原因究明を国に働きかけるよう要望書提出。また荒尾漁協のノリ生産者が市民に支援を呼びかけ始める。
2001年  2月 5日 民主党が谷津農相に水門開放を申し入れ
    7日 諫早湾干拓推進住民協議会と湾内タイラギ漁師でつくる新泉水海漁業権者会が、水門開放反対と干拓事業の早期完成を求める3400人分の署名を谷津農相に提出。
    8日 熊本県荒尾市長と荒尾漁協が、潮谷熊本県知事に被害救済策を要望。
    10日 長崎県南高・北高両海区漁業共同組合会と橘湾漁業復興対策協議会の会合が非公開で行われ、広域的な海域環境調査を国と長崎県に求めることで一致。
    11日 荒尾漁協が街宣活動を行い、ノリ不作やタイラギ不漁の窮状を訴える。
    13日 荒尾漁協が諫干事業の中止を求める署名活動開始。
    14日 全国漁業共済組合連合会による補償額が明らかに。佐賀県は18漁協すべてが加入していたため10億円、福岡・熊本県は凶作を前に解約が相次いでいたため各5億円、長崎県は生産規模が小さいためゼロの見通し。
    19日 湾内の新泉水海潜水器組合が湾内タイラギの成育調査。6年ぶりに稚貝の発生を確認。
    20日 西日本新聞特集「対論」。
22日 福岡県有明海漁連と熊本県荒尾漁協の漁民約1300人が、長崎県の諌早湾干拓の潮受け堤防上をデモ行進。排水門付近で抗議集会を開く。
23日  谷津農水相、記者会見で「(近く発足する)第三者委員会で、工事を中断して調査する必要があるとなれば、それもよしと思っている」と述べる。福岡県有明海漁連の荒牧巧会長らが熊本市の九州農政局を訪れ、諌早湾干拓工事の中止を求めて交渉。漁民約1300人もかけつけ庁舎になだれ込み、農政局に工事中止を迫る。また同日、佐賀県南川副漁協が現地視察を行い、諫早湾干拓事務所に水門の開放を求める。
24日  福岡県有明海漁連の有志約500人が諌早湾干拓の工事の出入り口を乗用車などで封鎖し、工事を実力で阻止(以後、農水省が工事中断を決定する3月31日まで続くことに)。佐賀県有明海漁連は谷津農相に事業中止を直接求めることとし、福岡県漁連の抗議活動には合流しない方針を申し合わせる。
26日  農水省が「ノリ不作等の原因究明」と「ノリ不作等対策に係る提言」を求めるため、水産庁を事務局として有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会(ノリ第三者委員会)設置。委員は、学者11人と佐賀、福岡、熊本、長崎の4県漁連会長の計15人。同日、福岡県有明海漁連による2回目の工事現場実力封鎖が行われる。
    27日 3回目の工事現場実力封鎖。荒尾漁協と佐賀県有明海漁連傘下の一部組合員も参加。
衆院環境委での鮫島議員の質疑から、86年諫干環境アセス委員会委員長名が藤川武信九大名誉教授(土質工学)、91年アセスは志村博康東大教授(水理学)と判明(議事録抜粋)。
    28日 4回目の工事現場実力封鎖。荒尾漁協有志が熊本県漁連に対し、漁連としての参加を要請。
2001年 3月 1日 翌々日に控えたノリ第三者委の初会合を前に、福岡県有明海漁連の組合員らが農水省周辺をデモ行進し、農水相に水門開放を求める12万2千人分の署名を渡す。同日、陳情先の自民党・古賀誠幹事長は、工事の一時中断と排水門開放によるノリ不作の原因調査の意向を示す。また地元では、5回目の工事現場実力封鎖。
2日 古賀幹事長、「長崎県との合意がなければ水門をあけることは絶対にありえない」と自民党長崎県連幹事長に釈明。また同日、谷津農相は「(ノリ第三者委員会委員の)一人でも(水門開放が)必要と言えば開けざるを得ない」と発言。
6回目の工事現場実力封鎖。福岡県有明海漁連の理事会では、ノリ第三者委に工事の即時中止と水門開放を強く求めていくことを確認。他方、湾内の新泉水海漁業権者会は記者会見を行い、水門開放は実力で阻止するとの強硬姿勢を示す。
3日  第1回ノリ第三者委員会開催。清水委員長は「検討する時間が欲しい」と開門調査の実施を先送り。佐賀県有明海漁連が、干拓事業の中止を谷津農相に訴える。福岡県有明海漁連は7回目の工事現場実力封鎖。
    4日 8回目の工事現場実力封鎖。
    5日 9回目の工事現場実力封鎖。島原市の5漁協が水門の常時開放を求める方針を決定。福岡県有明海漁連が、ノリ第三者委清水委員長の水門開放先送り方針を受けて、谷津農相の真意を確かめたいとして上京。小長井町議会は本会議で水門開放に反対する意見書を採択。
6日 谷津農相、工事の一時中止を表明。これを受けて福岡・佐賀・熊本の3県漁連は工事現場封鎖の解除を決定。また島原市の5漁協が、水門の常時開放を求める要望書を、島原市・長崎県島原振興局・九州農政局諫早湾干拓事務所に提出。他方、小長井漁協が水門開放反対の海上デモを行い、諫早湾周辺1市8町の首長・議員・住民が谷津農相に事業の推進を要請。農相は水門開放についてはノリ第三者委の提言を受けて判断する意向を示す。
    9日 佐賀・福岡・熊本の3県漁連が、谷津農相が表明した工事の一時中止を厳守するよう、農政局に申し入れ。 
長崎県國弘参事監が県議会で、市街地への防災効果がないことを認める。
    10日 島原市の5漁協が、水門の常時開放などを求める署名活動を行う。
    11日 諫早市で「諫早湾干拓推進住民協議会」が6000人を集めて水門開放に反対する総決起大会を開催。新泉水海漁業権者会が水門開放反対の海上デモを行う。
13日 第2回ノリ第三者委員会が開かれ、工事の一時中断と調整池水質調査の早急な実施を求める。これを受けて、農水省が工事を中断して調査を行う方針を決める。
    14日 佐賀県有明海漁協水産振興研究連絡協議会が、ノリ第三者委の委員である東幹夫・長崎大教授と瀬口昌洋・佐賀大教授を招き、勉強会を開催。
    19日 3県漁連が、ノリ第三者委の結論が出るまでの間は、工事再開の判断を行わないよう農水省と自民党に申し入れることを決定。
    21日 諫早湾干拓推進住民協議会が工事阻止の実力行使を行った福岡・佐賀の両漁連に抗議文。また同日、熊本県漁連が、事業の中止と水門の常時開放を求める請願書と荒尾漁協などが集めた5万5千余の署名を農水省に提出。
    22日 有明町漁協の臨時総会で、干潟再生のために水門開放を国などに求めていく方針を決議。
    23日 なぜ諌早の水門は開かないのか」(週刊金曜日3月23日号)
島原市の5漁協が長崎県漁連に水門開放を要請したのに対し、川端会長は水門開放には触れない方針と回答。
    24日 3県漁連は、ノリ第三者委で工事再開が容認された場合は、3県共同で阻止行動を行うことを申し合わせ。
    26日 有明町漁協が、水門開放を求める約1200人分の署名を九州農政局に提出。
27日 第3回ノリ第三者委員会開催。工事の凍結、比較のための排水門を閉じた状態での調査と将来の開門の必要性に言及した委員長まとめを発表。谷津農相は「委員会のとりまとめの内容を最大限尊重する」と応ずる。
    28日  3県漁連が工事の即時中止と開門の早期実現を求めるため、工事現場封鎖を再開することを決める。
    29日 福岡・佐賀・熊本の3県漁連が3月5日以来10回目の工事現場実力封鎖を行うとともに、九州農政局に対し全工事の即時中止を求める。また同日、森山町の農民300人も、水門開放に反対して干拓工事現場前で座り込みを行う。
    30日 3県漁連が11回目の工事現場実力封鎖。また自民党の古賀幹事長に水門開放の早期実施を求めたのに対し、幹事長は努力すると回答。
    31日 3県漁連の12回目の工事現場実力封鎖に、島原市5漁協も合流。実力阻止行動はこの日で中断し、4月2日からは工事の監視活動に切り替えることに。
環境省が「平成12年度有明海海域緊急環境調査報告書」(概要版)を公表。
2001年  4月 2〜4日 3県漁連が工事監視活動。九州農政局は、一部の防災関連工事を除き、他の工事は見合わせる。
5日 農水省、長崎県などに工事の再開計画を説明するが、再開時期は明言せず。
    6日 九州農政局が3県漁連に工事再開を申し入れるも、漁連側は拒否。
8日 諫早干潟緊急救済東京事務所など3団体が「市民による諫早干拓『時のアセス』」発表。費用対効果は0.3未満と試算(週刊金曜日4月6日号記事)。
    9日 日本ペンクラブ(梅原猛会長)が「諫早湾問題に関する緊急声明」文(井上ひさし氏執筆)を発表。
    12日 干拓の下請け工事に従事する小長井町漁協の漁民が九州農政局に工事再開を要請。福岡県有明海漁連は農水省に水門開放の早期実施を要請。
17日 第4回ノリ第三者委員会開催。1年間水門を閉じた状態での調査を行うとする事務局案を了承。開門調査は02年度以降へ先送り。
    19日 福岡県有明海漁連が農水省に対し、水門の即時開放を要求。
    20日 水産庁が佐賀・福岡・熊本の3県漁連に、2001年度ノリ漁期に限った特定漁業共済制度について説明。
    24日 3県漁連が水門開放時期の明示を求める要請書を農相に提出することを決める。
    27日 熊本県漁連代表が韓国の始華湖干拓の現地視察を行い現地漁民と意見交換。
2001年  5月 10日 3県漁連が、水門開放時期の明示・事業の見直し・ノリ以外の漁民救済策の実施を農相に求めていくことを申し合わせ。
13日 福岡、佐賀、熊本の3県漁連が福岡県柳川市で水門開放と工事の全面中止を求める総決起集会を開催。島原を含む1500人の漁民が参加。
    15日 日本海洋学会海洋環境問題委員会が「有明海環境悪化機構と環境回復のための提言」を発表。
    16日  島原漁業が自民党の加藤県議と共に辻原副知事に対して、有明海再生と漁民の生活支援策を要望。同日、3県漁連が農水省と自民党本部に対して、開門調査時期の明示などを要求。
    26日 武部新農相が3県漁連60人と懇談。漁業者側は開門調査の実施を改めて要求。
    30日  福岡県有明海漁連理事会で、6月末までに調整池の水質改善策が実施されなければ、排水の実力阻止も辞さない方針を確認。福岡県の「有明漁民の会」はこの方針を評価し、漁連と足並みを揃えることを決定。
2001年  6月 6日 佐賀県ノリ養殖漁業者がつくる「ノリ養殖安定対策検討会」が、養殖網の2割削減の生産指針をまとめる。
    7日 小長井漁協が、タイラギ不漁原因を調べるため93年に設置された「諌早湾漁場調査委員会」の調査結果公表を、武部農相に要請。有明町漁協が、事業見直しを求める要請書を長崎県辻原副知事に提出。
    8日 3県漁連でつくる「諫早湾干拓事業対策委員会」が、長崎県漁連も含む有明海再生を目的とする新委員会を発足させることを決める。
9日 農政局が設置した国営事業再評価(時のアセス)第三者委員会の審議始まる。
    12日 九州農政局が3県漁連に調整池の水質改善策を説明。
    18日 干拓事業の下請け工事業者らでつくる「諫早湾干拓事業地元被害者の会」が、工事中断で損害を受けたとして関係漁連を相手に損害賠償訴訟を起こすことを決定。建設・資材関係7社、4団体が原告。
    25日 事業推進の長崎県、湾内漁協や農協、商工会、住民団体などが「諫早湾干拓事業推進連絡本部」を設立。
2001年  7月 6日 農水省が小長井漁協に潮受け堤防中央部に排水ポンプを設置する方針を説明するも、漁協側は影響を懸念し反発。
    9日 諫早湾潮受け堤防から島原沖まで40キロにわたり赤潮の帯。
    13日 工事中断の影響で高来町の運送会社倒産。
    16日 九州農政局が佐賀・福岡・熊本3県の漁連、長崎県や地元自治体に対する説明会で、中断している防災関連工事について早期再開の意向を示す。3県漁連は回答を保留、長崎県と地元自治会は大筋了承。
    18日 「諫早湾自然の権利訴訟」の第三回口頭弁論。有明町の沿岸でノリ漁場を再整備する事業に着手。 
21日 前小長井漁協組合長・森文義氏、同漁協が長崎県との間に結んだ漁業補償契約の無効を訴え、提訴(いわゆる森裁判、錦織淳弁護団長)。
    23日 長崎県が潮受け堤防上に整備する一般県道を10月上旬に着工する方針を明らかにする。
    25日 第5回ノリ第三者委、中間報告を9月の委員会で政府に提言することに。
26日 諌早湾干拓事業下請け工事業者ら(小長井町の漁民が多い)でつくる諌早湾干拓事業地元被害者の会(山崎正人会長)が、ノリ不作をめぐる有明海沿岸漁業者の抗議行動で諌早湾干拓事業の工事が中断され、損害を受けたとして佐賀、福岡の漁連に総額3億円の損害賠償を求める訴訟を長崎地裁に起こす。原告は諌早市の西州建設など建設関連4社と工事向け資材販売の県海砂生産協同組合など2組合。
明海沿岸4県の漁民と諌早干潟緊急救済東京事務所(略称:諌早東京)の市民が、新しいネットワーク組織(後の有明海市民・漁民ネットワーク)を設立するための準備会を諌早市内に150名を集めて開催。小長井町漁協の前組合長・森文義氏と弁護団が同会場で、国と長崎県を被告とする裁判を提起したことを記者発表。
    29日 第3回事業再評価第三者委員会(議事録)。
2001年 8月 3日 長崎県のノリ不作対策・海面養殖高度化推進対策事業の一環として、貝類の生息環境を整えるために有明町漁協がノリ漁場となる沿岸を海底耕耘する。
    6日 長崎県諫早湾干拓協議会が武部農水相に早急な工事再開と事業の計画通りの推進を要請。西野陽環境大臣政務官が事業の現地視察。
9日 九州農政局、1991年に行われた環境アセスメントを検証する「諌早湾干拓事業影響評価レビュー報告書」を発表、「おおむね当初の予測に沿って推移している」と評価。データの非科学的で主観的な解釈が問題。
    10日 3県漁連の諌早湾干拓事業対策委員会が、九州農政局が提案した防災工事再開を了承しない方針を決定。工事を11月まで再開しないよう求める。
    17日  8月上旬に発生した赤潮で小長井漁協は3千万円以上の被害と発表。
18日 九州農政局、第4回事業再評価第三者委員会に「事業継続」を諮問。委員からは厳しい意見(議事録)。
19日 有明海再生を目的として、有明海沿岸4県の漁民と一般市民、大学教授、弁護士らが諌早市で有明海漁民・市民ネットワーク(略称「漁民ネット」)の結成大会を開き、森文義氏を初代代表世話人に選出。事務局は諌早干潟緊急救済東京事務所(諌早東京)のメンバー。
    20日 九州農政局が防災工事の一部を再開、福岡県漁連が強く抗議。
    23日 工事の一部再開を受け福岡県有明海漁連が現場を視察。諫早干潟緊急救済本部など4つの市民団体が農水省に事業中止を求める要請書を提出。小沢和秋衆院議員ら共産党調査団が干拓現地を視察。
24日 それまでの委員会論議で事業の抜本的な見直し答申への期待が高まっていた事業再評価第三者委員会最終回が、会場周辺で漁民や市民が見守る中、開催される。答申は「「土地改良法改正の趣旨を踏まえ、環境への真摯かつ一層の配慮を条件に事業を見直されたい。社会経済の変動が激しい今日、諸般の事情を含めて事業遂行に時間がかかりすぎるのは好ましくない。叡知を尽くして取り組むことが肝要である。」となり、事業の休止・中止に踏み込まず。(議事録
    26日 佐賀県の若手漁業者でつくる「佐賀有明の会」の記念大会、干拓事業の全面見直しを求めるなどとした大会宣言を採択。
    27日  環境省が水質保全対策の実施と生物への影響調査の強化が必要とするレビュー報告書に対する見解を発表。
九州農政局が3県漁連に対し、20日に再開した工事について「必要最小限の工事をノリ漁期前までに終了し、残りは11月初旬まで再開しない」と説明。佐賀・熊本両県漁連は不満ながら一応了解するが、福岡県漁連は反発。
金子長崎県知事と関係一市八町の首町らが干拓事業の計画通りの推進を農水省に要請。
28日  武部勤農相が再評価第三者委員会の答申を受け、規模縮小を含む事業の見直し方針を表明。
長崎県の地元自治体と諫早湾干拓推進住民協議会が武部農相に工事再開を求める抗議文を送付。
    29日 加藤寛治長崎県議会議長らが干拓事業の推進を武部農相に要請、農相は事業見直しに理解を求める。
    30日 長崎県建設業協会諫早支部が干拓工事の早期再開と計画通りの完成を吉次諫早市長に要請。
    31日 有明町漁協が今漁期のノリ網を張る支柱の設置作業を開始。
新泉水海潜水器組合がタイラギの定期成育調査結果を公表、9年連続休漁が決定。
 2001年 9月 1日 佐賀県南川副漁協が有明海再生を求めるアピール行動を県内で実施。
    4日 独立行政法人水産総合研究センターが7月に佐賀県沖から諫早湾にかけての有明海の海底付近で貧酸素水を観測したと発表。
    5日 農水省の内部検討会で、来春予定している開門調査を短期と中期に分ける検討を開始する。
諫早湾干拓事業推進連絡本部が九州農政局に干拓工事の早期再開を要請。
    7日 共産党長崎県委員会が事業中止と排水門開放を長崎県に要請。
    8日 自民党長崎県連が推進派住民らと意見交換し、干拓工事の再開を訴える。
京都の大学生42人が佐賀県太良町竹崎の漁業者らと意見交換会を開く。
    9日 有明海漁民・市民ネットワークが主催する干拓事業の抜本的見直しを求める緊急集会開催、約800人が参加。
    10日 福岡県有明海漁連が九州農政局に現在進行中の工事の中止を要請、農政局側は11日午前での撤収を表明。
共産党中部地区委員会が事業中止と干潟再生を吉次諫早市長に申請。
    13日 諫早湾干拓事業に従事する長崎県内の工事関係者やタイラギ漁民らが、中断している工事を再開するよう九州農政局に申し入れ。小長井漁協としての要望は(1)諫早湾を漁業経営ができる海に返す(2)諫早湾干拓事務所が実施したタイラギ漁場への影響調査の報告書を早急に提出する、の二項目。
    14日 熊本県荒尾漁協がノリ網を張る支柱の立て込み作業を開始。
    18日 長崎県小長井漁協と小長井町が農水省に干拓事業の推進と早期完成を陳情。(1)干拓事業での雇用確保(2)事業の計画どおりの早期完成(3)潮受け堤防排水門の開放反対等を要望。
環境省が「諫早湾における夏季環境調査」結果と「有明海水質等状況補足調査の結果」を公表。
    20日 第6回ノリ第三者委が数年間の開門が必要とする中間とりまとめ
    22日 諌早市など住民ら約8000人が「諌早湾防災干拓推進大会」を開催。
2001年  10月 2日 森裁判の第1回口頭弁論。国側は全面的に争う構えを示す。
    3日 共同通信社がノリ養殖を行っている漁協を対象にアンケートを実施。回答のあった44漁協のうち9割以上が、国営諌早湾干拓事業を中止か縮小すべきだと考えていることが判明。「廃業を考えている組合員がいる」とした漁協も3割を超える。
    4日  熊本県水産研究センターが玉名郡長州町沖から菊池川河口域にかけての有明海で赤潮が発生していることを確認。
長崎県有明、瑞穂両町の有明海沿岸で、ノリの種を網に付着させるための「網入れ」作業。長崎県でノリ養殖を営む漁業者は両町と国見町、島原市の27経営体。
干拓事業中断の影響で小長井町の採石会社、早田石材工業が事実上の倒産状態。干拓事業の中断に絡む倒産は高来町の砕石運送会社に続き2件目。
    6日 ノリ第三者委員会の排水門部会(座長・磯部雅彦東大教授)の非公開会合、来春以降実施する開門調査の実施時期や方法について協議。
    12日 農水省が干拓事業の見直し計画について、調節池は開門調査後に再び淡水化し、農業用水として利用する方向で検討していることを明らかにする。
    15日 有明町漁協が、開放調査の容認や事業中止などを長崎県に要望。
    16日 漁業者の抗議行動によって干拓事業の工事ができずに損害を受けたとして、長崎県の建設業者が、福岡・熊本の漁連に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論。
    26日 有明海漁民・市民ネットワークが事業の抜本的見直しを求め、農水省(奥田課長補佐)と初の直接交渉。宇野木・宮入教授、各党議員ら同席。
30日  農水省が事業見直し案を長崎県に提示し発表。干拓予定規模を半分に縮小するものの、排水門は開放せず、事業は計画通り2006年度に完成させる方針。結局、事業再評価第三者委員会が求めた有明海への環境配慮のための見直し案とはならず。
    31日 農水省が熊本・福岡・佐賀3県の漁連会長に干拓事業の見直し案を説明。漁連会長らは調節池内を淡水化することに疑問を示したものの、同案が最終案でないことから、排水門開放などについて論議しているノリ第三者委員の行方を見守りたい意向。
2001年  11月 1日 有明海沿岸4県・48市町村の首長が「有明海がんばれサミット」開催。
    2日 福岡県水産海洋技術センター有明海研究所が大牟田市沖のタイラギ漁場で成貝が斃死しているとの調査結果をまとめ、福岡県有明海漁連に報告。
武部農相が「淡水の生態系がすでに定着している現状もしっかりと考えながらやっていく」と述べ、常時開放に否定的な姿勢を示す。
    9日  漁民ネットが、農水省と2回目の直接交渉を行い、縮小見直し案に抗議(声明)。
福岡・佐賀・長崎・熊本の4県が、漁業振興と環境保全を柱とする「有明海特別措置法」(仮称)の早期制定の要望書を自民党に提出。
干拓事業とタイラギ不漁の因果関係を調べる九州農政局の諌早湾漁場調査委員会は、8,9日に予定していた調査結果を取りまとめる最終会合を急きょ延期。今後の開催日程は未定という。
    15日  農水省の岩永政務官が、佐賀、福岡、熊本3県を訪れ、今季の初入札を目前にしたノリの収穫状況などを視察。熊本県漁連の井手正徳会長に、中断している諫早湾干拓事業の再開に協力するよう要請。
    17日 諫早市で有明海の環境と諫早湾干拓をテーマにしたシンポジウムが、日本科学者会議九州地区の主催で開かれる。 
    18日 「『宝の海』有明海を守る荒尾市民の会」(前田力会長)主催の講演会で漁民ネット・森代表が講演。
    19日 熊本市から宇土市沖の有明海ノリ漁場で、ノリの色落ち被害発生。
    20日  約9ヶ月間中断している工事の再開を九州農政局が示している問題で、福岡県有明海漁連は、組合長会を開き、一切の工事を認めない方針を決める。今月中にも佐賀、熊本の各漁連と協議して3漁連としての対応を決定する。九州農政局は、干拓地のうち約百haの「小江工区」で今月中旬に農地整備などを始めるのを皮切りに段階的に工事を再開する意向。これに対し福岡県有明海漁連は、不漁不作の原因究明が終わっていないことを挙げ、水門開放の議論もまとまらないうちに工事だけ一方的に進めることを認めることはできない、との意見で一致。
    23日 熊本市沖合を中心に広がっている養殖ノリの色落ちが、荒尾市沖でも出始める。
長崎県養殖ノリ魚場の色落ち被害などを調べるため、県南水産業普及指導センター(島原市)は、臨時のノリ漁場調査を沿岸、沖合計5ヶ所で実施。ノリ漁場では赤潮が10日頃から見られた。
    24日 熊本漁連の第二部会(熊本、宇土両市の9漁協で構成)や県水産研究センターなどは、被害状況を調査。熊本市・河内から宇土市・網田までの沖合のベタ流し漁場では、色落ちが広範囲にわたり深刻化、ほぼ全滅していることを確認。
    25日 新泉水海潜水器組合(松永秀則組合長)は、南高瑞穂町内で総会を開き、今季の休漁を決めた。休漁は九年連続。
    27日 熊本県漁連の第二部会が、ベタ流し漁場のノリ網を一斉撤去することを決める。
28日 佐賀、福岡、熊本の3県漁連会長会議が熊本市で開かれ、福岡の会長は工事再開に反対したが、佐賀、熊本の会長は認める。
    29日 荒尾・玉名地域まで広がっている色落ち問題で、同地域の8漁協でつくる県漁連第一部会(会長、青山行男・横島漁協組合長)は、組合長会議を開き、荒尾など4漁協が網の一斉撤去を決める。
2001年 12月 3日 金子知事が県議会で「開門調査は容認できない、事業は85%進んでおり見直しの必要性も釈然としない。まずは工事の再開」と答弁。
    7日 海洋気象学会など3学会と長崎大がシンポ「有明海の海洋環境」開催。
武部農水相、来年1月の工事再開を表明。
    10日  有明海沿岸4県の住民グループでつくる「環有明海住民運動連絡協議会」の約20人が九州農政局に対し、工事が中断している諫早湾干拓事業の中止などを申し入れ。12日に予定されている漁民ネットと九州農政局との交渉に当たっての質問項目を事前提出。
    11日 県が諫早市など1市8町の首長と協議。工事再開と開門調査反対を条件に事業縮小案を受け入れへ。
12日 長崎県の金子原二郎知事が工事再開を条件に農水省の事業見直し案の受け入れを表明(県と国との確認文書)。
漁民ネットが農水省の工事再開方針に抗議して九州農政局と初の直接交渉を行い、武部農相宛申し入れ書を提出。
    14日 小長井町議会は、干拓事業が防災機能を発揮する一方、潮受け堤防工事が本格化したことから二枚貝タイラギが激減したなどと指摘したうえで「潮受け堤防が諫早湾、ひいては有明海に及ぼしていると考えられる環境負荷を可能な限り軽減する排水方法の早急な検討を要請する」などとする決議を採択。
    17日 諫早干潟緊急救済東京事務所など2団体がノリ第三者委に、水門を長期開放した調査の実施などを求める意見書を送る。
    18日  諫早市議会が、事業の早期完成が市の防災機能強化と農業政策に必要不可欠として「排水門開放調査の絶対反対」や「毅然とした本格的工事再開」を明記した同事業の推進決議案を賛成多数で可決
19日   ノリ第三者委員会が、「「諫干事業は有明海全体の環境に影響を与えていると想定される」として、2ヵ月程度(短期)・半年程度(中期)・数年(長期)の開門調査を正式提言。農水省の木下寛之・農村振興局長は「(干拓)事業と開門調査は切り離して考えていく」と発言し、開門調査の推移や結果にかかわりなく干拓工事は進めたいとの意向を示したが、何のための調査かと疑問の声。
金子知事は「県は事業の見直し案を了解しているが、今回の委員会の取りまとめはその見直し案に影響が及ぶことが懸念され、農水省がどのような判断をするか見極めたい。開門調査は、漁業や背後地への影響など地元に多くの不安があり容認できない」などとするコメントを発表。また森山町議会は「排水門開放に絶対反対する意見書」を可決
    21日  来年度予算で事業費六十億円を計上、有明海再生対策は五つの新規事業など計二十二億三千二百万円が認められ、ごみの回収をする環境整備船は十億円で新造が内定。
2002年 1月 7日 農水省、翌8日から工事再開と発表。01年2月以来約10ヶ月ぶりで、小江干拓地の農地整備や排水樋門工事から始める予定。
8日  漁民ネットの漁業者たちが小江工区西ゲート前に夜明け前から集まり、「工事の中止で今シーズンのノリは昨シーズンより良くなった。今、再開したら台無しだ」「来るなら来い、ひと思いに轢いてくれ」「4年連続のタイラギ休漁で死活問題を通り越している、いっそのこと自分を踏みつぶせ」などと工事車両の前に立ちふさがり通行を阻止。干拓事務所職員や諫早湾干拓推進住民協議会幹部など百数十人がごった返す現場には警察官も出動。一方、福岡県有明海漁連の荒牧会長ら20人も干拓事務所を訪れて抗議文を提出。
9日  福岡県漁連や漁民ネットの漁業者達が工事ゲートを封鎖する中、農水省は別のゲートから工事車両を搬入し小江の工事を再開。同日、荒牧会長ら5人の漁連役員が上京して農水省に直接抗議。また漁民ネットも、事業の再見直しなどを求める抗議声明を発表。
    10日  福岡県の漁業者ら40人が早朝からゲート前に座り込み、工事用車両の通行を阻止する3日目の抗議行動。
また農水省の渡辺好明事務次官は記者会見で、「閉門した調査が終わり次第、早期に準備し関係者の理解を得るよう努力する」と述べ、四月以降のできるだけ早い時期に開門調査を実施する考えを示す。
諌早湾のタイラギ死滅原因解明のため、九州農政局が93年に設置した漁場調査委員会(委員長=秦章男元長崎県水産部長)が「原因は不明」との結論を発表(報告書11MB)。委員会開催は5年ぶり。底質の細粒化や貧酸素を示すデータもあり、タイラギ不漁との関連が疑われたが、それが工事によるものかどうかデータが不足し断定できなかったという。結論に対し、九年連続休漁を余儀なくされているタイラギ漁師らが反発。

    11日 工事阻止行動4日目。この日も重機は搬入できず。
共産党の筆坂秀世政策委員長が長崎県庁で記者会見し、農水省が漁業者らの抗議行動の中、工事を再開したことについて「漁業者の反対を無視した非民主的なやり方」「費用対効果が基準を下回り、防災効果も不十分で完全に破たんしている」などと批判。さらに事業の工事受注企業に農水省のOB三十三人が天下っていると指摘、「これだけ問題になっている事業が食い物になっている」と非難した。
諫早干潟緊急救済東京事務所のメンバーらが、農水省前で「ムダな干拓事業を見直し、干潟の再生を」「農水省は諫早湾の干拓工事を即時中止せよ」などと書かれた横断幕を掲げ、出勤してきた同省職員らに「狂牛病と全く同じ構図だ。有明海が死の海になることが計画段階から指摘されていた」とマイクで呼び掛けた。同事務所の矢嶋悟幹事は「(開門調査を求めた)調査検討委員会の提言を受け、農水省は見直し案を変更しなければいけないのに、工事を再開したのは手続き論としておかしい。防災対策といっても実質は農地造成で、緊急性はない」と話した。
長崎県県南水産業普及指導センター(島原市)は十一日、長崎県の養殖ノリ漁場調査(十日実施)で南高瑞穂、国見両町の沿岸、沖合計六カ所で「色落ち」被害を確認したと発表した。うち沖合の二カ所は重症。
    12日 工事阻止行動5日目。
タイラギ不漁の因果関係を調べる漁場調査委員会がまとめた「干拓工事の影響は不明」との調査結果を踏まえ、小長井町漁協(新宮隆喜組合長)は全員協議会を開催。結果に不満を示しながらも抜本的排水対策や新たな漁業振興策を国や県に求めていく方針を確認した。組合員の中からは「堤防撤去」を求める意見も。
    13日 工事阻止行動6日目。
    14日 工事阻止行動7日目。
九州農政局の第九回諫早湾干拓調整池等水質委員会(委員長・戸原義男九州大名誉教授)は、同事業の規模縮小の見直しに伴い、調整池の水質予測を再度行う方針を申し合わせ。次回会合で予測値を示す方針。
ノリ第三者委員の東幹夫・長崎大教授が、長崎市で開かれた県生物学会(会長・中西弘樹長崎大教授)で講演し、干拓事業と二枚貝・タイラギの不漁との因果関係を「不明」とした九州農政局の諫早湾漁場調査委員会の調査結果について「影響は明白であり、逃げの結論だ」と批判。
    15日 工事阻止行動8日目。九州農政局の上野敏光整備部長は諫早市内で記者会見し、福岡県有明海漁連の漁業者らが工事再開に反対して阻止行動を続けていることに対し「一日も早く本格工事が再開できるよう説得を続けたい」と述べる。
WWFジャパン・日本自然保護協会・日本野鳥の会は共同で、農水省に対し「事業を凍結して有明海異変の原因究明を進め、環境回復対策の検討を最優先すべきだ」とする抗議声明を提出。
農水省は、同省を訪れた福岡県有明海漁連の幹部に対して、今月から再開した諫早湾の干拓工事について、中断している中央干拓地についても工事を再開する姿勢を示す。
    16日 工事阻止行動9日目。福岡県漁連は組合長会議を開き、「今後も工事に反対する姿勢を貫くが、阻止行動は見合わせる」と決定し、同日午後に撤収。また佐賀県有明海漁連に続き熊本県漁連も、農水省が予定する中央干拓地整備工事の再開について、陸上工事なので海域に影響を及ぼさないとして同意する方針を決める。
自民党は、有明海の再生を目指す特措法案の大枠を固める。
    21日 福岡県有明海漁連組合長会議は、開門調査の4月実施などを条件に西工区工事再開を容認し、佐賀・熊本漁連と歩調を合わせる方向に。
    23日 3県漁連会長が会合をもった熊本市のホテルに漁民ネットの漁業者達が訪れ、工事再開を容認しないよう申し入れ。
    24日 中央干拓地の工事も再開。
    28日 諌早東京事務所など3団体が、防災問題をめぐり金子知事に公開質問状
2002年  2月 2日 諌早東京事務所などが、事業の再見直しと工事中止を求めて東京などで署名活動を開始。
3日 長崎県知事選で金子原二郎氏が再選。
    6日 福岡県が矢部川河口の栄養塩が低下しているとして日向神ダムから放流予定と発表。
    8日 環境省が海水と底の泥を採取し、トリブチルスズやトリフェニルスズなど七種類の検出の有無や濃度を調べると発表。
    14日 北原農村振興局長が金子知事を訪ねて開門調査への理解を求めるも、知事は「ノリは今年とれている」として物別れ。
    19日  熊本県漁連(井手正徳会長)組合長会議で、昨期に続いてノリ漁期を一定期間延長を決める。また「宝の海有明海を守る荒尾市民の会」のメンバー約十人も県漁連会館を訪れ、入札業者らに反対運動への賛同を呼び掛ける。
    26日 熊本県環境審議会水保全部会(弘田禮一郎会長)が、従来の水質調査の回数や調査地点の増加を決める。
2002年  3月 6日  農水省は早ければ4月から2ヶ月間の開門調査を行う方針を決める。
7日 農水省、短期開門調査にコンピュータ解析などを組み合わせた開門総合調査を4月から行うと発表し、宮腰政務官が長崎県内で説明を行うも反発が続出。
    8日 宮腰政務官らが佐賀市で3県漁連に短期開門調査方針などを説明。
    9日 10日に予定している海上デモについて漁民ネットが大牟田で記者会見。
10日 「漁民ネット」の呼びかけで諌早湾干拓事業の中止と中長期の開門を求めて有明海沿岸4県漁民2600人が漁船600隻で海上デモ。デモ後、干拓事務所に要望書を提出。
27日 農水省が事業計画変更案を長崎県に提示。その中で規模縮小に伴い投資に対してどの程度の効果があるかを示す費用対効果が土地改良法で新規事業採択に必要とされる1.0を下回り、約0.83となったことが明らかに。総投資額2554億円に対し、効果の総額は2130億円の見込みで、約424億円の赤字になる。
環境省が水質等状況補足調査結果を公表。
2002年  4月  8日 短期開門の開始時期について、農水省が15日の大潮を軸に長崎県と調整していることが明らかに。
    9日 武部農相は調整池に面する旧排水樋門が地元管理となっていることを挙げて、地元の理解なしでの開門は困難」との認識を示す。
    10日 諫早湾干拓事業推進連絡本部(本部長・栗林諫早商工会議所会頭)は、諫早市内で評議員会を開き、開門調査に断固反対することを再確認。 
    11日 農水省が長崎・諫早両市内で水門開放調査の地元説得の説明会を開催するも決裂。
    12日 武部農相は地元関係者全員の同意は不要と表明し、開門調査の準備を本格化。
また同日、長崎県は潮受け堤防上に計画していた道路建設に着手。当初、2001年秋の着工を予定していたが、堤防の構造変更のため国土交通省と農水省の協議に時間を要したことなどから約半年遅れ。
    13日 12日の武部農相発言に対し金子知事が「信頼関係が重要だということを理解していない」と怒りをあらわに。
    14日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林本部長)は高来町で開門調査に反対する集会を開き、3000人が参加。
他方、諫早市の白浜海岸では閉め切りによって失われた干潟の生物への慰霊祭が行われ、環境保護団体や有明海漁民など150人が参加。午後からは諫早市民センターで諫早干潟緊急救済本部主催による「なくすな干潟、とり戻そう宝の海」と題するシンポが開催された。
15日 東京で深夜、長崎県知事と佐賀、福岡、熊本の3県漁連会長が武部農水相の仲介で会談。2006年度干拓事業完成を3県漁連会長が了承するかわりに長崎県知事がノリの第三者委員会が提言した短期開門調査の実施を了承する政治決着。古賀誠、久間章生両衆院議員も同席、中・長期開門調査は事実上不可能に。これに対し漁民ネットなど3団体は、短期開門調査だけでは不十分とする緊急声明を発表。
    16日 金子知事が、一市八町の首長や諫早湾防災干拓事業推進連絡本部の評議員らに開門調査容認の経緯を説明。小長井町漁協の新宮組合長は「漁業者として開門調査には絶対反対。短期調査では有明海再生の問題は解決できず、生態系を破壊するだけ」と話した。
同日、諌早東京事務所や漁民ネットなど3団体は、国会内で武部農相に面会するとともに、衆参両院に長期の開門調査を求める2万4千人の請願署名を提出。また同夜は谷津前農相などを招き、東京千代田区の星陵会館において「政治は有明海を救えるか」と題した集会を開催。
    19日 農水省が約1年2ヶ月ぶりに調整池内の水域工事を再開したが、九州農政局は14日の会合で3県漁連とも合意したと主張したのに対し、3県漁連側はだまし討ちだとして批判。
諫早市など地元一市八町の各種団体で組織する諫早湾防災干拓事業推進連絡本部の代表が金子知事を訪ね、短期開門調査の受け入れを伝える。また長崎県議会も全員協議会を開き、短期の開門調査を容認。
    20日 小長井町漁協は「工事の早期完成が漁場の早期安定にもつながる」として短期開門調査容認を決定。同漁協によると、農水省は一連の説明で(1)調査に伴う被害補償(2)水産振興策(3)漁場再生への改善策―の3点について具体的に湾内4漁協側に確約。その中で、今後数年にわたる被害を補償対象とすることや、排水対策として同湾内に南北排水門付近に導流堤を建設することが盛り込まれているという。
    21日 開門調査に伴う後背地の塩害対策として排水樋門に土のうなどを設置する準備作業を開始。24日に開始する方針の海水導入を前に、23日までに作業を終える予定。
    22日 導流堤の02年度着工、覆砂・海底耕耘、農水省から諫早湾地域振興基金への資金助成と同基金を通した地元漁協への拠出など、農水省の水産振興策が明らかに。
    23日 南共第79号漁業権権者会などの要請で、農水省が島原・有明町漁協などへ短期開門調査計画の説明会開催。中長期開門調査を求める声が相次ぐ。
九州農政局は、調査方法や管理、運営に関し学識経験者の指導、助言を受ける第3者機関「諫早湾干拓事業開門総合調査運営会議」(塚原博座長)を発足。
24日  短期開門調査が始まり、97年4月以来5年ぶりの海水導入。海水の導入は約1ヶ月の予定で、その後1ヶ月かけて淡水に戻す計画。
金子知事が、背後地や漁場の監視を県独自で行う意向を表明。
また事業見直しを求めている有明町漁協の漁業者約10人は、3隻の漁船で北部排水門近くに進み、魚やカニなど数十匹を海に放流。中長期間開門調査の実施や豊かな有明海の再生を願った。
    25日 環境省の中川事務次官は定例会見で、農水省が始めた開門調査について、「(農水省の)調査検討委員会の提言に基づき、中、長期の調査を行うべき」として、短期調査ではなく時間をかけた調査が必要との考えを示す。
    26日 日本自然保護協会が「閉め切り後の調整池から排出される水に含まれる有機物の濃度が、農水省や環境省の試算の3〜6倍に上がり、有明海全体の13〜17%を占める」との調査結果を発表。
2002年 5月 1日 海水導入が進む調整池に生息する淡水魚などの捕獲・避難作業が開始される。
    7日  都内で日本自然保護協会と漁民ネットが6〜8月に予定している貧酸素水塊調査に関する記者会見。
同日、漁民ネットなど3団体が「短期開門は科学的解明よりも諫干問題の政治的決着をめざしたもの」「有明海異変の原因追求の場としてノリ第三者委員会を設置しながら、さらに運営会議を設置する意義はなく、また同会議のメンバーに、1986年に行われた環境アセスの委員が含まれている」などとする意見書を九州農政局に提出。
    8日 長崎県労連系の労組、市民団体などでつくる諫早湾の干潟を守る長崎県共同センター(高村代表)が、諫早湾干拓事業中止などを求める要請書への署名協力を長崎市内で市民に呼び掛け。
    10日  小長井町地先のアサリ養殖場で、弱ったり死んだアサリが発見。長崎県県南水産業普及指導センターは「数的に少ないが、今後の状況を見たい」としている。関門調査の開始後、小長井町漁協に組合員から「アサリが弱っている」などの連絡があったため、10日午後、同町漁協職員が町内2ヵ所で養殖場を調べた。農水省は、開門調査の実施に際して、排水で調整池中の濁り(浮遊物質)が周辺海域に拡散するため、アサリ漁場などに影響が出る可能性が予測されるとしている。
農水省は、長崎県小長井町地先で、干潟機能の保全策を調べるための試験施設の造成工事を開始した。7月までに完成され調査に着手する。九州農政局によると、施設は護岸の堤防付近から沖合に向かって造成し、広さ約2.5ha。全体を砂で覆い、陸側を除く三面を石積で囲むなどして周辺のアサリ漁場に砂が流出するのを防ぐ。諫早湾干拓事業の一環で取り組む。
    12日 福岡県有明海漁連の組合長会議終了後、組合員ら約150人が会議場内に入り、組合長達に対し工事中止を農水省に求めるよう迫ったため、各組合で検討のうえ20日に再度組合長会議を開き結論を出すことを決めた。
    13日 佐賀有明の会(川崎賢朗会長)の25名が佐賀県有明海漁連を訪れ、山崎会長に堤防の全面撤去と干潟再生を踏まえて国と交渉するよう要求書を提出。
    20日  短期開門調査による海水導入が終了。農水省は「(調整池を)できるたけ海水に近い状態にしたい」としていたが、表層や奥部では海水化が十分に進まなかった。2〜3週間程度実施予定だった1日2回の本格導入は、降雨の影響や小潮のため7日間しか実施できなかった。
福岡県有明海漁連は、同県三橋町の同漁連で組合長会議を開き、干拓事業の2006年度の完成と工事再開について、いずれも反対することを決議。
漁民ネットと日本自然保護協会は、6月から共同で実施する有明海一帯の海中酸素量調査を前に、市民ボランティア向けの説明会を東京都内の同協会で開いた。研究者と漁民、市民らが「ありあけ大調査」と銘打って実施する。25・26日の両日は佐賀、福岡両県で漁民らを対象に説明会を開く。調査期間は8月までの約3ヶ月。諫早湾と有明海一帯の計77地点で海中の酸素濃度を測定。底生生物死滅の原因となる「貧酸素水塊」の発生状況など分析。
    21日  金子知事は定例記者会見で、干拓事業の短期開門調査の海水導入が終了したことについて、「心配していた災害もなくほっとした」としながらも、あらためて中、長期の開門調査には反対していく考えを明らかにした。農水省は中、長期の調査について、短期調査の結果などを踏まえ、本年度中に設ける「新たな場」の議論を経て決定するとしている。
自民党は、海域環境の保全と改善、水産資源の回復と漁業振興の2つを柱とする「有明海と八代海再生特別措置法案」をまとめる。
    23日  与党による議員立法で本国会に提出が予定されている有明海再生特別措置法の早期成立を求めて麻生渡福岡県知事、辻原俊博長崎県副知事、徳島惇長崎水産部長、河野延夫熊本県出納長ら福岡・長崎・佐賀・熊本の関係者30名が急遽上京し、衆参の農水委員長や古賀自民党有明海ノリ等被害調査対策本部長らと面会し、陳情。
    26日 福岡市で九州農政局の諫早湾干拓事業開門総合調査運営会議(座長・塚原博九州大名誉教授、委員9人)が開催され、同局が干拓事業の短期開門調査の実施状況と今後予定している類似干潟現地調査計画や水質変化をコンピューター解析する流動解析計画などを報告。
    28日 「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案」が古賀誠他9名によって与党議員立法として衆議院に提出。
    31日  事業の規模縮小見直しに伴う事業計画変更案について長崎県は、「異議なし」とする武部農相あての回答書を送付。干拓地面積が縮小しなければ、洪水時の調整池計画水位は実に3.17mとなっており、背後地一帯が冠水するところだった。
2002年  6月 1日 福岡県有明海漁連は組合長会議で、工事中止のほか、中長期開門調査の実施、所得補償の実施、有明海再生特別措置法の今国会での成立、など5項目の農水省申し入れ項目を決める。
独立行政法人水産総合研究センター(横浜市)は、有明海の海底の泥に含まれる有害プランクトンの分布を調べる環境調査を、6月4日から8日まで実施すると発表。有明海の22ヵ所で海底に堆積した泥を採取し、有害プランクトンの休眠胞子が含まれる量を分析するほか、水温や塩分の濃度など海底環境のデータも収集し、有明海でのノリ不作の原因究明に生かす。同センターは環境調査を7・11両月も実施予定。
    2日 有明海再生法への対案の提出を決めた民主党は、福岡県大川市で有明海漁民等300人からの意見聴取のため「有明海法案ヒアリングin福岡有明」を実施。菅幹事長ほか地元選出国会議員が参加。
    3日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(本部長・栗林英雄諫早商工会議所会頭)は、民主党が福岡県大川市の2日の公開ヒアリングで諫早湾干拓事業の3年間凍結などを盛り込んだ独自の特別措置法案要綱を提示したことについて、本部長名で「長年水害に見舞われた諫早湾地域の事情を直視しないやり方」などとする抗議のコメントを発表。
    4日 農地を半減する見直し案について、長崎県が先月末に同意したのを受け、農水省は事業の変更計画を決定。
6日 漁民ネット、与党が提出した「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案」(有明海特措法)には諌干条項が含まれておらず実効性がないとして、連日衆院第一議員会館前で座り込みを始める。与党案の廃案などにめどがつくまで連日交代で続ける構え。同ネットは同日、排水門の長期開放など「諫早湾干拓事業の抜本的見直し」を求める国会請願を署名約2万8千人分を添えて提出。4月の提出分と合わせて署名は計約6万3千人分となった。
    8日 漁民ネットと日本自然保護協会は、有明海全域で海中の酸素濃度の測定を行う「ありあけ大調査」を始めた。8月半ばまで2週間置きに同じ調査を続ける。有明海の77地点で表層と底層の海水を採取し、溶存酸素を測定する。
    10日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林英雄本部長)は、諫早湾干拓事業の予定通りの完成と、有明海特別措置法案の早期成立などを武部農相らに要望。同特措法は、与党が今国会で成立を目指しているが、民主党が今月初旬、干拓事業の3年間凍結などを盛り込んだ独自の有明海特措法案要綱を示したことに反発し、栗林本部長ら関係者6人が上京。武部農相や長崎県選出の国会議員らに要望書を手渡した。また、栗林本部長らは民主党に対し「事業の防災効果を無視し、中止に追い込むことを目的にしたもので断じて許せない」などとする同党あての抗議文を提出。
15日  佐賀、福岡、熊本3県の漁民、住民で環有明海住民運動連絡協議会結成。「よみがえれ有明海・佐賀県民の会」(河西龍太郎会長)などが呼び掛け、4県の30団体が参加。
    17日 漁民ネットと日本自然保護団体が8日に実施した海中酸素濃度の測定濃度が発表され、干拓事業で潮受け堤防が設置された諫早湾の底層で酸素濃度が有明海全域の中で最も低く、生物に影響を及ぼす貧酸素化が始まっていることが分かった。
    18日  閣議後の記者会見で武部農水相は、福岡県有明海漁連が20日に諫早湾干拓事業の中止を求めることに対して、「4月15日の会談で2006年度完了の了解を得ている」としてこれに応じない姿勢を表明。
    19日  短期開門調査後の少雨のため調整池の塩分濃度が高い状態が続いている問題で、背後地の諌早市や森山町、吾妻町の農業者らが九州農政局に対し、大雨による調整池からの塩分の逆流で農地に被害が発生する恐れがあるなどとして、早期に調整池を淡水化することなどを要請。
    20日  福岡県有明海漁連(荒牧巧会長)は、申し入れ書を農水省に提出。申し入れ内容は、工事中止のほか(1)諫早湾堤防水門の中長期開門調査の実施(2)福岡、佐賀、熊本の沿岸三漁連が1月、九州農政局に申し入れた水域部分の工事の事前協議など6条件の厳守-など4項目。これに対し農水省の渡辺好明事務次官は、20日の記者会見で「(2006年度に事業完成とした)4月15日(の長崎県知事らと)の合意に基づいていろいろな行動をしており、それが逆流することはない」と述べる。
    21日 九州農政局は「塩分濃度が海水導入前と同程度に回復するまで当面調査を継続する」と発表。
    25日  農水省の宮腰光寛政務官は、長崎県庁に金子知事と加藤寛治県議会議を訪ね、短期開門調査で調整池の淡水化が遅れていることを陳謝、後背地に被害が出た場合は国が責任を持って対応する考えを改めて示す。
    27日  金子長崎県知事は、調整池の水質悪化は「閉め切る前に生活排水対策をしなかったからだ」とし、当時の国などの同事業の進め方に疑問を投げ掛け。
共産党長崎県委員会(深町孝郎委員長)は、諫早湾干拓事業の中止などを盛り込んだ「有明海・八代海再生のための緊急提言」を金子知事宛に申し入れ。
2002年  7月  1日 福岡県有明海漁連は、干拓事業の工事中止申し入れに農水省が応じなかったことを受け、東京都千代田区の同省前などで抗議のデモ行進。
「佐賀有明の海」(川崎賢朗会長)の約500人は、大型バスに分乗して熊本市の九州農政局を訪問。大串和紀局長との面会を求め、うち200人は深夜まで敷地内で座り込み。
    2日 中長期開門調査の実施などを求め、1日から九州農政局の敷地内で徹夜の座り込みを続けていた「佐賀有明の会」(川崎賢朗会長・約280人)は、「2日未明の同局との話し合いが合意に達した」として、漁民約200人は当日朝、地元へ引き上げた。3回に渡る話し合いの結果、川崎会長らが柘植茂晃局次長か諫早湾干拓事業の担当部長に面会し、直接抗議文を手渡すことで合意した。同会は一貫して大串和紀局長への抗議文提出を要求していた。
漁民ネット(森文義代表)などNGO3団体は、農水省を訪れ、諫早湾干拓事業の工事中止や、潮受け堤防を中長期開放した調査を求める武部農相あての要望書を提出。漁民らは「干拓事業が海に与える影響が解明されていないのに工事を進めるのは矛盾している」「2006年度の事業完成を前提とした調査は意味がない」と訴えた。これに対し、同省の南部明弘農地整備課長は「現在進めている開門総合調査のなかで、干拓事業の有明海への影響を解明したい。しかし、事業には地元から推進要望もあり、〇六年度までに完成させる。工事は当然進める」と説明し議論は平行線をたどった。
    3日 独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所(長崎市)は、6日から13日まで有明海の漁業環境調査を実施することを決定した。9日には有明海沿岸の4県も共同で調査する。
    5日 調整池と干拓地を仕切る前面堤防について、農水省が15日に指名競争入札を実施することが分かった。8月にも着工する運びで、工期は約4ヶ月間。
8日  九州農政局、8月上旬に干拓地と調整池を仕切る前面堤防の工事に着手する方針を3県漁連に伝える。農水省の渡辺事務次官は記者会見で、「西工区の干拓地を干潟に戻す意思ははく、そういう状況で堤防を造るのはおかしくないと思う」と述べ、計画通り工事を進める考えを示した。農水省が前面堤防を着工する方針を打ち出したことを受け、同事業に反対する熊本、福岡など有明海沿岸各県の漁民約100人が、九州農政局前で、同事業の中止や中長期開門調査の早期実施などを求める抗議活動を展開。
    10日  福岡県有明海漁連の約200人が、8月に着工が予定されている前面堤防工事に抗議して熊本市の九州農政局前で座り込みを開始。12日まで続ける予定。堤防ができると今後海水を導入しても干潟は再生しないため、漁業関係者らの反発を招いている。
諫早湾干拓協議会(会長・金子知事)は、干拓事業の予定通りの完成などを農水省や国会に要望。太田局長は「(4月15日の会議での)方針は農水省として一貫している」などと答えた。
    11日 環有明海住民運動連絡協議会(河西龍太郎代表世話人)の約20人が、熊本市の九州農政局を訪れ、来月上旬に予定される調整池と干拓地を仕切る前面堤防工事の中止を申し入れ。福岡県有明海漁連の座り込みは2日目。
    12日  工事反対を訴え九州農政局前で座り込みを続けていた福岡県有明海漁連は、同農政局に代表者同士の会談を申し入れたが拒否されたため、一部漁業者が職員の制止を振り切って局長室などに入り、約4時間にわたって座り込みを続ける。
熊本県漁連は「県諫早湾干拓事業対策・有明海再生委員会」(委員長・松本忠明県漁連会長代行)を開き、対応を協議。「短期調査の結果が出るまで工事は認められない」などとする県漁連の方針を確認。 
    14日  福岡県有明海漁連は緊急の組合長会を開き、近く同工事差し止めの仮処分を裁判所に申請することを決定。
「『宝の海』有明海を守る荒尾市民の会」(前田力会長、99人)は、荒尾市内で総会とシンポジウムを開催。諫早湾干拓事業の中止を求め、有明海及び八代海再生特別措置法に反対するアピールを採択。
    15日  佐賀有明海漁連の組合長会議で、前面堤防工事に反対する方針を決める。
九州農政局は干拓地の東岸に建設される前面堤防工事の入札を行ったが、工事に反対する有明海沿岸の漁業者らが抗議に訪れたため、同局は安全確保を理由にひそかに入札会場を変更。
    16日  民主党提出の対案要綱を前に、自民、公民、保守の与党三党は、衆院に提出している「有明海及び八代海再生特別措置法案」の今国会での成立を断念して継続審議とすることを決める。漁民ネットは、本国会での有明海特措法成立はなくなったとして、6月6日から約40日間続けてきた国会前座り込み行動を解除。
3県漁連は代表者会議を開き、前面堤防工事に着手したいとする九州農政局の申し入れに対し「容認できない」と22日に回答することを決める。
    25日  九州農政局は、干拓地と調整池を仕切る前面堤防の位置変更に伴って必要になった河川法に基づく九州地方整備局、長崎県との協議を25日までに終え、両者から同意を得る。
    26日  8月上旬に着手が予定されている前面堤防工事に対し世界自然保護基金(WWF)ジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会は工事の中止を求める連名の緊急声明を発表した。声明は、干拓地と調整池を区切る前面堤防について「完成は将来の干潟再生を困難にし、開門調査の障害になる」とした上で、工事中止と中長期開門調査の早期実施を求めている。
29日 前面堤防工事の着工に備え、漁民ネットの漁業者ら200人が重機の搬入を阻止するため工事現場3カ所のゲート封鎖を開始。8月12日まで連日続く。
2002年  8月 3日 連日の漁業者の座り込みが続く現地近くの幹線道路沿いに、諫早市などの各種団体で構成する諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(本部長・栗林英雄諫早商工会議所会頭)が事業の推進を求める横断幕を設置。
第5回有明海・不知火海フォーラムが開催され、諫早湾干拓事業や有明海再生の特別措置法案の問題点などについて専門家らが意見交換。
第5回ありあけ大調査で、潮受堤防付近から鹿島沖にかけての貧酸素、湾口部から有明海奥部にかけての表層は赤潮による過飽和を観測。
    5日 工事現場ゲート封鎖行動が2週間目に入る。これまでの漁民ネット・福岡県有明海漁連に加え、佐賀県の漁民も加わる。
    6日 第9回ノリ第三者委開催。長期開門調査の実施を求める漁連会長らの意見を農水省に伝えることに。
    7日 諫早湾干拓地域環境調査委員会で農政局が「諌早湾の水質は閉め切り前と変わらない」と報告。
熊本、福岡、佐賀の有明海沿岸3県でつくる諫早湾干拓事業対策委員会(会長・山崎佐賀県有明海漁連会長)は、農水省に武部農相を訪ね、中長期調査の実施などを要請。(1)第三者委員会の提言を尊重し、中長期開門調査の方針を明らかにする、(2)短期開門調査の結果についてはどこが取りまとめるか明確に、(3)調整池の環境保全、など6項目の要望書を手渡した。これに対し、武部農相は事業を推進する姿勢を示し、その上で(1)中長期開門調査の実施は、年度中に新たに設ける検討の場で議論し、省が判断する、(2)短期調査の結果は九州農政局がまとめる、(3)環境保全に万全を期し工事は水質に悪影響がないようにするなどと回答。
    8日 農水省の宮腰政務官は、長崎県庁に金子知事を訪ね、干拓事業の2006年度完成に向け、漁民の阻止行動で着工できないでいる前面堤防工事を予定通り進める考えを明らかにした。
    9日 環境NGOの日本自然保護協会、WWFジャパンなど176団体と個人3660人は、武部農相に対し連名で「諫早湾干拓事業の前面堤防工事中止」「潮受け堤防を中長期開放した調査の早期実施」を求める緊急声明を提出。
    12日 前面堤防工事に反対する福岡県などの漁業らは、7月下旬から続けていた中央干拓地ゲート前での阻止行動を休止した。18日まで見合わせる予定。中断した理由について「盆期間で搬入作業がないとみられることや、ノリ漁の準備作業のため」と述べた。
13日  農水省、漁民が盆休みで封鎖をといたすきに前面堤防工事に着工。着工したのは基礎部の敷網工事で11月末までに終了させ、その後本格的な堤防建設工事に移る予定。工事は13日から18日まで業者がお盆休みのため作業は行わないとしている。急遽駆けつけた熊本、福岡、長崎島原市の漁業者らは、中央干拓地に入るゲート前で抗議行動。
    14日 漁民ネットなど3団体が緊急の抗議声明をプレスリリース。
    16日 熊本県立大環境共生学部の堤裕昭教授(海洋生態学)らの研究グループの調べで、諌早湾の閉め切り後に有明海の赤潮が大規模化していることがわかる。
19日  漁民ネットの漁業者が、3ヵ所のゲートを封鎖するなど現地抗議行動を再開。約50人が二度にわたり干拓工事現場に入り、一部工事を中断させる。漁業者らは九州農政局関係者との話し合いを求めたが、同局側からの回答はなし。
日本自然保護協会が漁民ネットの協力で実施している調査の5回目の結果が発表され、長崎県の諫早湾から佐賀県沖にかけ、底層の酸素濃度が下がる貧酸素化の急速な進行が確認された。
    20日  漁民ネットの工事現場での再開抗議行動2日目。
前面堤防工事に反対する市民ら(諫早緊急救済本部・東京事務所、有明海漁民・市民ネットワーク)は、同工事を受注した大手ゼネコン、清水建設本社前で抗議行動を実施。
前面工事に反対して現地で抗議行動を続けている熊本県内のノリ漁民らは、熊本県漁連を訪れ、「事態の深刻さを農水省にきちんと訴え、工事中断を強く求めてほしい」と漁連幹部に申し入れ。

有明海沿岸(4県48市町)の首長らは、「有明海がんばれサミット協議会」を結成し、今後有明海八代海再生特別措置法の早期制定を国などに求めていくほか、環境施策の企画、調査などを行う。
    21日  前面堤防工事に反対する有明海沿岸の漁業者5人は、九州農政局諫早湾干拓事務所を訪れ、工事の中断などを求める。話し合いはフェンス越しで行われ、平行線をたどった。前面堤防工事に反対する有明海沿岸の一部の漁業者は、現地で工事の阻止行動を続けた。農水省は混乱を避けるため排水路工事の一部を見合わせ。
福岡、佐賀、熊本県漁連は、農水省を訪れ潮受け堤防の中長期開門調査の実施を要望。
    22日 一部の漁業者は、中央干拓地に立ち入って工事中断を要求するなど抗議行動を続ける。
    23日  漁業者の一部が、北高森山町の鍵のワイヤーをカッターで切断して干拓地に進入、九州農政局は器物破損容疑で諫早署に告訴。
記録的なノリ不作を受けて設けられた佐賀大学「有明海等総合調査研究会議」の低平地研究グループは、同大でのシンポジウムで、人工衛星と沿岸各県の現地調査のデータを組み合わせて解析した水質調査の結果、有明海の透視度が年々上昇していると発表。
    26日  福岡県有明海漁連は臨時総会を開き、前面堤防工事の差し止めを求める仮処分を申請することを全員一致で決定。
熊本、福岡、長崎、佐賀4県の共産党県委員会は、前面堤防工事を中止するよう、九州農政局に緊急申し入れ。
    27日 漁業者らは、中央干拓地の工事用ゲート付近から干拓地に入り、工事阻止行動を展開。
    28日  福岡県有明海漁連は組合長会議を開き、調整池と干拓地を仕切る前面堤防工事について漁連として現場で実力阻止行動を実施することを決定。
佐賀県の漁業者らでつくる有明海漁協水産振興研究連絡協議会は、短期開門調査の結果が出るまで干拓工事を中止することなどを求める武部農相あての要望書を九州農政局側に提出。
福岡、熊本、長崎の漁業者有志が続けている阻止行動に、佐賀県の漁業者700人以上が参加し、継続的に座り込みを続けることを決定。佐賀県有明海漁連としては組織的に参加しない方針を決めている中で、18漁協のうち14漁協が参加し、4漁協は検討中。
29日  漁民約150人が干拓工事現場に入り、実力で工事阻止。佐賀県の漁業者ら約700人も中央干拓地出入り口前で座り込みの抗議行動を実施し、このうち約200人は工事中断などを求めて長崎市中心部をデモ行進。
諫早市など1市8町村の各種団体で構成する諫早防災干拓事業推進連絡本部(本部長・栗林諫早商工会議所会頭)は、有明海沿岸の漁業者らによる工事阻止行動に対し、週明けに武部農相に事業の断固推進を要望することを決める。
    30日  佐賀県有明海漁連は九州農政局にノリ漁期中の工事中断を要請することを決めた。漁民ネットの工事阻止行動は、ノリ養殖の準備作業を控え8月で終了。
農水省は2003年度予算の概算要求で、干拓事業の事業費として本年度比約17%増の70億円を盛り込むことを発表。全長4.3Kmの前面堤防の工事などに充てる一方、有明海再生対策費として本年度当初比20.7%減の17億6900万円を計上。深刻なノリ不作を受けて、新規事業を多数盛り込んだ前年度と比べ、減額要求となった。
2002年 9月 2日 福岡県有明海漁連、干拓工事現場のゲートで抗議の座り込み、ただし「混乱を避けるため」として車両の往来を阻止する行動はせず(10月4日まで)。また佐賀県の各漁協も、9月末まで予定していた阻止行動を中止。
    3日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(本部長・栗林諫早商工会議所会頭)は、有明海沿岸漁民による工事の阻止行動に対し、事業断固推進するよう武部農相に要望。
    5日 環有明海住民運動連絡協議会(河西龍太郎代表世話人)は国を相手取り工事差止めを求めて佐賀地裁に提訴する方針を確認。
    10日 熊本県漁連と佐賀県有明海漁連は九州農政局を訪れ、ノリ漁期(9月中旬から来年3月)の工事中断などを要求。諫早東京や漁民ネットなど3団体は、干拓事業の工事を受注している主要ゼネコン24社に対して、環境保護への企業姿勢などを問う公開質問状を送った。24社は9月20日に予定される前面堤防本体工事の入札参加が予想されるとして実施した。公開質問は、公共工事への参入の際に独自の環境影響評価を行っているか、同事業の受注と環境への配慮をうたう経営方針と矛盾しないか-など5項目。
    11日 定例諫早市議会で北村伝議員(共産)が「諫早湾干拓事業の受注企業から吉次市長の資金管理団体に計1600万円の政治献金がされていた」と指摘、これに対し吉次市長は「献金は個人で受けたわけではなく、やましいことは一切ない」と答弁。
    12日 大浦漁協(竹島好道組合長,326人)は、12、13日の両日全組合員が参加して九州農政局を訪れ、要望書を提出する。同組合の役員らは9月6日にも同局に排水門の常時開放など4項目を要望したが、納得が得られなかったため、全組合員で座り込みによる抗議行動をした。同漁協は26日頃まで同局を訪れ、抗議行動を続ける方針。
諫早湾内の漁協は湾内10ヵ所でタイラギの潜水調査をしたが、一ヵ所で生貝2個が確認されただけで今期も絶望的な状況。
小長井町沖では、潮流制御ブロックで漁場環境を回復させる技術を研究開発するためのブロック6基が海底に設置された。この研究は水産庁の外郭団体が民間企業に委託して実施。九州大や長崎大などの専門家が指導に当たる。
    13日 自民党熊本県連は堤裕昭熊本県立大教授(海洋生態学)を招き、有明海の赤潮発生の原因についての勉強会を開催。
    14日 大浦漁協(竹島好道組合長)の漁業者ら約320人は、九州農政局前で座り込みをし要望に対する明確な回答を求める。 
有明海漁民・市民ネットワーク(森文義代表)は、結成1周年記念総会を開き、今後の運動方針を確認。
    15日 日本海洋学会誌「海の研究」に川口ほか「有明海熊本沿岸におけるノリ不作年度の水質環境の特徴」が掲載。
    18日 佐賀県鹿島市漁協(中島敏男組合長)など同県内の5漁協は、干拓工事の一時中断を求める九州農政局あての要望書を同局諫早湾干拓事務所に提出。
    20日 九州農政局は前面堤防工事に伴う地盤改良工事の入札を実施。3工区に分けてそれぞれ一般競争入札を行い、ゼネコンと地元業者で構成する3組の共同企業体が落札。
世界自然保護基金(WWF)ジャパンは米国最大の環境保護団体、シエラクラブ(会員75万人)が諫早湾の干潟再生を求める要請書を小泉首相あてに提出したと発表。
    21日 長崎大学水産学部がシンポジウム「有明海の環境と資源」を開催。
    24日 福岡県有明海漁連は農相を相手に前面堤防工事の差止めを求める仮処分を福岡地裁柳川支部に申請。
長崎県議会農林水産委員会は諫早湾の干潟を守る県共同センター(高村代表)から出された潮受け堤防の中長期開門調査などを求める請願を全会一致で不採択。
    26日 井本佐賀県知事が9月定例会の最終日に自民党・堀内一治議員の徹底調査を国に強く要求すべきだという質問に答えて、「(諫早湾)干拓ありきではなく、有明海ありきの考え方で対処してほしい」と述べて、中長期開門調査を実施し、さらに調査するよう求める考えを表明。
    29日 有明海沿岸の漁民、市民らを原告に国を相手取った差止め訴訟の準備を進めている佐賀、福岡の弁護士らは福岡市で協議し、10月20日に佐賀市内で弁護団結成式を行い、11月中旬の第一陣提訴を目指すことを合意。協議には、同事業中止を求める沿岸の住民団体などでつくる「環有明海住民運動連絡協議会」代表世話人の河西龍太郎弁護士ら約10人が出席。
2002年  10月  1日 大島理森農相は閣議後の記者会見で、諫早湾干拓事業について「長崎県知事らとの合意に加え、堤防の防潮効果への長崎県の評価もある。さらに開発農地を利用したいとの要望もある」と述べ、事業を着実に進めていく考えを示す。
    3日 九州農政局の諫早湾干拓事業開門総合調査運営会議(座長・塚原博九州大名誉教授)が開かれ、短期開門調査の中間調査結果を発表。海水導入で調整池の水質が改善されたことが報告される。
    4日 福岡県有明海漁連は組合長会議を開き、前面堤防工事に反対して9月2日から継続してきた工事現場抗議行動を5日から中断することを決定。中断について漁連側は「今後ノリ漁が本格化し(抗議行動に)対応できないなどの事情がある。しかし、工事反対の立場は変わっていない」と話した。
    18日 九州大など全国7大学と民間2機関の研究グループが共同実施している海水流動調査の中間結果が発表され、同グループ代表の小松九州大教授(沿岸域環境学)らは、閉め切りの影響で有明海奥部で海水が滞留し、赤潮などが頻発、大規模化するようになったと指摘。事業の即時凍結や本格開門調査などの実施を提言。
    20日 環有明海住民運動連絡協議会(代表世話人・河西弁護士ら)は、西工区前面堤防工事の差し止めを求めて国を被告に提訴するのを前に、弁護団結成会と原告団準備会結成会を佐賀市内で開催。
    22日 小長井漁協の漁師一人が、早朝に北部水門から汚水が排水されているのを見て、潮受け堤防管理事務所のドアのガラスを破って侵入し、住居侵入で現行犯逮捕。この事件後、排水は堤防中央に設置された13台のポンプと主として南部水門が使われることに。
    23日 吉次(諫早市長と辻原俊博長崎県副知事らは、大島理森農相を訪れ、干拓の早期完成を求める要望書を手渡す。
    25日 九州弁護士会連合会の定期大会が開かれ、諫早湾干拓事業の中止などを求める「危機に瀕した有明海・八代海の環境保全と再生に向けた宣言」を採択。
    30日 福岡県有明海漁連が前面堤防工事の差止めを求めた仮処分申請の第1回審尋が福岡地裁であり、国側は仮処分が認められると地域農業の振興が阻害されるなどとして却下を求める。
    31日  事業計画の変更に関する環境省見解発表。
諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林本部長)が、諫早湾干拓事業の予定通りの完成を大島農相に要望。
 2002年 11月  3日 川辺川、有明海の環境を考えるシンポジウムが開かれ、パネリスト3人が大規模公共事業の問題点などを指摘。
    6日  有明海再生のための特別措置法案について審議している衆院農水委員会の委員会の委員らが干拓事業の現地を視察。長崎県の辻副知事をはじめ福岡、佐賀、熊本の沿岸4県の副知事や幹部らが同法の早期制定を大島農相に要望。
    7日  衆院農水委員会は有明海と八代海の再生に向けて与党三党が通常国会で提出し、継続審議となっている「有明海及び八代海再生特別措置法案」と民主党の対案について、学者らから意見を聞く参考人質疑。与党指名の参考人は中村充・福井県立大学名誉教授。漁民ネットなど三団体は、与党案の廃案を求める声明を発表。
    9日 太田農水相が諫早湾干拓事業の現地を視察。
    10日 太田農水相は金子知事と懇談し、あらためて干拓事業の2006年度完成に強い決意を示す。これに対し金子知事は、「事業の早期完成が漁場の安定につながる」として、前倒しの事業完成を求めるとともに、干拓農地の詳細な利用計画を検討するプロジェクトを設置するよう提案。
    11日 短期開門調査に伴う調整池の塩分濃度(確定値)が調査開始以来初めて、終了の目安の1リットル当たり1000mgを下回ったことが九州農政局の観測で分かった。同局は早ければ今週中に調査終了の判断をする見通し。
    12日  衆院農水委員会は与党三党が提出した「有明海および八代海再生特別措置法案」(有明海特措法案)を一部修正した上で、与党と自由、社民両党の賛成多数で可決。楢崎議員の追及にもかかわらず、諫干事業の停止などを盛り込んだ民主党案は否決。
    14日 有明海特措法が衆院本会議で与党三党などの賛成多数で可決、参院に送られた。
    15日 日本海洋学会海洋環境問題委員会が「有明会環境悪化機構究明と環境回復のための提言2」を発表。
    17日 毎日新聞発言席に「有明海破壊を促す特措法案」(ジャーナリスト松永和紀)掲載。
22日 「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律」(有明海特措法)が参院でも可決、成立。
    24日 新泉水海潜水器組合が総会を開き、今季(12月-来年3月)のタイラギの10年連続の休漁を決定。
    25日 有明海および八代海を再生するための特別措置法が今国会で成立したのを受け、政府は事務次官会議で、同法に規定された評価委員会の設置に関する政令を決定。「有明海・八代海総合調査評価委員会」とし、環境相が任命する学識経験者など20人以内の委員で構成。長崎県は調整池の2003年度から5年間の水質保全対策をまとめた「諫早湾干拓調整池水質保全計画(第2期)」を県環境審議会(24人、会長、槌本六良・長崎大水産学部長)に諮問。同審議会は年内に現地調査などを実施した上で来年3月初めに答申する予定。
26日 漁民、市民406人が前面堤防工事差し止めと4100万円の損害賠償を求めて佐賀地裁に提訴(よみがえれ!有明海訴訟)。提訴直前で開かれた集会では、弁護団と原告団合わせて計140人が参加し、デモ行進。
    29日 熊本県のほとんどのノリ漁場で、沖合いを中心に軽度の色落ちが発生していることが熊本県水産研究センター(天草郡大矢野町)の調査で分かる。
2002年  12月 7日 シンポジウム「諫早湾締切が有明海環境に及ぼす影響の検討」が長崎大学であり、研究者や諫早湾周辺の住民ら約150人が参加。
    9日 長崎県総合水産試験場は、ナルトビエイによる食害防止のための網かごの設置や、海底に砂を敷く覆砂が有効との試験結果を発表。これを基に長崎県は、来年4月から小長井町沖に増殖場を設置する。
    10日 九州農政局が短期開門調査に伴う現地観測を同日付で終了すると発表し、関係自治体に報告。
    25日 九州農政局が調整池と干陸地を仕切る前面堤防の本体工事の一環の地盤改良工事に着手。
    27日 「よみがえれ!有明海訴訟」仮処分申請の第一回審尋が佐賀地裁で開かれる。
漁民ネットなど3団体が、前面堤防の本体工事着工への抗議文を農水省に提出。
2003年 1月 15日 2002年2月に行われた長崎県知事選のために県工事を受注していたゼネコンに献金を要求した容疑などで、自民党長崎県連の浅田五郎・前幹事長らが逮捕される。
    20日 福岡県水産海洋技術センター有明海研究所(同県柳川市)が同県沖の有明海で発生した赤潮などのため養殖ノリの成長に必要な海中の栄養塩が極端に減少、ノリが黄色くなる色落ちが拡大していると発表。色落ち被害は同県の全漁場の7〜8割に達する。
    24日 諫早東京事務所など六団体が、国の「有明海及び八代海の再生に関する基本方針の概要」(案)は諫干の影響を等閑視しているとして、その全面見直しなどを求める共同声明を発表。
    25日 金子原二郎対馬後援会が自民党魚市場連合会支部を経由して県工事受注企業から献金を受け取っていた疑惑が発覚。
28日 農水省が中・長期開門調査検討会議(農水省・水産庁OB5人、建設省OB1人、環境庁OB1人)設置(委員名簿)。設置要領では有識者から10名以内とあるが、有識者で引き受ける人が皆無のため、やむなく身内のOBから選任せざるを得なかったと言われている。
2003年  2月 7日 環境省を事務局とする「有明海・八代海総合調査評価委員会」(須藤隆一委員長、21人)の初会合が開かれるが、諫早干拓については触れられず。
「『よみがえれ!有明海訴訟』を支援する長崎の会」の結成集会が開かれる。
    10日 漁民ネット・諌早東京が環境省閉鎖性水域対策室と意見交換(潮流調査の不備、採砂問題、幹部でなく現場漁民の声を聞くべき等)。
    15日 九州農政局の諫早湾干拓事業開門総合調査運営会議(座長・塚原博九州大名誉教授、九人)が開催され、昨年12月に終了した諫干事業の短期開門調査観測データの取りまとめ案が委員に報告される。
    21日 有明海沿岸の漁業者や住民約610人が前面堤防工事差し止めと、総額約6100万円の損害賠償を国に求めた訴訟の第一回口頭弁論が佐賀地裁で開かれる。
    25日 九州農政局が「これまでの調査では、水質や海の環境に大きな変化は見られない」とする短期開門調査の中間報告や、来年度の工事計画を福岡、佐賀、熊本の三県漁連に説明。
2003年  3月 11日 九州農政局が干拓事業に伴う2002年度の環境モニタリング調査について、諫早湾干拓地域環境調査委員会(委員長・野口正人長崎大工学部教授、14人)に中間報告。
    12日 有明海・八代海総合調査評価委員会」(略称「評価委」。須藤隆一委員長)の委員9人が干拓事業で造成された農地や、有明海のノリの養殖網などを視察。
有明海特措法について、長崎県を含めた関係6県の再生計画案などを関係閣僚や各県知事らが話し合う促進協議会(会長・農相、29人)の初会合が開かれる。
    15日 日弁連の湿地問題に関するプロジェクトチーム(大木一俊座長)の弁護士らが現地調査に訪れる。
    16日 長崎県環境審議会(会長・槌本六良長崎大水産学部長)が第二期諫早湾干拓調整池水質保全計画案を最終案通り答申することを了承。
    17日 非公開で進められていた有明海アリアケカイ海域環境カイイキカンキョウ調査チョウサ検討ケントウ委員会イインカイオヨカイ有明海アリアケカイ海域環境カイイキカンキョウモデル専門センモン部会最終回。
    27日 第10回ノリ第三者委員会、最終報告書をまとめて解散(全10回の議事録はこちら)。有明海の漁業被害と干拓工事との因果関係にはふれず、中長期開門調査も「期待する」に後退。 
    28日 九州農政局に中長期開門調査検討会議を設置。
有明海再生に関する佐賀県計画策定。
農水省が諫早湾内4漁協に対して、短期開門調査に伴い発生した養殖アサリの漁業被害の補償を提示。
    31日 長崎地裁川久保裁判長が、森裁判の原告側が「漁業補償算定調書」の提出命令を出すよう申し立てていたことに対して「確認の利益を欠く」として却下の決定。 
2003年  4月 2日 日本水産学会で長崎大の吉越教授が、「斃死したタイラギ、サルボウガイ、マガキ貝は共通して胃の上皮細胞が死滅していたが、これは過酸化脂質によるもの」「赤潮プランクトンの死骸に含まれる脂質が、バクテリアが分解しきれない間に水中の酸素で酸化して過酸化脂質を発生させている可能性がある」という新説を発表。
    5日 諫早市で、日本環境法律家連盟・「自然の権利」基金共催「守れ漁民の権利!守れ『自然の権利』!有明海をめぐる裁判の役割と可能性」シンポジウム。
12日  都内で行われたシンポ「「ここまでわかった!諫早湾干拓の環境への影響」(漁民ネット・諫早東京主催)で、佐々木中央水研前室長・熊本県立大堤教授が講演。漁民ネットが、日本自然保護協会・マエキタミヤコさんらの協力で作成した因果関係の解説ビデオ「ありあけ・いさはや、宝の海のメカニズム」を初上映。
    14日 福岡の市民団体と諌早干潟緊急救済本部が閉め切りで死滅した生き物を弔う慰霊祭を行う。
    15日 衆院農水委で民主党楢崎議員が、短期開門調査に際しての漁業補償問題で質問。
16日 「よみがえれ!有明海訴訟」「森裁判」「自然の権利裁判」の3弁護団が、19人の有明海漁民を申請人として公害等調整委員会に諌早湾干拓事業と有明海異変の因果関係の原因裁定を申請し、同日農水省本省内で記者発表。申請後、公共事業チェック議員の会の仲介で、申請人弁護団・支援者と水産庁・農村振興局との間で交渉がもたれたが、国は今期のノリ不作に対し有明海特措法の発動はしない意向。
    17日 農水省渡辺事務次官の定例会見で中長期開門調査検討会議の委員構成について記者から批判的質問が続出。
参院農水委で中村敦夫議員が、漁民救済策や中長期開門調査検討会議メンバー構成などについて質問。
    21日 16日に行った漁民側申請を公調委が受理し、裁定委員には加藤和夫委員長(元札幌高裁長官)、平野治生委員(元総理府次長)、磯部力委員(都立大教授)を選任。サンデー毎日5月4日・11日合併号が、公調委に申請した漁民の窮状を伝える記事掲載。
東京神楽坂で、ビデオ「ありあけ、いさはや、宝の海のメカニズム」の試写会開催。
    23日 森裁判の第8回公判。相変わらず国側は実質審理に入ろうとせず。
    24日 朝日新聞社説。
    30日 中、長期開門調査の取り扱いを協議するため農水省が設置した「中・長期開門調査検討会議」の初会合が開かれる。
2003年 5月 7日 有明海で「謎の浮遊物」が発生、漁網にからまり休漁した漁民も(約2週間続く)。三池海上保安部の巡視艇の調査で、諫早湾の開口部から対岸の三池港方向に約13キロにわたって点在しているのを確認。このほか、島原半島の深江町や西有家町などの各漁協からも被害の報告が相次いでおり、諫早湾開口部にある小長井町から、島原半島南部の南有馬町まで約50キロの広い海域に広がっている。直後から、タマシキゴカイの卵塊ではないかとの長崎大教授の根拠のない俗説が流布され始める。
    8日 九州農政局が調整池への海水導入・排水に伴い、湾奥部で一時的に水質悪化や潮流の変化が見られたとする短期開門調査の結果を報告する。 
    10日 長野県の田中康夫知事と民主党の菅直人代表が事業中止を求めるシンポジウム「干潟を守る日2003in諫早」に参加し、事業の現状を視察。漁民の上京旅費を会場でカンパ集め。
    14日 金子知事が中・長期開門調査への反対と予定通りの事業完成を亀井善之農相に要望。
    15日  公調委進行協議。申請人弁護団・支援者が水産庁と交渉を行い、謎の浮遊物の実態調査や水産庁が直接漁業者から被害実態を聞き取ることなどを要請し、水産庁が応諾。
日本海洋学会誌「海の研究」に堤他の論文「有明海奥部における近年の貧酸素水塊および赤潮発生と海洋構造の関係」が掲載。同号に、宇野木早苗「有明海の潮汐減少の原因に関する観測データの再解析結果」が掲載。
    27日  諫早湾干拓事業開門総合調査運営会議が開かれ、類似干潟での浄化機能調査と、干拓事業による水質変化をコンピューター解析する流動解析調査について、有明海異変にほとんど影響していないとする中間報告。
日本水産学会誌に西海区が、行政対応特研「有明海の海洋環境の変化が生物生産に及ぼす影響の解明」を寄稿
    28日 福岡県有明海漁連が因果関係について国の公害等調整委員会に判断を求める原因裁定を申請。4月16日申請の事件と併合審理へ。
    30日 「よみがえれ!有明海訴訟を支援する福岡の会」報告集会。
2003年 6月 3日 中長期開門調査検討会議メンバーが有明海沿岸視察。有明海沿岸の市民・漁民数十名が、各地の訪問先で開門を要請。
    4日 第2回中・長期開門調査検討会議は福岡市で行われる。
    5日 「有明再生全国ネット」の約150人が導流堤建設問題などで九州農政局に要望。
    8日 佐賀県の古川康知事が「中長期の開門調査は必要。農水省の検討会議に働きかけたい」と明言。
    11日 森裁判原告側、従来の漁業補償契約の無効確認に加え損害賠償請求でも追加提訴し、両訴訟は併合審理へ。
筑後川河口で違法にノリ養殖を行っていたとして、水産庁が福岡県有明海漁連と久間田・川口・大川の3漁協を捜索。
    14日 「よみがえれ!有明訴訟」を支援する「長崎の会」が早期に公正裁判を求める要望書の街頭署名活動。
    27日 沿岸4県の漁業者らが公害等調整委員会に申請した原因裁定の第1回審問。同日、有明海再生全国ネット40名が対水産庁・農水省交渉。
2003年 7月 1日 長崎県が、有明海で漁業被害をもたらした粘液状物質を伴う大量の浮遊物について、干拓事業が原因でないとの見方を県議会で示す。
    2日 3県漁連が、潜堤は同意するものの、導流堤建設には反対する意向を九州農政局に申し入れ。
    3日 諫早湾干拓事業開門総合調査運営会議で、前回に続き九州農政局が「干潟浄化機能」と「流動解析」に関して報告。
    9日 中長期開門調査検討会議の第3回会合で、開門調査で想定される成果や影響などの検討を専門委員会に付託することを決定。
    12日 「よみがえれ!有明訴訟」を支援する「長崎の会」が仮処分勝訴をめざす支援集会。
    19日 「よみがえれ!有明訴訟」原告団が有明海異変に関する講演と同訴訟の報告会。
    21日 中長期開門調査検討会議専門委員会の初会合。
    23日 衆院農水委で民主党・楢崎議員が湾内4漁協への補償問題を追及。
    28日 公害等調整委員会原因裁定の第2回審問。同日、有明海再生全国ネット40名が導流堤や浮遊物問題で対農水省交渉。その中で農水省は、潮受け堤防外側海域に建設を計画している「導流堤」の影響は湾内限定であるとのシミュレーション結果を明らかにする。湾外の漁業者らは、これ以上湾を切り刻むな、と建設中止を求めた。
2003年  8月 1日 「よみがえれ!有明訴訟」の口頭弁論で、原告側が工事差し止めを求める対象を前面堤防から干拓工事全体に訴因変更。
    5日 「有明海を育てる会」(会長・近藤潤三福岡県魚市場相談役)が実施した大牟田沖でのタイラギ成育調査の結果、既に5割が死んでいるのが明らかに。
7日 農水省の委託を受けて(財)諌早湾地域振興基金(理事長・金子原二郎知事)が設置した諌早湾地域資源の利活用検討協議会(会長・戸原義男九州大学名誉教授)の初会合が開かれ、観光地として干拓地を活用するアイデアを出し合う。
    9日 事前の告知もなく開かれた開門総合調査運営会議で、九州農政局が潮受け堤防による影響は少ないとする開門調査結果を報告。
    11日 九州農政局が2002年度の環境モニタリング調査結果を報告、調整池のCODは横ばいだったが、諫早湾干拓事務所は「本年度中に着工予定の潜堤工事が完成すると、海底の巻き上げが抑制され水質が改善される」との見通しを示した。
    14日 大阪の市民団体「株主オンブズマン」と「政治資金オンブズマン」が、五洋建設、若築建設、熊谷組の役員ら計15人に、総額約3億3900万円の賠償を求める株主代表訴訟を、東京、福岡、福井の3地裁に起こした。数百億円に及ぶ国発注の諫早湾干拓事業や県発注の港湾工事を受注したゼネコン各社は、1993―2001年の間、自民党長崎県連に賄賂性が高く違法な計約1億3500万円を献金して会社に損害を与えたとしている。
    18日 本明川ダム建設をめざす国交省長崎河川国道事務所が「本明川水系流域委員会」の初会合を開催。
    23日 熊本県水産振興課が01年に行った調査で、78年の調査と比較し有明海の藻場が14%に減少していることが判明。九州以西では00年と01年が藻場激減の年と言われる。
    24日 第6回有明海・不知火フォーラムが大牟田市で開催。哲学者の梅原猛氏などが講演。
高田漁協などが有明海沿岸クリーンアップ作戦。
    25日 中・長期開門調査検討会議専門委員会の第二回会合、シミュレーションの信頼性について両論。
有明再生全国ネットなどが、熊本県水産研究センターに謎の浮遊物に関する要望と質問書を提出。
    26日 有明再生全国ネットなどが、関係者の合意なしに導流堤の入札を行わないよう九州農政局に申し入れ。
      8月下旬から、高来町・小長井町の養殖アサリが連日斃死(9/9にNHKが報道)。9月6〜7日頃には底物の魚類が浜に打ち上げられる。シャットネラ赤潮と貧酸素が原因で、堤防に近い程被害が大きいという。98年と2000年にも同様の被害。
    28日 来年度予算の概算要求で、農水省は事業費として今年度並みの70億円を計上。02年度末の予算ベースでの事業進捗率は91.8%。有明海再生対策としては、漁場環境改善などに26億円を要求。また環境省も、有明海・八代海の再生方策の検討調査費一億千二百万円を新規に盛り込む。
2003年  9月 1日 公調委進行協議。同日、有明再生全国ネットが要請書をもとに対農水省交渉。
    2日 熊本県北部にシャットネラ赤潮警報が発令される。
  3日 小長井町漁協の元組合長森文義氏が損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論、国と県は「因果関係は不明」として争う構え。
諫早湾防災干拓事業推進連絡本部が開門調査反対と事業完成を農水省北村副大臣に要望。
中・長期開門調査検討会議の第四回会合でノリ第三者委の磯部・滝川委員から意見聴取。、短期開門中の5/5(水門は開けられていない)と5/18に湾内塩分濃度が低下したとの報告。
    5日 よみがえれ!有明海訴訟の第5回口頭弁論で原告側が工事中止の仮処分を申請。同日、大牟田で漁民ネットの第2回定期総会。
    6日 日本科学者会議・公害環境問題委員会(委員長=畑明郎・大阪市立大教授)の地域シンポジウムが福岡市の九州大学で開かれ、諫早湾干拓事業と有明海の異変をテーマに、東幹夫・長崎大教授ら三人が講演。
    7日 金子知事が昨年2月の知事選直前に自民党魚市場連合会支部から900万円の借り入れをしていたことが発覚。
    8日 諫早湾の干潟を守る長崎県共同センターが長崎県に開門調査の実施など13項目を申し入れる。
    9日 8/25に提出していた謎の浮遊物に関する4県水試などへの質問に対する回答書が提出される。
    10日 諫早湾干拓事業環境モニタリング連絡会議(議長・南里雅彦農林部長)で、九州農政局による2002年度の環境モニタリング結果などが了承された。報告によると調整池のCODは開門調査で一時的に低下したが、その後上昇し水質改善は進んでいない。
9月上旬から湾内で発生した赤潮による貧酸素のため、アサリなど数千万円の被害。
    11日 「よみがえれ!有明海訴訟を支援する全国の会」(沿岸4県を中心に会員1000人)の結成集会が都内で開催される。呼びかけ人には梅原猛さん、映画監督の山田洋次さん、作家の椎名誠さん・嵐山光三郎さん、女優の竹下景子さん・東ちづるさんら50人の有名人が名を連ねている。
    13日 小長井漁協の元組合長、森文義氏本人が8日に長崎地裁に出向き、訴訟を突然取り下げたのを受け、森裁判の終結手続きがなされる(森氏はその後漁民ネットからも退会し、新代表には松藤文豪氏が就任)。
    14日 全国保険医団体連合会公害環境対策部が干拓事業の視察と学習集会を開催、事業中止を求めるアピールを採択。
    16日 熊本県水産研究センターが、八代海でのシャットネラ赤潮のため養殖ブリなど数万匹に被害と発表。熊本県では7月に天草周辺で3億2千万円の被害が出て以来。
    18日 民主党枝野政調会長がマニフェストの案を公表。「工事が相当すすんでいる諫早干拓事業(2490億円中2250億円が執行済)、工事が終了した長良川河口堰などについても、住民・自治体の意見を聞きながら今後のあり方を見直します。」
    25日 評価委が福岡市で開催され、一般公募した漁業者など関係者からヒアリング。200名の傍聴者。
    27日 九州農政局が開門総合調査運営会議」(座長・塚原博九州大名誉教授)最終会合に「潮受け堤防閉め切りは、有明海全体の環境にほとんど影響を与えていない」とする調査報告書案を提出。
熊本県玉名沖の海水が変色し泡が立つなどの異常。高アルカリ性を示す。
    27〜30日 日本湿地ネットワーク・諫早東京事務所などの主催で東京ウエットランドウィーク開催。シンポジウム「有明海の潮流変化と環境破壊」、国際湿地シンポジウム「諫早・泡瀬・セマングム―救え! 東アジアの湿地と干潟」、現代座「虹の立つ海」演劇公演などが行われた。27日のシンポでは、漁民ネットが行った漁民アンケート結果も報告され、89%の漁民が諫干が異変の原因と考えていることが明らかに(報道)。
      本明川河口部に天狗鼻排水機場(23億円、排水能力は毎秒26立米と最大級)完成。国・県・市の負担は各15億円・4億円・4億円。
2003年 10月 3日 中長期開門検討会議の第5回会合。ノリ第三者委員会元委員の東幹夫長崎大教授と現地で調査を継続している熊本県立大の堤教授からの意見聴衆で、中長期開門調査の早期実施を改めて要望される。
佐賀県東中部の10の漁協が漁連に対し、諌早湾干拓事業の排水を停止するよう国に要請することを求める要望書を提出。
    5日 民主党(菅直人代表)がマニフェストの目玉となる「五つの約束」に「無駄な公共事業を中止し、川辺川ダム、諫早湾干拓、吉野川可動堰を直ちにやめます。」と盛り込む。
    8日 中長期開門検討会議専門委員会の第三会合。中長期開門調査を行った場合の調査項目をまとめる。
民主党のマニフェストに対し、1市8町の首長が連名で抗議文を送付。金子知事も「誠に遺憾」とコメント。
    11日 佐賀、長崎、熊本の3大学による「みらい有明・不知火シンポジウム」が佐賀大で開かれる。
民主党の西岡参院議員と高木衆院議員が党のマニフェストへの署名を拒否。
    13日 民主党マニフェストに西岡・高木国会議員ら民主党長崎県連が反発し、菅直人代表と小沢一郎旧自由党党首の長崎遊説が急遽中止に。
    15日 ここ数日、諌早湾から白い泡を含む海水が大牟田・荒尾周辺の海域に流れ込み、藻や乾いた網が真っ白に。干拓工事で使われている生石灰か。海水のpHは8.8の高アルカリ。
    16日 熊本県水産研究センターから謎の浮遊物に関し漁民・研究者・弁護団がヒアリング。原因は「特定されていない」との回答。
    17日 佐賀県有明水産振興センターが有明海の一部でタイラギ成貝を確認。
    18日 堤教授の有明海定期調査で佐賀沖から小長井沖までギムノディウム赤潮を観測。島原でも視認。
    19日 高来町の諌干干陸地でコスモス祭り。
    21日 公害等調整委員会による原因裁定の第三回審問。弁護団や漁民ネットなどからなる有明再生全国ネットが対農水省交渉(要望書)を行い、鹿児島大の佐藤助教授が謎の浮遊物は「プランクトンが生石灰の凝集作用で絡め取られた結果ではないか」と指摘。
諌干工事で使用されている石灰のメーカーである宇部マテリアルの社員2名が、石灰と謎の浮遊物との関連を調査している熊本市在住の太田扶桑夫氏(元水試研究員)へ9月から電話や自宅訪問を繰り返す。
    22日 諫早東京事務所が、有明海沿岸から次期衆院選に立候補する予定者へのアンケート結果を発表。
民主党長崎3区の山田正彦前議員がマニフェストに関し「菅代表の間違い」「衆院農林水産委員会で、民主、社民を含め(諫干事業継続に)賛成した」と発言(しかし委員会で事業継続が採決された事実はない)。
    27日 第5回評価委で小松委員が潮流調査の結果を報告し早期の開門調査の必要性を指摘。
    28日 中長期開門検討調査会議専門会の第四回合。開門調査の手法などを協議し、親委員会の検討会議に報告する方針を固める。
佐賀県西部・南部でノリの色落ち発生。福岡県海域でも深刻化。
    30日 日本弁護士連合会が長期開門調査を求める意見書を農水・環境両大臣あてに提出。
    31日 自民党長崎県連が、95年からの6年間で諌干受注企業から7億3千万円の献金を受け取っていたことが明らかに。
熊本県沖でも赤潮のため、例年より1週間早く冷凍網の引き上げ始まる。
2003年  11月 1日 日本弁護士連合会と九州弁護士連合会が諫早市で「有明海異変と諫早湾干拓事業」をテーマにシンポジウムを開催、日弁連がまとめた中長期開門調査の早期実施を求める意見書を報告。
    4日 福岡県で一番ノリの摘み取り作業始まるも約3割で色落ち。
    9日 福岡市で第5回 中・長期開門調査検討会議専門委員会。開門は無意味とする塚原委員長や熊本大学・滝川委員などと開門が必要とする佐賀水試の白島委員などとの間に激論。
    10日 第6回評価委で堤教授らが研究成果を報告。
    11日 有明海潜水器漁業者協議会が三年ぶりにタイラギ漁の許可申請を福岡・佐賀両県知事に行う方針。99年から漁獲ゼロが続いていた。
    13日 福岡・佐賀の両県とも、ノリの出荷量が昨年同時期の約三分の一に落ち込む見通し。沖の漁場で赤腐れ病が蔓延。
    14日 短期開門調査で養殖アサリに被害が出た問題で、農水省が長崎県小長井町漁協など4漁協に対して、漁業補償金総額6000万円を支払うことで基本合意。4漁協は「調整池からの水が、せっかく安定した漁場に影響を与える恐れがある」として短期開門調査に反対したが、補償や調査後の漁業振興などを条件に容認した経緯がある。(開門調査ではない通常時期にも調整池から排水されている事実との整合性が不明)
福岡市天神で、よみがえれ!有明の街頭宣伝。
      日本海洋学会の学会誌「海の研究」11月号に、中央水研元室長の佐々木克之氏らによる、諫干で失われた浄化力を試算した論文が掲載される。これをもとに佐々木氏が中長期開門調査検討会議と専門委員会の全委員に意見書送付。
    17日 亀井農水相が長崎・佐賀両県を訪れて、干拓事業を現地視察し、金子長崎県知事や地元関係者と意見交換。亀井農水相の現地視察を受け、漁民ネットの漁業者ら約200人が海上デモや工事現場で要請活動(逃げ回る大臣に受け取ってもらえなかった要請書)。
    18日 小長井町漁協など4漁協で組織する新泉水海漁業権者会が、水質改善を妨げるとして本明川上流に計画中の本明川ダムに反対する意向を表明。
新泉水海潜水器組合が今季のタイラギの休漁を決定。1993年から11年連続。
ノリ養殖場の視察を受け亀井農相がノリ不作の金融支援の検討を表明。また「潮受け堤防の防災効果を実感した。事業の推進を求める地域の声を聞き、意義をあらためて認識した」と発言。
都内で第6回 中・長期開門調査検討会議開催。
    19日 第6回中長期開門検討会議専門委員会が福岡で開催。賛否が分かれ、次回会合で関門調査に関する素案を提出することを決定。
農水省が諫早湾4漁協と養殖アサリの漁業被害の損失補償契約を結ぶ。
    20日 5年ぶりに一部の漁業者が始めた熊本県荒尾沖でのタイラギ漁で次々斃死貝が見つかり、操業断念へ。
    21日 佐賀地裁公判。原告数が850人に増加。
    24日 福岡や佐賀の有明海のノリ養殖場で赤腐れ病が発生していることを受け、熊本県内21漁協が30日までにノリ網を一斉に撤去する方針を確認。熊本県でも11/7に発生が確認されていた。
中長期開門調査検討会議と専門委員会の全委員に、佐々木氏有明再生全国ネットが相次いで意見書を送付。
国交省九州地方整備局が水質調査やゴミ回収のための環境整備船「海輝(かいき)」(九九トン)を三池港(福岡県大牟田市)で披露。9億8千万円。
    25日 水産庁が日本水産資源保護協会に委託して 、有明海の水質や赤潮発生状況などに関する各研究機関の情報を一括して検索できるようにしたデータベース「有明海等環境情報・研究ネットワーク」(仮称)をつくり、インターネット上で試験運用を開始。
28日 九州農政局、短期開門調査にコンピュータ解析などを組み合わせた開門総合調査の結果、諌早湾の閉め切りは「ほぼ諌早湾内にとどまっており、諌早湾外の有明海全体にほとんど影響を与えていない」との報告書をまとめて記者発表。
会計検査院が「平成14年度決算検査報告書」で費用対効果が1.0を下回った諫干事業を取り上げ、「適正かつ経済的・効率的・効果的な事業運営が実施されているか引き続き注視していく」との所見をつけて内閣に回付。
    30日 中長期開門検討会議専門委員会の第6会合。開門賛成の意見を削除してあった原案に批判が相次ぎ、賛否両論を盛り込むよう見直すことを申し合わせ。このため親委員会の検討会議に提出する報告書の原案策定は次回に持ち越す。100名の漁民や支援者が傍聴に駆けつける(写真)。
2003年 12月 1日 九州農政局が開門総合調査報告書を長崎県議会に説明
公調委進行協議。有明再生全国ネットが公共事業をチェックする議員の会と懇談。
    3日 中長期開門検討会議の第7回会合。専門委員会の原案を踏まえ、早期に報告を取りまとめる方針を確認。
「有明海訴訟を支援する会」が佐賀市内で街頭署名活動。
    4日 九州農政局が開門総合調査報告書を熊本県議会に説明
    5日 佐賀県は県沖でタイラギ1000トン生息と推定し5年ぶりの水揚げを期待。9日から約80隻が操業。
    7日 49人の研究者が有明海・八代海研究者会議(代表:楠田哲也・九州大大学院教授)を発足。
    9日 有明再生全国ネットが中長期開門調査検討会議専門委員会委員に要請書を送付。
    11日 熊本県議会が中・長期開門調査を国に求める意見書を全会一致で可決。
    12日 佐賀地裁仮処分が結審。
佐賀県有明水産振興センター(白島勲所長)が、タイラギの人工種苗生産に成功したと発表。
佐賀県議会で、中・長期開門調査の実施を求める意見書案(全議員の共同提案)が全会一致で可決。
    13日 沿環連第10回ジョイントシンポ「有明海生態系異変原因解明の到達点」が熊本県立大で開催され、タイラギ不漁原因は諫干にあるなどの発表がなされる。
中長期開門調査検討会議専門委員会が福岡で開催され、開門否定のトーンながらも両論併記の報告書がまとめられる。(塚原委員長に詰め寄る漁民(写真
15日 宇野木早苗・元東海大教授、東幹夫・長崎大教授らが熊本で記者会見し、「有明海再生のためには開門調査が必要である」との9人の研究者の第1回共同声明を発表、中・長期開門調査を求めた。
    16日 諌早東京事務所が、中長期開門調査を求める農水大臣宛「年賀状」作戦を開始。
    19日 第8回中長期開門調査検討会議が都内で開催され、専門委員会がまとめた素案を大筋了承。
福岡県議会が全会一致で中長期開門調査を求める決議。また佐賀県では県議会以外に市町村議会でも中長期開門調査を求める意見書が次々と採択され、3市18町2村に(佐賀市、鳥栖市、鹿島市、大和町、久保田町、川副町、東与賀町、諸富町、千代田町、芦刈町、牛津町、大和町、福富町、有明町、白石町、太良町、嬉野町、塩田町、相知町、江北町、小城町、北波多村、三瀬村)。
    20日 長崎大の東幹夫教授(水域生物学)らの研究グループが、潮受け堤防締め切り後有明海全域で底質の泥化や底生生物の種類減少などの影響が出ている、との調査結果を発表。
    21日 内示された予算案で諫干事業費は前年度と同額の70億円。有明海再生対策費は24億5千万円。
    22日 中長期開門調査を求める第2回研究者共同声明をプレスリリース。15日に発表した研究者共同声明に対して、全国の研究者161名から賛同署名が寄せられた。
福岡県議会と漁連の代表が農相に中長期開門調査を陳情。
25日  最終の中・長期開門調査検討会議が都内で開催される。中・長期開門調査に賛否両論を併記しながらも全体として否定的な論点整理の報告書をまとめる。
    28日  朝日新聞が「諫早湾開門――見送りは官僚の独善だ」、熊本日日新聞が「諫早開門調査 三者委の提言通り実施を 」との社説を掲載。
諫干で生まれる農地の配分は、長崎県がいったん購入した上でリースで貸し出す方式が検討されていると長崎新聞が報じる。
2004年  1月  7日 福岡県有明海漁連が前面堤防工事の差し止めを求めた仮処分申請について、福岡地裁(野崎弥純裁判長)は「前面堤防工事は潮受け堤防内の陸上で行われるもので、有明海の潮流などに影響を与えない。」などとして却下。(決定文
    9日 日本経済新聞が社説「開門調査回避は許されない」を掲載。
    18日 03年12/9から開始したタイラギ漁が不振のため福岡・佐賀の潜水協議会が合同潜水調査を実施したところ、8割が死んでいることが判明。大浦漁協では成貝が残っている新漁場を発見。
    19日 第4回公調委審問。有明再生全国ネットによる第7回目の農水省交渉。
    20日  亀井農相が会見で、中・長期開門調査の実施について市川一朗副大臣を担当責任者として、問題解決を図る方針を明らかに。
共産党の国会・地方議員団が亀井農相に事業の中止と中長期開門調査の実施を申し入れ
21日  中長期開門調査を求める第3回研究者共同声明を、佐々木・宇野木氏が農水省で記者発表後、農村振興局整備部の中条部長(他に課長や課長補佐など)と面談(楢崎・松野・金田議らが同席)。
    24日 筑後川水問題研究会(蔦川正義会長)が久留米市で諫早湾干拓工事の差し止め訴訟をテーマにした講演会。
    25日 朝日新聞全国版一面に「有明海潮流33%減速」の記事が掲載される。
    26日  有明海・八代海総合調査評価委員会(第7回)。中・長期開門調査について農水省の検討会議がまとめた報告書に批判的な意見が相次ぎ、評価委として科学的なディスカッションの場を設けることを国側に要請。
    29日 「調整池水質は河川水質を反映」とする農水省の詭弁が暴露される
2004年  2月 2日 長崎県が、希望面積、作物、経営方式(買取りかリースか)などを尋ねる営農意向調査を始める。
  2〜5日 弁護団・支援者が国会や支援団体要請活動。
    3日 都内で、「よみがえれ! 有明海訴訟」支援の市民団体が「東京・首都圏のつどい」を開催。同訴訟を支援する東京・首都圏の会や全国の会、同訴訟の弁護士はじめ、道路公害とたたかう東京大気汚染公害訴訟原告団のメンバーら五十人以上が参加。
    5日 共産党議員団(赤嶺・紙・高橋議員ら)が現地視察し、大和町で漁民50人と懇談。
12日 佐賀、福岡、熊本の3県漁連が共同で中・長期開門調査実施の要望書を提出。
    15・16日 公共事業をチェックする議員の会が現地視察で100人の漁民から陳情。佐藤・楢崎・松野・大楠・岩佐・古賀・松本議員らが、3県県庁や農政局も訪問。
    16日 公調委進行協議。
    20日 福岡市で200人を集めた「よみがえれ!有明海訴訟仮処分勝利をめざす有明海大学習会」。
    21日 福岡県大和町で息子が母親を嘱託殺人事件発生。ノリ不作による借金苦の悲劇。仲間の漁民が減刑嘆願署名活動。
    23日  漁民ネットなどが評価委委員に要望書
熊本県議会で、潮谷義子知事が「漁業者などの意見も踏まえ、中長期開門調査を実施すべきだ」と答弁。
長崎大・東教授が「有明海再生への私の歩み」をテーマに最終講義。
    26日 佐賀地裁公判。
    27日 佐賀県が新年度の組織改変で「有明海再生課」の設置を決める。
    28日 大牟田で中長期開門調査の即時実施を求める「環有明海漁民住民決起大会」。400人が集まり堤教授の講演に聴き入る。
2004年  3月 1日 松野議員が衆院予算委員会第6分科会で質問。
    2日 諫干工事宅地造成現場で盛り土が沈む「円弧滑り」事故が発生。このため背後地の排水路地盤が140mにわたり上昇し、旧堤防上の道路に段差。
  2〜4日 弁護団・支援者が国会・支援団体要請行動。
    2日 赤嶺議員が衆院予算委員会第6分科会で質問。
    8〜10日 弁護団・支援者が国会・支援団体要請行動。
    10日 有明再生全国ネットがチェック議連との懇談(中村・岩佐・松野・辻議員)に続き、農水省交渉(要請書)。 
    13日 「よみがえれ!有明海訴訟を支援する長崎の会」の20人が、諫早市のJR諫早駅前と長崎市浜町の長崎大丸前で街頭宣伝活動。
  15日 日本海洋学会誌「海の研究」に川口ほか「水質の長期変動に基づく有明海におけるノリおよび珪藻プランクトンの増殖制限元素の解明」が掲載。
    16日 中村敦夫議員が参院農水委で質問。
    19日  森山町・仁反田川河口に新排水樋門2ヶ所完成。2000年3月着工、11億円。河口から上流側の河川拡幅工事は800mが完成済み。
熊本県宇土市、玉名郡長洲町、岱明町などの議会が中長期開門調査を求める意見書を可決。
九州農政局が、長崎市内で開いた諫早湾干拓地域環境調査委員会(委員長・野口正人長崎大工学部教授)に環境モニタリング調査の結果を中間報告。
    21日 熊本市で全国公害弁護団連絡会議主催の「有明海を考えるシンポジウム」。全国の弁護士や有明海沿岸の漁民ら約200人が参加。
民主党菅代表ら議員一行がが佐賀県南川副漁協で60人の漁民と車座集会
    22日  第8回評価委で、水産庁が昨年8〜10月に行った4県の漁民400人からのヒアリング調査結果が報告される。諫干後の「赤潮の増加」「流速の低下」「流向の変化」の声が上位。委員からは「シミュレーションには限界がある。農水省はそのことを十分に考慮して(調査の是非を)判断すべきだ」などの注文が相次ぐ。
    24日 共産党・紙議員が参院農水委で質問。
    26日 「よみがえれ!有明海訴訟」の原告団が、早期・公正な判決を求める約六千五百人分の署名を佐賀地裁に提出。過去三回、同様の署名を提出しており、今回を含めると計六万二千五百人分の署名を提出したことになる。
    28日 小長井沖でまた謎の浮遊物出現(3月上前半ら休業する漁民も)。
    29日  「よみがえれ!有明海訴訟」の原告・弁護団が、福岡、佐賀、長崎、熊本の四県に対し「同干拓の中・長期的開門調査が必要」との知事声明を出すようそれぞれ文書で要請。
29〜31日 「嵐の三日間」と称し漁民が大挙上京し、市民らとともに農水省前座り込み。30日には約500人で農水省本省を「人間の鎖」で包囲し写真、漁民代表は亀井農相と面会して中・長期開門調査を求めたが、大臣の「ノリは採れているんでしょう」という発言に怒り。野党議員から激励。
    31日 三季ぶりに解禁された有明海のタイラギ漁が今季の操業期間を終了。小粒で値が上がらず、過去最低という結果でシーズンを終える。
2004年 4月 2日 公調委審問で6人の漁民から申請人尋問、「諌早湾に近い程被害大きい」。裁定に助言する専門委員に清水誠・東大名誉教授(水産資源学)ら4人が任命。
都内で諌早東京事務所・漁民ネットが主催して「有明海再生と諫早湾干拓のこれからを考える漁民・市民集会」。
    9日 佐賀市で3県漁連会長と太田農村振興局長、九州農政局長が会談。
    10日 諫早市で第7回諫早湾干潟慰霊祭と「干潟を守る日in諫早 諫早湾干潟の再生を考える」シンポジウム。
    14日 有明訴訟を支援する福岡の会が福岡市内で街宣活動。同長崎の会も長崎市内で街宣活動。
    15日 民主党内に諫干など「3公共事業マニフェストを実現する会」(佐藤謙一郎会長)発足。
      北部承水路浚渫し土砂に石灰を混ぜて前面堤防の盛土。
    22日 農水省が中長期開門調査の見送りb方針を固める。福岡で市川副大臣・太田農村振興局長・九州農政局長が福岡・佐賀・熊本の3県漁連会長と会談。
    23日  公調委審問で参考人(宇野木・堤)尋問。有明再生全国ネットが、農水省交渉(要請書)で調査の見送り方針の撤回を迫る。
開門調査不実施に対する弁護団声明発表。熊本県潮谷知事が会見で「中・長期開門調査は必要」。
    24日 西日本新聞が社説「諫早湾干拓 説得力ある再生策を示せ」掲載。熊本日日新聞が社説「諫早湾開門調査 国の「見送り」論は不可解」を掲載。
佐賀県太良町の漁師(47)が自ら命を絶つ。国が「中・長期開門調査は困難」との考えを、県漁連に伝えたわずか二日後のこと。
    25日 明訴訟を支援する佐賀の会が佐賀市内で街宣活動。
    26日 3県漁連が連名で大臣宛「中・長期開門調査の実施」の要望書提出。漁民ネットも緊急声明をプレスリリース
    27日 亀井農相が定例会見で「開門調査は慎重にならざるを得ない」と発言。
    28日 環境保護7団体が連名で大臣宛緊急要請を発表。佐賀新聞が論説「開門調査見送り方針 有明海再生をどうする」を掲載。
諫早湾干拓・調整池の環境守る行動計画策定委(委員長=白浜重晴・県出納長)が発足
    29日 元中央水研室長が見解表明。
30日  佐賀県有明海漁連の若手を中心に3県漁民約800人が、200隻の船で海上デモをし、中・長期開門調査を要求。漁民ネットが緊急声明(2)を発表。
福岡県有明海漁連が堤防撤去を求める行政訴訟の提訴方針を決定。
「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する全国の会(東幹夫・鮫島千秋・木村晋介代表世話人、佐賀市)がノーモアミナマタ環境賞を受賞。
2004年  5月 1日 九州農政局長人事、大串局長が退職し後任に農村振興局整備部付の伊丹光則氏。
5日 「謎の浮遊物」が小長井沖から島原半島にかけての30キロで(5月半ばまで続く)。
    7日  亀井農相が定例会見で「開門調査に代わる方策の検討を指示」と発言。
3県漁連と3県議会代表が上京し、農相に中長期開門調査施の要望書を提出。
佐賀地裁第10回口頭弁論で、原告漁民が「今年になって組合関係者が2人自殺した。人の生きる希望を奪う諌干に何の公共性があるのか」と涙ながらに訴え。
    9日 漁民ネット総会で堤教授の調査研究の講義を受ける。
11日 亀井農水相が中・長期開門調査の見送りを正式表明。「中・長期開門調査を実施するのではなく、これに代わる新たに講じる方策として、1. 有明海の環境変化の仕組みの更なる解明のための調査、2. 有明海の環境改善を効果的に進めるための現地での対策の実証、3. 調整池からの排水の抜本的な改善、を進める」として、その後「有明海再生」を名目に毎年約30億円もの予算を使うも今日まで実効あがらず。
よみがえれ!有明海訴訟弁護団が緊急声明、佐々木氏が2度目の批判見解、公共事業をチェックする会と民主党の「3公共事業マニフェストを実現する会」がそれぞれ抗議声明を発表。
農水省と環境省が、貧酸素水塊の発生状況を6月から合同調査することを決める。
謎の浮遊物問題で島原漁協150人が県庁に抗議。長崎県は原因究明に向けた調査に地元漁業者が参加し、報酬を支払う救済策をとる方針を示す。
謎の浮遊物が熊本県荒尾・長洲・玉名沖で確認(6〜7日頃から漁網に付着するとの情報で県水産研究センターが調査)。
    12日 熊本日日新聞が、社説「諫早湾開門調査 話し合いで「接点」見いだせ」を掲載。佐賀新聞が、論説「諫干開門調査見送り 理解は得られていない」を掲載。西日本新聞が、社説「開門調査見送り 有明海の再生できるのか」を掲載。
佐賀有明の会(川崎賢朗会長、約八百人)が農水大臣宛抗議文を送付。
佐賀県古川知事が亀井農相と面会し、中・長期開門調査実施見送りについて、同省職員を県に派遣して漁業者らに説明するよう要請。
    13日 衆院農水委で民主党の楢崎議員と共産党の高橋議員が、開門調査見送り撤回を要求する質問。
漁民ネットが緊急声明(3)を発表。佐々木氏が3度目の批判見解
    14日 共産党4県委員会が九州農政局に対し、中・長期開門調査の見送り撤回を求める申し入れ。また民主党熊本県連も農政局に開門調査を申し入れ。
中国原産の移入種・カラムシロ(小さな巻き貝)が有明海奥部で2000年頃から異常繁殖していることが、岡山大農学部の福田宏・助教授の調査で明らかに。他の二枚貝の減少で競争相手がいなくなったため。
熊本県漁連は組合長会議で、あくまでも中長期開門調査を求めていく方針を確認。
日弁連が「諫早湾干拓事業の中・長期開門調査を求める会長声明」発表。
    15日 有明町から島原渦鞭毛藻で赤潮。佐賀県太良・鹿島沖や福岡県三池港・大和・中島沖にも謎の浮遊物。
    17日 4県の漁民200人が九州農政局長との面会を要求して訪れるも拒否されたため、庁舎内で座り込んでの抗議の結果、結局代表者20名がホテルで面談し要請書を手渡す。また佐賀市内では漁民や支援者50人が街頭署名活動。
3県漁連会長が上京し再度大臣へ要請。
    18日 諫早湾干拓調整池等水質委員会(第11回)で、野菜筏などの対策示される。
荒尾市議会が臨時会を開き、諫早湾干拓事業潮受け堤防の中・長期開門調査見送りの撤回を国などに求める意見書を全会一致で可決。
    19日 第9回評価委で開門調査見送りに批判相次ぐ。また水産庁調査でタイラギ幼生が諌早湾口部に集中することが明らかに。
佐賀県庁を訪れた中條次長が開門調査見送り理由について「排水門周辺の海底の土がえぐられ、潮受け堤防が崩壊する恐れがある」「調査の結論を出すまでに少なくとも約10年間もの長期間が必要」と説明したのに対し、古川知事は「結論ありきの印象」と述べる。
    21日 公調委審問で国側参考人(中西弘山口大名誉教授と中村充福井県立大名誉教授)への尋問。中村氏は「潮受け堤防の閉め切り後、大潮でみた場合の干満差は逆に大きくなっている。潮流についても大きな影響は出ていない」と説明。中西氏は「ノリ不作は不安定な栄養塩供給という有明海の特徴と、高密度・高生産によるチッソ不足が根本要因。事業と結び付けるのは難しい」との見解を述べる。
有明再生全国ネットが農水省交渉(要請書)。水産庁は浮遊物の原因は未だ特定されていないと回答。
24日 佐賀、福岡、熊本の3県漁連、福岡県柳川市で中・長期開門調査を求める総決起集会を開き、1500人が参加。
    25日 参院農水委で共産党・紙議員が質問。
    26日 熊本保健科学大学の高橋徹教授と漁民ネットが協力して、GPS付きブイを漂流させての表層流調査を10月までの予定で開始(写真)。
農水省が佐賀県有明海漁連傘下の組合長に、中・長期開門調査の大臣判断理由等について説明。
    27日  有明再生全国ネットが4県水試など宛の謎の浮遊物問題で要請書を福岡県水産海洋技術センターに提出。
民主党の岡田新代表が、マニフェストに中止を掲げながら、地元の長崎県連とねじれが生じている問題について、地元に理解を求め公約実現を目指す考えを明らかする。
熊本県が補正予算案で有明海・八代海再生に69事業203億円を計上。
    27・28日 公調委、現地調査(写真)。
    28日 九州農政局が、営農意向調査の結果利用希望面積が干拓地の3倍になったと発表。
    29日 「有明海の再生を願う島原南高住民の会」が島原市内で署名活動。
    31日 朝日新聞が社説「水門を開けて調べよ」を掲載。
2004年  6月  1日 自民党の有明海ノリ等被害調査対策本部(保利耕輔本部長)が、中・長期開門調査を見送る農水省の決定について了承するとともに、党として有明海再生策拡充を検討することを確認。
佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期開門調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
    1・2日 公害被害者総行動デー.。原告・弁護団が行った農水省交渉(要請書)で「通常の排水は事業の一環として織り込まれており、湾内漁民とは補償契約も済んでいるのに対して、短期開門は人為的なもので事業内容に予定されていなかったから補償した」という趣旨の回答。
    2日 「諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画」(仮称)の策定委員会(委員長・白浜重晴県出納長)が長崎市内で第二回会合。
    5日 佐賀県東与賀町で開催された「有明海ぐるりんネットシンポジウム」で松本省蔵・環境省総合環境政策局長が「有明海をラムサール条約の湿地登録に挑戦しては」と提案。
  7日 「疑惑の漁業補償6千万円」(AERA6月7日号)
    9日  有明再生全国ネットが謎の浮遊物問題で西海区研究所と佐賀県水産振興センターに要請書。
衆院農水委で民主党・楢崎議員が質問。
朝日新聞「私の視点」欄に佐藤正典鹿児島大学助教授の「開門調査で干潟の回復を」が掲載。
    10日  長崎県議会で本田直久・水産部長が、謎の浮遊物発生原因として一部から指摘が出ている諫早湾干拓事業調整池との関連について、「関連は薄い」との見解を示す。
共産党が「干潟保全法案」を参院に提出。
    11日 諫早市が調整池水質改善のために背後地520戸を対象とする農業集落排水施設を整備する方針を発表。総事業費13億円の見込み。
    12日 有明海・八代海研究者会議(座長楠田哲也・九州大大学院教授)が福岡市でシンポ。
    14日 公調委審問で参考人(東・長崎大名誉教授と中田喜三郎・東海大教授)尋問。有明再生全国ネットが農水省交渉(要請書)。
    20日 漁民ネットが開門調査見送りを批判するパンフを作成し有明海沿岸で配布。
    21日  諌早東京事務所が有明4県の参院選出馬予定者16人へのアンケート結果を発表。自民党の4人は無回答、民主、共産、無所属など回答者のほとんどは中・長期開門調査見送りを撤回し実施すべきとし、諫干事業を抜本的に見直すべきとした。
    22日 佐賀有明の会が佐賀を訪れた民主党岡田代表に開門調査の早期実施を要請。
    23日  評価委員会(第10回)が論点整理に着手。
有明再生九州ネットが行った九州農政局長との話し合い(質問状)に120人の漁民が参加。
    30日 佐賀県が九州農政局に対し、事務的に、中・長期開門調査を実施しないとする理由、根拠について詳細な資料を求める。
2004年  7月 2日 佐賀地裁第11回口頭弁論で、漁民が国側に「あと何人漁民が自殺したら工事を止めてくれますか」と涙ながらに訴え、裁判所にも「1日も早い決定を」と要望。また「仮処分の早期公正な決定を求める緊急要請書」を、同地裁民事部窓口に提出。沿岸4県、東京・首都圏などからの220団体、約1万人分の署名。
    5日 中長期開門調査を求める第4回研究者共同声明を記者会見で佐々木・松川両氏が発表。農水省の代替措置では有明海は再生しないと。
    9日  有明海のノリ不作で借金苦となり心中するため母親を殺害したとして、承諾殺人の罪に問われた福岡県のノリ養殖業者(45)に対し、福岡地裁久留米支部が懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決。被告の仲間の漁業者は「ノリ不作は国営諫早湾干拓事業による有明海の環境変化が原因」と指摘。4000人以上が署名した寛刑を求める嘆願書が同支部に提出されていた。
九州農政局が、3県漁連に中・長期開門調査に代わる有明海の再生に向けた取り組みについて説明。
    11日  サンデー毎日7月11日号にルポ「「お前となら死んでもよかよ」〜追いつめられる有明海漁民の暗転人生〜」掲載。
参議院選挙で有明海訴訟弁護団の仁比聡平氏(共産)が当選。
    15日 日本海洋学会誌「海の研究」に藤原ほか「有明海における潮汐・潮流減少の原因について」が掲載。 
堤教授の有明海定期調査で水面下5〜8mに塩分躍層、低酸素、大牟田・荒尾沖の赤潮を観測。
    18日 島原で赤潮。 
    21〜27日 現代座が演劇「虹の立つ海」を有明沿岸5ヶ所で公演。
    22日 自民党の有明海ノリ等被害調査対策本部(保利耕輔本部長)が、貧酸素水塊の観測と発生を予測する技術開発、大浦港で港湾工事で出る土砂を利用する人工干潟造成の実証実験、ノリ養殖事業の共同化助成、栄養塩補給策、海底耕耘・覆砂事業、ゴミ回収、ヨシなどの水生植物などを使った調整池浄化策や、潮受け堤防の排水と海水を混ぜる「導流提」の設置などの有明海再生策をまとめる。水産庁が砕いた貝殻を混ぜる覆砂で漁場改善を計画。
    23日 第1回諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための懇話会(武政剛弘長崎大大学院教授)で県が計画原案を提示。
    28日 諫早湾干拓地域環境調査委員会(委員長=野口正人・長崎大工学部教授)開催。調整池水質変化なし。
漁民ネットが「諫早湾内における低栄養塩化について」のデータを整理し見解をまとめる。
    31日 本渡市で第7回有明海・不知火海フォーラムが開かれ、堤・佐々木・宇井教授らが講演。
2004年  8月 4日 島原に謎の浮遊物発生時と類似した糸状プランクトン。
元中央水研室長・佐々木氏が自民党の開門調査に代わる代替策を批判する文書を作成。
    7日 佐賀有明の会が今村(自民)・原口(民主)との対話集会。
    9日 熊本県水産研究センターが天草灘と八代海で発生したシャットネラ赤潮で養殖カンパチ・ブリ・シマアジなどに被害と発表。
    12日 5日頃佐賀県鹿島から太良町にかけて発生したシャットネラ赤潮で養殖カキが斃死し、沖合にボラやグチの死骸が浮かび、カニ漁にも影響。
    13日 大浦で養殖アサリが全滅し数億円の被害。8月上旬から湾内で赤潮が発生していた小長井でもアサリ全滅。長崎県水産基盤課の調査では、13日の小長井町の養殖場付近の水中酸素濃度はほとんどゼロ。
    15日 日本海洋学会「沿岸海洋研究2004年8月号」で有明海問題が特集。
    17日 現地調査を行った佐賀県有明水産振興センターは赤潮による被害との見方強める。
    20日 九州農政局が潜堤工事の入札公告。
九州農政局が工事の進む中央干拓地や前面堤防を報道陣に公開。
  23日 第11回評価委。
    24日 農水省が導流堤を概算要求に盛り込む。03・04年度に7億円を予算化したが3県漁連の了承が得られず着工が見送られていた。
    25日 農水省が有明海再生施策として64.6億円を概算要求(今年度は27億円)。また事業費105億円を含め諌早湾関連で総額170億円。
26日 佐賀地裁、「よみがえれ!有明海訴訟」の仮処分決定(概要)で諌早湾干拓と有明海の漁業被害に一定の因果関係を認め、工事の差し止めを命ずる(判決要旨)(弁護団声明)(仮処分決定配布版)。民主党が仙石政調会長談話を発表、弁護団が都内で仮処分勝利決定報告集会。
    27日 漁民ネット声明。原告・弁護団・支援者が農水省前集会(写真)と交渉(関丘英明農地整備課長)および民主党政調との懇談。
佐賀新聞が論説「有明海再生に大きな道」、西日本新聞が社説「国は大きな宿題を負った」、熊本日日新聞が社説「事業の原点問い直した処分」、中国新聞が社説「農水省の姿勢に警鐘」、東京新聞が社説「ペースダウンが必要だ」、日本経済新聞が社説「諫早干拓事業は引き返す勇気を持て」、神戸新聞sが社説「司法の「待った」は重い」、南日本新聞が社説「司法が農水省の姿勢に反省を促した」、長崎新聞が論説「国は正面から論争に応じよ」を掲載。
九州農政局が長崎県内で説明会。小長井町漁協の新宮隆喜組合長は「漁業被害の当事者は我々だ。短期開門調査でも生態系が破壊され、二枚貝が壊滅した」「組合員の大半が干拓事業の工事に従事しており決定で雇用も奪われた。一刻も早く法的手続きをとってほしい」と述べる。
川村秀三郎農村振興局長が来週佐賀地裁に異議申し立てを行う方針を明らかにする。
    28日 朝日新聞が社説「農水省は重く受け止めよ」、毎日新聞が社説「公共事業総点検が必要だ」、沖縄タイムスが社説「司法からの厳しい警告だ」を掲載。
    29日 琉球新報が社説「事業の再点検が必要」を掲載。
    30日 農水省が異議申し立てを決定したことに対し、弁護団が抗議声明を発表すると共に、地裁決定の意義を解説した文書を作成。
31日  農水省、佐賀地裁の決定に対し、「有明海の漁業被害と事業の因果関係を認める科学的根拠はなく、影響は湾内にとどまる」などとして、同地裁に異議を申し立てる。
柳川で「農水省の異議申立に抗議する緊急集会」開催(決議文)。
加工のり製造の浦島海苔(玉名市)がノリ不作など響き負債総額約130億円を抱え福岡地裁に再生法申請。
熊本県が「有明海・八代海干潟等沿岸海域再生検討委員会」(委員長は熊本大教授滝川清氏)を設置。
「諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画策定委」が素案を示す。水質浄化対策では底泥の巻き上げ抑制を図るため潜堤造成や柵工(さくこう)設置、覆砂などを実施。また水辺空間づくりに向けて鳥獣保護区の指定、自然観察ガイドブックの策定、レクリエーション拠点施設の整備など。
諫早湾干拓事業推進協議会(高橋徳男会長)の主催で250人の住民が参加して会合。「事業の防災効果を声高に訴えることが国の後押しになる」などを確認。
福岡県の麻生渡知事が「事業が有明海漁業に大きな影響を与えているのではないかという不安、不満が地元にあり、国はこれに明確に答えていない」と指摘。
2004年  9月 1日 漁民ネットが抗議声明をプレスリリース。
  2日 佐賀地裁本訴口頭弁論。
    3日 諌早湾干拓協議会(会長・金子原二郎知事)が、九州農政局から佐賀地裁の工事差し止め仮処分に対する異議申し立ての経過説明を受ける。
    4日 120名が参加して弁護団による熊本報告集会。
    5日 民主党長崎県連が事業推進の立場に変更のないことを確認。
    6日  3県漁連会長ら幹部20人が上京し、川村秀三郎農村振興局長に開門調査の要望書を手渡す。佐賀県漁連の山崎会長は記者団に「国が実施見送りを決めている中・長期調査にはこだわらない」と語り、漁業不振の原因解明につながる調査であれば、実施期間について注文を付けない考えを示した。
佐賀県古川知事が「県としても国への要望提案の機会をとらえ、引き続き、中・長期開門調査を求めていきたい。」と表明。
ガヴァン・マコーマック・オーストラリア国立大学アジア太平洋研究所教授がZNetに佐賀地裁決定のレポート記事掲載。
    8日 60名が参加して弁護団による福岡報告集会。
    10日  農政局が干拓工事現場から建設作業機械の搬出開始。
「有明海・八代海研究者会議」(代表=楠田哲也・九州大大学院教授)が(1)山や田畑からの水、土、栄養塩、都市部からの有機物、化学物質などの流出管理(2)生態系を壊さない養殖手法の導入(3)二枚貝など底生生物の保護区設定(4)陸域、海域を一体的に扱う行政機関や関係者の組織体設置を柱とし、諫干に触れない第一次提言をまとめる。

「よみがえれ!有明海訴訟を支援する福岡の会」(安東毅・代表世話人)が福岡市議会に対し、国に事業の見直しを求める意見書採択の請願を提出。
    11日 160名が参加して弁護団による長崎報告集会。
    12日 諫早湾一万人の「思い」実行委員会が長崎で街頭活動。
    13日 長崎県の金子原二郎知事が農水省を訪ね、事業推進を求める要請書を亀井善之農相に提出。
大村市で中尾勘悟さんの写真展「海のにほひ〜有明海の漁とくらし・韓国の干潟」開催。
    19日 日本野鳥の会九州・沖縄ブロックが有明海再生訴える宣言。
    20日  民主党の「3公共事業マニフェストを実現する会」の佐藤会長や菅直人前代表ら11人が諫早湾干拓事業を視察。
諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林英雄本部長)主催で、諫早湾沿岸地域の住民約五百名が、諫早湾干拓事業の推進を訴え潮受堤防に集結。代表九名が、干拓事業の視察で来崎した民主党の菅直人前代表ら議員団に、干拓事業推進の要請活動を行う。
    21日 諫早湾「ムツゴロウ訴訟」で3年半ぶり口頭弁論。
    22日  120名が参加して弁護団による佐賀報告集会。
大牟田市議会が「国営諫早湾干拓事業の排水門開放の中・長期開門調査及び有明海再生施策の早急な実施を求める意見書」を全会一致で採択。
    24日 国が、賠償問題や経済損失を生じるとして、佐賀地裁に仮処分決定の執行停止を申し立て。
60名が参加して弁護団による島原報告集会。荒尾市議会が、地裁決定を真摯に受け止めるよう国に求める意見書を賛成多数で可決。
    24〜26日  川辺川と諌早をつなげた《べさはや》という名のもとで、有明海再生への願いを込め、川辺川源流で汲んだ水を、3日間をかけシーカヤックなどで諫早湾まで運ぶイベント。今年で3回目。
    26日 50名の漁民が参加して大浦で学習集会。
    27日  日本魚類学会自然保護委員会主催のシンポ「九州・沖縄地方の干潟における大規模開発と絶滅危惧魚種の現状と保全」が琉球大で開かれる。
衆議院農林水産委員会(高木義明委員長)のメンバー十二人が長崎市を訪れ、地元行政や農林水産業関係者らと意見交換会。金子原二郎知事が国営諫早干拓事業の早期再開を訴えた。
韓国のテレビ局、EBS韓国教育放送が鹿島市を訪れ、有明海で地域おこしに取り組む市民団体のメンバーを取材。
    28日  佐賀市議会が「諫早湾干拓事業についての佐賀地裁仮処分決定に従い水門開放調査の実施と有明海再生への事業転換を求める意見書」を採択。
謎の浮遊物問題で西海区から回答書。タマシキゴカイ説が消える。
    30日  民間非営利団体(NPO)「有明海再生機構」が来年四月、佐賀県で発足。理事長には、九州大大学院の楠田哲也教授(環境工学)が就く予定。
2004年  10月 1日 佐賀県議会が「諫早湾干拓事業の中・長期開門調査の早期実施を求める意見書」を採択。
  2日 柳川で40名が参加して漁民の集い。
    4日 熊本県が工場など事業場排水の規制対象地域を広げ、さらに規制基準自体も強化する方針を決める。
    5日 衆院農水委で楢崎議員が質問。
    6日  民80人が九州農政局舎前公園で、合屋整備課長に「異議申し立ての取り下げ求める要請書」を手渡す。堤防中央に設置されている13台の排水ポンプの稼働を工事中断と一緒に中止している問題も追及。
    8日 原告弁護団が佐賀県古川康知事に対し、「完成した工事を含め事業を抜本的に見直し、諫早湾の水門を開放するよう農水省に要請すること」などを求める。
    10日 元中央水研の佐々木氏がクルマエビの種苗放流について見解
    14日 法学セミナー11月号にフリージャーナリスト永尾俊彦氏が「ルポ・諫早干拓差止めと原因裁定」を寄稿。
  18日  公調委第9回審問。原告弁護団と民主党3公共事業マニュフェストを実現する会(会長 佐藤謙一郎議員)との懇談会。
有明再生全国ネットが財務省に対し諫干工事関連予算措置の凍結を求める(要請書)。
    28日  佐賀地裁本訴口頭弁論。
福岡・佐賀両県有明海潜水器漁業者協議会は、タイラギがほとんど生息していない状況を受けて、漁の許可を申請しない方針。
    29日 諫早湾のタイラギ漁12年連続休漁へ。
    30日  熊本県保健科学大・高橋教授によるGPS付き漂流ブイの追跡調査の結果、諫早湾内では行きつ戻りつしていたブイが、水門からの排水があると三池港周辺に達することが明らかに。潮流と表層流が異なる動きをすることが裏付けられた(中間報告のダウンロード14.7MB)。
2004年  11月 6日 有明海・福岡都市圏交流事業実行委員会主催シンポ「水でつなぐ福岡都市圏・筑後川・有明海〜新たな共同体の発想に立って〜」
堤教授の調査で熊本北部より奥部の有明海沖合で赤潮。プランクトン濃度のピークは水面下2〜3m。
    9日 「諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画策定委員会」(委員長・白浜重晴県出納長)が、行動計画の最終案を取りまとめる。具体策は排水処理施設の整備促進や水生植物による水質浄化など。
    11日 佐賀大で有明海シンポジウム江刺洋司東北大学名誉教授(「瀕死の有明海の真因は諫早干拓ではなく、ノリ漁業の薬剤処理だった!」とするトンデモ本『有明海はなぜ荒廃したのか』の著者)特別講演会。
有明海奥部の各地でノリの赤腐れ病が蔓延。
    12日 諫早東京事務所・漁民ネットがパンフ「諫早湾干拓と有明海異変」を作成、配布開始。
    13日 諫早湾防炎干拓事業推進連絡本部主催で「江刺洋司講演会inいさはや」
    17・18日 川辺川利水訴訟原告団との東京行動で、事業再開を前提にした予算措置を講じないことを求めて財務省副大臣要請や宣伝活動。
    19日 シンポジウム関連の干拓地見学で、研究者や市民ら20人のうち7人の立ち入りを国が拒否。
  20日 諫早湾保全生態学研究グループ(代表:東幹夫)主催で「有明海を科学し再生の道をさぐる」公開シンポが長崎大で開かれる。
    22日  九州農政局が来年度予算での潮流改善実証調査内容を漁連に非公開で説明。6億円を投じ、(1)海底に溝(澪=みお)を掘ったり気泡が出る装置を海底で動かしたりして海水をかくはんし、潮流の向きを変える(2)泥がたまった海底に砂や貝殻をまいて通気性を良くするなどの「実証調査」を行う方針。
    24日 22日の農政局方針に対し、元中央水研の佐々木氏が批判の見解
佐賀県が国に対し、政府予算提案で「有明海再生のための中・長期開門調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
    27日 熊本県漁連第二部会が赤腐れ病対策でノリ網の一斉撤去を決める。
    30日 日本環境変異原学会と日本動物実験代替法学会の合同学術大会で小林信之・長崎大教授が、周辺海域で、陸に多く生息する細菌が急増しているとの調査結果を発表。
2004年  12月 6日 佐賀地裁で国の異議申し立てに対する審尋。
評価委員会(第12回)、来年末にも中間報告へ。
    7日 自然の権利訴訟(ムツゴロウ裁判)が結審。
    9日 玉名市菊地川河口沖合から北の有明海奥部で赤潮。
    11日 長崎大で開催された「みらい有明・不知火シンポジウム」で、長崎大の山口助教授がシログチの漁獲高が減少したのは、閉め切り後に起こった有明海の環境変化が原因と発表。
    13日 福岡、佐賀、熊本、長崎の有明海沿岸4県の漁連で組織する「有明海再生会議」が九州農政局の再生事業案に要望。
    16日 第八回低平地市民フォーラム」(佐賀大学など主催)で哲学者の梅原猛さんが「海は生命のふるさと」と題して講演し、諫早湾干拓事業について「海の生物の皆殺しが行われた。もう一度干潟に戻せないか」と約三百人の市民に訴える。
    20日 内示された予算案で諫干本体工事費は56億円。ほかに調整池に潜堤を築く水質改善事業がほぼ満額の約34億円、有明海の底質や潮流の調査費などの7億円、潮流を強める装置の有明海への設置費などの22億円はほぼ満額認められ、有明海再生費に66.5億円と事業費で計約110億円。
    21日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(本部長・栗林英雄諫早商工会議所会頭)が、早期の工事再開に向けた対応などを農水省に要望。
    27日  国交省が海洋短波レーダーを使った表層部分の潮流試験観測を一月下旬から半年間実施すると発表。
長崎県が、諫早湾干拓調整池の保全・活用計画発表。下水道や農業集落排水の施設整備など生活排水対策、フロート式水耕栽培や有用二枚貝による水質浄化など。また国はその一環として、調整池底泥の巻き上げ抑制策として潜堤の造成、柵工(さくこう)の設置や覆砂を実施する予定。
    28日 公調委の専門委員会が報告書を提出(専門委員報告書のダウンロード21.8MB)。因果関係の認定を色濃くにじませたもので、弁護団は「漁民に好意的」と評価。
2005年 1月 12日 佐賀地裁、農水省の異議申し立てを「(工事差し止めは)漁業者らに生じる著しい損害を避けるために必要」として退ける。(異議申し立てへの決定)(執行停止申し立てへの決定)(弁護団声明
    13日 西日本新聞が社説「再び「開門調査の実施」を」、赤旗が主張「国は連敗を重く受け止めよ」を掲載。民主党熊本県連が、佐賀地裁決定を「高く評価」とする声明を発表。「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」「日本野鳥の会」「日本自然保護協会」のNGO三団体も、佐賀地裁の決定を評価する共同声明を発表。
農水省が高裁への抗告の意向を表明。
    14日 熊本日日新聞が社説「国民の常識に沿う司法判断」を掲載。
    15日 日本海洋学会誌「海の研究」に宇野木早苗「共振潮汐の数値計算における開境界条件の影響-有明海の場合-」が掲載。
    17日 フジテレビ系列で事業をモデルとする連続ドラマ「不機嫌なジーン」始まる。
民主党熊本県連と共産党熊本県委員会が抗告しないよう国と県に申し入れ。
    19日 佐賀大地域経済研究センターが国営諫早湾干拓事業の勉強会開催。
有明海各地にノリの色落ち広がる。佐賀県西南部では漁場の9割で。
    25日 シンポジウム「サンフランシスコ湾湿地回復に学ぶ」で ピーター・ベイ博士が講演。
26日 農水省、佐賀地裁の決定を不服として福岡高裁に抗告。抗告の理由は、①差し止められた工事はほとんど陸上工事で漁民の漁業権を侵害しない、②佐賀地裁の決定は、漁業被害と潮受け堤防の因果関係について客観的な判断を行っていない、など。(弁護団長談話
    27日 共産党が農水省に抗告取り下げや事業中止などを求める申し入れ。
    28日 佐賀地裁本訴で漁民らが抗告取り下げを国側に訴える。
2005年  2月 2日 民主、共産両党と漁民ネットが、衆院第二議員会館に農水省や環境省を呼び、有明海特措法フォローアップ勉強会開催。
マナヅルが干拓地近くの田んぼで確認される。
    4日 ソウル裁判所がセマングム干拓の必要性を否定し計画見直し求める判決。
    14日 「諫早湾干拓調整池水辺環境の保全・創造推進会議」(議長・白浜重晴県出納長)が発足し長崎市内のホテルで初会合。
    20日 訴訟の支援団体などが荒尾市内で集会を開催。福岡高裁に抗告した国に対する抗議の声などが相次ぐ。
21日 農水省、福岡高裁に仮処分の執行停止を申し立てる。
    23日 九州農政局が有明海の全域で、潮流の一斉観測調査を実施する。同局によると有明海全域にわたる一斉調査は、一九七七年七月に実施した国の調査に続き二回目。
    27日 福岡県漁連も支援しての「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する福岡県民集会に6千人が参加。
2005年 3月 3日 竹崎沖から島原半島に向け約3キロ、黒い油粕様のものが浮いていた。
    5日 長崎大学の姫野教授が、失われた諫早干潟を復元するために支払ってもよい一世帯平均の税金額について、周辺地にあたる長崎市では六千円に上るのに対し、地元の同県諫早市ではマイナス千二百円(千二百円もらっても嫌の意味)という調査結果をまとめる。
    7日 「諫早湾干拓調整池等水質委員会」(委員長・戸原義男九州大名誉教授、十四人)の第十二回会合が諫早市内であり、水質浄化対策で同市森山町に試験的に設置されたフロート式水耕栽培施設の見学。
    11日 島原市沖約八キロの長崎、熊本県境で、二年連続して発生した粘質状の浮遊物と同じような物体が発生。
    14日 参院予算委で共産党仁比議員が、仮処分で執行できない予算90億円を計上しているのは不当と追及。
15日 長崎地裁。「諌早湾自然の権利訴訟」(ムツゴロウ裁判第一陣)で生物については原告適格を認めず、却下。住民については原告適格を認めたが、「人格的利益の侵害の事実を具体的に主張していない」などとして棄却。(九州農政局のプレスリリース)原告側控訴せず確定。
    17日 佐賀県議会で増本議員の質問に対し県は「開門調査を求める姿勢に変わりはない」と答弁。
    20日 社民党長崎県連の定期大会で、中・長期開門調査をすべきだとする議案を了承。
    22日 熊本県が漁民アンケート結果を有明海・八代海干潟等沿岸海域再生検討委員会(委員長・滝川清熊本大教授)で報告。全海域で、漁業者と住民の六割以上が「環境が悪化している」と回答。深刻な現状が浮き彫りに。
    25日 「不漁続きの有明海で漁民の自殺が多発!」(週刊金曜日3月25日号)。
佐賀大が有明海総合研究プロジェクトの成果公開シンポジウム。
国交省九州整備局が、港湾整備で発生するしゅんせつ土を活用した人工干潟の造成を三池港(福岡県大牟田市)と太良港(佐賀県太良町)で実施するための設計調査に一億二千万円を配分することが明らかに(国交省資料)。
    28日 公調委第10回審問。有明再生全国ネットが農水省交渉(要請書)。
    30日 4県漁民200人らの福岡市での集会で田北徹・長崎大名誉教授(魚類生態学)が講演。
市民団体「有明海ぐるりんネット」の設立総会が佐賀市で開かれる。
    31日 福岡県有明海漁連が、大和町の大和干拓地沖の有明海で四月一日から一年間、徒歩によるアサリの採取を禁止することを決めた。成育不良が理由で、禁漁は〇二年度以来。
国土交通省長崎河川国道事務所と県がダム計画を含む本明川水系河川整備計画を発表。
2005年  4月 4日 国土交通省九州地方整備局が、レーダーによる有明海の潮流観測について、来年一月からは現行のアンテナ局二基態勢から四基態勢に強化し、観測面積を有明海のほぼ七割に拡大する方針を明らかにする。
    14日 堤防閉め切りから8年 干潟の生物弔う慰霊祭。
    16日 150人が参加したシンポジウム「諫早湾干拓をどうするかを考える」で佐藤正典助教授が講演。
    22日 干拓工事現場が工事中断後初めて報道陣に公開される。
    23日 東京工大で沿岸環境関連学会連絡協議会(沿環連)の第13回ジョイントシンポジウム。
    25日 工事差し止め仮処分抗告審の審尋が行われ結審。
    26日 大牟田で差し止め抗告審報告集会。
調整池水辺環境の保全・創造推進会議(議長・白浜県出納長)が、調整池の水質改善や水辺環境の保全などを図るため本年度、国と県、地元自治体などで総額約34億円の関連事業に取り組むことを確認。

よみがえれ!有明海訴訟を支援する東京・首都圏の会がノーモアミナマタ環境賞を受賞。
2005年 5月 12日 北部水門2番ゲートに異常(写真)。
  13日 佐賀地裁本訴第15回口頭弁論。
    14日 よみがえれ!有明海訴訟を支援する長崎の会主催で東幹夫・長大名誉教授の講演会。
    15日 漁民ネットが大牟田で定期総会。
16日 福岡高裁、諌早湾干拓と有明海の漁業被害の因果関係を一応認めながらも、立証が不十分として、佐賀地裁が出した干拓工事差し止めの仮処分を取り消す(決定要旨)。国の主張を認めた中山弘幸裁判長は、。「司法と行政の癒着を生む」と批判されている判事と検事の人事交流で、法務省の訟務局に出向した経験を持つ。
民主党が福岡高裁決定についての談話を発表。共産党の市田忠義書記局長は記者会見で、「環境破壊につながることはやらないという予防原則の立場から、極めて不当な判決だ」と批判し、社民党の又市征治幹事長も談話で「公害等調整委員会の裁定を待ち、(その)結果を考慮して決定すべきだった。大変残念で遺憾だ」と強調。
    17日 毎日新聞が社説「高裁決定は事業是認ではない」、東京新聞が社説「再開の“許可”ではない」、日本経済新聞が社説「国は諫早湾で開門調査の責任を果たせ」、産経新聞が主張「より重くなった国の責任」、琉球新報が社説「国は工事再開を急ぐな」、徳島新聞が社説「国も喜んではおれない」、中国新聞が社説「立証責任求め過ぎでは」、神戸新聞が社説「なぜ「差し止め」撤回か」、信濃毎日新聞が社説「工事再開を急がずに」、南日本新聞が社説「工事再開の前に原因究明を急ぎたい」、長崎新聞が解説「立証責任に高いハードル 」、沖縄タイムスが社説「事業優先の司法判断だ」、西日本新聞が社説「継続は開門調査を前提に」、朝日新聞が社説「やはり開門調査が要る」、熊本日日新聞が社説「国は「有明海再生」の道筋を」、佐賀新聞が論説「国は原因究明に取り組め」を掲載。
弁護団が解説文書をまとめる。
農水大臣が記者会見で、予期せぬ被害が生じる可能性があること等から、中・長期開門調査を実施しないとの判断に変わりないと表明。
    18日 赤旗が主張「有明海再生に国は開門調査を」を掲載。
国が約9ヶ月ぶりに工事再開。
    19日 原告弁護団・支援者が民主・共産・社民各党議員団と懇談。
参院農林水産委員会で共産党・紙議員が質問。
    20日 漁業者側、福岡高裁に判例違反があるとして最高裁への抗告許可を求める。
    21日 東京昭和記念公園でやま,かわ,うみ,そらFESTIVAL。
    22日 九州農政局が、国営諫早湾干拓事業の完成が当初予定の二〇〇六年(平成十八)度末から〇七年度にずれ込む見通しであることを明らかに。
    23日 農水省が事業完了は予定の2006年度が2007年度にずれ込むと表明。
「佐賀有明の会」(川崎賢朗会長)が「有明海を守れ」などと横断幕を張ったトラック二十五台で佐賀市などをデモ行進。
    30日 農政局が漁連に前面堤防工事再開を打診。(工事予定工程
    31日 弁護団などが4県漁連に工事再開前の中長期開門調査要求を要請
2005年 6月 7日 熊本大と長崎大の5人の研究者グループが、有明海の海底の堆積(たいせき)物を分析した結果、重金属汚染は少ないが、富栄養化が約10年前から顕著になったと明らかに。
諫早湾干拓事業に反対する有明海沿岸の漁業者たち250人が、工事が再開されたことに抗議して7日朝から、干拓地の入り口前で座り込み。佐賀有明の会は、長崎市内をデモ行進後県庁で知事宛要請書を提出。
諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林英雄本部長)の代表らは、事業の早期完成や中・長期開門調査の反対を農水省・石原葵事務次官や川村秀三郎農村振興局長らと面会して要請。
佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期開門調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
    9日 諫早湾干拓事業差止仮処分事件の保全抗告決定に関する会長声明。
    9・10日 公害被害者総行動デー(対農水省要請書)(対最高裁請願書)。
    10〜12日 柳川で水郷水都全国会議と第8回有明海・不知火海フォーラム。日本野鳥の会の調査で、シギやチドリの渡来数が諫早湾で激減したのに対し、佐賀県東与賀町の干拓地、大授搦(だいじゅがらみ)で急増。
    12日 「有明海再生機構」(理事長・楠田哲也九州大大学院教授)が県のNPO認証を受け設立記念講演会。
    13日 公調委に対して漁民ネットが意見書提出。
    15日 有明海・諫早湾の貧酸素水塊連続観測のデータを、リアルタイムで公開するホームページの開設が告知。
島原半島東部の漁協と自治体でつくる「有明海栽培漁業推進協議会」は、国見町沖の有明海に車エビ約十九万匹を放流。
    16日 評価委員会(第14回)。シルト層は大浦沖で4.4m、国見沖で4m弱も堆積していることが明らかに。
    17日 三池港と大浦港の人工干潟問題を検討する委員会が発足(委員名簿)。
27日 福岡高裁が漁民側の抗告を許可し、最高裁審理に。小長井漁協が本明川ダム反対を決議。
    29日 潜堤工事入札で奥村組が4億8300万円で落札。
2005年 7月 1日 「漁師たちの叫び」(週刊金曜日7月1日号)
    5日 農政局が排水拡散調査。
    11日 島原市議会で開門調査求める請願を採択。
    15日  佐賀地裁口頭弁論。
政府は赤嶺政賢衆院議員らの質問主意書への答弁書で、総事業費が2002年の計画変更時からさらに73億円増えて2533億円となる見通しを明らかに。
    19日 九州農政局長に農地整備部長の南部明弘氏。
    21日  九州農政局が有明海47地点において、漂流物方式(ヒモを付けた浮きを放出して、流向、流速を計測する方法)により潮流一斉調査。
熊本、福岡、佐賀、長崎四県の有明海沿岸四十市町長でつくる「有明海がんばれサミット協議会」(会長・高嵜哲哉玉名市長)総会が、アサリやタイラギの稚貝浮遊状況調査費の補助を、国に要望することなどを了承。
    22日 福岡県弁護士会が中・長期開門調査求め会長声明。
    23日 島村農相現地視察。事業見直しを求める長崎、佐賀両県の漁業者ら約四十人が横断幕を掲げ、抗議行動。
    25日  有明再生全国ネットが最高裁前でビラまき。
島村宜伸農相が「事業に反対する人の気持ちが分からない」と発言したことについて、漁民ネットなど四団体が農水省に抗議文。 
    26日  有明海漁場環境改善連絡協議会(第1回)が開催。九州農政局や水産庁九州漁業調整事務所、沿岸四県の水産行政担当者と漁連会長ら十一人で構成。
    29日 漁業者ら新たに1147人が佐賀地裁に追加提訴し、原告が2029人に(弁護団声明)。
2005年 8月  10日 福岡県が大牟田市の早米ケ浦漁協(森永栄三組合長)対して、水産業協同組合法に基づき「組合員数が足りず、漁協の要件を満たしていない」として、解散届を提出するよう指導。
    16日  民主党マニフェスト発表。「工事が相当すすんでいる諫早干拓事業(2490 億円中2368 億円が執行済)、工事が終了した長良川河口堰などについても、住民・自治体の意見を聞きながら、事業のすすめ方、活用のあり方を見直します。」
    18日 佐賀有明の会(川崎賢朗会長)が、佐賀1、2区の立候補予定者六氏を招き、国営諫早湾干拓事業について意見交換。有明海異変の認識では一致し、いずれも中・長期開門調査をはじめ潮受け堤防排水門の開放の必要性を主張。
    19日  佐賀県環境センターが2004年度の水質調査結果を発表。有明海は、CODと窒素とリンの値が基準を上回った観測点が多く、水域の平均値は〇三年度よりも悪化。貧酸素による海底からのリンの溶出を指摘する声。
  25・26日 ソウルとセマングムで日韓環境弁護士交流シンポジウム。
    26日 概算要求で事業費55億円、有明海再生対策費に39.54億円。
30日 公調委が専門委員報告書を覆し、事業実施前のデータ不足などを理由に漁業者側申請を棄却
    31日 熊本日日新聞が社説「中・長期の開門調査が必要」を掲載。政府がアオコ毒・ミクロシスチンを安全確保を要する物質に指定
2005年 9月 2日 佐賀新聞が論説「立ち止まって調査を 」を掲載。
  5日 漁民ネットが公調委への抗議声明
    12日 評価委員会(第15回)。
    15日 佐賀地裁口頭弁論。
    19日 佐賀県東与賀町で「有明海再生機構」(理事長、楠田哲也・九大大学院教授)の設立記念国際シンポジウム。
    20日 有明再生全国ネットが最高裁ビラまき。
金子知事は、「営農開始から農地すべてをリースする」との方針を明らかにした.県と九州農政局が農業者らを対象に昨年行った調査で、営農希望面積ベースで52%の農業者がリースを希望すると回答していた。
    21日 朝日新聞が社説「お墨付きは出ていない 」を掲載。
30日 工事差し止めを求めた仮処分申請について、最高裁が漁業者側の抗告を棄却し福岡高裁決定が確定。(弁護団声明
2005年 10月 2日 熊本日日新聞が社説「「異変」解明の責任は不変」を掲載。
    3日  公害等調整委員会決定について、佐賀県はあらためて「残念な結果」との見解を示し、引き続き国に中・長期開門調査実施を要請する方針を示す。
    6日  諫早湾干拓道路整備推進協議会(会長、吉次邦夫諫早市長)の総会で県が、潮受け堤防道路と国道251号をつなぐ南部取付道路(吾妻町)の整備について、地権者43人のうち10人から測量のための立ち入りへの同意が得られていない現状を報告。
    16日頃 潜堤工事着工。熊谷組と奥村組が10億円で受注。
    18日 原因裁定に対する研究者共同声明が発表される。
    21日 原告弁護団が共産党議員団と懇談。
    22日 諫早東京事務所がシンポジウム「諫早湾干拓・原因裁定を検証する―本当に「因果関係は不明」なのか―」開催。
    28日 NPO法人「みらい有明・不知火」(理事長・滝川清熊本大教授)のシンポで、長崎大の万田敦昌助手は、一九六〇〜七〇年代に有明海で実施された干拓が潮流にどのような変化を与えたかをコンピューター内にモデルをつくって試算し、「湾奥部で流速が10〜30%減少した」と結論付けた。
31日 沿岸4県漁業者が常時開門・環境影響調査・事業凍結を求める仮処分を佐賀地裁に申請。
2005年  11月  2日 評価委員会(第16回)。
    3日  福岡、佐賀両県は、少雨で有明海の栄養塩(窒素)が不足し、養殖ノリの色落ちが進んでいるとして、九州地方整備局に筑後川水系の下筌ダム(阿蘇郡小国町・日田市)と松原ダム(日田市)からの緊急放流を要請した。これを受け同局は三日から四日間、両ダムの貯留水を放流することを決定。
農林水産事務次官が記者会見で、「調査の成果が明らかでなく、予期せぬ被害が生じる可能性があることから、中・長期開門調査を行う考えはない。しかし、中・長期開門調査に代わる有明海再生に向けた調査・現地実証を引き続き実施していきたい。」旨発言。
    9日 吉次諫早市長が農水省に、干拓営農の早期確立や施設の維持管理に対する支援、調整池の水質保全対策、後背地の排水対策などを要望。
    10日 新泉水海潜水器組合(松永秀則組合長)のタイラギ潜水調査で成貝が確認できず、十三年連続の休漁へ。
    11日  調整池や干陸地の自然環境の在り方などについて考え、活動する官民のネットワーク「ISE(アイ・シー)ネット」が発足。ISEネットは「Isahaya Sea Ecology Network」の略称。調整池や周辺流域を自然豊かな水辺環境としてはぐくむため、市民と行政が一体となって活動の輪を広げていくという。
    15日 第二陣ムツゴロウ訴訟で裁判長らが諫早湾干拓を視察。
      日経サイエンスに原因裁定批判記事
    18日 有明海の再生策を探る熊本大と国、県によるシンポジウム。
  19日 熊本県立大で第14回沿環連シンポ「有明海再生をめざして」。
    21日 諌干農地のリース事業を県が農業振興公社に打診。
    22日 地域再生法に基づく地域再生計画の第2回認定事業に諫早市の「おいしい農のふるさと・諫早」親水空間再生計画が選定。
    24日 佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
2005年  12月 3日 熊本県13漁協が、色落ちのため秋芽網の一斉撤去を決定。
    6日 国交省による本明川魚類調査(92年から5年ごと)で、ブラックバスを初確認。また汽水域種20種が1種に激減していたことが明らかに。
    8日 長崎県議会農林水産委員会は民主県政をつくる会」(代表世話人・高村暎氏ら九人)が提出した国営諫早湾干拓事業の中・長期開門調査実施を国に求める意見書採択の請願について、全会一致で不採択。
  9日 佐賀地裁口頭弁論。502人が追加提訴し、原告数は2533人に。
有明海訴訟弁護団とセマングム弁護団の合同シンポ。

低平地市民フォーラムで発泡ガラス材などを混ぜて底泥を改善し、その質を保持できる「人工漁場」の開発例が報告。
    12日 評価委員会(第17回)で小松委員が、有明海の潮流が22%減速したとする調査結果を報告。
    14日 調整池等水質委員会(第13回)。九州農政局が底泥の巻き上げを抑えるため建設している「潜堤」の効果などを報告。
    15日 大浦と大牟田でノリが栄養塩不足。
    16日 福岡県有明海漁連が、アサリの高密度発生が確認された柳川市沖の2カ所75ヘクタールを保護区に設定し3月まで採取禁止に。
    17日 筑後川水問題研(蔦川正義会長)が「有明海異変考えよう」講演会。
    21日 財務省予算原案で事業費55億円、有明海再生策に42.71億円。ほかに本明川ダム調査費3.8億円。
    27日 福岡県海砂採取専門委員会(委員長=小島治幸・九州共立大教授)が、県沖合での海砂採取は「海岸線へ影響なし」との中間報告。
2006年 1月 20日 日韓政府が、韓国産ノリの輸入割り当て問題に関する協議で、二〇一五年度までに韓国産の輸入割り当てを、〇四年度の約五倍の年間十二億枚まで段階的に拡大することで合意。 
    24日 九州農政局が、西日本新聞・佐賀新聞・熊本日日新聞・長崎新聞の地元4紙に「取り組んでいます。有明海再生のための調査・現地実証!」とする新聞広告を掲載。費用は710万円。
    26日 第1回諫早湾干拓公募基準等検討協議会。
新泉水海潜水器組合(松永秀則組合長、三十九人)が、タイラギ不漁の原因究明に向けた徹底調査・結論を求める決議案を採択。
    30日 評価委員会(第18回)。公調委が専門委員報告書を評価委へ公開へ。
31日  福岡県有明海漁連が国に対して中長期開門調査を求めて福岡地裁に提訴。
長崎県農業振興公社理事会が、来年夏の事業完成後にできる農地約700ヘクタールについて、国から一括購入することを決定。土地改良法の規定で農地を直接保有できない県に代わり、公社が入植者らに対する農地のリース(貸し付け)事業を手がける。
2006年 2月 2日 早米ヶ浦漁協の過料事件審尋。
  3日 佐賀地裁第19回口頭弁論で堤教授証人尋問。
    5日 長崎県知事選で金子知事3選。
    7日 県国土利用計画審議会(後藤恵之輔会長、十七人)が、諫干事業の農地造成に伴う農業地域の拡大などを盛り込んだ「県土地利用基本計画」の変更案を了承。
    16日 諫早湾干拓地域環境調査委員会(委員長・野口正人長崎大教授)で九州農政局は、湾内の底生生物の生息状況を潮受け堤防閉め切り前後で比較した結果を示し「閉め切りの影響は湾内にとどまる」という従来の見解を繰り返した。
    21日 早米ヶ浦漁協解散届け提出命令の取り消しを求めて福岡地裁に提訴。
    23日  評価委員会(須藤隆一委員長、二十一人)は、東京・霞が関で第19回会合を開き、「(二枚貝の大量死の原因とされる)貧酸素水塊や赤潮の発生機構など、両海域の環境変化について、さらに要因分析が必要」などとする中間報告をまとめ、パブコメ募集へ(諫早東京事務所のパブコメ)(漁民ネットのパブコメ)。
    25・26日 都内で日韓共同干潟調査団「日韓国際環境賞受賞」記念連続シンポジウム。
    28日 福岡県有明海漁連(荒牧巧会長)が一月、開門調査を国に求めた行政訴訟で、同県の漁業者二十八人が、原告を補助するための訴訟参加を福岡地裁に申し立て。
2006年  3月 2日 諫早湾干拓公募基準等検討協議会(木村務座長、十五人)は長崎市内で二回目の会合を開き、県は環境保全型農業を実践するため、営農開始時点でのエコファーマー認定を入植条件とする考えを示す。
  4日 第15回沿環連シンポ「沿岸環境モニタリング、その必要性、可能性、緊急性-関連学会からの提言に向けて」。
    17日 諫早市の映像作家岩永勝敏さん(66)が、約五十の伝統漁法を撮影した映画「今、有明海は 消えゆく漁労習俗の記録」を完成させ、長崎市で上映会。
    20日  熊本県有明海・八代海干潟等沿岸海域再生検討委員会(滝川清委員長)が、泥化した海底の藻場への再生や堤防護岸で失われた干潟の回復などを柱にした提言をまとめる。
    23日 福岡地裁大牟田支部が、早米ヶ浦漁業協同組合代表理事森永栄三氏に対する過料決定を取り消すとの決定(弁護団声明)。
    24日 佐賀地裁口頭弁論で田北・長崎大名誉教授が「有明海の漁獲量が急減している原因として最も疑わしいのは諫干」と証言。
    27日 佐賀、福岡、熊本三県の漁連でつくる諫早湾干拓事業対策委員会に対し、中長期開門調査について九州農政局は「係争中の問題であり、回答は難しい」と説明。
    28日  石坂丞二・長崎大教授が赤潮発生時期と降雨との関係を解明(夏は降雨から10日前後、冬は約3週間〜1か月後に発生のピークを迎える)。
    29日  長崎大水産学部の有明海研究班が「干潟干拓が一九六〇―七〇年代に急激に拡大して海岸線が変化し、潮流が弱まったことが原因の一つ」との研究結果をまとめる。ただ漁業者らが「異変の主因」と指摘する国営諫早湾干拓事業との因果関係は明確ではなく、中田学部長は「異変に関係していることは間違いないが、今回は解明できなかった」と話す。
    30日  有明海漁場環境改善連絡協議会(第2回)で、九州農政局は「貧酸素現象」について、七月に諫早湾内と佐賀県沖の浅場で酸素濃度が通常より薄い「貧酸素水塊」が発生し、潮流に乗って移動していること、また酸素濃度を上げるために微細気泡を送り込む実験で、サルボウガイが死ぬ率が通常より約15%下がったと報告。
    31日 九州農政局ホームページの公募型指名競争入札工事に北部および南部海域環境施設基礎部造成工事並びにブロック製作工事が含まれるも、その後削除される。
2006年 4月 6日  熊本県立大環境共生学部と九州大、北海道大で構成される研究班が、諫早湾干拓の影響で貧酸素水域が年々急速に広がっていることを確認。
    10日  小長井町漁協の理事を含む一部組合員が、「国営諫早湾干拓事業で、国の想定以上の漁業被害が生じた」として、漁場再生について協議する場の設置を求める要求書を九州農政局諫早湾干拓事務所(同市)に提出。同漁協は補償契約締結後、諫干事業推進の姿勢をとっており、組合員が反旗を翻す形となった。
  15日 「諫早干潟を憂える大牟田の仲間」(本昭弘代表)が1998年に始めて9回目の慰霊祭。
干潟を守る日2006in諫早シンポ「見直せ ! 諫早湾干拓事業」が諫早市で開催され,保母武彦・島根大学前副学長が講演。
    20日  小長井町漁協の組合員15人が、海の再生について協議の場の設置を求める要求書を九州農政局諫早湾干拓事務所に提出した問題で、同事務所は20日、「個別の対応はできない」と電話回答。
諫早湾干拓公募基準等検討協議会が、農地のリース面積について整備された区画に合わせ、中央干拓地(約600ヘクタール)は6ヘクタール単位、小江干拓地(約100ヘクタール)は3ヘクタール単位とするのが妥当との考えで一致。
    25日 テレビ朝日ニュースステーションの共謀罪問題特集で有明海の漁民運動が事例として取り上げられる。
    26日  調整池水辺環境の保全創造推進会議で、本年度、国と県、地元自治体などで五十四件、総額約三十九億八千万円の関連事業に取り組むことを確認。イケチョウガイやヨシを利活用した水質浄化事業など。
福岡県有明海漁連(荒牧巧会長、柳川市)が国に調査の実施を求めた行政訴訟の第1回口頭弁論。
    28日 佐賀地裁口頭弁論。
評価委員会(第20回)。
    30日 WWFジャパンが映像資料のDVD「里海と生きる〜有明海・鹿島〜」を制作。
2006年  5月 9日 導流堤(攪拌ブロック)の設置に小長井漁協(新宮隆喜組合長、九十九人)が同意。今年度中設置へ。
    13日 中・長期開門調査の実施見送りを決断した亀井善之元農相死去。
    17日 攪拌ブロック設置工事開始(写真)。(農政局による「攪拌ブロック」の説明
  21日 有明海再生機構の平成17年度成果発表会で、研究者や会場から開門調査必要論が噴き出し楠田理事長(九大)が立ち往生。
    25日  県が諌干中央干拓地を報道機関に公開。
長崎県諫早湾干拓室がまとめた「諫早湾干拓事業視察者の状況」によると、二〇〇五年度は過去二番目に多い二千九百六十人だった。大型公共事業の象徴的存在として事業推進の是非が問われ続ける中、〇三年度以降は各年度とも二千五百人を上回っており、関心の高さを示している。
    26日 佐賀地裁第26回口頭弁論で、宇野木・東両証人が中長期の開門調査の必要性を訴える。
    31日  国土交通省九州地方整備局が、六月上旬から三池港(福岡県大牟田市)と大浦港(佐賀県太良町)に実証実験用のミニ干潟計13ヶ所をつくり、アサリの成育調査や水質調査をすると発表。
本明川下流域の不知火橋付近でコイヘルペスウイルス(KHV)病が疑われるへい死魚の発生。
長崎県が、諫早湾干拓自然干拓地有効活用支援事業の事業事後評価結果をまとめる。
2006年  6月 2日 独立行政法人水産総合研究センター(横浜市)が、有明海に生息する二枚貝タイラギの大量死の原因解明や養殖技術開発の研究を本年度から始めると発表。
5日 県公社による農地取得に県が費用を負担するのは違法として、長崎県民76人が公金の支出差し止めを求め、県監査委員に住民監査請求。
    6日 佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
    6・7日 公害被害者総行動デー。
    7日 漁民ネットが「市民版時のアセス2006」を記者発表(西日記事)。費用対効果は0.19,赤字額6400億円と試算。
    8日 事業再評価(時のアセス)第三者委員会委員長・加藤治佐賀大農学部教授、六人)の審議始まる。
    9日 小長井町漁協(新宮隆喜組合長)が昨年度、県や市などの補助金を受けて設置したカキ養殖用いかだを固定する重りの一部を目的外に使用したとして、補助金が減額支給されたことが明らかに。
    13日 諌早干潟緊急救済本部などが事業再評価第三者委の現地視察時に要請書提出。
    15日  長崎県漁業協同組合連合会は川端勲会長を再任。会長は中長期開門調査について「開門すれば調整池にたまったヘドロが流出し漁業への影響が避けられない」と述べ、開門調査に反対する姿勢を示した。
      「判例時報」6月号に有明海裁判記事。
    22日 事業再評価第三者委第2回会合で、農政局から「〇七年度内早期の工事完成を図る」との再評価原案が示される。
    25日 漁民ネットなどが長崎市で市民版時のアセスのシンポジウムを開催。
    26日 落雷で南部排水門が1時間40分にわたり閉まらず、海水40万トンが調整池内に逆流。
    27日  小長井町漁協の目的外使用問題で、長崎県は01〜04年度分でも目的外使用があったとして、同漁協に支払った四年間の補助額の一部を七月にも返還請求する方針を固める。
    28日 漁民ネットが事業再評価第三者委員会に意見書提出。
    29日 評価委員会(第21回)。
    30日  佐賀地裁口頭弁論で経塚九大教授が「工夫すれば現状で開門調査は可能」、小松教授が「「有明海異変のメカニズムが解明できなければ、再生の方法はみつからない」と証言。
事業再評価第三者委員会の第3回目の会合。終了後、加藤委員長は事業の続行を認める方向で意見を取りまとめる公算が高いことを示唆。
堤防道路の舗装工事を受注したほか、前面堤防工事も企業共同体の1社として手がけた古賀建設(諫早市)が自己破産。
2006年 7月 7日 事業再評価(「時のアセス」)第三者委が、有明海問題や費用対効果問題に言及しないまま事業継続の答申。01年答申の二の舞を踏みたくない九州農政局が委員人選段階から入念な対策をとった結果と言われる。同日、会場前で漁民・市民が抗議活動。(漁民ネット抗議声明
農地取得問題の住民監査請求事件で請求者住民が意見陳述。
    17日 「佐賀大学有明海総合研究プロジェクト」の成果公開シンポジウム。
    29日 第9回有明海・不知火海フォーラムinしまばら。
2006年 8月 1日 公金支出差し止め監査請求について、県監査委が「一括配分を受けるための資金は現時点で財源、金額とも未確定」として請求を却下。(弁護団声明
農林水産省の人事で、これまで農業土木技官が独占していた農村振興局整備部長のポストに初めて事務官(山下一仁氏)が就任。
    2日 市民に非公開で第27回諫早湾干拓地域環境調査委員会。水質改善進まず。
西海区水産研究所が、有明海の湾奥部の海底付近で海水の酸素濃度が低くなる「貧酸素化」が昨年同時期に比べて急速に進んでいると発表。
    3日 第5回諫早湾干拓公募基準等検討協議会。リース期間は5年 料金は明示せず。
    4日 有明海でエチゼンクラゲの目撃情報。
    6日 有明海の貧酸素が01年以来最悪の状況(熊本日々新聞記事)。
    9日 民主党の菅直人代表代行、山田正彦・原口一博・大串博志両衆院議員らが、佐賀郡東与賀町の有明海海岸などを視察し、地元漁業者らと意見交換。菅氏は諫早湾干拓事業を「全く失敗だった」とあらためて批判。「(干拓が)できても、元に戻す勇気が必要」と述べ、完成後も開門や堤防撤去を目指す意向を示した。
    10日 民主党の菅代表代行が佐賀市内での会見で、締め切られたままの潮受け堤防の中長期開門調査の実施を政府に強く働きかけることを含め、あきらめることなく自然界の回復を目指して活動していきたいとの思いを示す。
    17日 自然保護助成基金創立10周年記念助成研究論文集「有明海異変と諫早湾干拓の関連解明に向けて」刊行。
23日 干拓農地の取得に県の公金51億円を支出するのは違法として、長崎県民76人が長崎地裁に提訴。
    24日 評価委員会(第22回)。
    25日 佐賀地裁口頭弁論で国側証人の中西弘山口大名誉教授(衛生工学)が「有明海の異変に干拓事業の影響はほとんどない」と証言。 
    30日  熊谷組(本店福井市)が自民党長崎県支部連合会に行った政治献金は、わいろ性があり公序良俗に反するとして、大阪市の株主が当時の経営陣に対し、計2500万円の返還を求めた株主代表訴訟の判決で、福井地裁の小林克美裁判長は株主側の請求を棄却。
概算要求で事業費22.75億円、有明海再生対策事業費に38.24億円。
    31日  第3回有明海漁場環境改善連絡協議会で農政局は、六月から来年三月まで取り組んでいる底質環境調査では、海底かくはんで腐乱臭がなくなった結果が得られたが、大きな環境変化は見られず継続的に調査すると報告。
農水省は、諫早湾干拓事業について「事業計画に基づき、事業を着実に推進する」とする事業再評価(時のアセス)の最終結果を発表。
2006年  9月  8日 大浦沖で謎の浮遊物様の物質が目撃。
    9日 諫干南部取り付け道路が県案より東に決定。
    12日 長崎県が諫早、雲仙両市の一部と、島原市の沿岸部を水質汚濁防止法に基づく生活排水対策重点地域に指定。
    14日 第6回諫早湾干拓公募基準等検討協議会。県からは農地のリース料などが示されず。
    19日 国土交通省九州地方整備局は、三池港付近に造成した「ミニ干潟」六区画に、実証実験用のアサリの稚貝百二十キロを放流。
    20日 島原沖で謎の浮遊物。
    21日  小長井町漁協(新宮隆喜組合長、98人)は、調整池排水を海水とかくはんするブロック「かくはん礁」(導流堤)設置の是非を巡り、臨時総会を開き54対36の賛成多数で同意したが、反対した組合員は「かくはん礁設置は公有水面埋め立てと同様、漁業権を侵害する。埋め立て時と同じように漁業権者全員の同意が必要」と無効を訴える。
背任で起訴された長崎県庁住宅課元係長の初公判で、「預け」と称する裏金作りが県庁内で組織的に行われている実態が明るみに。
    22日 対象が農業者に限られている農林漁業金融公庫の低利融資制度について、金子知事は公社まで広げるよう国に要望中と明らかにする。
  27日 評価委員会(第23回)。会場の法曹会館前で諫早東京事務所がビラまき。
    29日 佐賀地裁口頭弁論。
    30日 福岡県大川市がシンポジウム「有明海の再生をめざして〜地球環境と有明海」を開催。
2006年 10月 3日 長崎県総合水産試験場が3日、増養殖試験などに利用できる稚貝約1000個の生産に成功したと発表。
  4日  佐賀有明の会が、鹿島市の国道沿いに開門調査を訴える看板設置(写真)。
長崎県総合水産試験場が3日、増養殖試験などに利用できる稚貝約1000個の生産に成功したと発表。
小長井漁協有志が導流堤問題で農政局に質問状。
    5日  独立行政法人水産総合研究センター(本部・横浜市)は五日、日本沿岸に深刻な漁業被害をもたらしているエチゼンクラゲが有明海で繁殖している可能性があるとして調査を行ったが、確認できなかったと発表。
    8日 荒尾・大牟田から南川副にかけての有明海奥部で渦鞭毛藻(Gyrodinium  insriatum)赤潮。
  10日  静岡市で日本魚類学会主催の公開市民講座「干潟を守る-有明海をどう再生させるか-」開催。有明海の子宮に相応しく6月下旬には豊富だった諫早湾内の魚類の仔魚が、貧酸素を経た8月上旬には激減しているという調査結果が注目を浴びる(写真)。
    11日  有明海特措法の見直し期限を来年11月に控え、関係6県は環境省や農林水産省など関係省庁に対し、有明海異変の原因究明調査を評価する総合調査評価委員会の存続などを提案。環境省は存続に前向きな意向。
    20日  佐賀地裁第26回口頭弁論。原告側の反対尋問で国側証人の中西弘・山口大名誉教授は「赤潮発生は水温の上昇だけでは説明できず、潮流問題も重要」と述べ、事業との因果関係が指摘される潮流の変化も、有明海異変の要因の一つであるとの認識を示す。
    21日  「有明海再生機構」が、有明海についての理解を深めてもらおうと「有明海講座」(全6回)を企画した第1回目が開かれる。来年3月まで毎月1回ずつ開いていく。
諫早市の映像作家・岩永勝敏さん(67)が撮影した「今、有明海は 消えゆく漁撈習俗の記録」が、文化庁の文化記録映画大賞に選ばれ授賞式が行われる。
    22日 調整池各所にアオコの発生を確認(写真は農業用取水口近くの北部承水路)。
    25日 評価委員会(第24回)で委員会報告骨子案公表。
    26日  本明川ダム建設協力求め、諫早市長ら知事に要望書。要望書は「本明川は傾斜が急で、集中豪雨が発生しやすい地域を流れているため、治水と利水の安全度向上のため、ダム建設事業の促進は不可欠」としているが、諫干では治水が不可能だったことを事実上認めたことにならないのか。
    29日 東京大学で宇野木早苗理学博士への日本自然保護協会沼田眞賞授賞式と記念講演会。
    31日 調整池にアオコ回収処理船(98年に3隻配備)の出動が目撃される(写真)。
2006年 11月 1日 評価委報告骨子案に対し、元中央水研・佐々木氏が意見書を送付。宇野木元東海大教授も意見書送付。
    2日 仁比聡平議員の質問主意書への政府答弁書が送付されるも、「作業が膨大となることから、お答えすることは困難」との文言ばかりが並ぶ前代未聞の不誠実回答。
評価委報告骨子案に対し、元中央水研・松川氏が意見書を送付。
佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
    6日 漁民ネットが農水省調査の潮流データを整理
長崎地裁で公金支出差し止め住民訴訟の初弁論が行われ、県は争う姿勢。
有明海の環境再生について行政関係者や熊本大研究班が取り組みを報告するシンポジウムに250人。
    8日 荒尾の2隻がタイラギ漁に出るも、9月に無事だった成貝の半分が斃死状態。
    13日 佐賀県有明海潜水器協議会と県水産海洋技術センター有明海研究所が、タイラギの生息状況を調査。56地点のうち27地点で生息を確認したが、死貝が増えたことも判明。
    15日 小長井町漁協など諫早湾内4漁協がタイラギの成育状況を調査。漁獲対象となる15センチ以上の成貝は今年も見つからず、来月解禁予定のタイラギ漁は、1993年以来14年連続休漁が確実。
    20日 6名の研究者が連名で評価委報告骨子に対する共同申し入れ書を提出し、熊本で記者発表。
    23日 東京新宿御苑で第2回,やま,かわ,うみ,そらフェスティバル。
    24日 佐賀地裁訴訟の原告側弁護団が、完工が近いとして請求の内容を「工事差し止め」から「潮受け堤防の撤去」に変更したことを明らかに。
福岡佐賀両県有明海潜水器漁業者協議会は、一部の漁場で成貝が確認されたとして、3年ぶりに両県に漁解禁を要望することを決定。
    28日 漁民ネットが諫干関連の訴訟リストを整理。
    29日 評価委員会(第25回)で、最終報告書案が示される。
2006年  12月  1〜3日 都内で日本科学者会議第16回総合学術研究集会が開かれ有明海問題も報告。
    3日 「諌干農地へのリースをやめさせる会」の結成総会。
    4日  評価委報告案に対するパブコメ開始。(漁民ネットの意見(元中央水研・佐々木氏の意見)(弁護士達の意見)(堤教授の意見)(宇野木元教授の意見
    5日  県庁の裏金問題で、「預け」と呼ばれる裏金の口座を管理していた事務用品業者の男性=当時(51)=が、裏金発覚のきっかけとなった県の元係長の背任事件摘発後の六月末に、長崎市内の山林で自殺していたことが五日、分かった。
    9日  熊本県立大と九州大などが取り組む有明海再生研究事業の一環として、スウェーデン・イエーテボリ大のラトガー・ローゼンバーグ教授と韓国・仁荷大の洪在上教授を招き、熊本市で国際シンポジウム「沿岸閉鎖性海域における人為活動の影響による生態系攪乱と生態系保全のための方策」開催。
    13日 評価委に対し11/20に申し入れを行った6名の研究者が再度、評価委に公開質問を提出。
    15日  佐賀・福岡でタイラギ漁3季ぶりの再開。
有明海や橘湾沿岸の14漁協でつくる南北高海区漁協組合長会(会長=新宮隆喜・小長井漁協組合長)は県に対し、諫早市に建設が予定されている本明川ダム建設の反対を要望。
    16日 タイラギを海中につり下げる養殖法の研究が、県内の研究機関などで進められ、今年秋に稚貝の生産に全国で初めて成功。
    19日  福岡県有明海漁連(荒牧巧会長)が国に潮受け堤防排水門の中・長期開門調査を求めた訴訟のうち、行政事件訴訟法に基づく請求分の判決が福岡地裁であり、一志泰滋裁判長は「行政訴訟の対象外」として門前払いし、原告の訴えを退ける。原告側は民事訴訟でも「開門調査を行わないのは特措法に反した債務不履行で違法」と主張しており、請求は今後も継続して審理される。
  20日 有明海特措法に基づき環境省に設置されていた「有明海・八代海総合調査評価委員会の第28回会合で報告書。 諫干は異変要因の一つとして間接的には認めるも、真正面から取り上げず、開門調査にも触れず。委員会終了後、漁民ネットが報告書批判の記者会見
財務省予算案が内示され、事業費22.75億円、有明海再生対策費35億円が計上。
    21日 評価委の須藤委員長が若林環境相に最終報告を提出。
    25日 諌干リース公金支出差し止め訴訟の第2回口頭弁論。
    26日 共産党熊本県委員会が開門調査を国に働きかけるよう潮谷知事に要望書。
    28日 12月13日に公開質問を行った研究者6名が評価委最終報告への批判声明、また漁民ネットが抗議声明をそれぞれ発表。
2007年  1月 19・20日 九州大学で、「海のゆりかご〜次世代につなげる文化と生きもの」セミナーや写真展。
2007年 2月 2日 佐賀地裁の裁判官と原告、被告3者による初の現地視察。
    4日  諫早市議会諫早湾地域振興調査特別委員会(笠井良三委員長)主催で「諫早湾地域まちづくりシンポジウム」。調整池と潮受け堤防道路も含めた活用法を探る目的。会場からは「観光を兼ねた放牧をやったらどうか」とのアイデアが出る一方、野鳥やカメムシが農業に及ぼす被害、低迷する漁業、調整池の水質などを懸念する意見や指摘が相次ぐ。
    6日 自民党有明海ノリ等被害調査対策本部が、有明海特措法)の見直しへ向け4県の漁業担当者から生産状況などについて説明を受ける
    14日  第28回諫早湾干拓地域環境調査委員会。九州農政局が「潮受け堤防閉め切り前後の底生生物の出現状況について、湾奥部では変化が見られる」などとする環境モニタリング結果のまとめ案を説明。
    20日 長崎県が平成18年度諫早湾周辺地域環境保全型農業推進フォーラム開催。県が、諫干事業完成を機に諫早湾周辺地域全体の環境保全と農産物のブランド化を推進しようと初めて開いた。
    23日  全労連九州ブロックは九州農政局交渉。
小長井町漁協(新宮隆喜組合長)が01〜04年度、カキ養殖事業で県と諫早市から受けた補助金7300万円のうち、620万円を計画通りに使っていなかったことが分かり、県と市は漁協に620万円の返還命令を出す方針。同漁協は、05年度にも同様の不正使用で補助金を滅額されている。
    25日 朝日新聞に評価委の須藤委員長へのインタビュー記事(干拓は最後のひと押し・犯人捜し仕事ではない)掲載。
    26日  九州農政局が3県漁連の了解なしに南北排水門外側の海域に導流堤の建設工事に着工。調整池排水が沿岸養殖漁場に近づかないようにする措置で、事実上、調整池排水の漁業への悪影響を認めた格好だが、開門なしでは根本的解決にならないとして漁業者は反発。導流堤は、空洞を持つ大型コンクリートブロックを四百メートルつないだ構造。北部排水門の四百〜千メートル沖に二基、南部排水門の二百〜五百メートル沖に一基設ける。建設費は〇六年度に四億八千万円を予算化、〇七年度は入札のため公表していない。
長崎地裁農地リース住民訴訟の第3回口頭弁論。
2007年  3月  1日 よみがえれ!有明訴訟弁護団の堀事務局長が、裁判現状報告をNGOに寄稿
    5日 長崎県は農業振興公社が一括購入する造成農地約680ヘクタールの取得費約53億円について、政府系金融機関の農林漁業金融公庫の低利融資を受ける方針を明らかにする。
一年三カ月ぶりに福岡市で第14回「諫早湾干拓調整池等水質委員会」(委員長、戸原義男・九州大名誉教授、14人)。潜堤設置で波高が低くなったとの報告あるも、目的だったCODやSS低下への効果の有無は議論されず。
    6日 長崎県は、入植者から徴収する農地のリース料を10アール当たり年間約2万円を基準に最終調整していることを明らかに。計画では、公社が農林漁業金融公庫から53億円を借り入れ、約700ヘクタールの農地を一括購入する。借入期間は25年間。公社には借入金を返済する財政力がないため、県が元金相当分を公社に貸し付ける。利息は、入植者からのリース料をあてる。公庫への返済終了後も、公社が県から53億円を借りた状態が続くことになるため、県は「状況を見ながら農地の売却を検討する必要もある」としている。
  7日  導流堤建設に反対する漁民が工事海域で操業し、工事一時中断。(導流堤(海域環境施設)平面図)(農政局「期待される効果」にも効果の証明なし。
WWFホームページに「諌早湾閉め切りから、もうすぐ10年」のページ掲載。
自民党の有明海ノリ等被害調査対策本部(本部長・陣内孝雄参院議員)は、有明海特措法の見直しで、総合調査評価委員会を存続させる同法改正案骨子をまとめる。
    8日 導流堤工事の事業費は11億円との読売報道。
    9日 導流・攪拌施設建設問題で、反対する漁業者が工事海域に仕掛けたはえ縄が切られていたとして農政局に抗議。
    13日 「佐賀有明の会」が、有明海異変の原因がいまだに解明されていないとして、国への原因究明の要請を古川康知事に要望。
    21日 日本魚類学会が「有明海産魚類とその成育環境の保護・保全に係る要請」を発表。
    23日 06年度分導流堤工事終わる。(写真
    24日 有明海再生機構がシンポジウム「有明海再生への道筋はどこまで見えてきたか?!」を佐賀市で開催。
    25日 田北・長崎大名誉教授らの呼びかけで「漁民のしゃべり場」が諫早市内で開催され、7名の漁業者が厳しい漁の現状を語る。
    30日  九州農政局と長崎県が「干拓地公募基準」を公表。
佐賀・福岡のタイラギ漁終了。佐賀は復活にはほど遠い水揚げ、福岡は閉め切り前には及ばないものの約220トン(殻付き重量)。
沿岸四県や漁連関係者らと意見交換する有明海漁場環境改善運絡協議会(会長・南部明弘九州農政局長)の第四回会合。
    31日 有明海再生機構がシンポジウム「豊饒(ほうじょう)の海 有明海〜筑後川からの贈物」を福岡市で開催。
2007年  4月 1日 佐賀県有明海沿岸の18漁協が合併し、県有明海漁協が発足。初代組合長に旧南川副漁協組合長の川崎守氏(76)が就任。
    6日 「しんぶん赤旗」の連載記事第1部開始。
    8日 福岡県が実施した三池海水浴場近くの覆砂現場から砂が大量流出し、有明海では未知の海藻が異常繁殖。
  9日  諌早湾閉め切り10年を前に、漁民ネットメンバーが街頭で市民に黄色いハンカチにメッセージを書いてもらいながら、沿岸4県の自治体や漁連を訪問するキャラバン開始(配布チラシ1)(配布チラシ2)。九州農政局前集会の後、市内街宣、県庁や熊本県漁連などを訪問(要請書)。
    10日  キャラバン隊が、大牟田・柳川両市と懇談後、福岡天神での街頭宣伝、県庁・県議会・県漁連などを訪問。
閣議後会見で松岡利勝農相は「潮受け堤防がなかったなら、台風や大雨の際に洪水災害が起きていたのではないか。それが起きなかった」と、防災上の効果を強調。河口のダムである調整池が、なぜ河川の「洪水」を防げるのだろうか。こういう論理で政策が実行され、メディアも批判できないのは何故なのか。
    11日 キャラバン隊が、長崎市内で街頭宣伝、県庁訪問。
長崎県が、農地整備や試験栽培などが進む干拓地などを報道機関に公開。
    12日  閉め切り10年を前に共産党有明海再生プロジェクトチーム(責任者・赤嶺衆院議員)が、「有明海再生のための日本共産党の緊急提言2007」を発表。
キャラバン隊は佐賀市内での街宣、佐賀県庁・県議会など訪問。応対した川崎俊広・県くらし環境本部長は「決して有明海が回復し、原因が解明されたという認識は持っていない。引き続き開門調査を国に要望していく」と回答。
    13日 キャラバン隊は、佐賀県太良町・諫早市・島原市役所など訪問。
朝日新聞が「戦後の干拓地、農地利用は平均5割」との記事掲載。
14日  堤防閉め切り10年。韓国のセマングム市民生態調査団のメンバーも含む200人が参加して、諫早市内で「干潟を守る日in諌早」全国集会。集会に先立ち愛知大学・宮入教授が記者会見し、農地の国からの販売価額とされる53億円は、10aあたり70万円台にとどめる目的のため02年の計画変更時点で超法規的に行われた計算結果だった疑いが濃く、法令に従った計算では107億円になると指摘。
漁民ネットなどがブックレット『諫早湾干拓と有明海』を発行。
    15日 鹿児島大学・佐藤正典助教授を講師に「干潟体験講座:諫早から鹿島へのバスツアー」。
    20日 海洋基本法成立。
    23日 長崎地裁公金支出差し止め請求事件第4回口頭弁論。
    24日 水産海洋技術センター有明海研究所(柳川市)の調べで、昨年の県内アサリ水揚げ量が95年以来初めて約6000トンに達したことが分かる。
    30日 熊本県が海砂利採取問題で、これまでの自主規制からに上限設定へ削減策強化。
2007年 5月 5日 日本海洋学会誌「海の研究」(Vol16No3)に4本(堤、浜田、宇野木、安田)の有明海関連論文。
    8日 「諌干への公金支出をやめさせる会」が長崎県と交渉(質問と回答)。
    10日 「しんぶん赤旗」の連載記事第2部開始。
    11日 佐賀地裁口頭弁論。
    12日 佐賀大が全学横断的に進める「有明海総合研究プロジェクト」の成果を発表する公開シンポジウム。
    15日 「世界」6月号に永尾俊彦「諫早干拓・引き裂かれる人々」掲載。
    19日 佐賀市内で有明海再生機構主催のシンポ。
    25日 タイから裁判官20名が現地視察。
    28日 松岡農相が事務所費問題で自殺。
    31日 平成19年度「諌早湾干拓調整池水辺環境の保全・創造推進会議」。次期五カ年(二〇〇八-一二年度)行動計画を本年度中に策定することを決める。
2007年  6月 1日 有明海のガザミ(ワタリガニ)の資源回復を図ろうと、関係十二漁協と漁業者代表でつくる県ガザミ資源回復計画作成協議会が、たも網、すくい網でのガザミ採捕を禁止する自主規制を始める。(元中央水研・佐々木氏のコメント
    3日 岩永勝敏監督制作の記録映画「有明海に生きて 百人に聞く、海と漁の歴史と証言」上映会が福岡で開かれる。
  4日  公害被害者総行動デーで農水省・環境省交渉。
長崎県が、今春のトラフグの水揚げ量と水揚げ高が、95年以降で最高だったと発表。04年度から県が放流している稚魚が成長し、産卵のために回帰し始めたためとみられる。
    5日 評価委員会を存続させる一部改正案の今国会提出が与野党の調整が難航し、見送られる見通しとなる。
佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
    6日  赤城新農相が西日本新聞のインタビューに「防災と農地造成の両面で大変効果があった。干満の差が大きく、台風が来ると大きな災害が起きていたため、地元にも感謝されていると聞く。新規農地にむけ応募が殺到している。(中長期)開門調査は(潮受け堤防などに)圧力がかかる。有明海再生に向けた調査を続け、環境変化の解明を漁業者と進めたい」と答える。
    8日 「諌干への公金支出をやめさせる会」が諫早市と交渉(質問と回答)。
    12日 海洋政策研究財団(東京)が、全国七十一の湾などの閉鎖性海域のうち、有明海と八代海を含む90%には赤潮や有害物質汚染など何らかの問題があり精密検査が必要だとする“健康診断結果”を公表。
    15日 佐賀地裁口頭弁論でノリ漁業者6人が堤防閉め切り後の異変を指摘。
    22日  佐賀有明の会が、有明海再生問題を参院選立候補予定者にただす公開討論会を開催。
福岡県有明海漁連(荒牧巧会長)が、中・長期開門調査を国に求めた民事訴訟の取り下げを決める。干拓事業が今夏にほぼ完成することや、民事訴訟の判決にはさらに時間を要することなどから、取り下げに踏み切ることにしたという。
週刊金曜日6月22日号に永尾俊彦「諫早湾干拓「ギロチン」から10年 農水省のデタラメとゴマカシに圧殺される漁民」掲載。
    25日 長崎地裁公金支出差し止め請求事件口頭弁論。51億円の長崎県の負担を更に軽くする方向で国と協議していることが明らかに。
    26日 元熊本県水産研究センター職員の石田宏一さんの調査で、硫化物が調整池で泥1キロ当たり420〜240ミリグラム、諫早湾内で430〜200ミリグラムとほぼ数値が近かった。通常の海域の2倍程度という。
    27日 調整池の水が緑色に変色(写真)。
  29日 佐賀県議会が事業完了後も開門調査を要求していくと申し合わせ。 
    30日 有明海再生機構「有明海における貧酸素水塊の発生と対応」シンポジウムシンポ。楠田氏や水産庁の報告は,対症療法のオンパレード。
2007年  7月 5日 佐賀県議会が「諫早湾締め切りから10年、中・長期開門調査の早期実施と有明海再生を願う決議」採択。
  6日 早米ヶ浦漁協解散命令取り消し訴訟口頭弁論。
九州農政局諫早湾干拓事務所は、抗議行動で中止されていた導流堤工事を8月初めにも約5カ月ぶりに工事を再開する見通しを明らかに。
    7日 海岸環境調査研究会が「海岸情報ステーション」webを立ち上げ。
  13日  佐賀地裁口頭弁論でノリ漁業者6人が将来不安訴え。
諫早、雲仙、島原、南島原の各市でつくる諫早湾干拓堤防道路推進協議会(会長・吉次邦夫諫早市長)は、諫早湾干拓堤防道路(県事業)の早期完成などを金子知事に要望。堤防道路は順調に進めば二〇〇九年度に完成する予定。
    17日 諫早市が調整池の水質保全など県に要望。
    24日 長崎県が、国からの農地買い上げ価格を53億円から51億円に引き下げられ、うち42億円を無利子で借り受けることになったため、10aあたりリース料が2万円から1.5万円に引き下げる方針を明らかに。
    25〜27日 長崎県がリース希望者を対象とした現地視察と説明会を実施。市民が会場前でプラカードを掲げて抗議行動( 写真)。
    30日  長崎地裁公金支出差し止め請求事件口頭弁論。
評価委員会(第27回)で貧酸素調査結果報告。また環境省は、有明海・八代海総合調査推進業務を、独立行政法人水産総合研究センター・特定非営利活動法人有明海再生機構・いであ(株)の3団体に随意契約(H19年度は1300万余)で委託することが明らかに。
2007年  8月 1日 「しんぶん赤旗」の連載記事第3部開始。
    2日  渡辺喜美行革担当相が現地視察し「二千三百億円を使って農地開発だけというのは費用対効果を考えると割に合わない。防災という側面でどれだけ効果があるかという問題だと思う。地域の自主財源でこういうビッグプロジェクトができれば、地域のために有効に税金が使われるのではないか」と語る。
3日  県農業振興公社が造成農地の営農希望者を募集。初日の応募は3件のみ。
九州農政局が、諫早湾及びその周辺海域を対象とした水理模型実験を事業委託へ(H18年度からの入札調書)。
    6日  諫早湾干拓調整池等水質委員会(第15回)で、九州農政局は、本年度内に予定していた調整池内の水質保全目標値は達成できず、五年後の二〇一二年度ごろになるとの見方を示す。
長崎県総合水産試験場と佐賀県有明水産振興センターによると、諌早湾と佐賀県中部〜南部海域の広い範囲で、シャトネラと珪藻類の混合赤潮が発生中(諌早湾の赤潮情報
コノシロに被害。
    9日  熊本保健科学大学の高橋教授が、調整池にアオコ浮遊を確認。また有明海で小魚(カタクチイワシか)が多数、水面上で反時計回りに直径2-30 cmの小円を描いて旋回するという異常現象を目撃。毎秒2回転くらいして、横向きか、腹を見せており、平衡感覚に障害を受けている可能性。
    10日 佐賀地裁第30回口頭弁論でタイラギ漁師ら5人が証言。
諌早湾の赤潮情報第2報
    20日 導流堤(攪拌ブロック)工事再開。
    21日 諌早湾の赤潮情報第3報
8月3日に開始された干拓農地のリース募集に応募者未だ4件にとどまる。
    22日 諫早湾内に魚やウナギが死んで浮いおり、貧酸素も進行して小長井のアサリも死に始める。(岸辺に打ち上げられた魚などの写真)。3週間も続く赤潮は異例。
    24日 佐賀県大浦竹崎港にボラ、スズキ、グチ、ゴチ、ハゼ、シタビラメ、フグなどが港が白くなるほど大量に浮いている。漁師は「船のスクリューが巻き上げた海水も赤みがかっている。赤潮の層が厚い証拠だ」と話す。平成最大級の赤潮で有明海は醤油色になっていると報道される。
    26日 天草の御所浦島嵐口港や大浦沖でもイワシがぐるぐる回る異常行動が目撃される。
    27日  長崎県が小長井町漁協地先におけるアサリのへい死は、潮受け堤防近くは全滅、全体で39パーセントと発表。島原の漁師は「水揚げは例年の5割」と語る。また福岡県三池港からはイカナゴが消え、熊本県横島沖ではウナギやボラが浮き、スズキが河川を2キロ遡上退避する。
金子長崎県知事が定例会見で、赤潮が多発し被害の大きい小長井について「そんなところは(貝を)やめたらいいのではないか」と発言。
    28日 長崎県の赤潮状況速報第3報
    31日 漁民ネットが入手した諫早湾8月中の底中上層の溶存酸素データから底層だけでなく中層でも貧酸素が生じていた異常事態が確認される。
2007年  9月 2日 金崎のアサリ被害写真
大牟田市で日本野鳥の会筑後支部と熊本県支部主催のシンポ。「ベニアジサシを市の鳥に」と提案。
    3日 入植希望者募集が締め切られ、長崎県は計62件、貸し付け予定面積の約1.5倍の応募があったと発表。
    4日 小長井漁協のまとめで、アサリ被害は全体の7割で1200トン、3億円に。また他に小長井と佐賀県大浦の養殖カキもほぼ全滅だったことが後日判明。
共産党の堀江ひとみ県議らが、漁業被害の原因究明などを県に要望。
三池港では海の色が、汚い緑っぽい色に変色し、カニやエビが消えている。
    6日 小長井町漁協(新宮隆喜組合長)が、県と県議会、諫早市を訪れ、漁場の復旧対策や赤潮の原因究明を行うよう要望。
佐賀県が、8月の赤潮被害を発表。サルボウの半数が斃死し1億5千万円の被害。
    7日 佐賀地裁第31回口頭弁論で原告が諌干に公共性ないと強調。
8日  「諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センター」(鮫島千秋代表)が、諫早市が国の品目横断的経営安定対策事業を利用して農地取得する申請者となることは、将来市の財政負担になりかねないとして反対する請願書を諫早市議会議長に提出。
    10日  長崎地裁公金支出差し止め訴訟口頭弁論、結審(裁判前集会写真)。
諫早湾干拓地域環境調査委員会(委員長・野口正人長崎大工学部教授、十一人)の最終会合で、国が続けてきた環境モニタリング結果を取りまとめ。
    12日  潮受け堤防上に建設中の「諫早湾干拓堤防道路」について、県が年内にも供用開始する方針を固める。堤防部分と北部取り付け道路(高来町側)はほぼ完成したが、南部取り付け道路(吾妻町側)は地元との交渉が難航していた(堤防中央部に設置していたポンプホースの地下化工事写真)。
    13日 調整池に6月から出始めたアオコが顕著に増殖(写真)。
    21日  導流堤のコンクリートブロックを沈める本格工事を再開。同工事を巡っては漁業者が3月から抗議の漁をしていたが7月から基礎工事を再開していた。
国や沿岸四県、漁業者の代表らが話し合う「有明海漁場環境改善連絡協議会」(会長・南部明弘九州農政局長)の五回目の会合が福岡で。漁業関係の委員からは、諫早湾潮受け堤防の排水門の常時開放や、八月末に諫早湾で発生した赤潮について徹底調査を求める声などが出た。
    22日  熊本県長洲町で「有明海・八代海再生セミナーin有明海」。熊本大滝川教授は講演で、堤防建設や干拓などによる干潟の消失、生活排水や産業排水による水質の悪化、海底の泥化など有明海異変の要因を挙げ、「長い時間を経て海の環境は変化しており、何か一つを解決しても再生にはつながらない。行政や地域、大学などが連携し、海域全体で取り組むことが必要だ」と話した。
2007年  10月  11日 諌干への公金支出をやめさせる会が諫早市と交渉(質問書)。
環境省が全国の浅海域生態系調査(干潟調査)の結果を発表。九州・有明海の干潟では、調査した13地点すべてで生物50種以上が見つかり、巻き貝のアズキカワザンショウなど有明海特有の種も多数確認された。ただ、激減した種もあり、長崎・諫早湾の干拓で干潟や浅海域が失われた影響もありそう。
    12日 島原沖に謎の浮遊物が発生し、長崎県総合水産試験場が採水。
    15日  2005年衆院選で福岡4区から立候補し落選した民主党の楢崎欣弥元衆院議員(64)が、次期衆院選の立候補断念と政界からの引退を正式表明。現職時代は諫干問題追及の先頭に立っていた。
    17日 諫早市が小長井漁協のアサリ被害緊急対策として覆砂やアサリの種苗放流に4200万円の支援を発表。県も毎年同じ事業を実施している。(小長井のアサリ・カキ漁獲量
    18日 諫早湾で養殖アサリが大量に死滅した問題で、日本共産党長崎県委員会が農林水産省に国として対策を講じるよう要望。
    19日 自民党の有明海ノリ等被害調査対策本部(古賀誠本部長)が、環境省の総合調査評価委員会を恒久的組織とするため、有明海特措法の改正案を今国会に提出することを決める。現行法では来月二十九日に五年の任務期限が切れる。
    20日 映像作家・岩永勝敏さんの記録映画「有明海に生きて」が、文化庁映画賞の文化記録映画優秀賞を受賞。
    22日  アサリ大量死の諌早湾と近傍の大浦で養殖カキも9割死滅していたことが明らかに。貝類の大量死は貧酸素時期と一致(長崎市の時津氏作成グラフと点8月の湾内DOデータ)。
    23日 長崎県が総事業費33億円をかけて整備を進めている潮受堤防上の道路8.2キロが年内開通の見通し。一日4200台の交通量を見込む。
    26日 諌早湾のタイラギ漁、15年連続の休漁へ。
    29日 諌干への公金支出をやめさせる会と弁護団が国会要請活動を行い、農水省・国交省と交渉。
「諫早湾干拓地における農業と環境、観光の融合プロジェクト」が国交省の「平成19年度地方再生モデルプロジェクト」に選定
    30日  九州農政局に設置された「諫早湾干拓調整池等水質委員会」が検討結果の取りまとめを公表。調整池水質改善の失敗原因究明せず。下水道の普及やヨシの繁茂促進などの早期実施を求める水質保全対策を答申し、農政局は対策を実施しても5年以内に県の改善目標値に届かない見通しを提示。また4月からの調整池水質モニタリング体制を大幅に縮小することが明らかに。
    31日 11月20日に実施されることになった諫干完工式に4県漁連が欠席を決める。
小長井の養殖カキの9割、大浦で7割が死滅していることが分かる。調整池からの淡水の排水が影響と見られる。
2007年  11月  4日 夏から発生していた調整池のアオコが増殖し、水面を緑色に染めていると報道される。
    14日 公共事業チェック議員の会で、覆砂等の事業効果やリース公金支出スキーム問題で議員が官僚を追及。
    19日 調整池からWHO飲料水基準の数十倍の毒素が検出され、「農業用水には疑問」とする高橋・熊本保健科学大学教授のコメントが報道される。
佐賀県が国に対し、「有明海再生のための中・長期調査等、徹底した原因究明調査及び水産振興総合対策の実施」を要請。
20日  完工式。総事業費は当初予定からほぼ倍増し2533億円。4県漁業者たちが「有明海SOS!」の横断幕を広げる50隻の漁船などで海上と陸上から、「漁民を苦しめ、何を祝う」と抗議。漁民ネット4県漁民有志救済本部弁護団WWFなどが声明。
西日本新聞が社説「有明海の再生は道半ばだ」を掲載。

文部科学省の外郭団体の科学技術振興機構(JST)がまとめた「失敗百選」に選ばれたと報道される。 タイタニック号事故など科学技術分野の歴史で重要な事故・失敗例を選定するもの。
    21日 長崎新聞が論説「多くの難題抱えての出発」掲載。また3年間毎日「無言の抗議」を続けた市民の地道な行動も報道される。
    23日 佐賀大で産学官連携による有明海再生研究の中間報告会。
    25日 公共事業をチェックする議員の会が有明海を視察。
    28日 熊本大学で諫干をタブー視した産学官共同シンポ「有明海の再生に向けて〜国・県・大学の試み」開催。
29日  よみがえれ!有明訴訟弁護団や支援者が農林漁業金融公庫や全国土地改良資金協会などと交渉し、菅・民主党代表代行(民主党ニュース)や共産党議員団と意見交換(議員に配布したリース批判パンフ)。菅代行は記者会見で諫干は「歴史に残る大失政」などと批判。
2007年  12月  2日 諫早市が昨年9月の安倍内閣発足時、当時の久間章生防衛長官(衆院長崎2区)と松岡利勝農相(同熊本3区、5月に自殺)に大臣就任祝い名目で計約5万円のビール券を贈っていたことが明るみに。市によると、久間氏へは「地元選出議員の長官就任祝い」、松岡氏へは「国営諫早湾干拓事業などでお世話になる」との理由。
  3日 大分県別府市で始まった第1回アジア・太平洋水サミットで、諫早湾調整池・広島県廿日市市の渡ノ瀬ダム・奈良県宇陀市の室生ダムで発生したアオコ問題が議論される。ミクロシスチン(MC)を生じるアオコは海外でも問題となり、ブラジルで1996年MCが混入した水道水による透析液で人工透析を受けた患者数十人が死亡、中国では今夏、江蘇省と浙江省にまたがる太湖で異常発生し、水道水が異臭を放った。
    5日 長崎市内で公金支出差し止め訴訟原告団らが決起集会(会場発言)。
金子原二郎知事は県議会一般質問で、今年度で国営諫早湾干拓事業(諫干)が終了することに伴い打ち切られる予定の諫早湾水産振興特別対策事業と地域振興基金について「県の財政事情も非常に厳しい状況だが、地元の実情を考慮のうえ、存続の是非を慎重に検討していきたい」と述べ、来年度以降の継続を検討する考えを示す。特別対策事業と基金は諫干の事業開始直後の87年に創設。20億円の基金を作り、県や諫早市、基金、地元漁協から費用を捻出(ねんしゅつ)して地元の水産振興事業に充てており、主に種苗の放流や覆砂などを実施。06年度までに投じた事業費は24億円で、うち県負担分は14億4000万円。
湾内4漁協の1つである瑞穂漁協が、主産物の養殖アサリとカキが相次ぎ大量死するため、ホタテ貝を新たな売り物にしようとする取り組みを始める。
    6日 佐賀、福岡両県の有明海連合海区漁業調整委員会が、両県から出された今季のタイラギ漁の許可方針案を了承。
    11日 17日に予定されていた長崎地裁公金支出差し止め訴訟判決が1月28日に延期決定。
    12日 長崎県は国の補助を得て3年間3億円の事業費で海底耕耘を行う漁場環境整備事業方針を発表。
    14日 諫干への公金支出を止めさせる会が諫早市と交渉(質問書)。
    16日 諫早市で岩永監督の記録映画の上映会。
    20日 3季ぶりに有明海タイラギ漁解禁も不漁予測。
    21日 公金支出を止めさせる会が、長崎県干拓室と長崎県農業振興公社に25日予定の農地貸付先決定の延期を申し入れ。
財務省予算原案明らかに(潮受け堤防管理費2億6千万のうち半額を国が補助、アサリやタイラギなどの生産回復策として9億8300万円、貧酸素対策に6000万円、調整池の水質保全対策費に1億4800万円、海底調査費5000万円など)
  22日 諫早湾干拓堤防道路開通式。
25日  長崎県農業振興公社理事会で、希望する農家62件から干拓農地の貸付農業者45件(個人29、法人16)が決定。うち43件が県内から、面積の7割が法人。
2008年 1月 8日 長崎県農業振興公社が入植者対象に説明会(説明資料12、 10)。
    9日 金子知事が「干拓地の農業用水は、調整池の水を使っていない(河口の水だ)」と発言し問題に。
    10日 入植者が4月からの営農に先立ち前倒し作業を開始。
    18日 第2回諫早湾干拓調整池水辺環境の保全・創造推進会議で第2期5カ年行動計画策定(第1期は平成16〜19年度)。
    24日 諫干への公金支出をやめさせる会が9日の知事発言などについて県に質問状提出。
    25日 佐賀地裁本訴結審(弁護団長意見陳述書)。口頭弁論32回、意見陳述者延べ85名、研究者証人尋問7名、原告本人尋問24名に達す。
28日  51億円の公金支出差し止め住民訴訟において,長崎地裁が住民側の訴えを棄却する判決(骨子要旨)。弁護団が声明。東京でも報告集会
    29日  原告弁護団・支援者らが財務国交農水省農林漁業金融公庫土地改良資金協会と交渉。また国会では民主党の菅代表代行らが参加して超党派の院内集会。
金子知事が定例会見で、1月9日の「調整池の水を使っていない」発言を「河口に近い調整池の水」と訂正。
    31日  長崎県が新年度予算に諌干関連予算約95億円を計上と発表。「諫干営農支援センター」を設立し、入植者の営農計画や設備投資、融資制度の情報提供などについて助言、支援するほか、ビニールハウスなど施設整備費約20億円、県農業振興公社の農地購入費の償還費54.2億円など。
2008年 2月 1日 早米ヶ浦漁協解散届け提出命令の取り消し訴訟結審。
    8日 1月28日の公金支出差し止め訴訟長崎地裁判決に対し、原告側が福岡高裁に控訴。
    9日 有明海再生機構が、九州大学の小松教授を講師に「有明海の潮流・潮汐メカニズム」の有明海講座。
    12日 湾内4漁協が金子知事に①諫早湾水産振興特別対策事業の継続と予算の確保②有明海・八代海再生特別措置法に基づく保全事業等の実施③調整池の排水改善並びに水質保全対策の充実④(財)諫早湾地域振興基金の存続、を要望。
    19日 干拓地でじゃがいもの植え付け開始。
    20日 大浦でノリの色落ちが始まっているとの報道。その後六角川から西の海域では色落ちが拡大し、二月下旬からノリ網の撤去が始まる。
    22日  入植希望者のうち法人と個人各1件が先月辞退していたことが明らかに。入植者は43件に。
諫早市の新年度予算に、市内の4農業生産法人に対し、施設整備の初期投資を軽減する目的で、国や県の補助を含めて計17億5千万円を支援する新規事業。
    25日 潮受堤防堤防道路中央付近に歩道橋設置。
    26日 県と県農業振興公社が、入植する四十二件とのリース契約に正式に合意。
2008年 3月    農水省が環境アセスのレビューのフォローアップを長崎県に報告
    6日  公共事業チェック議員の会が、調整池水質問題で勉強会(佐々木講師資料高橋講師資料)。
長崎県が、諌干事業費の償還計画を明らかに。事業費は農地・内部堤防分が約1006.5億円、潮受け堤防分が1526.5億円の計2533億円。このうち県の事業負担金は422億円で、金利を含めた総額452.9億円を2020年度までに償還し、最大年30億円の見通し。
    14日 佐賀県漁協大浦支所の役員が上京して、農水副大臣らに貝類不漁原因の究明や有明海再生対策を要望。
有明海及び八代海を再生するための特別措置法に基づく促進協議会開かれる。
    15日 論座3月号に永尾俊彦「終わらない『干潟戦争』・諫早湾の干拓事業、56年後の姿」掲載。
    17日 弁護団が開門を訴えるパンフ発行。
    18日 公共事業チェック議員の会が院内で、九大・経塚教授を招いて「もぐり開門」についての勉強会(経塚講師資料)。
    19日 谷川農水政務官と金子長崎県知事の親族企業が入植者に選定されていたことが明らかに(報道)。
    20日  「諫早湾防災干拓事業推進連絡本部」(本部長・栗林英雄前諫早商工会議所会頭)が解散総会、約七年間の活動に幕を閉じる。
知事等の親族企業入植問題でで弁護団が声明報道)。
金子知事の長女と谷川議員の長男が入植企業の農業生産法人・株式会社「T・G・F」(大村市)役員を辞任。
    23日 全国公害弁護団連絡会議の記念シンポジウム「豊かな有明の地域を取り戻すために」が諫早市内で。
    24日  諫早湾干拓事業環境モニタリング連絡会議(農政局「環境モニタリング結果のまとめ」。ZIPファイルダウンロード124MB)調整池の水質が環境目標値をクリアできていない問題で、九州農政局が諫干完了後の水質対策も農水省が主体となることを明らかに。諫早湾干拓事務所は3月末で閉鎖し、4月以降は同農政局北部九州土地改良調査管理事務所の職員数人が常駐し、調整池の水質対策にあたる。また調整池は、本明川河口として国交省管理の一級河川に指定されることに。
    25日  入植者を決めた選考委が議事録をとっていなかったことが明らかに(報道)。
総事業費2533億円のうち11億円をかけて昨年2月に着工した導流堤(攪拌施設)工事が完成。
第6回有明海漁場環境改善協議会(議事録)。
    26日 諫早市議会が「諫早湾の漁場再生等に関する意見書」 を採択し国などへ要望。湾内漁業の悲惨な状況を認識していることが明らかに。
    27日 第3回諫早湾干拓調整池水辺環境の保全・創造推進会議。
    28日 水産庁が08年度から4年間の「有明海ガザミ資源回復計画」を作成。
    31日  日経Ecolomy誌に「4月14日は「干潟・湿地を守る日」記事が掲載。
「諫干への公金支出をやめさせる会」が知事に対し入植者選定の経過などを明らかにするよう申し入れ。
福岡・佐賀の今季タイラギ漁獲は約2キロで過去最低で、解禁直後の数日で実質的に漁は終わっていたという。
2008年 4月  1日 完成した新干拓地で営農開始され、諫早湾干拓営農支援センター開所式。また雲仙市側の潮受け堤防道路入り口では、堤防排水門の開放を求める漁業者ら約70人が集会を開き、「調整池に海水を入れて海を再生せよ」と集会宣言を採択し、南部排水門までの歩道を行進(報道)。
原告弁護団・漁民ネットなどが東京有楽町街頭で開門を求めるパンフを配布後、議員も加わって農水省交渉(要請書)。
1〜3日、原告弁護団・支援者らが開門を求めて国会議員会館前で連日の座り込み。
農政局による調整池水質モニタリング調査体制が、DO項目の削除、5地点・週1回調査から、S11とP2がなくなり、B1とB2とP1の3地点・月2回調査に縮小。
    2日 原告弁護団・漁民ネットなどが環境省交渉、院内集会。
    4日 短期開門調査による「漁業被害」補償の問題で、日本共産党の吉井英勝議員が衆院内閣委員会で、農水省が「漁業被害」を開門調査によるものと判定した調査報告書の公表を重ねて要求。
    6日 読売ウィークリーに「有明海で続々「奇形魚」 」の記事掲載。
    9日 干拓地排水路に水質浄化目的に敷設された廃土が流出(写真)。
    11日 小長井・大浦漁業再生請求事件原告団結成集会。
4/1農水省交渉で犬塚議員が要求していた「中長期開門が困難な全理由」を農水省が提示。
    12日 干潟を守る日2008 in 諫早のシンポジウム「水門開放〜有明海再生の道すじ〜」。
    13日 小長井で小長井大浦訴訟原告へ振興事業辞退強要などの提訴妨害が明るみに。また大浦でも「原告名簿を見せろ」などの圧力。
福岡県の「諫早干潟を憂える大牟田の仲間」(本昭弘代表)が諫早市白浜町の干潟跡で、国営諫早湾干拓事業に伴う湾閉め切りで死滅した干潟生物の慰霊祭。
    15日 自然の権利裁判第2陣裁判が結審。
大串議員が衆院農水委で訴訟妨害問題を取り上げる。
福岡県が、新三池漁協に定期検査を拒否したとして解散命令。
    16日 弁護団が提訴妨害問題で長崎県に質問状
    22日 干拓地でレタスの初出荷。周辺農家からは値崩れの苦情。
    24日 漁民ネットが農水省の「開門できない理由」に対する反論書を作成。
国交省が調整池を一級河川に指定。管理主体については、同省が旧本明川河口から潮受け堤防の北部排水門にかけての調整池北側の直線区域約五百二十ヘクタールを担当し、残りを同県が担当することに。北部排水門の開閉は、農水省の委託を受けた同県が引き続き担当するが、大雨などで緊急的に排水が必要となった場合は、国交省が農水省を通じて同県に要請する。
    25日 早米ヶ浦漁協解散命令取り下げ請求事件で請求棄却の判決。
弁護団が国会通信1号を発行し、議員に配布するとともに懇談。
    28日 5/8勉強会に向けて公共事業チェック議連が農水省に質問項目提出。
    30日 長崎地裁に小長井・大浦の漁民41人が開門を求める漁業再生請求事件を提訴。弁護団が国会通信第2号発行。
2008年 5月 4日 「第8回やさしい朝日環境教室〜みんなで有明海を学ぼう」(朝日新聞社主催、鹿島市、フォーラム鹿島など共催)が「道の駅鹿島」干潟公園で開催。
    7日 熊本県水産研究センターが玉名市沖の有明海で基準を上回る赤潮プランクトン「ヘテロシグマ アカシオ」を観測したとして、赤潮警報。
  8日 公共事業チェック議員の会が漁民の声を聞く院内集会に続いて、農水省,、研究者、自民党議員なども交えて開門問題についての第1回勉強会(議事録農水省提出資料漁民側提出補足資料、ビデオ記録)。 
農林水産統計からタイラギやアゲマキ項目が消えることに。
    10日 有明海再生機構が研究意見交換会。
    12日 参院決算委で仁比議員が、金子・谷川氏らの親族企業には入植資格がないのではないかと追及。
    13〜16日 弁護団と漁民ネットが議員らと懇談、および院内宣伝(国会通信3号4号)。
    15日 干拓地で「初の“栽培失敗” ジャガイモの生育期間足りず」と報道される。(葦が生えたジャガイモ畑・・・写真 農薬散布・・・写真 )
    19日 5/22勉強会に向けて公共事業チェックの会が農水省に提出を要求する資料リスト主張対照表第1版を事前送付。
    20日 排水門補修工事は「うまみがない」として業者が応札せず、工事の執行遅れ続く。 
    22日 公共事業チェック議員の会が5/8に引き続いての第2回開門問題勉強会(議事録農水省提出資料漁業者側提出追加資料1チラシ 国会通信5号、ビデオ記録)。
    23日 原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝行動(国会通信6号)、水産庁交渉(要請書)、議員との懇談など。
    24日 佐賀大有明海総合研究プロジェクト成果公開シンポジウム。
    28日 生物多様性基本法が成立。 
国会通信7号8号発行。
干拓地営農舎1名が資金難を理由にリース契約を解約し、41件に。入植者からは地盤沈下(写真)や雨樋の不備を指摘する声。
    31日 第10回有明海・不知火海フォーラムin佐賀2008で水門常時開門求める宣言採択。
2008年 6月 2日 公害被害者総行動デーで原弁団・支援者らが農水省交渉(要請書、記録ビデオ1 議事録)や院内宣伝(国会通信9号)。
公共事業をチェックする議員の会が6/12第3回開門問題勉強会に向けて、農水省に要求資料リスト提出。
長崎県環境審議会(会長・中島憲一郎長崎大大学院教授)の本年度第一回の会合で調整池水質改善目標など協議。
    3日 原弁団・支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信10号)、水産庁交渉(要請書)など。
小長井の原告宅に漁協幹部が訪れ「原告名簿を見た」「補助事業を辞退せよ」と圧力。
    10日 国会通信11号発行配布。
    12日 公共事業チェック議員の会が、開門問題で3回目の勉強会(議事録農水省提出資料論点整理パンフ主張対照表第2版ビデオ記録1
    13日 6/3交渉で要求していた資料が水産庁より提出
    14日 有明海再生機構がシンポ「有明海再生に向けた新たなステップ」開催。
    15日 大牟田で漁民ネット定期総会。
    16日 公金訴訟控訴審第1回口頭弁論。
    19日 国会通信1213号発行配布。
27日 佐賀地裁が「よみがえれ!有明訴訟」本訴判決において、国に3年間の準備の後に5年間開門するよう命ずる判決(判決要旨判決主文弁護団声明)。国会通信14号 判決速報の15号発行し院内配布。長崎新聞が電子版号外発行。
日弁連が、判決を高く評価するとの会長談話を発表。民主党・菅代表代行は「非常に画期的。国が控訴することになれば干拓事業が失敗しているうえ、漁業に被害を招いて、二重三重の失敗を認めないという役所の論理だ」と述べる。
日本ベントス学会が農水省などに対し、長期開門調査の早期実施の要望書を提出。
農水省の環境アセスレビューフォローアップに対し、「諫早湾に与える影響が十分に解明されていない」とする環境省見解が公表される。
    28日 佐賀新聞が論説「漁民の要望を聞く番だ」、熊本日日新聞が社説「国は漁業者の声に耳傾けよ」、西日本新聞が社説「先送りをいつまで続ける」、日本経済新聞が社説「諫早干拓の開門調査に応じよ」、毎日新聞が社説「アセスなき事業の帰結だ」、読売新聞が社説「開門調査にも難題が伴う」、東京・中日新聞が社説「強引行政への戒めだ」、しんぶん赤旗が主張「政府は開門を決断せよ」、新潟新報が社説「まず堤防を開けてみよう」、神戸新聞が社説「国は漁業者の訴えに耳を」、南日本新聞が社説「開門調査着手へ対応を」、琉球新報が社説「政策転換は時代の要請」を掲載。
若林農相が控訴の意向を示唆。東京の支援メンバーらが控訴断念を求めて農水省前座り込み開始。
    29日 座り込み2日目。諫早東京事務所などが開門を求める署名ネット署名を開始。弁護団が2回目の声明
    30日 原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動と座り込み。国会通信16号を発行し永田町・霞が関で配布。
福岡県の漁業者が漁連会長に「国に控訴断念の申し入れを」と要請。佐賀県漁連会長も、開門に前向きな岩永・今村両副大臣に控訴断念を直訴。
2008年 7月 1日 佐賀県議会議長らが農相に中・長期開門調査の早期実現を求める陳情。
原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動・座り込み(国会通信17号)、議員面談。諫早干潟緊急救済本部・同東京事務所が声明WWF北海道自然保護協会などもそれぞれ大臣宛要望書。
共産党議員団が、農水省農村振興局長に、判決受け容れの政治決断をと要請。日本科学者会議が開門を求める要請書を農相宛送付。

長崎県議会の民主党・社民党会派「改革21」が、開門反対決議への賛否を留保。
    2日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動・座り込み(国会通信18号)、議員面談。漁民側プレスリリース
民主党の「有明海の再生を考える議員の会」(古賀一成会長)が、控訴断念を求める大臣宛て申し入れ書を局長に提出。
熊本県の蒲島郁夫知事は、「これまでも中・長期開門調査を求めてきた。判決をきっかけに調査が行われることは県の方向と一致している」と述べる。吉次諫早市長は県と連携して国に控訴を働きかけていくと表明し、諫早商工会議所の高尾茂会頭も、地元経済界のほか、農漁業者や住民を結集した「諫早干拓を守る会」(仮称)を近く立ち上げ、防災と営農、漁場の安定といった観点から排水門開門に反対していく考えを示す。
    3日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動・座り込み(国会通信19号)、議員面談。原弁団が農水省と交渉し、ようやくにして大臣との15分間の面会が実現。原弁団代表が首相官邸宛要望書を内閣府で提出後、記者会見。原弁団らが民主党の菅直人代表代行・筒井ネクスト農相と面談。
佐賀県議会が、諌早湾干拓潮受け堤防の中・長期開門調査の早期実施要請を全会一致で決議。熊本県は佐賀県との連携を表明、福岡県は留保。
    4日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動・座り込み、議員面談。日本自然保護協会が意見書を発表。
長崎県議会が開門に反対する決議を反対1、退席1の賛成多数で可決。
長崎県庁を訪れた佐賀県議に対し、立石暁長崎県副知事が冷ややかな態度をとったたため、金子知事が「失礼な対応があったようで申し訳なかった」と電話で佐賀県側に陳謝。
3県漁連が農相に控訴断念要請する一方、小長井漁協新宮組合長は、県議団に諫干排水門開放反対訴え求める。
    5・6日 原弁団が洞爺湖サミットNGOフォーラムに参加。
    6日 鹿島市議会、農相あてに開門求め要請書。長崎市内で、「生きろ諫早湾 有明裁判支援募金実行委員会」の市民が街宣活動。
    7日 原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動と座り込み(国会通信20号)、議員面談。
地元でも漁民らが、松野・大串・仁比議員も同席して九州農政局と交渉。
    8日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動と座り込み(国会通信21号)、議員面談。地元残留の弁護団は長崎県庁で記者会見し、第3回弁護団声明を発表するとともに、福田首相宛書簡を、また41営農農家にも開門に理解を求める手紙を送付したことを明らかに。
佐賀県の古川知事や地元首長らが農相と内閣官房に開門を要請。福岡県の麻生知事も「開門すべき」と表明。また長崎県の金子知事も上京し、農相に控訴を求める。
    9日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動と座り込み(国会通信22号)、議員面談、首相官邸前アピール行動。農水省交渉では、再度の大臣面会を求めると共に、控訴断念と開門調査を求める約1800人分の署名を提出。
原弁団・支援者が洞爺湖サミットメディアセンターにプレスリリース
諫早の事業推進団体が2千人を動員して「排水門開放絶対反対住民総決起大会」(写真1・2・3)、会場前では漁民・市民30名が開門を訴えるビラ撒き。
開門に積極的な鳩山邦夫法相と消極的な若林農相の間の調整が続くと報じられる。
    10日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動と座り込み(国会通信23号)、農水省交渉や議員面談。
若林農相が夜8時からの会見で「今夜19時17分に控訴手続きをしたが、開門調査が可能かどうかの環境アセスも行う」旨の説明を行い、大臣談話文書を配布。南部明弘九州農政局長が「大臣談話のアセスは、開門が前提ではない」と発言。
原弁団・支援者も大臣会見に引き続いて農水省内記者クラブで会見し、弁護団の抗議声明を配布(終了22時)。
    11日  原弁団・支援者らが早朝農水省前宣伝活動と座り込み(国会通信24号)、漁民ネットと佐賀有明の会が共同抗議声明、日本自然保護協会が声明、佐賀地裁原告も福岡高裁に控訴手続き。
県と県農業振興公社が、営農者を対象に同市で緊急説明会.
    12日 BS11「にっぽんサイコー!」で田中康夫参院議員と漁業者・弁護士が対談(YouTube)
    14日  長崎県議会で再度開門反対の決議が採択されるも民主党議員2名(楠議員と山田博議員)が退席。
長崎地裁の小長井・大浦漁業再生請求訴訟の第1回口頭弁論で、国は和解を拒否し全面的に争う姿勢(弁護団声明)。
    16日  諌早干潟緊急救済本部と同東京事務所が抗議声明
福岡県知事が開門アセス問題で佐賀県と連携を表明し、熊本を含めた3県で共同歩調へ。佐賀県議会が「開門調査の前提である環境アセスを早急に着手するとともに、実施に当たっては関係自治体や地元漁協からなる協議会を設置し、(手法などを)検討することを要望する」などとした意見書を全会一致で採択。
    17日 弁護団が国会通信25号発行。 
    26日  佐賀県有明海漁協大浦支所が130隻の漁船で有明海再生祈願海上パレード。
長崎県総合水産試験場が諫早湾内にシャットネラを含む赤潮発生を確認
小長井漁協が、「赤潮対策」としてアサリを沖合の筏に吊して養殖する実験を開始。
    28日 原弁団・支援者が国交(要請書質問)・環境(要請書質問)・農水(要請書)各省と交渉。国会通信26号発行配布。
    29日  佐賀県有明水産振興センターが大浦沖にシャットネラ赤潮発生と発表。
2008年  8月 1日 九州農政局長・南部明弘氏の後任に実重重実・前農村振興局次長。
佐賀県有明水産振興センターが,、シャットネラ赤潮が白石町から鹿島市沖に拡大と発表。
    3日 諫早市内で、6団体共催のアオコをテーマにしたシンポで熊本保健科学大学の高橋教授が講演
    4日 調整池にアオコ(写真1)、堤防道路にユスリカ(写真3)が発生しているのを確認。
    5日 小長井と大浦のアサリ斃死始まる。 
    7日 漁民ネットが院内宣伝行動(国会通信27号28号)。
    8日  諫早湾防災干拓事業推進連絡本部が総会で栗林・前諫早商工会議所会頭を会長に選出。
アオコ(写真)とユスリカ(動画)、ますます増殖。
    11日 佐賀県沖で貧酸素水塊発生のデータ現れる。
    12日 原弁団が長崎県干拓室と交渉(要請書)。
    13日 小長井の岸辺に、貧酸素から逃げ惑ったウナギやカニ、ハゼ、ワラスボ、クチゾコなどなどが打ち上げられ、大浦沖にも魚類の死骸が浮く(写真1)。潮受け堤防前は赤潮(写真3)と貧酸素、堤防道路上はユスリカの大群(写真5)、調整池にはアオコ(写真7)と、堤防内外は空前の異常事態に。
    14日 小長井の釜地区沖合でマリンワーク2号船がエアレーション作業(写真1)やアサリを貧酸素から守るためのブルーシート囲い込み作業(写真)が行われているのが目撃される。海の広さを知らない官僚による机上の計画で、まさに税金の無駄遣い。
    15日 諫早市の市民が、潮受け堤防前面に発生した青潮を撮影(写真1)。この前後の溶存酸素グラフエクセルデータ報道
    16日 有明海再生機構が福岡市で、カキ礁が海に与える影響をテーマにした「有明海講演会」。
    21日 佐賀県水産振興センターが赤潮終息を発表。他方、熊本県水産研究センターは八代海・上天草市龍ヶ岳町で養殖ブリ3〜400匹斃死と発表。
    22日 訴訟に原告として参加している漁業者や支援者ら約70人が、佐賀県太良町で「赤潮・貧酸素、漁業被害緊急集会」。大浦の漁師は「盆の時期にアサリが60〜70%死んだ。タイラギも大量に死んだ可能性がある」と訴える。
開門調査に向けた佐賀、福岡、熊本3県の担当課長による初会合。
上天草市龍ヶ岳町でシマアジ、天草市御所浦町でブリの大量死。
    26日 八代海のシャットネラ被害は、養殖ブリ約5万1400匹、シマアジ約1500匹が死に、被害額は約1億3200万円に拡大。
    28日 原弁団・支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信29号30号)、国交省(要請書)・農水省(要請書)交渉。
長崎県の藤井健副知事が斉藤鉄夫環境相・江田康幸衆院議員、木庭健太郎参院議員らに、「締め切り堤防ができたことで、住民が悩んでいた冠水被害なども解消されている」と開門による防災面での影響などを強調。しかし実際のデータはむしろ冠水被害の増加を示している。
農水省は概算要求にアセス費用3億円を計上と発表。
2008年 9月 1日 福岡高裁で早米ヶ浦漁協解散命令問題の公判。
    2日 佐賀県市長会が県に「有明海研究拠点の誘致を」と要望。
    3日 佐賀県古川知事が太田農相にアセスと開門の早期実施を要請。また長崎を含む4県漁連もアセスの早期実施を求める要望書を農相に提出。
    4日 長崎市内で「よみがえれ!有明海訴訟」弁護団が学習会を開催。
    4・5日 干拓地の入植者が、約500トンの牛糞を一挙に散布したのが原因で、諫早市環境保全課に「原因不明の異臭がする」など20件以上の問い合わせが殺到。
    9日 潮受け堤防前海域が異常に澄んで、海中に赤潮の層が目撃される。
    10日 佐賀県古川知事が斉藤環境相にアセスでは開門のプラス面も評価するよう要望。
    11日  熊本県が、8/11〜9/2に発生した八代海の赤潮被害は計7万2400匹で、被害額約1億8400万円に上ったと発表。
    12日 長崎県庁前で原弁団や支援者が早朝宣伝行動(写真)後、県議会各会派要請。
    16日 民主党が「諫早湾干拓事業や吉野川河口堰改築事業など環境負荷の大きい公共事業については、再評価により見直しや中止を徹底させます。」とした環境政策大綱「民主党環境ビジョン」を決定。
    17日 原弁団や支援者が院内宣伝行動(国会通信31号32号)後、各議員とマニフェストの件で面談。
    20日 自民党総裁選演説会場の佐賀県「干潟よか公園」で漁民・支援者らが宣伝行動(国会通信33号)。
      全日本民主医療機関連合会編集の雑誌『いつでも元気』に記事掲載(p1 p2)。
    22日 長崎県庁前で原弁団や支援者が早朝宣伝行動。
福岡高裁で公金支出差し止め訴訟の口頭弁論。
    25・26日 原弁団と支援者が農水省前早朝宣伝行動や議員面談(国会通信34号35号)
    26日 弁護団が石破農相宛面談依頼状送付。
    29日 長崎地裁で小長井・大浦漁業再生請求訴訟の第2回口頭弁論。
原弁団が長崎県干拓室と交渉(要請書)。県はアオコの健康被害は起こらないとする見解を表明するも、その根拠は示せず。

弁護団が「いわゆる開門アセスの性格と課題,手続の進め方について」と題する声明を発表。
「有明海漁場環境改善連絡協議会」(事務局・九州農政局)で、アサリやタイラギ、アゲマキの生産回復のために、概算要求で新たに7億円を盛り込むことが報告される。
    30日 農水省が「潮受堤防の排水門の開門調査に係る環境影響評価の指針(要領)」を発表し、環境影響評価法に準拠することを明らかに。
日本動物分類学会英文誌で、閉め切り直後の本明川河口に新種のヨコエビ類がいたことが明らかに(Ariyama, H. -- A new genus and species of Kamakidae (Crustacea: Amphipoda) from Isahaya Bay, western Japan )。
2008年 10月 1日 農水省が10/2の大臣面談を拒否してきたため弁護団がプレスリリース
    2日 原弁団と支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信36号37号)、農水省交渉や議員面談。
  4・5日 日本科学者会議の「第二十六回九州沖縄シンポジウム」
    6日 よみがえれ!有明海訴訟を支援する長崎の会が県庁前で早朝宣伝行動(チラシ)。
    9〜12日 韓国SBSテレビが現地取材。
    15日 長崎県総合水産試験場(長崎市)や水産総合研究センター(横浜市)などが、タイラギの養殖に成功したと発表。
      NPO法人「地球船クラブ」機関誌7号に鳩山法相が寄稿し、7月控訴と開門アセスをめぐる若林農相とのやりとりが明らかに。
    25日 ラムサールCOP10を前に韓国昌寧(チャンニョン)と順天(スンチョン)で31カ国400人の参加でNGO会議始まる。
    28日 支援者が国会宣伝行動(国会通信38号39号
韓国昌原(チャンウォン)で,ラムサール条約第10回締約国会議始まる。
    31日 有明訴訟を支援する長崎の会が長崎市内で市民に開門調査への賛否を問うシール投票実施(写真)。9割を超える市民が賛成。
2008年 11月 4日 長崎県が開門に反対するための宣伝パンフを発行
    5日 3県議会が石破農相に開門アセスの早急実施や、事業予算の拡充などを要請。
    10日 小長井・大浦漁業再生請求事件第3回口頭弁論。原弁団が長崎県干拓室と交渉(要請書)。
本明川河口部の調整池にホテイアオイが繁茂し、水門の故障につながりかねないとして国交省が除去作業に乗り出す、と報道される。
    12日 韓国環境府とKFEM、SBSテレビが今年から設けた第1回水環境大賞の国際部門ガイア賞を有明弁護団に授与。授与式を韓国テレビ局が生中継。(弁護団声明)
    15日 日本海洋学会誌「海の研究」に宇野木ほか「複式干拓方式の沿岸防災機能」が掲載。
    16日 佐賀市内で、国会議員5名も参加してガイア賞受賞の祝賀会。
    18日 支援者が国会宣伝行動(国会通信40号41号)。
    19日 原弁団・支援者らが農水省前早朝宣伝行動と議員面談。
泡瀬干潟埋立問題で那覇地裁が事業費支出差し止め判決。
    25日 漁民ネットが長崎県発行の11/4宣伝パンフを批判するパンフを発行。原弁団が国会宣伝行動(国会通信42号43号)、ガイア賞受賞院内報告集会開催。
2008年 12月 8日 福岡高裁で、よみがえれ!有明訴訟控訴審第1回口頭弁論。
    11・12日 弁護団と支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信44号45号46号)や院内での議員面談
  15日 諫早湾自然の権利裁判第2陣裁判でj住民側請求を退ける判決。
    20日  予算案に開門アセス3億円の他に、特産魚介類の生息環境調査三億円、増養殖技術開発に四億円。
    22日 長崎地裁での小長井・大浦漁業再生請求事件第4回口頭弁論で裁判所が論点整理案提示。公判後、支援者らが市内で街宣行動。
    23日 有明海潜水器漁業者協議会が今季のタイラギ漁開始するも、立ち枯れ多く身入りも不十分で不漁確実。
よみがえれ!有明訴訟を支援する長崎の会が背後地でビラ入れ宣伝行動。
      九州農政局が「環境変化の仕組みの更なる解明のための調査」報告書を公表(全文ダウンロード43mb).。
2009年 1月 7日 北部からの排水300万トン。 
    8・9日 原弁団や支援者が議員面談や農水省前早朝宣伝行動(国会通信47号48号)。
大浦沖で赤潮発生しノリの色落ち始まる。
    13日 佐賀大学有明海総合研究プロジェクトが都内でシンポ「有明海の自然環境保全と地域社会発展の両立を目指して」。
    14日 韓国の水環境大賞を受賞した子ども達の団体と水環境賞を設けたKFEM、SBS放送、通訳など25名が諫干視察。
    20日 大浦のノリの色落ち被害が太良・鹿島・白石沖に拡大。
2009年 2月 5・6日 原弁団や支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信49号50号)、議員との面談など。
    9日 福岡高裁で公金支出差し止め訴訟控訴審の口頭弁論。
    16日 長崎地裁で行われた小長井・大浦漁業再生請求事件第5回口頭弁論で国は和解に応じず。支援者が街頭宣伝、原弁団が長崎県への要請書提出。
    19日 2007年10月までの「諫早湾干拓調整池等水質委員会」と同じ顔ぶれの委員からなる諫早湾干拓調整池水質検討委員会(第1回)が開催(議事概要)(議事録)。
佐賀市で行われた有明海再生機構主催「有明海講座」で本城・九大教授が講演。
    21日 佐賀市で行われた弁護団主催の今季ノリ被害等報告集会に多数の国会・地方議会議員も参加。
    25・26日 原弁団や支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信51号52号)や3/17に予定の院内集会への参加の呼びかけ(チラシ)。
2009年 3月 1日  漁民ネットが08年4/1に発行した「開門パンフ」の09年度版を増刷発行。
2日 福岡高裁で行われたよみがえれ!有明訴訟控訴審第2回口頭弁論で、漁民が「干拓事業は国が言うような公共事業ではなく、有明海を破壊し、沿岸の町を崩壊させる『公害事業』」と訴えたのに対し、国側はパワーポイントを使って因果関係を否定。
    4日 石破農相が、開門アセスでは全開門を含む3手法を軸に検討すると明らかに。
    12日  3/17院内集会の案内チラシ発行。
    17・18日 原弁団・支援者が国会で泡瀬・諌早院内集会と各議員との打ち合わせ、農水省前早朝宣伝行動(国会通信53号54号)、17日夜は泡瀬干潟埋め立て問題の緊急シンポジウム(案内チラシ)など。
    19日 長崎県が、調整池を「いさはや新池」、堤防道路を「雲仙・多良シーライン」とする愛称を決定。
開門のために長年尽力されていた佐賀県議の増本亨氏が死去。
    23日 長崎地裁で小長井・大浦漁業再生請求事件第6回口頭弁論。支援者らが長崎市内で街頭宣伝。
第8回有明海漁場環境改善連絡協議会(議事録)。
    27日 参院予算委での岩永議員の質問に麻生首相が「アセスを早期に終わらせることが一番重要」と述べる。
    30日 全国公害弁連(決議)や支援者らが、農水省前早朝宣伝行動(国会通信55号56号)、農水省交渉(ビデオ1)、議員懇談など。
    31日 昨年12月23日から年度末までのタイラギ漁獲量は1トンにも満たず、復活にはほど遠い状況。
2009年 4月 2日 衆院農水委で石破農相が大串議員の質問に答え「代替水源の検討はアセスと並行して行う」と言明。
  5日 諫早市長選で、引退した吉次市長の後継に宮本明雄副市長が当選。
    9日 佐賀大有明海総合研究プロジェクトが緊急ワークショップ「諫早湾開門アセスメント方法書素案について」を開催。
  11日 干潟を守る日2009 in 諫早シンポジウム「生きかえれ 諫早湾干潟〜漁業と農業の両立を〜」開催。
      熊本県玉名市のアサリ漁場が、昨秋から発生していたアナアオサに覆われる異変が発生し、アオサの量が4500トンにも。
    14日 諫早市で「諫早干潟を憂える大牟田の仲間」がギロチンで死んだ生物の慰霊祭。
15日 九州農政局が熊本市で開催した説明会において、開門アセス方法書骨子(素案)を公表するとともに意見募集開始。出席した長崎県の事業推進団体からは「開門すれば再び諌早大水害が起こる」と事実誤認の開門反対の声。同日、原告弁護団と漁民ネットが共同で対案を記者発表しチラシ国会通信57号を配布。
    17日 佐賀新聞が論説「対立あおらないように」を掲載。
    19日 熊本日日新聞が社説「開門調査に向け国は本腰を」を掲載。
    20日 西日本新聞が社説「ジキルとハイドの二役で」を掲載。
    23日 原弁団・支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信58号)、農水省(ビデオ1)と国交省交渉(参加呼びかけチラシ)、議員・行政向け提案チラシ配布
佐賀市の早津江川沖で採れる二枚貝ウミタケ漁が、三年連続で休漁決定
2009年 5月 11日 参院決算委で仁比議員が、背後地からの防災対策の要望をアセスを口実に先延ばしするのは許せないと追及し、石破農相は「地元から申請が上がってくれば、真摯に対応する」と答弁。
      熊本県荒尾市沖でホトトギスガイが繁殖しアサリ漁獲が前年を大幅に下回る。
    14日 4/15から始まった開門アセス方法書骨子(素案)に対するパブコメ締め切り(弁護団意見書研究者意見書漁民ネット意見書長崎県意見書佐賀大学有明海総合研究プロジェクト意見書 など75通の応募)
    18日 福岡高裁で公金支出差し止め訴訟控訴審の口頭弁論。
    19日 熊本県水産研究センターが玉名市岱明町沖から熊本市河内町沖の有明海で赤潮が観測されたとして警報を発令。
    20日  弁護団・漁民ネットなど支援者が、農水省前早朝宣伝行動(国会通信59号60号)や国交省・農水省(ビデオ1)と交渉。交渉で農水省は「アセスの結果を得ないうちに関係者の合意形成の協議を行うのは困難」としたが、説明会については「節目、節目での開催を前向きに検討する」旨主張するも、弁護団・漁民ネット提案の対案の問題点を指摘できず。また国交省は河川管理者として、開門に際しては独自に事前審査する必要と明言。
    22日 東京佐賀県人会と佐賀大学の第二回合同セミナー。
    24日 「有明海再生機構」が佐賀大で、「有明海研究意見交換会」。
    25日 長崎地裁で小長井・大浦漁業再生請求事件第7回口頭弁論。
大浦でタイラギを浅瀬に移植する実験開始。
    28日  大阪憲法ミュージカル2009「ムツゴロウ・ラプゾディ」のプロモーションビデオ完成。
2009年 6月  1・2日 全国公害被害者総行動デーで、農水省交渉(要請書ビデオ1)、農水省前早朝宣伝行動(国会通信61号62号)、議員面談など。
佐賀有明の会が佐賀県選出自民党議員3名や鳩山総務相に早期開門を要請。
    5日 民主党小沢代表代行が荒尾漁協などを視察
玉名市が4500万円をかけてアオサ撤去。
    8日 福岡高裁でよみがえれ!有明訴訟控訴審第3回口頭弁論(漁業者側主張パワーポイント)。
    9日 参院農水委での岩永議員の質問に答え、石破農相が準備工事はアセスと同時には出来ないがアセス期間を短縮するよう検討すると答弁。
    13日 大牟田で漁民ネット定期総会。
    13・14日 支援する長崎の会や漁民ネットが背後地の森山町の住民と対話・チラシ宣伝行動。
    17日 農水省担当者が諫早市の宮本明雄市長を訪問し、諫干の防災効果が市内全域に及ばないことを説明。
    18日 水門から現在も排水されている事実を無視した開門反対論があることから、漁民ネットが誤解を解くためのチラシ発行。
    20日 憲法ミュージカル「ムツゴロウ・ラプソディ」公演が7月12日まで大阪府内5ヶ所で始まる。
    23・24日 原弁団・支援者が議員要請や農水省前早朝宣伝行動(国会通信63号)。
農水省が筒井議員の問い合わせに対し、開門に伴う対策工事費用は全額国が負担することを認める。
      6月下旬から佐賀・福岡沖でシャットネラ赤潮。
    29日 福岡高裁で早米ヶ浦漁協解散命令取り消し訴訟控訴審が結審。
30日 29日からの大雨で森山地区の農地冠水(写真)が7/3までの4日間継続。
2009年 7月 2日 長崎県が小長井地先で貧酸素水塊に酸素を送り込む調査を9月末までの予定で開始。
長崎県有明町の漁船漁業者が自殺。
3日 小長井漁協の組合員15名が諫早湾干拓堤防管理事務所(管理事務所作成の排水予定表)の操作室に押しかけ、排水をストップするよう要求し、警察が出動。また背後地農家も県に対し「ほとんどの農地が冠水する」として北部水門からも排水を要求。
佐賀県内の若手漁業者でつくる「佐賀有明の会」(川崎賢朗会長)が県庁に古川知事と留守茂幸・県議会議長を訪ね、開門の早期実施を国などに働きかけるよう支援を求め、知事も「思いを訴えていく」と支援を表明。
    4日 小長井沖で赤潮。この頃、瑞穂の養殖カキの上から二段目までが斃死。
    6日 小長井町漁協の組合員らが県庁を訪れ、「十数年ぶりの好漁だったのに、排水でアサリが死んでしまう」などと抗議
橘湾東部でも赤潮が出始める。
    7日 長崎県が、諫早市森山地区の排水対策に乗り出すことを明らかにし、国の排水対策特別事業を申請して来年度にも事業着手へ。
    8日 熊本沖でシャットネラ赤潮確認。
9日 金子長崎県知事、3日の農地の冠水と水門からの排水について「結果的に農、漁業者の両方に迷惑を掛けた」と陳謝。
    13日 長崎地裁で小長井・大浦漁業再生請求事件第8回口頭弁論。漁民ネットが自殺者リスト改訂版発表。
よみがえれ!有明訴訟を支援する長崎の会が、金子知事と農水大臣宛に森山地区の排水ポンプの整備・増設を申し入れ。
16日 原弁団と支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信64号65号)と対農水省交渉(要請書ビデオ1)。農水省は「関係者の合意があればアセス途中でも対策工への着手可能」と明言。また交渉時、諌早干潟緊急救済本部・東京事務所などが取り組んだ開門要請署名5300筆を提出。
    20日 漁民ネットが冠水問題の解説チラシ作成。
    21日 諫早湾でシャットネラ赤潮。
    22日 島原半島沿岸の有明海南部で養殖ブリ約1万7000匹が死ぬ被害。
    23日  「諫早湾干拓調整池水辺環境の保全・創造推進会議」(議長・中村法道副知事)が開催され、昨年度はCOD8.6㎎、全窒素1.2㎎、全リン0.25㎎だったとの報告。また国、県、地元市が水質保全・環境調査費は本年度分で総額約323億円になるとの報告も。県は新規事業として、潮受け堤防周辺で多くみられる植物プランクトンの一種アオコの死滅や発生防止に関する試験、水質浄化能力が高いとされるヤマトシジミを海中に浮かべて養殖する試験などに取り組むと言う。
24日 宮本・諫早市長らが「排水門を開いての環境調査は湾内の漁業に被害が出るおそれがあるため開門調査をしないよう国に働きかけること」を県に要望。
西海区水産研究所が、諫早湾のシャットネラ赤潮発生海域でコノシロの大量死を確認。
25日  24日からの大雨で森山地区が再び冠水。中央干拓地でも冠水が初確認。排水門からの排水量は、午前の北部1458.5万トン、南部556.5万トン、午後の北部907.5万トン、南部673.8万トン。
27日 民主党「政策INDEX2009」公表。「潮受堤防開門によって入植農業者の営農に塩害等の影響が生じないよう万全の対策を講じ、入植農業者の理解を得ます。」と記述。
    28日 金子・長崎県知事が定例記者会見で「私は、諫干でも、今、裁判が行われているし、農林水産省で一応、シミュレーションをやっている中で開門調査の話が出てくるようですから、現実、そういう話が出てきた時に本当に、そういう状況の中でどうそれを阻止できるかというと、菅さんみたいな(諫早湾干拓事業に反対している)人がいますから。この人は名前を挙げてもいいだろうと思いますが、「諫干反対」とはっきりおっしゃっている方ですから。これは別に選挙妨害にはならないでしょう。そういう方もいらっしゃるから、なかなかこれは難しい。その辺は県民の皆さんが判断をどうするかでしょう。ですから、一人ひとりがそういうことを考えながらやはりやっていくべきでしょうね。」と発言。政権交代なら開門は避けられないという覚悟か。
熊本県沖の有明海全域に赤潮拡大。
    29日 本ホームページ開設。
30日 有明海奥部で貧酸素水塊発生(8/2まで継続)。島原市沿岸でも赤潮視認。(写真
31日 7月下旬からシャットネラアンティーカ赤潮が佐賀・長崎・熊本の広範囲に急拡大し有明海は不気味に変色。22日の島原半島南岸をはじめ7月末には八代海・橘湾でも養殖のハマチ・ブリ・シマアジなど数万匹に被害。4県に拡大した広域性は、空前のノリ色落ちを引き起こした2000年度のリゾソレニアインブリカータ赤潮以来。諫早湾周辺の大浦・島原では、仕掛けの中のイイダコの三分の二が死んでいた、カニが浅瀬にいなくなったなどの異常も。
よみがえれ!有明訴訟を支援する長崎の会が、「森山地区の排水ポンプの整備・増設を」呼びかけるチラシを森山地区に戸別配布。
    31・1日 熊本県立大・堤教授が定期有明海調査。佐賀の海域はスケルトネマ、諫早湾内はシャットネラとスケルトネマ、熊本の海域はシャットネラが優先種。今後はこれら大量のプランクトンが沈降する過程で、まず中層で、その後は底層で貧酸素が発生する可能性が大きいと警告。
2009年 8月  1日 南北排水門前の観測地点で、貧酸素を示すデータが観測され始める。
  2日 原告弁護団と支援者が、背後地・調整池・諫早湾を視察。湾内の赤潮は濃い赤茶色。橘湾・八代海を含めた赤潮被害状況がまとまり始め、斃死した魚類は十万匹単位に。「有明海貧酸素水塊連続観測情報」によると7/30〜8/2に有明海奥部の底層で既に低酸素(この観測は底層のみ。中層も含む鉛直プロファイルを観測しているのは堤教授だけ)。
    3日  雲仙市と南島原市が死魚の処分先と悪臭問題で対策本部設置。熊本県内の被害だけでも1億4900万円。天草の本渡港では有害プランクトン・コクロディニウムも。赤潮は天草下島南端の牛深から鹿児島県まで波及。
南部水門からの午前の排水は360万トンで、表層の汚濁水は数十cmの厚さ(写真)5〜6時間後には長里〜瑞穂ラインに達する。
    5日  開門調査アセス方法書縦覧と意見書募集始まる。 
小長井の北部水門近くの漁場で養殖アサリが9割斃死、8/1から8/5にかけて断続的に無酸素水にさらされた影響と見られる(北部水門前S1地点の溶存酸素)。
    7日  熊本県の赤潮被害額は4億9千5百万円に。民宿予約のキャンセルで観光業にも影響。 
有明海奥部の貧酸素は3日から回復に向かうも、潮受け堤防前では7日から9日にかけて再び貧酸素状態。長崎県資源管理課による小長井海岸のアサリ漁場一斉調査の結果、北部水門に近い漁場の斃死率は20-63%、堤防から離れた場所での斃死率は2-4%。同課は「大雨で栄養塩を持った淡水が大量に流出したことで海中の塩分が薄くなり、アサリの成育環境が悪くなったことが原因」と推測しているというが、河口に生息するアサリが塩分低下に弱いというのは疑問。
    10日  潮受け堤防中央部に設けられた駐車場と観光展望所エリアに、県が「電撃捕虫器」を設置したことが確認される(写真)。昨年来周辺に大量発生してドライバーのひんしゅくを買っているユスリカ対策か。
干拓農地の作付状況が明らかに。
    11日  長崎県が毎日新聞の取材に対し、排水のマニュアル作りに乗り出したことを認める。
鹿児島県が、有明海と八代海での被害は養殖ブリ93万匹以上と発表。
    12日 雲仙市と南島原市のまとめによると、赤潮による漁業被害は25.5万匹、4億2600万円。鹿児島県の有明海と八代海の被害は養殖ブリ93万匹以上。
      中旬、長崎県が国に対し、森山地区の排水機場2ヶ所で毎秒19立方メートル容量のポンプ、排水樋門2ヶ所、排水路14kmの新設・整備を陳情(事業費59億円)。このポンプ容量は、常時排水機能を代替するポンプ容量毎秒11立方メートルを上回るもの。
    22日 朝日新聞が長崎県内小選挙区立候補者へのアンケート結果を掲載。
    23日  毎日新聞が九州・山口地域立候補者へのアンケート結果を掲載。野党で開門調査に反対したのは、高木・福田候補(長崎)と照屋候補(沖縄)の3名のみ。河村官房長官や鳩山邦夫前総務相など自民党候補にも開門賛成者増加。
    24日  福岡高裁公判(本訴・公金)で原告は裁判所に現地検証の実施を求める。
佐賀新聞が、太良町大浦の田古里川河口で希少種の巻き貝「ヤベガワモチ」が発見されたと報道。
6月末の大雨で潮受け堤防道路の法面が一部崩落していたことが明らかに。この日から10月末までの予定で堤防管理者の長崎県が修復工事開始。
    26日 熊本県水産研究センターが、河内町の有明海の沖合で有害な植物性プランクトン「ヘテロシグマアカシオ」が警報基準の10倍超の濃度で発生したとして、赤潮警報を発令。有明海の赤潮警報の発令は今年5回目。
    28日 有明4県の漁民とボランティアが一斉に「有明海クリーンアップ作戦」。佐賀県だけでも2500人がトラック109台分のゴミを収集。
佐賀有明の会が、佐賀1・2区の全候補者6人に早期開門調査の実施を求める要望書。
    30日  第45回総選挙で民主党が300議席を超える大勝し、鳩山政権誕生へ。
調整池のアオコ未だ消滅せず(写真)。
第42回総選挙で民主党が勝利し、9月16日に鳩山由紀夫氏(公共事業をチェックする議員の会会長)を首班指名へ。諫干を推進してきた久間章生氏落選。「国営諫早湾干拓事業にしても、水害に遭った人は高齢化した。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」というのか……。後で後悔しないように、民主党政権になっても、絶対堤防を開門しないように。」と語り、諫干に水害防止機能があるとの誤った認識に基づく見解を披瀝。
    31日 熊本県が、八代海での赤潮(7/6〜8/18)による漁業被害は62万匹、8.7億円と発表。
農水省は概算要求で開門アセス費用5億円を計上(今年度3億円)。
2009年 9月  2日 熊本県水産研究センターが、荒尾市沖の有明海と津奈木町沖の八代海で、有害な植物性プランクトン「シャットネラ・アンティーカ」が基準の1・2―1・5倍確認されたとして赤潮警報を発令。また9月上旬、菊地川河口で、この春に続いてアナアオサが大量発生。
  3日 古川・佐賀県知事が、新政権の発足が開門調査に向けた追い風になるという期待感を示す。民主党佐賀県連は国に開門を命じた去年6月の佐賀地裁の判決の後「直ちに開門を求める」という声明を発表していた。長崎県議団には古川知事に抗議の動きもあったが金子知事が待ったをかける。
  5日 熊本県立大で「有明海の貝類の過去・現在・未来」と題した有明海再生機構の講演会。諫早市で日本湿地ネットワークの総会とシンポ。
    7日  よみがえれ!有明訴訟を支援する長崎の会が森山地区にチラシ配布。
貧酸素の影響による養殖アサリなどの死滅を防ぐため、長崎県が、諫早市沖合で作業船を設置し、高濃度の酸素を含む海水を流す実験を始める。9月末まで続ける予定(農水省の今年度新規事業「有明海特産魚介類生息環境調査」の一環。国の委託事業で事業費は約9000万円)。
  11日  佐賀大学有明海総合研究プロジェクト主催「公開ワークショップ「諫早湾開門アセスメント方法書について」
長崎県商工会議所連合会の大会で5人の民主党議員が開門調査への態度を表明。高木・川越・大久保議員は開門反対、犬塚・福田議員は保留。
    14日 長崎地裁口頭弁論後、市内で原告・支援者らが「開門・有明海再生総決起集会」開催。弁護団が「国が進める環境アセスメントをしなくとも、開門調査はできる」とアピール。金子知事は定例会見で改めて開門反対を強調。
    17日  赤松新農相が就任会見で「アセスを今すぐ止めろとも言わないし、開門調査をするかしないかを含めて全体的状況を見て考えたい」旨を表明。
佐賀県古川知事が、「民主党の方針は開門が前提と理解している。一日も早く農相に会い、有明海の環境異変や漁業者の暮らしの実態を伝えたい」と意欲を見せる。また、今春から佐賀・長崎両県の担当部局同士で意見交換を始めていることを明かし、「話し合いのテーブルの素地は出来つつある」と金子原二郎・長崎県知事とも話し合う考えを示す。
    18日  九州農政局が募集していた開門アセス方法書へのパブコメ締め切り。弁護団日本海洋学会海洋環境問題委員会の委員漁民ネットラムネットなどが意見を提出。
長崎県の金子知事が、佐賀県の古川康知事が提唱した開門調査をめぐる知事同士のトップ会談について「地元の声をきちんと聞いた上で応じるかどうか判断したい」と難色。
農水副大臣に郡司彰氏と長崎3区選出の山田正彦氏、政務官に佐々木隆博氏と〉舟山康江氏が就任。山田氏は、有明海異変は富栄養化が原因という非科学的前提のもと、流入汚濁源や化学物質の総量規制対策をが持論だったが、新聞社のアンケートでは開門賛成に変化。
    19日  山田農水副大臣が「個人的には営農・防災に支障がなければ有明海再生のため検討の価値がある」「調整しながら開ける管理型になるだろう」、「あくまで県連の立場を尊重し検討していく」などとと発言。
    24日  原告団漁民が諫早市議会議長に「水門を開けて諫早湾周辺の漁業を再生させると共に、防災面だけでなく、農業にも影響が出ないような方法を検討してほしい」と要請するも「漁民には会えない」と拒否される。
弁護団・支援者が国会ロビーイング(資料1資料2資料3)と農水省前ビラまき(国会通信66号67号
民主党の有明海の再生を考える議員の会(古賀一成会長、約20人)が、開門調査について、農水省が準備を進めている環境アセスメントとは関係なく、早期実施するよう、赤松広隆農相に近く申し入れることを決める。
長崎県が国庫財源1870万円を使って(内訳)、12月から来年2月の間に「開門反対」を訴える500人規模のフォーラムを東京都内で開くことに(長崎県議会農水経済委員会議事録)。
    29日  諫早市議34名中30人が、「諫早湾干拓排水門開門反対議員の会」を発足。会長に宮崎博通氏、事務局長に松永隆志氏(ともに民主)を選んだが、松永事務局長は干拓地への入植法人「愛菜ファーム」顧問。
諫早湾で台船上でショベルカーに乗って作業をしていた男性が海に転落死。海水を水中ポンプでくみ上げ、酸素を含ませたうえで海中に戻す作業中だった。
    30日 開門調査に反対している県や農家が、諫早湾干拓利活用を語る会(会長は八江利春県議)結成。
2009年 10月 1日 弁護団が記者会見し、農林水産大臣に開門を宣言するよう求めていくことと来年4月の開門を目指して開門のために必要な予算がつくよう国に働き掛けていく方針を表明。
諫早市が農水総務課干拓室を、兼任を含む2人から専任3人体制にすると発表。
「有明海漁場環境改善連絡協議会(第9回)」が福岡で開催(議事録)。
    2日 長崎県が「アオコの風評被害を防ぐ」として、建設コンサルタント業「西日本技術開発」(本社・福岡市)の噴射衝撃装置2機を水門前に設置しアオコ細胞を死滅させる試験を今年度から3年間実施することに。本年度予算は1278万円。
佐賀県議会が開門調査の早期実施を求める意見書を採択。
長崎県議会の議員有志が、開門に反対する超党派の議員協議会を今月中旬をめどに設立することが明らかに。ただ、これまで開門反対を主張してきた民主・社民系会派「改革21」は、賛同するかどうかの態度を保留。また諫早市議会の有志でつくる「諫早湾干拓排水門開門反対議員の会」が、長崎県・自民党県連・民主党県連に、開門反対に向けた協力を呼びかけ。
    5日 熊本県水産研究センターは、今夏のシャットネラ赤潮増殖原因について、「春先の少雨でケイソウが増えず、生息条件が競合する有害プランクトンが増えたのではないか」との調査結果をまとめる。
    7日 原口総務相が佐賀県庁での古川知事らとの懇談で、開門調査を求めている佐賀県や同県議会の主張について「100パーセント正しい」と述べ、早期実施を赤松広隆農相に働き掛ける考えを示す。
    8日 弁護団・支援者らが農水省前早朝宣伝行動と議員会館内各事務所で要請行動(国会通信68号・10/16院内集会案内チラシと漁民ネット作成の論点整理文書を配布)。
佐賀県がアゲマキの養殖実験を本格化へ。
佐賀県古川知事が、長崎県金子知事との会談を改めて要望したのに対し、金子知事は「直接要請があった時点で、地元の営農者らにきちんと意見を聞いて、どうするか判断する。地元では(古川知事に)会うことさえも拒否感がある」と語る。
    9日 前原国交相のダム事業見直しの一環で本明川ダムも凍結へ。
    13日 弁護団が、長崎県知事・県議会八江利春議員・諫早市長・諫早市議会開門反対議連・諫早湾干拓事業推進連絡本部宛に各公開質問状を郵送し、記者会見(プレスリリース)。
    14日 民主党有明海の再生を考える議員の会(古賀一成会長、約20人)が赤松農相に、環境アセスメントを待たずに開門を実施するよう要請、金子知事も赤松農相に慎重な開門判断を要請。農相は地元での話し合い調整を要請。
    15日 原弁団・漁民ネットなどが、農水省舟山政務官と面談後、農水省交渉(農業問題要請書防災問題要請書)や議員への有明海特措法改正要請(改正案)。
有明訴訟を支援する長崎の会など長崎県内4団体が、長崎市内で知事宛開門要請署名の街宣活動(署名用紙表面裏面)。
新政権のもとで出し直された来年度概算要求に5億円の開門アセス費用計上。
    16日 原弁団や支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信69号)。
15日の高裁判決で勝訴した泡瀬干潟埋立問題と合同での院内集会に10名の議員と14名の秘書が参加(写真)。
    17日 社民党諫早支部が開門調査へ向けた市民学習会。11月にも開門賛成決議へ。
鹿島市のノリ漁業者80人が水門からの排水の様子を視察し、ノリ漁を前に「なぜこのタイミングで流さにゃいかんのか」。
高来町の干陸地で、地元のNPO法人拓生会主催「100万本のコスモスまつり」。来賓に金子知事代理の中村法道副知事、宮本諫早市長、県央振興局長、橋本諌早湾干拓室長、八江県議、山口県議、並川諫早市議会議長、吉田市議、土井市議、国交省長崎河川事務所長、大久保参院議員秘書、福田衆院議員秘書など。
名古屋で開催されたラムサール・ネットワーク日本とCBD市民ネットワーク湿地の生物多様性作業部会主催神秘シンポ「湿地の生物多様性-ラムサールCOP10からCBD-COP10へ」で「湿地を破壊する日韓の大規模開発事業を見直し,両国の湿地を保全・再生することを求める決議」が採択。
    20日 NHKテレビ「クローズアップ現代」で取り上げられる(J-Castテレビウォッチ)。
    22日 古川知事が原口総務相とともに、赤松農相に開門調査を求める。
    23日 定例会見で赤松農相が「まずは地元で話し合いを」と強調するとともに、10/14金子知事が陳情の際に西岡参院議員の存在に言及したことを暴露。
    26日 長崎県が、国の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を活用し、約2億1000万円かけて、内部堤防沿いに約2000平方メートルの憩いの場を設置する事業を進める。諫早市議は「調整池の水質改善ならいいが、億単位の金を投入してまで行う事業なのか。干拓地の観光に役立つとはとても思えない」と指摘。10/13公開質問状への回答がなかったため、弁護団が開門反対派に協議の申し入れを行うと記者発表(プレスリリース)。
    27日 弁護団が5つの団体・個人に協議の申し入れ書を郵送(長崎県知事宛)。
諫早湾のタイラギ、6年ぶりに成貝を確認も数が少なく17年連続休漁へ。
    29日 原弁団や支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信70号71号)、議員との面談。
    31日 佐賀大で第21回沿環連ジョイントシンポジウム 「有明海貧酸素水塊の実態と要因」。
2009年 11月 1日 金子長崎県知事が、来年2月の知事選への出馬を断念。「自信喪失? 政権疎遠で大型事業に暗雲」と伝えられる。
    4日 古川佐賀県知事が、金子長崎県知事に開門問題での会談を求める申し入れ書を送る。
開門に反対する諫早市議の議連から、弁護団の公開質問状への回答書が届くも、自らは被告でない事件の「係争中」を理由とした事実上の無回答。
    6日 山田農水副大臣が、開門に反対する諫早市議らと面会し、「アセスメントの予算が付いており、まず(アセスを)させてもらおうと考えている」と述べ、開門調査よりも開門するかどうかを判断するためのアセス実施を優先する考えを強調。
    7日 憲法ミュージカル2009in東京「ムツゴロウ・ラプソディ」公演が11/29まで東京多摩地区5ヶ所で始まる。
    9日 弁護団と漁民ネットが主要議員事務所に対し、有明特措法改正有明海関連概算予算の削減・開門予算箇所付けに関する要請
金子知事が、古川知事が求めている会談について「地元の自治体や団体などの意向を聞いて『県としての意見を主張してほしい』ということになれば会うだろう」と話し、古川知事への回答も同様の内容とする考えを示す。 
    10日 有明海のタイラギ生息調査で、今年の成貝は佐賀側に多く福岡側に少ないことが判明。例年よりも貧酸素水塊の規模と頻度が小さかったことも一因か。
八代海でユーカンピア赤潮による養殖ノリの色落ち始まる。
    11日 11/4付け古川知事からの会談申し入れに対し、長崎県は「関係団体と意見調整したい」ので「検討する時間をいただきたい」とする回答書を佐賀県側に郵送したと発表。
    13日  来年2月21日投票の長崎県知事選で民主党は、農林水産省改革推進室長の橋本剛氏(40)=長崎市出身=に候補を一本化。一方、自民党も独自候補として藤井副知事の擁立を目指している。
諫早湾防災干拓事業推進連絡本部から弁護団に対し、10/13付け公開質問状と10/27付け直接協議申し入れ書に対する回答が届くも、個々の質問へは直接答えない「はぐらかし」回答に終始し、協議にも応じない姿勢をにじませたもの。
    16日 東京新聞が「諫早開門調査 政権交代でどうなった」の特報記事(1)掲載。
長崎地裁で小長井・大浦漁業再生請求事件第9回口頭弁論。支援する会が長崎県庁前や市内で街宣行動。
原弁団が農水省前早朝宣伝行動(国会通信72号73号)、議員との面談、農水省交渉(要請書)。
    18日 佐賀県が開門アセス方法書に対する意見書を九州農政局に提出。農政局は来月28日までに沿岸4県知事から提出される意見書を踏まえ成案を決定するが、早期の結論を求めている県は、大幅に前倒しして提出したもの。
長崎・佐賀両県知事の話し合いを求める赤松農相の要請に応え、古川知事が再度長崎側に会談の申し入れを行う意向を示す。
    19日  参院農水委での自民党・岩永議員の質問に、赤松農相が農業用水問題の検討は平成22年度から始め、アセス準備書の中で同年度中に公表すると答弁。事実上来春の開門は想定していないことを示す結果となり、自民党のみならず民主党の大臣も官僚の言いなりであることが露呈。
    20日 堤・高橋教授の調査で、97年の閉め切り後12年間の調整池の泥の堆積は25cmと判明。年間2センチのペースなので、2mの水深場所で100年、1mの場所なら50年で埋まってしまうことに。
福岡佐賀両県有明海潜水器漁業者協議会が、漁期を12月13日から来年4月30日として両県にタイラギ漁操業申請を行うことを決める。

佐賀新聞が論説「大臣が早急に決断を」を掲載。
    22日  田添政継諫早市議の呼びかけで「諫早湾干拓開門調査を求める諫早市民の会」が発足し、諫早市や農水省に提出する署名活動を始めることに。
    25日 金子知事・宮本諫早市長ら2200人が出席して諌早湾防災干拓事業推進連絡本部主催の「排水門開放絶対反対住民総決起大会」(決議文)(知事・市長挨拶)。
  26日 漁業者や弁護団が多数上京し、農水省前早朝宣伝行動(国会通信74号)、農水省前座り込み、議員要請、農水省交渉(10/15要請への農水省回答)。
金子知事が定例会見で「自分の在任中に佐賀県知事との会談をもちたい」と言明。
    28日 民主党の推薦を受けて正式に立候補表明した橋本氏がむしろ「調整池の水質浄化と有明海全体の漁業振興策の充実を強く訴えていくことが重要。佐賀県が求めている開門は、現時点では受け入れられるものではない」と表明。
大牟田市内で開催された「有明海訴訟報告集会」に、野田・仁比議員、福嶋・大久保(勉)議員秘書を始め立ち見が出るほど大勢の参加者と、13名の国会議員からのメッセージ
  12月 2日 原弁団や支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信75号76号)、議員面談、農水省交渉。
元参議院議員の大仁田厚氏が無所属で長崎県知事選への立候補を表明。開門問題については「県民投票をしてから判断したい」と語る。
    3日  金子知事が、佐賀県知事と近く会談し開門反対の意思を伝えると表明。
    5日 週刊農林12月5日号「農林抄」欄に拙稿「諫早開門の実現を新政権に期待する」掲載。
    7日 公金と本訴の福岡高裁口頭弁論で、裁判所が「結審するに熟していると考えるが、判決の前に現地を見たい」との意向を示す。(法廷に向かう原告団写真
    8日 週刊朝日12月18日号に、保坂展人・前衆院議員が「農水省の厚顔無恥と民主党の怠慢」と題する記事掲載。
    10日 原弁団・支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信77号78号)、議員要請、農水省交渉。農水省は、一方では「開門については賛成と反対の意見があるので第三者の立場でアセスを行う」と言いながらも、他方では「裁判の当事者としては勝ちたいというのが本音だ」とも言明し、二つの顔を使い分けている姿勢を隠さず。
    11日 諫早湾干拓調整池水質検討委員会(第2回)配布資料1。(議事録
「よみがえれ!有明海訴訟を支援する長崎の会」が「諫干開門署名推進ニュース」創刊号を発行。
  13日 有明海タイラギ漁が4月30日までの予定で解禁。今季は例年の福岡沖ではなく佐賀沖に成貝が多く生残するという「異変」。
長崎市内で、「生きろ諫早湾」の市民グループが毎月行っている恒例のリレートーク、支援する会の知事宛署名、諫早市民の会100人委員会の街頭署名実施。
    17日 佐賀・長崎両県が、知事のトップ会談を24日に長崎市で開くと発表。
    21日 長崎地裁で小長井・大浦訴訟口頭弁論。国はあくまでも協議に応じず判決での決着を主張。支援する長崎の会が県庁前などで街頭宣伝(チラシ)。
都内で長崎県が主催する「諫早湾干拓地における防災と環境保全型農業の展開」と題するフォーラム。1875万円の経費は、麻生政権が編成した本年度第一次補正予算の臨時交付金から。諫早東京事務所のグループが会場前でアピールや資料配布行動(写真)。
公明党山口代表が佐賀県知事を表敬訪問し、諫干に関し「「国が責任を持って住民の安心を作ることが大事」と開門を是認したとも受け取れる発言。
    22日 熊本県が開門アセス方法書案に対し、早期開門へ向けての迅速なアセスの完了や調整池アオコ発生動向の把握などを求める意見書提出。
西海区が諌早湾口部で行っているタイラギの養殖実験で、貝柱が天然物の2倍になるなど順調で二年後の実用化を目指すと発表。漁業者からは風味や歯ごたえに問題との声も。
    23日 熊本日日新聞が社説「国は早急に適切な施策示せ」を掲載。
アオコ問題に関して、高橋・堤・赤池教授が関係機関(厚労省、環境省、農水省、消費者および食品安全担当大臣、長崎・佐賀県)に危険性を通知(「諫早湾調整池由来シアノトキシンの危険性に関する報告」)。検討するとの文書回答があったのは佐賀県のみで、他の機関からは民主党・松野議員を通して「農水省管轄の問題」などの口頭での返事があったのみ。
    24日 長崎市内のホテルで金子・古川両知事のトップ会談がようやく実現するも、開門をめぐっては予想通りのもの別れ。漁業者同士の協議実施の方向では一致。
山田農水副大臣が、開門アセスの準備書が出る11年春に開門の可否を判断する意向を示す。
    25日  長崎県が、開門の可否決定には地元同意を必要とするよう書き込むよう求めた開門アセス方法書への意見書を提出
来年度政府予算案に開門アセス費用5億円が概算要求通り盛り込まれる。
鹿島・太良など佐賀県西南部海域で珪藻赤潮のためノリの色落ち。養殖網の張り込みを延期。今月18〜23日のうち4日間、潮受け堤防の排水門から50万〜190万トンを排水。
    27日 長崎県主催12/21東京フォーラムへの拙稿コメントを本ホームページに掲載。
    28日 佐賀県鹿島市と白石、太良町のノリ漁業者約200人が、佐賀市の県有明海漁協(川崎守組合長、16支所)の本所に詰めかけ、諫早湾干拓調整池の排水に対して国に改善を求めるように漁協幹部に要請。またこの日まで延期していた網の張り込みを1月4日まで再延期することに。
    29日 堤・高橋両研究室が佐賀県西部から諫早湾にかけて緊急水質調査。6カ所の各調査ポイントの表層だけでなく底層も含めて全体的に弱い赤潮状態であることが確認される。特に諫早湾内だけは弱いながらも塩分成層が形成されていることから、排水の影響が疑われる。
    30日 大串議員が色落ちしているノリ漁場を船上視察。
2010年 1月 3日 佐賀県有明海漁協の西部地区協議会が、4日に予定していた冷凍網ノリの張り込みを9日に延期。赤潮のためノリの生育に必要な栄養塩が不足しているためで、延期は3度目
    5日 佐賀県が九州農政局に対し、開門に向けた実務レベルの協議会を設置するよう要請。
長崎新聞が県民を対象に行ったアンケート調査で、開門賛成29.4%、反対17.6%、分からない52.6%の結果。
    7日 佐賀・長崎県のノリ養殖などの漁民約300人が、漁船約100隻を仕立てて潮受け堤防に向けて海上抗議デモ(写真集)。佐賀県有明海漁協の要望書に対し、長崎県は「諫早湾内では赤潮は発生しておらず、むしろ佐賀県の河川水質に問題がある」との見解を発表。しかし海面の着色がなくても諫早湾内は特に底層でクロロフィル濃度から判断して赤潮状態であり、長崎県見解は事実誤認。また排水がされてすぐに赤潮が発生するとは限らず、佐賀沖まで流れてから日射などの条件を満たして赤潮となるケースもありうることから、長崎県見解は二重に誤りである。潮流が弱まった諫早湾への調整池排水は、海水との攪拌に一般の河川水よりも長時間を要して成層化しやすく、その間にプランクトンの異常増殖を招きやすい点が問題なのである。河川河口であれば繰り返される潮の遡上によって、海水と淡水の攪拌が不断に行われているが、調整池からは塩分濃度が極端に異なる淡水が間歇的に排水されるわけである。調整池からの汚濁排水が攪拌されずに、表層を島原半島沖ではなく佐賀方面に「海中の大河」のごとく北上する様を筆者も目撃したことがあり、今回の佐賀の赤潮が長崎県の言うように排水が原因でないと断定することはできない。攪拌を早めるには、開門して調整池に海水を入れる以外に解決策はないのである。
    8日 原弁団・支援者らが早朝農水省宣伝行動(国会通信79号・80号)・院内宣伝、対農水省交渉(要請書議事概要)。
    9日 佐賀県西南部のノリ漁場で2週間遅れの冷凍網張り込み。
    12日 佐賀県有明水産振興センターの調査で、栄養塩不足は県内の有明海のほぼ全域に広がっており、昨年末から栄養塩が低調な南部の漁場では、ノリに重度の「色落ち」(写真)も起きている ことが判明。
    13日 今季のタイラギ漁復活の原因は、2年連続の夏場の強い北風という偶然の可能性(拙稿「今季の有明海タイラギ漁復活の要因」
    15日 古川知事が民主党本部に、開門調査の早期実現や関係県の実務者レベルでの協議実施などを要望(佐賀新聞記事) 。党からは開門に要する費用の質問が出たというが、短期開門調査時は開門アセス費用(1年目3億円、2年目5億円)と変わらぬ8億6千万円だった。また同日、佐賀県議会特別委メンバーは、海上からノリの生育状況を視察
赤松大臣が定例会見で、開門問題は長崎県知事選後に対応する旨表明。
    19日 古川知事が「諫干対応、長崎県知事選後に」とする1/15大臣発言に対し、「大臣の言葉を信じて(金子知事との会談実現の)努力をしてきた。知事選の結果を見てからということであれば、最初に言ってほしかった」と批判。
佐賀大学が今後3年間かけて諫干影響を研究すると発表。
    20日 「“よみがえれ!有明海訴訟”を支援する長崎の会」が、5名の長崎知事選立候補予定者に公開質問状を提出。
    23日 佐賀県大浦のノリ養殖業者が、栄養塩の回復がなく色落ちが深刻化したため、ノリ網の撤去を開始。また福岡県でも今月中旬からの赤潮のため、一部で色落ち始まる。
    25日 日本経済新聞朝刊に長崎県が諫干宣伝の全面広告
    26日 弁護団が農水省前早朝宣伝行動(国会通信81号82号)や議員要請行動。
福岡県有明海漁連(西田晴征会長)が、栄養塩補給のため下筌・松原ダムからの緊急放流の要請を決める。
    29日 科学技術振興機構(JST)の補助を受けた09年度までの5カ年事業のしめくくりとして「有明プロジェクト」の研究成果報告会。
    30日 諫早市の長崎日大中学校の2年生が諫干事業の新干拓地で営農に関して調べた研究発表会。
    31日 民主党が7月の参院選・佐賀選挙区に有明弁護団の甲木美知子氏の擁立を決定。
西日本新聞が実施した300人アンケートで、開門調査の是非に対し賛成は32・7%で、反対の20・3%を上回る
2010年 2月 3日 湾内3漁協の一つである瑞穂漁協が従来方針を転換し、開門調査の実施に向けて国や県に要請行動を起こすことを全員協議会の全員一致で決める。これまで開門に反対していたのは「潮受け堤防を常時開門した場合、膨大な淡水が湾内に流れ込んで漁場が荒れるから」と伝えられるが、常時開門に移行する前に、まず短期開門調査時と同様の制限的開門法で徐々に淡水を海水に入れ換えていけば、漁場が荒れる心配はない。
島原沖で漁網を破る被害出ているビゼンクラゲの異常発生問題で、島原漁協が駆除作業への財政支援などを長崎県に要望。
    4日 ノリの色落ち問題で福岡県有明海漁連が、ノリ網全体の2割程度を10日までに撤去することを決める。
    6日 西日本新聞が長崎県知事選立候補者7名への政策アンケート結果を掲載。開門賛成は深町・大仁田・山田候補、反対は橋本・中村・押渕候補。
  8日 長崎地裁、小長井大浦訴訟第12回口頭弁論。
瑞穂漁協が調査賛成に方針転換したことについて、金子原二郎知事は定例会見で「開門調査で大変な影響が出てくるので、できれば理解してほしい」と調査反対の立場をあらためて強調。知事は「大変な影響」などという根も葉もない脅し文句で漁業者の声を圧殺するのではなく、具体的にどんな影響があるのか(短期開門時調査時にはどんな影響があったのか)を、根拠を含めて説明すべきである。
    10日 弁護団が農水省前早朝宣伝行動(国会通信83号84号)、議員要請行動では公共事業チェックの会の2/17院内集会開催が決まる。
佐賀県海域の栄養塩は回復傾向で色落ちも軽減しつつあるものの、福岡県海域では回復せず、ノリ網の2割を撤去、熊本県北部海域にも色落ち被害拡大。
    11日 長崎県雲仙市で講演した赤松農相が「長崎は弊害があるので(開門は)だめだと聞いていたが、『開けろ』という方が多いのは意外。関係自治体の合意を取れるよう進めたい」と発言(参加者のブログ)(録音1)。
佐賀市でNPO法人有明海再生機構が長崎大学水産学部の山口敦子准教授らうぃ迎え「有明海の魚類と貝類の関係」をテーマに講演会。
    12日 野田国義衆議院議員が福岡県沖のノリ漁場を視察し、所得補償も視野に入れた対策を検討する考えを示す。
    13日 長崎県は1/7の漁民による海上デモに対して「佐賀県沖で赤潮が最初に発生した12月に諫早湾内では発生しておらず、むしろ佐賀県の河川水質が悪いためではないか」との見解を発表していたが、4県水試などが行っている調査から、実際には12月に最初に湾内で赤潮が発生しており、その時点で佐賀県はじめ有明海の他海域では発生していなかったことが判明(熊本県はプランクトン沈澱量のデータをとっていないが栄養塩データから見て赤潮は発生していなかったと判断される)。その赤潮が長崎・佐賀をはじめ福岡・熊本の有明海全域に拡大していった可能性のあることが分かった(平成21年度PL沈殿量推移)。また昨年1月に発生した佐賀県西南部のノリ色落ちも、諫早湾発の赤潮が原因だった可能性も浮上(平成20年度PL沈殿量推移)。4県水試の詳細データはこちらから。
    16日  朝日新聞調査で長崎県民の開門賛成は40%、反対25%。読売新聞調査でも賛成が40%で反対の33%を上回る。民主・自民の推薦する候補の開門反対の政策は民意を反映していないことが明らかに。
    17日 原弁団や瑞穂漁協漁業者が、農水省前早朝宣伝行動(国会通信85号)、議員要請行動の後、 参院議員会館に鳩山邦夫代議士など多数の与野党議員(写真)・秘書・支援者・報道陣を集めての院内集会(国会通信86号赤潮資料)(動画前半後半)。馬奈木弁護団長は、瑞穂・国見漁協組合員も開門を求めて訴訟を起こす予定と表明。その後の農水省交渉(要請書写真)では、水産庁担当者の「今回のノリの色落ちは赤潮ではなく少雨のため」という認識をめぐって紛糾。農水省側は4県水試調査データを知らなかったことが明らかに(動画1)。
    21日 長崎県知事選で自民・公明が推し開門に反対する中村法道前副知事が当選。「開門すると調整池水位が上がり、洪水の危険性が増す」と語ったが、全くの嘘。調整池水位が低くても諌早大水害のような市街地洪水は防げず、そのために国交省が「潮受堤防の存在を前提とせずに」河川整備を進めているのであって(質問主意書への政府答弁書)、洪水問題は開門に反対する理由にならない。閉め切り後の99年7月には、調整池はマイナス1m管理のもとにおかれていたにもかかわらず、9万7千人諫早市民全員への避難勧告が出されるほどの洪水が発生した事実を忘れてはならない。洪水は森林や河川整備で対応するものであり、調整池のような河口ダムで防止・軽減できるかのごとき認識はあまりにも非常識で非科学的だ。今や農水省でさえも、開門できない理由に河川洪水問題は挙げておらず、収斂が起こる地点より下流の河口周辺の湛水問題は、背後地などの湛水問題一般に含めて扱っている。なお河口周辺や背後地の湛水問題は、全国各地の事例と同様にポンプ排水で解決可能であり、本明川河口でも2002年に天狗鼻排水機場が建設され稼働中である。
佐賀大有明海総合研究プロジェクトのシンポジウム(チラシ)開催。
    22日 衆院予算委で赤松農相は、赤嶺議員(共産)の質問に答え「(前政権の)方針をどう見直すのか、省内に委員会をつくり1、2カ月で答えを出したい」と述べる一方、「どういう決定をするにせよ、地元の意向をまったく無視して進められない」として新知事との協議の意向を表明(衆院ビデオライブラリー)。
    23日 赤松農相が閣議後の会見で、「検討の結果、開門も、あるいは控訴取り下げの結論もありうる」旨を表明報道)。農相は郡司彰副大臣をトップとする委員会を設置する方針。他方、 鳩山首相は「「私も潮受け堤防を見に行き、地元の方と話をしたこともある。純粋にさまざまな方々の気持ちを考えながら、白紙で臨んでほしい」と述べたが、山田副大臣は開門の影響を調査した上で方針を決める意向を強調し「長崎県には台風や集中豪雨の時にどうなるのかという不安がある」と述べたが、たとえ常時開門中の大潮満潮時に諌早大水害級の豪雨があっても、調整池水位は2.19m(-1m管理の場合は2.01m)までにしか上昇しないから、3.5mある内部堤防を超えることはない。2.19mの水位は、着工前の大潮満潮潮位2.5mより低いのだから全く不安のないレベルである。
    24日 長崎県が、金子知事らが上京しての「開門調査に関して検討を行う国の委員会に対する要請」を行うと発表するも、25日の羽田空港の濃霧で飛行機が飛ばずに中止。(要請内容へのコメント
2010年 3月 2日 赤松農相が閣議後の会見で、開門調査の是非を協議する検討本部の構成を明らかにする。政府与党としての基本方針をまとめる考え方に立って、政務三役から郡司副大臣他1名、民主党の沿岸3県選出議員各1名、長崎県選出民主党議員2名、それに社民・国民新党各1名の9名で発足する見通し。
3県漁連が、漁業への影響調査を開門前に徹底するよう国に求めていくことを明らかに。
佐賀県漁連が1月に提出していた要望書に対し、農政局が「(排水の影響は)観測結果によれば、諫早湾の外まで及んでいないことは明らか」などとする回答書を送っていたことが明らかに。湾外まで及んでいないとする根拠は不明。
    3日 検討本部の準備会合が開かれ、正式名称が「諫早湾干拓事業検討委員会」と決まる。メンバーには農水委からも2名が追加され計11名に。長崎のメンバー2名のうち1名は未定。第1回会合は3月9日。
宮本諫早市長が改めて開門反対を表明し「湾が締め切られる前後の潟の移動、本明川に遡上(そじょう)する潟土の状況まで私は熟知している。(開門調査で)影響が出ないということはあり得ないと確信する」などと述べる。ガタ土が遡上して河道を狭めることのないように、重機による浚渫を行うのが一般的であり、そのためだけに河口を閉じるなどという愚策をとるのは諫早だけ。また「13年前の堤防閉め切り前、狭い開口部で潟土が巻き上がった現象が、開門調査後も起きる」との見方も示したと伝えられるが、当時の開口部とは異なり、現在の水門の内外には護床工が設置済みであり、そうした懸念は当たらない。
    4日 弁護団・支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信86号87号88号)と議員要請行動。
長崎県の中村新知事が上京し、就任挨拶と開門反対の陳情。
    5日 赤松農相が会見で、検討委員会について、(非公開ではなく)もっとオープンにやればいいとの見解を表明。
    6日 佐賀市民会館で原弁団主催「漁民の集い」開催。
    8日 熊本県農林水産部の調べで、昨年の県内アサリ漁獲量が前年比8割減となったことが明らかに。悪環境で繁殖しやすいホトトギスガイの増加が原因。
    9日 長崎代表に、開門反対論の急先鋒・西岡武夫参院議員(諫干のルーツである長崎大干拓計画は西岡議員の父君である西岡武次郎長崎県知事が1952年に構想したもの)も加えて、与党検討委の初会合が開かれる。 羊頭狗肉の防災機能をポンプ増強で補強し、環境保全型農業に相応しい農業用水を確保するためにも、開門は好機である。諫干が目指した防災と優良農地という二大目的を、開門によって完遂させるという高度な政治判断を望みたいものである。検討委メンバーは、政務三役から郡司彰副大臣(座長)・佐々木隆博政務官(事務局長)、早期開門を目指す「民主党有明海再生を考える議員の会」会長の古賀一成衆院議員(福岡)、副会長の松野信夫参院議員(熊本)、事務局長の川崎稔参院議員(佐賀)のほか、長崎は西岡武夫・大久保潔重両参院議員、社民党は中島隆利衆院議員(比例九州)、国民新党は森田高参院議員(富山)、衆院農林水産委員会理事の森本哲生衆院議員(三重)、森本和義衆院議員(愛知)の計11名。
赤松農相は、基本方針のとりまとめには、当初想定した1〜2ヶ月ではなく、「参議院選挙の前に打ち出す方が良いのか、後の方が良いのかといった要因もある」として数ヶ月かかるとの見通しを示す。これに対し佐賀県・古川知事は「選挙ではなく、未来のために動くのが政治家だ」と苦言を呈し、早期開門を求める。

福岡県が開門前の環境アセスの実施を求める(諫早湾干拓事業の開門調査について)。「漁場環境に予想しない事態が生じる恐れがあるから」と言うが、中長期開門調査検討会議で既に、いきなり全開にした場合の最悪のケースもシミュレーション予測が済んでおり、我々が提案している段階的開門はその回避策を含んでいるのであって、再度のアセスは時間の浪費である。麻生知事が想定する「一番の悪影響は、開門した場合、ため池状態になっている水が有明海に放流されるわけです。その結果として、あの流域の海洋条件がどう変わっていくのかということになります。」という見解は、現在も「放流」(排水)が行われている事実を知らない初歩的誤解に基づく空論でしかない。
開門反対派の住民組織・諫早湾防災干拓事業連絡推進本部が長崎県・中村新知事に、アセスなし、合意なしの開門は反対と国に申し入れるよう要請。いったい何をアセスせよというのか不明。合理的理由なしに「合意しない」というスタンスは、子供の我が儘と同じである。他方、瑞穂漁協石田組合長は「諫早湾のアサリなど魚介類は激減し、じっと耐えてきた漁民ももう限界だ」として開門を要請したが、対応したのは知事ではなく部長。
    11日 赤松農相が衆院農水委での野田国義議員の質問に答え、4月中旬の現地視察を表明。
湾内3漁協(瑞穂・国見・小長井)から新たに29名の漁業者が開門訴訟を長崎地裁に提訴(弁護団声明)。
  13日 熊本保健科学大学の高橋教授を講師に開かれたアオコ学習講演会(チラシ)に130名以上が参加。「アオコは海洋汚染を生み出している可能性があり、放置すると健康被害につながるおそれがある」と指摘し、解決するには「潮受け堤防排水門の早急な開門が必要」と述べる。
    15日 原告団・支援団体が長崎県庁前宣伝行動後、長崎県知事宛への開門を求める2万6244人分の署名簿を提出。
長崎地裁、小長井大浦訴訟第13回口頭弁論で、裁判官らが5月19日に現地視察を行うことが決まる。
  16日 第2回政府与党検討委員会に古川・佐賀県知事が出席し、開門調査の必要性を要請(佐賀県記者発表)後、鳩山首相とも面会して説明。
九州農政局が開門調査アセスの方法書を決定したと発表(決定された方法書)。郡司副大臣は2012年3月までの取りまとめという当初予定を早める意向を示す。しかし、もっと早めて本年5月開門は可能である。既に08年7月のアセス実施表明から1年半以上も経過しているが、農政局は今後さらに4月から1年かけて「現地調査」を行うという。しかし1年かけて行うという「現地調査」は不要である。それが、方法書骨子案で示されたような新シミュレーションモデル構築のためであれば、シミュレーションは開門しての調査に代替できるわけもなく無意味だし、またそれが開門時との比較のための閉門時調査を意味するなら、既にモニタリングデータはじめ本方法書にも掲載されている各種データが存在するからである。いずれにせよ開門アセスは農水省官僚の時間稼ぎの手段でしかなく、実際にはすぐにでも評価書を策定してアセスを完了できる状況にあるのだ。農業用別水源やポンプ場の建設は未だに着手されていないが、開門しようとしまいと必要なのだから(調整池のページ水門開放問題のページを参照されたい)、アセスとは無関係に与党検討委は早急な着工を決断すべきである。さもなくば判決確定から3年後の常時開門への移行が困難になる。そもそも佐賀地裁が命じたのは「開門調査」ではなく、漁場改善・漁業被害回復のための「常時開門」である。地裁判決に従うか否か、開門するかしないかの判断は、開門調査アセスとは別問題として与党検討委における政治判断として行うほかないのだ。開けると政治判断した後の影響回避策は、アセスを待つまでもなく亀井元農相時代の中長期開門調査検討会議で検討済みであり(不足するシミュレーションがあれば1〜2ヶ月で可能であり、どうしてもアセスが必要ならそれを「アセス」と呼べば済む話である)、開門問題を開門調査アセス問題と混同させ埋没させてはならない。アセスという科学的言辞で農水官僚の策略に騙されてはならない。彼らは、司法判断や政治判断にいかようにも合わせることが可能な「アワセメント」を行おうとしているに過ぎないのだから。さもなくば判決とアセス結果が異なった場合に、農水省は身動きが出来なくってしまうのである。
  17日 原弁団・瑞穂漁協代表・支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信89号90号)、議員要請、院内集会(配布資料28メガ)(録画ビデオ)、農水省交渉(瑞穂漁協要望書録画ビデオ1)。院内集会(右写真)に出席した鳩山邦夫元法相は「自然を理解しない大バカ政策が日本にはいっぱいあった。諫早湾(干拓事業)は象徴。申し訳ないと思うのはあの時、法務大臣としてあくまでも自己の主張を通して控訴しないで、佐賀地裁判決が確定すればよかったとつくづく思う」と述べる。また与党検討委の長崎県選出メンバーである大久保潔重参院議員が、開門の要望に訪れた瑞穂漁協室田和昭副組合長らに対し、「防災面などの担保が取れるのであれば、開門調査は可能性としてあり得る」と述べる。
長崎県がアセス方法書に対する意見を発表するも、政治判断とアセスを混同した駄々っ子要求。
    19日 長崎県南北高海区漁業協同組合長会(11漁協)が「開門によって海底の泥が巻き上げられ、濁った水が諫早湾の外まで拡がり、深刻な漁業被害を生じる恐れがある」として、開門反対を中村知事に要請。農政局や県とのしがらみを断ち切れない組合長たちが訴えている「被害」とは、委員全員が官僚OBだった中長期開門調査検討会議で示された「いきなり全開」という前提での想定被害であるが、現在も大雨時には「いきなり全開」での排水が行われている事実(97年4月14日から08年5月25日までの排水門操作実績)を棚に上げた根拠なき要請である。これに対し同じ長崎県内でも自ら海に出て働く大半の漁師や瑞穂漁協は、「いきなり全開」の方法ではなく、防災上も早期の開門が実現可能で、しかもより確実に漁業被害の出ない段階的開門方法を要望している。他方、長崎県選出の大久保議員は、毎日新聞の取材にも「アセスに関係なく政治判断での開門調査も」との意向を表明(報道)。
    21日 佐賀大有明海総合研究プロジェクトの最終成果公開シンポジウム。諫干が有明海奥部の底質悪化や島原半島周辺の透明度上昇に影響したとする最終報告書はこちらから入手可。従来我々が推測していた諫干が有明海生態系に及ぼした数々の影響経路の一部が、また科学的に裏付けられたことになる。
    23日 佐賀県のタイラギ漁は80トン超へと10年ぶりの豊漁の一方、福岡県は今季のノリ生産高が平年より26%減少と発表し、また熊本県ではホトトギスガイ増加のためアサリが大幅減少。
    24日 有明海漁場環境改善連絡協議会(第10回)。事前のアセスも費用対効果の検証もなしの数々の実証実験結果が報告されたが、いずれも小手先の対策であり国費を投入する意味はない。4県が満遍なく実験の舞台となっていて、カキの実験が瑞穂沖が選ばれていないなどの恣意性も見られることから、農水省によるばらまき目的は明らか。抜本的な再生策である開門を実証実験の一つと位置づけて早急に実施に移した方が、よほど効果が上がるだろう。
佐賀県議会が開門調査を早期に実施するよう国に求める意見書を全会一致で可決。
    25日 弁護団・支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信91号92号)、議員要請行動。
諫早市議会が開門反対の決議を社民・共産を除く賛成多数で可決。
長崎県は「公式ウェブサイト」に職員向け濱本農林部長と藤井副知事講演録を掲載していたが、短期開門調査の実施年(平成14年)を2004(平成16)年と勘違いした上での塩害論を強調した藤井副知事発言部分をホームページから全文削除(削除前の藤井発言)。松坂・島原市議の指摘を受けてのもの。県は短期開門時を上回る2004年の干拓地塩分濃度の上昇原因(おそらく2003年9月から続いた少雨のため)を明らかにしたうえで訂正を行い、塩害懸念論を撤回すべきである。降雨量が少ないときは灌水すれば浸透塩害は防止できるのである。
    27日  民主党長崎県連常任幹事会は開門反対の立場を維持していくことを申し合わせる。
日本海洋学会で九大・柳教授が「35m以浅の海域を20mにまで埋め立てた上で開門すれば1985年の有明海に回復する」とのシミュレーション結果を発表。
    28日 福岡県の漁民ネットメンバーらが古賀一成議員に早期開門の実施を要請(要望書)。
    29日 第3回政府与党検討委員会に、中村・長崎県知事が出席し、開門反対を要請後、赤松農相にも陳情。また一川副幹事長は陳情団に対し「アセスに重点をおく。長崎県の意見が一番大事」と応じる。自民党の失政事業を擁護するようでは政権交代の意味はないのだから、「長崎県の意見」とは首長や一部漁協幹部の意見ではなく、現場の漁民や新聞アンケートで示された県民全体の意見を指すものと受け止めたい。
漁民ネットが「理解しがたい長崎県の主張」を作成し、長崎県の開門反対の理由を全面批判。

農水省が2010年度公共事業の箇所別予算額を発表。地元が要望していた旧森山町田尻地区の排水ポンプ設置等の防災事業(諫干では背後地湛水被害軽減の効果がなかったことの表明でもある)が、新規事業抑制政策のため選に漏れる。しかし国策としての開門が決定すれば、全額国庫負担で事業化されるだろうから、地元にはむしろ朗報かもしれない。
有明海漁場環境改善連絡協議会(第10回)議事録
    30日 第4回政府与党検討委員会で4月中旬に現地視察、下旬からの論点整理というスケジュールを決める。検討のスピードアップを願いたいが、2002年の短期開門の際は、開門に最後まで反対していた小長井漁協が4月20日に同意、21日から土嚢や仮設ポンプの設置作業開始、24日から開門実施という短期間のうちに開門にこぎつけた実績があるのだから、これ以上の自殺者を出さないためにも本年5月開門に望みをつなぎたいものである。また「有明海再生に向けた全体的な話をすべき」との意見があるとも伝えられるが、開門調査を実施して異変原因を特定しない以上は、現在実施中の効果の薄い再生策以上の対策は打ち出せないであろう。なお諫干以外の大型開発は、有明海異変とは時期が異なる。
    31日 佐賀市で有明海再生機構が市民向けシンポ「有明海のなぜ?」開催。
2010年 4月 2日 水産庁九州漁業調整事務所刊「平成21年 九州海域の赤潮」では、福岡・佐賀県海域の赤潮面積が、すべて「不明」とされていることが明らかに。開門後のデータと比較できなくするための意図的なデータ隠しの可能性。
  6日 第5回政府与党検討委員会。
  8日 原弁団と支援者が、農水省前早朝宣伝行動(国会通信93号)、議員要請行動。
堀良一弁護団事務局長が、アセス法改正を審議中の参院環境委員会に参考人招致され、諫干アセスの問題点を指摘。
    9日  赤松農相が、開門を参院選前までに判断して選挙の争点とする意向を表明。漁業者が熱望する早期開門の実施が選挙後まで先送りされれば、今夏も諫早湾や有明海で発生が予想される赤潮・貧酸素による漁業被害は避けられず、また調整池に有毒アオコが発生すれば消費者の健康被害さえ懸念される事態なのだから、開門問題を政争の具に利用するのではなく、早急に判断して5月開門を実現すべきである。開門に抵抗している長崎県や一部議員は、誤解や嘘までをも交えた自らの言動の罪深さを強く認識しなければならない。
    10日 諌早市内でシンポ「生物多様性年〜急ごう!干潟救出と開門調査」他方、開門反対する諫早湾防災干拓事業推進連絡本部は初の街頭署名活動。
    11日 第6回政府・与党検討委が諫早市で開かれ、郡司副大臣が「方向性を4月末の連休前に打ち出すことを目指して精力的に検討したい」と明らかにする。これは、本年5月の早期開門の可能性があることを意味する。短期開門調査時と同様の開門から始めれば、①当面の防災は現行と何ら変わらないし、将来ポンプ場が建設されれば現行以上に排水能力が高まる、②当面の簡易ため池(中海での実績あり)設置で干拓地農家は有機汚濁・アオコ毒水利用から解放され、将来恒久的な水源が確保されれば背後地農民にとっても長年の水不足問題の抜本的解決につながる、③徐々に調整池の水底質が改善されて、水門からの汚濁水の一方的な排水が海水の流出入に換われば、湾内とその周辺の今夏の漁業被害は軽減され、将来常時開門に移行すれば有明海の一定の再生にもつながるのだから、早期開門の実現は背後地住民・干拓地農民・諫早湾漁民のいずれにとっても歓迎すべき事である。短期開門調査の際にはアセスなしに実施に移され、しかも何らの問題も発生しなかったどころか、例年なら湾内養殖アサリが貧酸素で大量死していたのに小長井漁協では短期開門の年は生残率が向上したという効果があったのだから、開門に反対すべき理由はあり得ない。アセス(常時開門中の非常時水位シミュレーション、常時開門中の水門周辺最大流速分布図作成、洗堀惹起の最低流速を確定する試験などが残された課題であろう)と影響回避軽減策の実施は、排水機場建設・恒久水源確保とともに常時開門に移行するまでに終了すればよいのである。
    12日 政府与党検討委が現地視察。早期開門を求める漁民・市民は「農業防災と漁業が両立する早期開門を」と書いた横断幕を示してアピールし、他方、 開門反対の住民組織は1500人を動員しての集会。
    14日 赤松農相が現地視察し、佐賀・・福岡・熊本の各会場で公開の意見交換会を行う。その後の会見で大臣は「アセスは来春まで1年間行う」と表明。これにより今春5月開門の可能性は薄れたが、長崎県が言うような「科学的・客観的な」アセスにするためには、今国会中には有明海特措法を改正して開門調査実施方針の明文化と評価委の再度の立ち上げを図り、評価委の指導助言の下のアセス実務手続きの進行、及び開門後のデータ評価ができる態勢を整えておく必要がある。農水省や農政局官僚は「事業主体の自分たちだけでやりたい」と抵抗するだろうが、開門事業はアセス法の対象外である。また、開門という事業を行うことを前提とした影響の回避軽減策を探るためのアセスのはずなのだから、アセス後の早期開門の実現のためには直ちに農業用水確保と排水ポンプ場建設に着工しておくべきであるし(この2つは万が一開門しなくても必要な対策であるし、現に長崎県は本年度予算で箇所付けはされなかったが旧森山町田尻地区のポンプ場設置を要求している)、漁業者側と協議にも応じようとしない裁判での国の姿勢を改めるのかどうか、控訴を取り下げるのかどうかなど、検討委は政府与党としての方針を今月中には明らかにして漁業者に希望を与えるべきである。
第13回諫早湾干潟慰霊祭。
原弁団が記者会見し「(開門反対の立場を取る)諫早市の小長井町漁協を含む諫早湾内3漁協正組合員の約6割に当たる103人が漁場再生に向け開門を求める署名に応じた」と発表。小長井町漁協(正組合員98人)では、約60人に募ったところ、うち51人が応じ、 瑞穂漁協は正組合員46人全員、国見漁協からも29人中6人が応じた。湾内の「漁民は権力と補助事業で押さえ付けられているが、心の中では開門を望んでいる」実態が明らかに(プレスリリース)。
    15日 赤松農相が諫干現場周辺を現地視察後、諌早市内での公開意見交換会に臨むも、長崎県が指名した意見陳述人の大半は開門反対派で占められる。会場は、貸し切りバスで動員されたハチマキ姿が9割を占め、怒号が飛び交う異様な雰囲気。
長崎新聞が論説「政治問題化避け、科学議論を」を掲載。「科学的議論」のために開門調査が必要であることを無視した空論であるばかりか、「漁民と営農者という相反する利害関係者が同時に存在する」と断定して対立を煽り、結果として政治問題化させているのは長崎新聞自身ではないのか。開門は営農者にもプラスだという指摘のどこが間違いなのか、根拠を示してほしいものである。社には気骨ある記者も在籍していたはずだが、御用新聞に成り下がったのはまことに残念である。
    16日 しんぶん赤旗が主張「政府が開門を決断するとき」を掲載。
    17日 愛媛新聞が社説「地元と協議を深め開門調査を」、熊本日日新聞が社説「開門調査に向けたアセスに」を掲載。
    20日 弁護団・漁民ネットが「来月開門可能」を訴える連続記者会見開始(4/20佐賀県庁、4/21長崎県庁[記者レク資料]、4/23福岡県庁)。
調整池にアオコやユスリカ発生を確認(レポート)。被害発生前に一刻も早い開門が必要だ。
    22日 原弁団・支援者が氷雨降る中、農水省前早朝宣伝行動(国会通信94号95号)、議員会館前座り込み(録画)(写真)、議員要請行動(漁民ネット要望書、説明資料「段階的開門のスキーム」)。
衆院農水委で、自民党・宮腰議員(元農水副大臣)からの「アセスの結果を待たずに開門の是非を政治判断することはあり得ないと思うがどうお考えか」との質問に対して、赤松大臣が「大臣として、政治家として、政治判断することはあり得ます」と答弁し、アセス終了前の政治判断の可能性を示す。
    23日 閣議後会見で赤松大臣が「それ(アセス)をやらずにということは、技術的にも、専門的にも、できないと思うのですね。」と述べる。大臣は官僚主導の3ケースでのアセスに未だに引っ張られてはいないだろうか。ケース1(いきなり全開)は中長期開門調査検討会議で事実上のアセスが済んでいるし、開門まで長期間を要する。ケース3(制限的開門に終始)は、有明海再生の効果が薄く、判決が求める常時開門を達成できないのは明らかなのだから、最初から採用できない。ならば検討対象を最初からケース2に絞るべきだ。そうすれば、その第一段階(制限的開門)は短期開門での実績があるのだから、アセスが終了しなくても参議院選挙前にでも早期開門が可能なのだ。その後の開門しながらのアセスならば、シミュレーションは間違いが多いが、常時開門に向けて、実測での確実な予測と対策が可能になる点を是非とも理解してほしいものである。「シミュレーションアセス」を口実とした開門の先延ばし策は、官僚の策略であり、政府与党はその手に乗ってはいけない。3月に発表されたアセス方法書では、計画洪水位が本来対象とすべき「大潮」ではなく、相変わらず「高潮」と既往最大降雨量との組み合わせで計算されているが、これは洪水時の背後地湛水問題にとって諫干がマイナス効果しかないことを隠すためのトリック(「市民版時のアセス2006」第8章参照)、かつ必要ポンプ容量を過大に計算し財政上開門できないと結論づけさせるための官僚の悪知恵なのだ。方法書からして既に「騙し」が始まっている。官僚任せのアセスは信用できないこともあって、私たちは1年前から開門協議会の設置を求めてきたのだが、未だに実現していないのは残念である。
    24日 開門反対派が町内会回覧板や役所の業務用メールなどを総動員して必死の署名集め。
長崎新聞投書欄に「諫干営農者の声を聞かせて」と題する農家からの率直な投書が掲載
諫早市で『よみがえれ!有明海訴訟』を支援する長崎の会。
    25日 荒尾で弁護団報告集会。
27日の検討委を前に、諫干防災論の「まやかし」を再度指摘しておきたい。効果を認めることができるのは、①高潮、②調整池より外海水位が高く、かつ小雨の時の背後地排水効果だけである。③河川洪水、④調整池より外海水位が低いときの背後地排水、⑤大雨の時の背後地排水は、いずれも効果がない。④と⑤については、潮受堤防と調整池に排水が妨げられてむしろ増災効果をもたらしている。97年に作成された原計画の洪水排水計画の「内部堤防がない場合」によると、調整池有効貯水量が8920万m3で、本明川河口水位は、外海が大潮満潮(2.5m)の時にそれを上回る2.56mとされていた。ところが現計画では調整池面積が広げられたものの、内部堤防が築堤されたので有効貯水量は7900万m3 となり、97年より1020万m3も貯水能力が低下しているのだ。そうすると、本明川河口水位は2.56mよりさらに大幅に上昇しているはずであり、2.5mとの差に相当する分だけ、周辺背後地の排水能力は諫干で弱められたことになる。したがって開門のための防災費用として認められるのは、開門で影響される防災効果分だけでよいという考え方に立てば、必要なのは小雨の時の排水効果に見合うポンプ設置費用(17.8億円)だけということになる。高潮予報の際は閉門操作するだけなので費用はかからない。政府与党は、くれぐれも農水官僚の嘘説明に惑わされないよう願いたい。
    27日 第7回政府与党検討委と非公式会合が開かれ、今まで開門に反対していた西岡議員を含めて議論のとりまとめを郡司座長に一任。開門の方向性を明記する郡司メモは28日に大臣に提出の運び。開門開始時期は未だ不明だが、短期開門レベルで開始するなら来年に先送りする理由はない。CBD第10回締約国会議主催国として、生物多様性の回復に向けた日本政府の積極的な姿勢を世界に示すには、海外からのゲストに開門中の諌早を見てもらうのが一番である。
韓国・セマングム干拓の世界最長の防潮堤33.9キロが遂に完成。諌早の悪しき先例を学んでいないようだ。
    28日 政府与党検討委の郡司座長が赤松農相に報告書を提出後、記者会見。 長崎県への政治的配慮のみが前面に出て開門への具体的道筋が示されておらず、本当に開門されるのか、ましてや早期に実現するのか懸念をぬぐいきれないが、我々はあくまでも早期開門を求め続ける。報告書では「複合要因」に触れられているが、漁業者が問題視せざるを得なかったほど突然の「異変」発生時期と一致するのは諫干だけであるし、評価委報告書で潮流鈍化要因の一つとして固有名詞が挙げられたのも諫干だけである。過去、有明海の漁業者は、専門家委員会・司法・政治に何度も裏切られ続けてきたのだ。一貫して事業推進の先兵役を果たし開門を妨害し続ける農政局に、今後ともアセスを任せるようでは科学性・客観性が保てず、とても政治主導とは言えないだろう。
九州農政局は何とか開門を回避させようと、「アセス」に名を借りての無駄な調査をコンサルに発注し続けて、時間稼ぎをしている。平成21年度には、排水門周辺土質調査(着工前からデータはとり続けている)、有明海潮流調査(アセス方法書にある通り、既に閉門中データは取得済み)、諌早湾及び有明海海底の深浅・底質調査と解析のとりまとめ(モニタリングやレビューで整理済み)、地下水調査解析(作業は数日で可能)、農業用水の調査検討(利用実績量調査は済んでおり、着工を待つのみ)、背後地排水の検討(平成15年度にコンサルからの報告書が提出済み)、総合整理とりまとめ等の業務(1ヶ月で可能だが、なぜ官僚自身がやれないのか不可解)を実施したが、いずれも不必要であり2年近く(若林談話は08年7月)を浪費したことになる。まさに事業仕分けの対象だったのだ。さらに平成22年度には、開門調査による潮受け堤防、内部堤防、調整池周辺背後地の既存堤防、既存樋門などの構造物の安全・安全性機能診断を行うらしいが、これも全くの無駄。短期開門中もゲート振動を測定し、どの開度でも潮受堤防はもとよりゲートにも大きな振動はなかったことが実証済みである。現在の排水(実際には平均でも毎秒3.2mで排水した実績あり、最高流速1.6m以上での排水が常態化。1.6m以上で洗堀が生ずると主張し続けてきた農水省の開門回避のための口実は既に根拠を失っているから、開門しての実証実験で限界速度を確定するしかない…平均流速計算入りの排水門操作実績エクセル表ダウンロード)とは異なり、常時開門中は潮汐と連動するので内外の水位に大きな差は生じないのだから(特に大潮時に我々が提案するB案にすれば何ら問題は生じない)、実際には現在よりもむしろ緩慢な流れになるのである(もぐり開門の方が水門直下の流速は速いのだ)。また内部堤防のうち前面堤防には設置場所からして速い流れは直撃しないし、北部堤防・南部堤防とは並行の流れになるので、内部堤防の安全性に問題はない(実際に短期開門中は問題がなかったし、それでも心配なら、シミュレーションではなく段階的開門の第二段階で実証試験によるアセスを行えばよい)。既存堤防や既存樋門の改修・補修を要する場所も、「平成15年度背後地排水その他検討業務」で特定済みであるから、直ちに着工すればよいだけの話である。そもそも原計画では3.17mまでの水位を予想していたのだから、本来なら97年の閉め切り前に改修済みのはずであるが、未改修というのであれば、農政局内におけるその責任の所在を明らかにすべきである。しかし開門は、これらの工事完了を待つ必要はない。段階的開門の第一段階は、以上のどの問題とも無関係に実施が可能であり、短期開門調査の実績を等閑視してはならない。農水省発表によってさえ、作物生産効果は年間13億円足らずであるが、我々の試算での漁業被害額は年間266.5億円(海面漁業207.7億円+ノリ養殖業58.8億円)にも及んでおり(「市民版時のアセス2006」第7章)、農水省版アセスによる年月の浪費は数百億円もの損害をもたらしたことになるが、漁民が求めているのは、お金ではなく漁の出来る有明海なのだ。段階的開門法であれば、農業も防災も、むしろ現在より改善されるのだから、農水省政務三役はその採用を一刻も早く政治決断して、開門準備への着手を指示すべきだ。
    29日 西日本新聞が社説「憂いなくす備えは当然だ」、長崎新聞が論説「長崎側説得に誠意を」、佐賀新聞が「長崎側説得に誠意を」、読売新聞が「解決すべき課題は少なくない」を掲載。
    30日 漁民ネットが一日も早い開門の実施を求める緊急声明を発表。他方、長崎県・中村知事が赤松大臣に開門反対の陳情。知事には、湾内漁業者の6割はじめ島原半島沿いの大半の漁業者、そして県民世論も開門を求めていることも踏まえての総合的判断が求められており、根拠なき要求、ゴネ得目的は許されない。まずは防災論のまやかし始め、今までの嘘説明を県民・農民に謝罪することから始めるべきだ。県庁ロビーではプロパガンダビデオが今でも放映され続けている。
タイラギ漁最終日。佐賀県有明海漁協大浦支所では112トンの水揚げ。
2010年 5月 1日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部の緊急総決起集会に、開門に反対する与野党の国会議員や県議、市議など含め2000人の動員。他方、長崎市内での全労連系メーデー(600人)会場には「開門」と書かれた紙が林立し、都内日比谷公園で行われた中立労組系メーデー(1万人)のデモ行進隊列からは、農水省庁舎前で「諌早の水門を開放しろ」のシュプレヒコール。
    2日 日本経済新聞が社説「諫早の開門調査は不可欠だ」を掲載。
    5日 長崎県が最近、マスコミ宛に開門に反対するための数十ページもの文書を配布したらしい。ここでは県の根本的な認識の誤りを必要最小限の範囲で指摘しておく。1)短期開門調査だけで諫干の有明海への影響はないと結論づけられたと言うのは間違いである。そもそもノリ第三者委が短期(2ヶ月)・中期(半年)・長期(数年)の開門調査を提言したのは、短中長期と一体の調査態勢でしか科学的には判断できないからに他ならない。短期開門だけで判断がつく問題ではないのだ。2)県は諫干以外の原因を列挙するが、ならば潔く開門調査を受け入れて諫干シロ説を証明すればよいではないか。3)中長期開門調査検討会議は、開門をすべきでないと答申したのではなく、「いきなり全開」の前提でのアセスを行った結果、委員間で意見が割れたために両論併記をしたのが事実である。しかし事前対策に600億円もの費用を要するなどの要素をも勘案して、当時の亀井農相が中長期開門調査の見送りを「政治判断」したにすぎない。しかし亀井方針に従って多額の税金を費やして再生策を講じても一向に改善しないこと、600億円という数値の根拠が崩れている等の状況の変化に応じて、改めて政治判断をし直すことになったのだと理解すべきである。赤松大臣の最終判断はまだ示されていないのに、政府与党としての検討作業自体を否定しようとする長崎県の対応ぶりは異常きわまる。長崎県発行の文書には、事実関係を歪めた「嘘」が多過ぎるが、嘘も百編繰り返せばとでも思い違いをしているのではなかろうか。
    8日 佐賀市で原弁団が集会を開き、即時開門を実現するために、海上デモなどの実施を決める。
    10日 産経新聞が主張「地元の懸念払拭が先決だ」を掲載。
諫早市が地元同意なき開門に反対するよう知事に申し入れ。他方で市議会は一昨年「諫早湾の漁場はいまだ回復する状況になく、非常に厳しい事態が続いています」(意見書)として赤潮等への対策も国に求めていたが、開門による赤潮解消は望まないとでも言うのだろうか。従来の諫早市の主張によれば、諫干で諌早大水害の再来が防げるようなったはずなのに、新たに本明川ダムの建設を要求し、背後地の湛水被害が防げるようになったはずなのに、排水対策特別事業を要求し、湾内漁場は安定して漁獲量も増加したはずなのに、水産振興策や漁港整備を要求するなど、諫早市の言動は欺瞞に充ち満ちて支離滅裂であり(平成21年7月の国への予算要求パンフ)、真の地方自治の確立は程遠いと言わねばならない。
諫早干潟緊急救済本部と同東京事務所が農相宛に諫早湾の早期開門を求める要望書を提出。
    11日 自民党長崎県議団が「地元の同意なく開門調査することを容認しない」との声明を発表。「防災や農業、漁業、環境に被害が生じないという確証をアセスで科学的、客観的に得られるまでは、開門調査をしない」ことを求めているが、今現在生じている被害(防災機能の弱化、不健全な農業用水、湾内及びその周辺での漁業被害)の継続を座視するわけにはいかない。他方、中村知事は定例会見で「「仮に開門されて被害が出れば責任を持って補償してもらうのが当然だ」と述べるが、郡司報告にも明記されており、当然であろう。
    14日 赤松農相が、今月末にも長崎入りして知事らとの再協議の意向を示す。
雲仙市議会がアセス前開門反対の方針をかためる。短期開門調査前には、各種コンピュータ解析による影響予測と対策が実施されており(たとえば、平成14年3月「開門調査の実施について」)、短期開門同様の開門法であればアセスは既に済んでいるから即時の開門も可能である。また常時開門に向けても、予測の前提条件には問題があったものの、中長期開門調査検討会議(報告書)で事実上のアセスが行われた。その前提条件を正し不備を補うためには、段階的開門の第二段階で実測によるアセスを行えば良いのであって、我々の提案する段階的開門法を採用しさえすれば、常時開門への移行はアセス後となるから、「事前にアセスを」と言うご要望にも反しない。短期開門調査開始前も今回同様、地元からは反対の声が渦巻いたが、終了直後の2002年5月21日、当時の金子知事は会見で「心配していた災害もなくほっとした」と心配が杞憂だったことを吐露しており、開門前の大騒ぎは何だったのかという有様だったのが実態である。
    17日 弁護団らが議員要請行動(国会通信96号97号
    18日 開門を求める漁民120隻・300人が、「即時開門」「農漁共存」と書かれたブルーシートを掲げて水門前を海上パレード(写真、船上で読み上げられた要請書)。陸では仁比参院議員ら50人の市民が支援集会。<アルバム
週刊朝日5月28日号に「民主党内も「ねじれ」/諫早湾干拓問題は第2の八ツ場ダムになる!?」(取材:永尾俊彦氏)掲載。
    19日 長崎地裁(須田啓之裁判長)の裁判官・書記官らが、原告、被告双方の代理人らとともに干拓地や堤防などを視察。
    20日 潮受堤防道路上のユスリカが一層増加して観光客に不評。信州大・平林公男教授 は「調整池にたまったヘドロ状の有機物がユスリカの格好の餌になっている。ユスリカは、吸引すると気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎を引き起こす原因になることもある」と指摘。
    23日 背後地で閉め切り後19回目の湛水被害発生し、改めて諫干防災効果のなさが露呈。森山干拓地の農業者は「潮受け堤防が完成すれば防災機能は担保されるということだったのに実態は違った。この程度の雨にいつまで心配する必要があるのか」と憤っていると伝えられる。他方、小潮直後のために排水の湾内への長時間滞留を恐れる小長井漁協は排水に反対したが、その要求を押し切って排水された悪臭漂う汚濁水量(湛水被害前に管理事務所が作成していた排水計画)(農水省発表の日別排水量)は、23・24の両日で結局2740万トンに。24日には既に湾内でアサリの斃死と赤潮の発生始まる。昨年度は北部排水門からだけでも63回、一回平均220万トンが排水され、小長井漁協のアサリ被害は565トン、約1億5800万円に達したという。例年は小長井だけでも1〜2億円分のアサリが斃死するが、短期開門の年は湾内4漁協計6千万円の被害で済んだことになるのに、例年分の補償はなく、開門時のみ補償されたということになる。なお県は、国から委託されている排水門管理規程の見直しを求めているとも伝えられるが、この機会に開門(海水導入)が可能となるように早急に見直す必要がある。調整池からの排水が、淡水ではなく海水であれば、漁業被害の心配なしに、潮汐に無関係にいつでも排水は可能となり、農漁業が両立可能となるのだ。
    24日 原弁団・支援者らが即時開門を求めて、早朝農水省前宣伝行動(国会通信98号99号)と議員要請。上京した漁民9名を中心に60名による農水省前座り込み(写真)。日本野鳥の会など環境NGO4団体による早期開門を求める共同声明発表の記者会見、即時開門を求める漁業者の5/18要請書の大臣室への提出(写真)や民主党伴野副幹事長への要請(写真)。夜は国会議員など80名の参加で即時開門を求める緊急集会(プレゼン資料)(写真)。
    25日 毎日新聞「記者の目」欄に「諫早湾干拓事業の開門調査」掲載。
長崎地裁で湾内3漁協開門訴訟の第1回(小長井・大浦訴訟の第14回)口頭弁論。瑞穂漁協・室田副組合長が「私たち原告一人ひとりの後ろには百人、千人の、もの言えぬ漁業者がいる」と意見陳述し、中央水産研究所・佐々木元室長も因果関係を証言。これに対し国は、政府与党検討委の方針に反し、開門を拒否する答弁書を提出して争う構え。司法と行政で対応が異なる国の姿勢は不可解。民主党政権は官僚説明の虚実を未だに見分けられずにいるのではないか。
    26日 24日に湾内で目撃された赤潮が島原沖まで10キロの帯に。
赤松農相が今月31日に、諫早市と長崎県庁を訪問へ。開門に際しての準備工の具体策や開門方法と時期を提示すべきである。
    27日 諫早市自治会連合会が開門反対決議。
長崎県が、国の行っている開門アセスを専門家に依頼して監視へ。住民向け冊子作成費を含む5196万円を補正予算に計上方針。アセス方法書では、1年間かけた現地調査データをもとに新しい有明海海況シミュレーションモデルを構築し直し、それによって開門が有明海に及ぼす変化を予測することになっているが、開門と有明海の変化の関係は、シミュレーションではなく実際に開門して調べるのが「開門調査」であり、1年もかけた現地調査は不要である。実際に必要なのは、大雨時の調整池水位予測と必要ポンプ容量の確定、恒久的農業用水の具体的な手当策(本明川河口からの輸送など、今年や来年に渇水が生じたときに備える臨時的手当策は開門前に検討しておく必要がある)が、これらは短期開門調査時並の開門と同時並行で可能な作業であり、開門はそうした内容の「アセス」を待つ必要はない。また常時開門へ向けての洗堀巻き上げやゲート振動問題は、短期開門調査時における実測値(農水省は短期開門調査報告書に記載しなかったが、護床工周辺の流速も実測していたことが既に明らかになっている)を見ると、ばらつきが大きく、局所についてはとてもシミュレーションで正確に予測できるものではないから、実際に開門して調べる「実測アセス」を行うべきである。そのために捨石工での護床工の拡張やゲート部品の交換が必要と分かれば、常時開門前に対策を済ませばよいのであって、制限的開門であれば数日中にも実施に移すことは可能である。こうした提案について、県が委嘱する専門家の見解をお聞きしたいものである。
長崎県が「県民だより6月号に開門反対の記事掲載。

長崎県総合水産試験場が湾内でヘテロシグマ赤潮発生と発表。赤潮の帯は湾内の高来町から南島原まで40キロの帯に。
    28日 長崎県議会が賛成多数で「開門断固反対」の決議。反対は堀江・金子・吉村・楠各県議。
長崎県が開門には問題あるとするプロパガンダ文書を「県民だより」として全戸配布。
赤松農相の諌早訪問が国会日程のため延期。
    29日 有明海再生機構主催のシンポ「有明海のなぜ?」の2回目があり、タイラギ豊漁の謎について「海底の泥が減少」「斃死は硫化水素のため」との報告も。 
    31日 西日本新聞社が県民300人へのアンケートを実施し、開門賛成25.3%、反対28.7%に。1月調査の賛成32.7%、反対20.3%と逆の結果になったが、漁家の開門要求に対する農家の強硬な反対姿勢や対立構造ばかりが報道され、開門で農業継続が本当に不可能になると誤解した県民も多いのではないか。海に面した農地で立派に経営している農家は、他の有明海沿岸や全国各地でも少なくないが、それと同じ条件になるだけではないのか。
社民党長崎県連が、従来の条件付事業推進から開門賛成に方針転換。
九州農政局に対し諌早市民が3月3日付で送付していたアオコや地下水利用に関する質問書に対し、回答書が示される。
2010年 6月 1日 佐賀有明の会が参院選佐賀選挙区からの立候補予定者に即時開門を要望(報道)。
    2日 鳩山首相辞意表明。利権まみれ・反環境的公共事業依存の自民党政権を終焉させた功績は大きかったものの、開門の行方はますます混沌。
    3日 原弁団・支援者が公害被害者総行動デーのため上京し、霞が関界隈でのパレード(写真)、農水省前アピール集会(写真)、議員要請行動、日比谷公会堂での総決起集会(写真)に参加。
    4日 公害被害者総行動デー2日目。農水省前早朝宣伝行動(国会通信100号101号)、佐々木政務官への要請(写真)、環境省前総括集会。佐々木政務官は、開門を前提としたアセスであると明言し,アセス途中での対策の必要性にも言及(発言録)。
諫干事業批判の急先鋒・菅直人氏が国会で首班指名。赤松農相が口蹄疫問題を理由に再任辞退発言。
    7日  熊本県玉名市横島町の横島漁港広場で早期開門を求める荒尾・玉名地区漁民集会に7漁協150人が参加。
    8日 副大臣から昇格した山田正彦新大臣が、就任会見で「赤松広隆前農相の意向をよく聞いてから、改めてどうするか考える」と述べる。政府与党検討委の方針に従い、また赤松前大臣が敷いたレールに乗って、山田大臣には地元の長崎県や党県連の誤解を解くために汗を流し、一日も早く開門を実現させるよう期待したい。
    9日 山田新大臣が報道各社のインタビューに答え「簡単に長期の開門調査をしろ、とはいかない」、開門の是非を判断するのは、防災や干拓地内の農業に与える影響について「どの程度クリアできるかを見据えてから」、判断時期についても「参院選の前か後かも含めて、これから検討する」と述べる。開門の一日の遅れは、口蹄疫同様に多大な代償を伴うのだから、民主党がINDEX2009で示した農業等への対策工に即座に着手すべきだ。
長崎県が、16日から23日までの日程で県内6箇所で「諫早湾干拓事業地域説明会」を開催すると発表。参院選を前に金子陣営のための実質的な県営選挙活動の疑い。なお説明会で講演予定の江刺・東北大名誉教授は、酸処理剤原因説を持論としているが、「データによる論証がなく非科学的・短絡的な結論だ」との当方からの批判に対し、私信で「推定」にすぎなかったと認めていた。また水産庁もその後「ノリ養殖技術評価検討委員会」を設置して影響試験を行った結果、2003年に「冬期に使用される酸処理中の有機酸が夏期の貧酸素水塊生成の原因になるとは考えられず、…COD負荷に実質的に影響しているとは考えがたい」「赤潮発生の原因となっているとは考えられない」とする報告書をノリ第三者委に提出し、私見と同様の見解を示している。
    11日 瑞穂漁協が長崎県に対し、南部水門からに偏っている排水は南北両排水門から均等に行うよう要望。淡水をかぶってアサリが壊滅的被害を頻繁に受けているため。県によると、09年度は南部が110回(約2億100万トン)、北部が63回(約1億4200万トン)の淡水が排出されている。
諫早湾と橘湾、有明海周辺の長崎県内漁協の組合長で構成される南北高海区漁協組合長会(会長・新宮隆喜小長井町漁協組合長)が、開門賛成に転じた瑞穂漁協に対し、会議出席を拒否。考え方や方針の違いを理由に構成員の参加を認めないというのは、民主主義が未熟な証拠であり到底理解できない。ちなみに新宮組合長の小長井漁協も、組合員レベルでは開門賛成派が多数である。
熊本日日新聞が社説「是非の判断示して民意問え」を掲載。
    12日 諫早市議会が開門反対決議を可決。
漁民ネットの第9回定期総会(写真)が大和漁村センターで開かれ、農漁業共存可能な段階的開門の一日も早い実施を求める運動方針を確認。多数の議員から激励のメッセージが寄せられる。
    14日 衆院本会議の代表質問での田中康夫議員からの質問に対し、菅首相は「まずは、山田大臣の検討結果内容を聞いてから」と答弁。
    15日 山田大臣が、開門の判断時期について「時間的に口蹄疫の所要問題に追われていますので、間に合うかどうか非常に微妙なところ」 と述べて、参院選後に先送りを示唆。これでは今夏も赤潮と貧酸素で漁業者が泣かされることになる。今季漁獲しきれなかったタイラギも大量に生残しているのだが。なお山田大臣は昨年総選挙前には、新聞社のアンケートに開門賛成と回答して(朝日毎日)当選していた。
    16日 長崎県が、開門反対の県の立場に理解を求めるための地域説明会が始まる。県側は開門による悪影響を強調する一方、会場からの質問や意見を受け付ける時間は設けず、配布したアンケート用紙の提出を求めるだけという対応に批判の声。
自民党佐賀県連が参院選向けに作成したローカルマニフェストに、段階的開門から最終的に常時開門しての長期開門調査の実施を明記。
政府・与党検討委メンバーを務めた国会議員が山田農相と面会し、検討委の意向を尊重して開門に向けた具体策の検討を進めるよう要望。川崎稔参院議員は「参院選前の判断は難しいということだったが、開門という方向性については認識が共有できたのではないか」と語る。
    17日 就業中の市の職員が開門反対の署名集めを行った問題で、諫早市議会における田添議員(社民党)からの質問に対し、宮本市長が「少し配慮が足りなかった」と認める。
    19・20日 長崎市と諫早市で開催された県主催の「諌早湾干拓事業地域説明会」で江刺教授が講演。質問をしようとした漁民ネット会員が退場させられたので、代わってこの場で公開の質問をしたい(「長崎県および江刺東北大名誉教授への質問」)。なお評価委報告(別添資料43・61)においても酸処理の生物や底質への影響は否定されている。江刺教授は、漁業者の生活が懸かる重要問題に政治的に利用されているだけであるのをご存じないのだろうか。科学者ならば、せめてノリ委や評価委の検討を踏まえつつ、推測ではなくデータによって自説を証明してみせてほしい。
    21日 南北高海区漁業協同組合長会が瑞穂漁協の会議への出席を拒んだ問題で、支援者が新宮会長に処分の撤回を求める質問書を送付。
熊本県水産研究センターが、荒尾から宇土にかけての有明海でシャットネラ・アンティーカ赤潮を確認と発表し、警報を発令。
    23日 長崎県主催の諫干地域説明会の最終回が島原市で行われ、各県からも漁民ネットメンバーが来場してアピール行動(写真チラシ)と傍聴。小長井漁協の松永原告団長は会見で、「公金でウソを宣伝している」と批判し、県に公開討論会の開催を求める。
    24日 諌早湾シオマネキの会の大島弘三さんが大村市でアジアの干潟をテーマとした写真展を開催。
    29日 小長井漁協の総会で、組合員から提出された開門を求める決議案の緊急動議が、「今は開門の時期ではない」とする新宮組合長の判断で、審議もされずに退けられる。同漁協では6割の組合員が開門を求める署名に応じており、組合員の声が組合運営に反映されていない実態が浮き彫りに。
    30日 5月23日に発生した湛水被害を受けて調整池水位の下限を-1.2mとする排水門管理規程の見直しを求めていた長崎県の要求に応え、国は6・7月に限って-1.2m以下にすることも可能な柔軟運用を認めたことが長崎新聞報道で明らかに。これを受けて6月17日には-1.35mまで水位を下げていたという。従来農水省は、高潮襲来時に調整池水位が低いと堤防設計上問題があるとして下限を-1.2mとし、短期開門調査時も下限を-1.2mに設定したのであるが、それには根拠がなかったことになる。、6・7月に高潮が襲来しないとは限らないのだから、農水省は設計上の内外水位差の本当の限界数値を明らかにすべきであるが、常時開門して調整池水位を潮汐に連動させて内外水位差を解消すれば、こうした問題は最初から生じなくなる。なお県は、瑞穂漁協に対し、南部水門は常時排水用、北部水門は洪水時排水用であると説明したらしいが、排水門管理規程上も、また排水実績上もそうした説明は事実に反しており、なぜ南部水門からの排水に偏重させているかの本当の理由を明らかにすべきである。
長崎新聞に県の説明会を批判する投書が掲載される。
2010年 7月 5日 漁民ネットが、高橋教授の新刊本「諫早湾調整池の真実」を国会議員事務所68箇所に配布。
佐賀新聞に諫干の歴史的検証を求める投書
熊本大学が全額国の補助で購入した海中監視ロボットを報道陣に公開。
    6日 熊本県沖の広範囲でシャットネラ赤潮。7月2日に佐賀県福岡県の有明海奥部で、3日に南島原で発生が確認された赤潮が移流か。関係性は不明だが、6/25〜6/30には連日、南北両排水門から大量の排水が行われていた。八代海ではこの日までにブリやシマアジなど養殖魚5940匹が大量死し、漁業者情報では有明海でタイラギやアナゴが斃死。こちらは貧酸素が原因か。
    8日 赤潮で有明海の広範囲が醤油色に着色し、佐賀南部海域では貧酸素、潮受堤防前面では排水の度に水温が上昇し溶存酸素は過飽和(=赤潮)の状態。調整池ではアオコも。なお各地の観測地点中、シャットネラアンティーカの細胞数最大は小長井港で、その後最大数観測地点は島原半島沿いに南下しつつ細胞数も減少に向かう。
    10日 佐賀大低平地沿岸海域研究センター主催のシンポ「大規模ノリ色落ちから10年、有明海異変研究の現状と今後」開かれる。林重徳・佐賀大名誉教授は酸処理影響説を講演するも、90年代後半以降に赤潮が増加した事実との整合性を質問されても正面から答えられず。
    11日 長崎新聞に諫干巡る投書相次ぐ。
参院選長崎選挙区で、開門反対を公約に掲げた自民党の金子・前知事が当選し、開門賛成ながら県連に配慮して演説で主張できなかった民主党・犬塚議員落選。34万対27万票。また諫干問題に最も詳しく、鋭く当局を追い詰めていた仁比聡平議員も比例区で落選。
    12日 有明海の貧酸素が大潮による攪拌で終息するも、潮受堤防前面では断続的に貧酸素発生。
    13日 山田農相が「いずれ長崎、佐賀、熊本など各県に出向いて話を聞いてみたい。環境影響評価(アセスメント)が前提」との考えを改めて示す。 制限的開門をしながらのアセスという提案はご存知ないのだろうか。官僚からの一方的なレクチャーを受けだだけでは、政治判断を誤ることになる。
「諫早湾干拓開門調査を求める諫早市民の会」 が、開門を求める署名1万1685人分を 宮本市長に直接手渡す。市長は「政府にも要望しているが、諫干だけを原因とするのではなく、有明海全体の調査が必要。開門を前提とした議論はできない」 と述べたが、特措法に基づいて開門以外の再生策は何年も実施されてきたが効果はなく、環境省に設置された評価委でも有明海疲弊の一因は諫干と名指しされている事実をご存知ないのか。

熊本県が、八代海での赤潮被害額が6億2400万円と発表。
    14日 佐賀県水産振興センターの調査で、鹿島沖では4割のタイラギが斃死している調査地点のあることが判明。斃死率の高い地点は西海区研究所の貧酸素広域連続観測で11日まで溶存酸素の低下が見られた海域(沖神瀬西と浜川沖)であり、斃死の原因は貧酸素が原因と見られる。しかしセンターでは「タイラギは低塩分に弱く、雨の影響も考えられる」との見方を示したと報道されているが、もしこれが事実なら、タイラギが生息する海底でどの程度塩分濃度が下がったのか、データを示してほしいものである。
    15日  長崎県口之津港で9日から出始めた養殖ハマチの赤潮被害が1600匹に。市や業者によると、島原半島東側の有明海の赤潮は、約15年前から毎年のように広範囲に発生しているという。
    16日 湾内3漁協開門訴訟第2回口頭弁論で、日本海洋学会・海洋環境問題委員の佐々木克之氏(元中央水産研究所室長)が「科学的なデータを見れば、干拓が原因であることは明らかだ」と証言。
    17日 赤潮被害、長崎・熊本・鹿児島3県で80万匹に。昨年の被害は208万匹、33億円だった。
熊本日日新聞が社説「変わる海 見つめ直したい足元の「宝」」を掲載。
    18日 5月から大浦沖でビゼンクラゲが大量発生してカニ漁の刺し網に混入するため、竹崎カニの水揚げが例年の3割程度に落ち込む。
    20日 本ホームページに<諌早湾と防災>閉鎖保存版を掲載。これは布袋厚氏が1999年から2001年までの間、WEBサイトに公開していたホームページであり、氏独自の調査研究をもとに、諫干には市街地洪水防止機能がないこと、背後地湛水に対してもほとんど効果がなく、むしろ助長することが科学的データに基づいて解明されている。所詮、農水省は防災の素人にすぎなかったわけである。効き目がなくても「防災」を盾に「公共事業」の名の下に事業を推進し、今も開門に反対し続ける農水省官僚や長崎県の欺瞞は許されない。開門は、政府にこの有害無益な旧政権下の事業を見直して、農漁業の再生と効果のある防災対策に切り替える覚悟があるかどうかの試金石である。氏は背後地住民に真に役立つ防災のためには、諫干調整池の-1m管理を放棄し、佐賀県の防災対策に見習って排水ポンプ場の増強、公的機関による防災施設管理・堆積ガタ土の重機浚渫などの対策を実施するよう提言している。
    21日 八代海の赤潮被害が10億円を超える。島原沖でも赤潮継続。
朝日新聞・社会新報・赤旗が高橋教授の新刊紹介記事掲載。
    22日 佐賀県と県議会、有明海沿岸6市町、県有明海漁協が共同で開催した「宝の海・有明海の再生を願う県民大会」に1000人が参加。
    23日 菅内閣が、主な国関係訴訟60案件を内閣官房で一元管理する方針を決める。有明訴訟で開門を拒否し続ける国の対応に変化が出るかどうか、注視したい。
調整池南部水門周辺にワニ3匹出現。県は住民に注意を呼びかける看板を設置。捕獲前に排水と共に海域に流れ出る可能性も。県はアオコ水に触れないようにとの注意も喚起すべきではないか。
    24日 諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センターと諫早湾干拓開門調査を求める諫早市民の会が主催しての緊急集会「長崎県のデマ宣伝を斬る」 に300人の参加者。
    25日 鹿島沖(18日からの浜川観測塔や19日からの浜川沖など)で貧酸素水塊が拡大中。
    26日 古川佐賀県知事が篠原孝農水副大臣と面会し、開門調査決定を要請。
    28日 弁護団・漁民ネットが議員面談(国会通信102号103号費用問題チラシ)や農水省交渉(要請書)。農水省担当者は、アセスは開門の可否を判断するためのものではなく、あくまでも影響の回避・軽減策の検討が目的として、アセス終了前に政治判断で開門の是非が決定されることもありうるとの認識を示す。しかし他方では、水源やポンプはアセスと切り離さず、その中で検討し、その終了後に長崎県に説明を開始すると言うのだから、どうしても早期の問題解決は不可能な組みにされている。官僚の政治家に対するまさに面従腹背である。臨時的ため池の設置と上限-1m管理の継続を条件とするなら即時の制限的開門も可能なのに、農水省官僚は政務三役からアセスと切り離しての即時開門に関する「検討を指示されたことはなく」、さらに来春に出すのは準備書「中間報告」であるとも言い放ち、結局は問題の決着をアセス後に、そしてそのアセス自体の結論さえ更に先送りしようと画策していることが明らかになった交渉だった。
衆院農水委での自民党・宮腰議員の「アセスの結果が出る前に政治判断することがあるのか」との質問に、山田農相は「予算の概算要求などが終わったら、9月に長崎、佐賀、熊本、福岡を回ってみて、その時点で考えたい」とアセス終了前の9月判断を示唆。
    29日 中村長崎県知事が山田農相と面会し、改めて地元同意なしの開門に反対の意向を伝える。
山田農相が記者会見で、来年5月まで判断の先延ばしもあり得るとの認識を示す。
    31日 有明海再生機構主催の「有明海のなぜ?」シンポジウム。貧酸素がテーマ。
  8月 3日 沖縄市が7月30日に発表したばかりの泡瀬干潟埋め立て計画案に対し、前原・沖縄担当相が埋め立て反対の政党や住民の意見も聴かぬまま了承。諫早を教訓としない民主党政権の限界を露呈。
    4日 太良町と鹿島市沖の漁場で、7月下旬からの貧酸素によるタイラギの大量死が確認される。佐賀県では6調査地点のうち5地点で全滅、大牟田市沖は生残しているものの生育不良。
八代海と有明海の赤潮被害を受けた熊本、長崎、鹿児島3県の養殖業者らが、山田農相に国主導の経営支援を要請。
    6日 佐賀県知事が農相に、開門を即時判断するよう要請。農相は費用と効果の問題を理由に判断時期を示さず。これは中長期開門調査検討会議の報告を受けた当時の亀井農相が、開門見送りを決めた時の論理・筋道と同じだ。数百億円の費用は「いきなり全開」を想定した過大算定であり、段階的開門なら数十億円で済む事実を大臣は知らされていない。開門初年度は、「開門アセス」費用と変わらぬ額で開門を実施できるのだ。また開門の効果があるかどうかは、事前のシミュレーションでは完全に予測できないからこそ、実際に開けての「開門調査」なのだということ、国は司法から開門を命じられている立場であること、を大臣は弁えるべきだ。そんな当たらない予測のために、判断時期の来春以降への引き延ばしを示唆する農相は、官僚の情報操作に操られている。農相は即時判断して、今月末の概算要求に開門費用を計上すべきだ。
    9日 福岡高裁控訴審(3年間の準備後の開門命令・公金支出問題)が結審。判決は12月6日。なお長崎地裁訴訟(即時開門問題)も年内結審、年度内判決の見通しだが、いずれかで国が負けた場合は、政策集で開門を約束した民主党政権が、公約を反故にしての開門拒否を意味する上告(または控訴)を選択するのか否かの政治判断を迫られることになるが、その時期は来春4〜5月のアセス準備書中間報告が出る前となることが確定したことになる。民主党にとっては、判決で追い込まれての政治判断よりは、早期の電撃的判断こそが、支持率を回復させる最善の方法となろう。また今月末の概算要求には、いつでも開門できるよう予算措置を施しておくのが、行政の責務である。
    11日 長崎県が、7/23に調整池で見つかった「ワニと見られる生物」3匹は、スッポンだった可能性が高いと発表。
    12日 諫干農地に入植した41経営体の内、09年度にリース料を滞納したのが15経営体、3千万円に上っていたことが明らかに。08年度の滞納は4経営体1332万円だった。
    13日 山田農相が雲仙市を訪れ、シャットネラ赤潮被害に対する財政支援に前向き姿勢を示すも、開門という抜本対策には触れず。
    16日 佐賀有明の会が川崎稔参院議員に早期開門を要請。
    19日 佐賀県有明水産振興センターの調査で、タイラギの大量死の広がりが止まったことが明らかに。8月10日の大潮で貧酸素が一時的に解消したためと見られるが、現在は貧酸素復活の兆候があり予断は許されない。
    20日 「くらしを守る共同行動佐賀県実行委員会」(久保田猛代表)が早期開門を求めて農水省と交渉。
    22日 4県の原弁団が佐賀で漁民集会。9/2に海上デモの実施を決定。
    23日 佐賀県議会特別委の議員たちが、現地視察で長崎県や入植農家と意見交換。
    25日 調整池内にアオコの発生を確認。
    26日 弁護団・漁民ネットが対農水省交渉(要請書)、議員面談(国会通信104号105号)。
    30日 政府与党検討委が4ヶ月ぶりに開かれ、郡司副大臣が開門費用ではなく開門準備費用として4億円を概算要求に盛り込むと説明(有明海関係概算要求)。
    31日 24日に解除されたばかりの熊本県沖シャットネラ赤潮警報が再発令。
  9月 7日 長崎県がホームページに諫干のプロパガンダ「Q&A」や動画を掲載。堆積するガタ土の除去作業を住民に押しつける一方、本来行政が果たすべき重機浚渫を怠ったために水害を招いていた事実を隠し、降雨の際は水位が上昇する事実を隠して「調整池の水位を標高マイナス1mに保ち」としたり、小規模地先単式干拓と大規模複式干拓を同列に扱うなど、県民を欺くレトリックに充ち満ちている。
  8日 4県漁民20名が諌早湾干拓営農支援センターを訪れ、長崎県の担当者に協議会発足などを要望。
    10日 即時開門を求めて4県漁民1200人が漁船300隻でが海上デモンストレーション(写真ビデオ)。佐賀県鹿島市漁協女性部も陸上から要請。
    13日 小長井・大浦裁判で弁護団が、漁民側主張の集大成となる最終準備書面を提出。
    16日 長崎県がホームページに、地域説明会におけるアンケートの質問・意見に対する回答を掲載。
    17日 菅改造内閣で、山田農相に代わり鹿野道彦議員(山形1区)が新農相に。就任会見で「(政府、与党の)検討委員会が4月に出した結果を精査して、関係者の話も聞かないと、今この時点で判断はできない」と述べる。
長崎県は県議会の質疑において、諫干農地リース料滞納問題で保証人確保などを検討する意向を示す。
諫早湾内のタイラギ調査で、春先に確認されていた成貝が殆ど見つからず、18年連続の休漁へ。9月上旬まで続いた貧酸素の影響と見られるが、開門すれば湾内の貧酸素は発生しなくなると期待されている。
    21日 鹿野新大臣が報道機関のインタビューで、開門調査実施の判断は「アセス後」と表明。事の急迫性をご存知なのか、またアセス前に出る判決にどう対処するおつもりなのか。役人からのレクだけで当事者の意見も聴かぬままとは、何とも理解に苦しむ拙速な表明である。
    30日  有明海漁場環境改善連絡協議会(第11回)。
古川・佐賀県知事が、鹿野農相に早期開門を要請。
  10月 1日 国会通信106号発行配布。
  3日 即時開門を実現する全国総決起集会 長崎県教育文化会館14〜16時(チラシ)。
    4日 長崎地裁、小長井・大浦訴訟結審し3月29日判決へ。来年5月のアセス中間報告前に民主党は否応なく政治判断を迫られることに。判決に促されての開門決断では、政権交代の意味はなかったことになる。政府には政治主導の即時開門が求められている。短期開門調査前の自民党政権は、長崎県説得のために政務官を何度も派遣したが、官主導の民主党はそうした労もとらずにだらだらと判断を先送りするつもりか。
    7日 原弁団・支援者が農水省前早朝宣伝行動(国会通信107号)、農水省交渉(要請書写真)、議員要請。夕刻の院内集会には10名の国会議員が参加。
ジャーナリスト・江川紹子氏のツイッター上での発言「「私がもし総理だったら、まず長崎県に飛んであの諫早湾の水門ぐらい開けますよ。そして海の水を干潟に戻しますよ」(01年7月19日の菅直人氏演説より) RT @47news 諫早の即時開門決断を都内で要請 訴訟原告団 http://bit.ly/9FClQq」が反響を呼び、その後数日間にわたりネット上でリツィートが繰り返される。
    10日 山田前農相が、「防災面と農業用水の確保にかなりの予算が必要になる。それに見合う効果があるのか」、 防災工事に「少なくとも400億〜500億円が必要」との見通しを示したと報じられる。常時開門で必要な常時排水機能に見合うポンプは、以前の農水省の試算(平成15年度諫早湾干拓事業背後地排水その他検討業務報告書)では毎秒11.4トン・17.8億円(諫干で失われた非常時排水機能分を加えて過大ながらも155.5トン・200億円) だったが、今回はどういう計算で400〜500億円としたのか、早急に公開すべきだ。諫干の代わりに本来的に必要だった防災対策を、(諫干では逆効果だったからその帳消しも兼ねて)「開門調査」を口実に実施しようということであれば、まさしく盗人猛々しいと言わねばならない。具体的な費用まで出ているということはアセス結果は既に判明しているはずだから、素案発表を来春まで引き延ばす必要はない。また「それに見合う効果」には何が入っているのかも問題。再生されることが確実な干潟・浅海域・諌早湾の経済的価値を正当に評価しているのか。有明海については両論あって不明だからこその「開門調査」のはずであり、有明海への開門の効果なしとする農水省版シミュレーションに盲従する議員が政治主導を発揮できるわけがない。
    11日 長崎市内で開催された「リアリズム写真集団」の展示会に黒崎晴生氏の詩「海を奪いしものへ」が掲示。
    12日 小長井漁協の養殖カキの8割が死滅していることが明らかに。
    13日 排水門操作実績データ増補版(97/4/14〜10/9/29)を本ホームページに掲載。排水門管理規程に定める内外水位差20センチ以上から排水開始の規則は実際には殆ど守られておらず、これが調整池塩分が高い原因の一つとも考えられる。しかし大雨時にこの規則を遵守すれば、背後地湛水被害は更に悪化するから、まさに二律背反である。
    15日 長崎県は県民だより(本年6月発行)において、「干拓農地では、干ばつ時には一日最大二万一千八百トンの大量の水が必要だが、本明川の水量は少なく、近くの下水処理水は一日六千トンしかないから調整池以外に農業用水は確保できない」旨主張している。しかし現在干拓地で利用されている水は実際には本明川河口水と下水処理放流水であって調整池水ではない。しかも、いざ干ばつ時に調整池水を使おうとしても、それは農業に適さない高塩分水であって、開門してもしなくても干ばつ時には同じ水不足に陥ることは明らかである。長崎県は渇水時に21800トンの水をどこから手当てする計画なのか、干拓地農家や県民に明らかにする責務がある。開門に備えて処理場と配管で結んでおけば、6000トンが得られるが、開門しない場合は得られる水は0である。しかも現在の利用実績量は日平均800トンであり(6000トンの放流水で有り余る)、21800トンという数値自体が過大である。農業用水に使えない調整池水を淡水化しておくべき理由はないのである。
中村・長崎県知事が鹿野大臣と面会し、地元同意なき開門に反対の意向を改めて要請。
    18日 生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)が名古屋国際会議場で開幕。開門して諫早干潟を再生させ生物多様性の回復を図ることによって、議長国としての姿勢を世界にアピールすべき。
    19日 佐賀市アバンセで高橋教授によるアオコ問題学習会。
    22日 週刊金曜日にルポライター永尾俊彦氏の「もう限界です-有毒アオコで漁民らが開門調査要求へ」掲載。
CBD-COP10 交流会場で「日韓を中心とした湿地と生物多様性に関するホットイシュー」フォーラムが開かれ、弁護士・漁民から即時開門の訴え。
長崎県が長崎新聞に「開門調査をすれば影響が心配」との広告閉め切り後数年間は「常時排水に効果」と宣伝していたが、今では長崎大水害級の豪雨にも効果があるかのごとき嘘宣伝にエスカレート。
民主党国会議員らでつくる「有明海の再生を考える議員の会」が鹿野農林水産相を訪れ、国営諌早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の一刻も早い開門調査の実施を求める。
    23日 諫干で「カバマダラ」目撃情報多数との報道。カバマダラはマダラチョウ科で、羽を広げた大きさは6、7センチ。黒と白の縁取りのあるオレンジ色の羽が特徴だ。幼虫は毒草のトウワタの葉を食べて成長し、その毒を体にため込むことで、外敵から身を守るという。
諫早市で堤教授を講師に赤潮学習会。
    24日 CBD-COP10開催中の名古屋で、ラムサールネットワーク日本と世界湿地ネットワークがフォーラムを開催し、諫早などの湿地保全が生物多様性保全に不可欠と確認。
    28日 弁護団・支援者が農水省前早朝ビラまき、議員面談、農水省ヒアリング。ヒアリングでは事前に提出済みの質問に対し、巷間言われる開門費用630億円は平成15年度試算のものであり、開門方法によっては費用も減額可能であって、長崎県の言う680億円や山田前農相が言及したポンプ費用4〜500億円という数値は農水省として関知していないと言明。また干拓地営農状況は「個人情報に関わることから調査をしていない」と述べ、議員から「2500億円もの税金を投入した事業の事後評価をないがしろにするのか」と批判される。
  11月 4日 内閣府が募集していた「国民の声」諌干開門の提案
有明海タイラギ生息調査で漁獲可能海域は大牟田沖のみと判明。
    5日 諌早湾のタイラギ漁、工事中の1993年から18年連続休漁へ。7月以降に減少していることからも貧酸素による斃死と推認される。
    6日 宮本・諌早市長が民主党長崎県連に開門反対などを政策提言したのに対し、福田衣里子衆院議員が「開門には対策工事など多額の経費がかかり、防災への干拓地周辺住民の不安もある。現時点では好ましくない」との見解を示す。防災への不安はポンプ設置で解消されるが、アオコ毒の不安は開門以外に解消する手段がないことを知るべきだ。
    12日 塚原博・九大名誉教授(88歳)死去。氏は、南総と諌干の漁業影響調査検討委員会や環境影響評価委員会の委員長、諌干調整池等水質委員会や開門総合調査運営会議座長などを歴任して、事業推進御用学者の代表格と目されてきただけでなく、和白干潟や中津干潟に影響する九州各地の数多くの開発事業にも関わってきた。
    15日 公害被害者総行動デーの一環として原弁団・支援者が上京し、農水省前早朝宣伝行動(国会通信109号)、近藤昭一環境副大臣要請、筒井信隆農水副大臣要請(要請資料)など。
    17日 農水省から干拓地における取水実績データが開示される。計画量の330万トンに対し、実績は08年度23.4万トン、09年度41.8万トン、10年度も現在のペースでいけば25万トン程度の見込みであり、計画量がいかに過大かは明らか。処理水の再利用やため池で十分に賄えるから広大な調整池を淡水化しておく必要はないのである。万が一渇水が続いて計画量330万トンが必要になれば、塩分の高い調整池水は農業に使えず、開門の有無に関わらず水不足になる。渇水年の水不足を理由に開門を拒否する長崎県の論理に根拠はない。
    20日 佐賀市で行われた有明海再生機構主催シンポ「第4回有明海のなぜ」でコンサルタント会社実施の貧酸素発生経過のシミュレーションが発表される。
    24日 長崎県は10月22日付長崎新聞紙上に「開門調査をすれば影響が心配」とする広告を掲載し、その中で「ノリの生産量は増加傾向」とする一方的な宣伝を行った。生産枚数が増加傾向にあるのは、2001年から漁期を2ヶ月間延長しているからに他ならず、このため単価の減少によって生産額は横ばい・労働時間と経費は増加・所得は減少しているのが現実である。県民に誤解を与える恣意的な宣伝は、これを訂正するよう要求したい。
    25日 参院農水委において「高裁判決前に開門の政治判断を」と迫る福岡資麿議員に対し、鹿野農相は「高裁判決とは別に判断する」として、政治決断の先送りを表明。また筒井副大臣も定例記者会見で、佐賀地裁判決と大筋変わらない高裁判決が仮に出た場合は、「上告の可能性が高い」と発言。開門前提での対策を実施するとしていた政策集INDEX2009や「開門が至当」とした政府与党検討委の答申は無視された形に。政務三役になると前言を翻す議員が各省で続発しているが、その背景にはいったい何があるのか。勉強不足の政治家が官僚レクに騙されているだけとも思えない。
有明海を定期的に調査してきた研究者グループが「短期開門調査後、海底動物が4倍に」と発表(報道)。
    26日 長崎県知事が筒井副大臣に開門反対を要請。
    27日 日本生態学会、日本魚類学会、日本ベントス学会、軟体動物多様性学会保全委員会の4学会共催シンポ「有明海の特異な生物相ー諌早湾の環境復元の意義ー」(詳細)が開かれ、長期開門を求める声相次ぐ。
  12月 1日 有明海タイラギ漁解禁。主力の佐賀県沖合は今夏の貧酸素で全滅のため、大牟田沖での漁となったが、身は小振り。行商の値段は初日こそ100g1000円だったが二日目は500円に暴落。
    3日 菅首相が高裁判決を前に筒井副大臣を呼び「「司法とは別に、政治でも結論を出していかなければならない」と説く。
    6日 福岡高裁(古賀寛裁判長)は、諫干事業と漁業被害の間に因果関係を認め、佐賀地裁判決よりもさらに多くの漁民の被害を認定して、3年の準備後5年間にわたる開門を命ずる判決(旗だし写真判決骨子判決要旨判決本文)をくだす。長崎県・中村知事は上告を求める意向を示したが、政府は上告せずに、3月の長崎地裁判決も見通して、直ちに開門方針を正式決定し、具体的な開門方法や時期について漁業者側との協議に応ずるべきだ(弁護団声明国会通信110号)。弁護団は直ちに首相官邸と農水省に要請書を提出。社民党が重野幹事長談話を、共産党が「直ちに開門への政治判断を」とする市田書記局長談話を発表。なお公金支出差し止め訴訟については住民側の控訴が棄却される(判決骨子判決要旨)。
    7日 朝日新聞が社説「諫早湾干拓―開門を決断するときだ」、長崎新聞が論説「政治の責任で早期解決策を」、西日本新聞が社説「諫早湾開門判決、駄目押しされてしまった」、しんぶん赤旗が主張「開門遅らせる根拠は破綻した」、熊本日日新聞が社説「有明海再生に開門調査を」、日本経済新聞が社説「今度こそ諫早の開門調査を」、佐賀新聞が論説「国は真摯に受け止めよ」、読売新聞が社説「「開門」命令が問う政治の責任」、、愛媛新聞が社説「もはや開門は避けられない」、山陽新聞が社説「開門調査へ国は決断せよ」を掲載。
鹿野大臣が「一審判決より厳しい判断。上告問題と開門問題は総理と相談して」と会見し、国民の代表としてより農水省官僚の代弁者となっている実態を露呈。仙谷官房長官は「重く受け止め、開門のための条件整備を検討する」、菅総理は「政府としてしっかり取り組む」と会見し、具体的方針は明示せず。
原弁団・支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信111112113114号)に続き、上告断念を求めて農水省前座り込み集会(写真)。衆院議員会館での院内集会(写真)には、民主・自民・公明・共産・社民の各党から議員本人が参加し、上告を示唆する農水省を批判。その後、共産(写真)・民主(写真)・社民(写真)各党議員と面談。

ラジオ番組に出演した郡司前副大臣が、水門の管理権は長崎県に移っており、長崎の合意なしに開門は不可能だが、20日までに合意を得るのは困難なので上告せざるを得ないのではないかと語る。しかし実際には、堤防や水門の所有権・管理権は現在でも国にあり、長崎県には水門操作の運用を業務委託しているにすぎない関係なのだから、開門のための排水門管理規程の改定は国だけで行えることであり、長崎県との合意のための時間不足などは上告の理由にはなりえないし、法律論的には門前払いものと言うほかない。
佐賀県弁護士会が「国は上告を断念し、直ちに開門の準備に着手するよう求める」との会長声明文を菅直人首相などに郵送。
    8日 南日本新聞が社説「判決を重く受け止めよ」、沖縄タイムスが社説「[菅内閣半年]理念なき政治は危うい」、北海道新聞が社説「もう先送りは許されぬ」、神戸新聞が社説「菅首相が決断するときだ」を掲載。
農水省による「2012年度開門とともに上告」とのリーク報道相次ぐも、官邸との合意ではなさそう。その上告の理由は、開門方法の検討時間確保とか、農水省が考える開門方法が高裁判決と違うから(実際は高裁が命じた常時開門とは常時全開とは限らないのだから、段階的開門も判決に従った開門方法である)とか、5年間という期間に従えないとか報道により異なり、上告ありきで理由は後から考えるという姿が浮き彫りに。いずれにせよ憲法判断、判例・法律解釈問題のいずれにも該当しないこれら理由では、上告理由にはなりえない。これに対し弁護団は、漁民側との開門協議を改めて求める弁護団見解を発表。

長崎県・佐賀県知事らがそれぞれ、上告や早期開門を農相などに要請。また両県議会も上告を求める意見書と早期開門を求める決議をそれぞれ可決したが、佐賀は全会一致に対し長崎では反対議員4名。
筒井農水副大臣が上告の意向を明らかにするとともにその代わりの漁業者懐柔策としての2012年度からの「5年間の常時開門ではない」開門方針も表明。
    9日 信濃毎日新聞が社説「漁業と農業両立の道を」、毎日新聞が社説「政治の責任で開門を」、京都新聞が社説「菅首相は「有言実行」を」を掲載。
非公開で開かれた民主党政策調査会の農林水産部門会議で「上告やむなし」論が示され、同席した農水省松木政務官も容認(報道)。先延ばしはもうたくさんだ。日一日と有明海の生態系と漁業者の生活が破壊されている現実を知って欲しい。まずは開門準備の指示が先だ。今度の上告の口実は来春のアセス中間報告を見てから開門の可否を判断したいから、上告は20日期限なので、とりあえず上告しておこうというもののようである。しかしこれは法律的に上告の条件を満たす理由ではないから、法務省と相談して他の法的理由を探し出すつもりなのであろう。3月の長崎地裁判決でも漁民側の勝訴は確実だが、それにも控訴すると決めたと同じである。部門会議メンバーや政務三役が官僚からいかなるレクを受けているのか知るよしもないが、この2年来、私たちは官僚か
ら「開門アセスの目的は、開門の可否を判断するためではなく、開門を前提としてその影響の回避軽減策を策定することです。アセスの前であろうと開門の政治判断がなされ、大臣からご指示があれば私どもはそれに従うだけです」という説明を受けてきている。だから私たちは、判決前の政治決断を強く求めてきたのであって、事ここに至っての上告など絶対に許されるものではない。段階的開門法を採用し、まず短期開門時と同様の方法から開始すれば、アセスを待つまでもなく技術的にいつでも可能なのだから官僚にだまされないで欲しいと再三陳情してきたが、政治家はやはり官僚しか信用しないのか。農水省のメンツ保持のためにまた長期間漁民を苦しめることに政治家の良心は痛まないのか。自民党政権下で多くの自殺者まで出した漁業者に対して同情と理解を示していた民主党は、やはり自民党化してしまうのか。私たちは心底怒っており、上告阻止のため来週1週間は全力で闘うことをここに宣言しておく。
共産党議員団が首相官邸の古川官房副長官に上告断念を申し入れ。
雲仙市議会が上告を求める決議を賛成多数で可決。
    10日 中国新聞が社説「上告せず早急に調査を」、ジャパンタイムスが論説「Best use of Isahaya Bay」を掲載。
国会通信115号116号117号発行。

有明海再生機構が高裁判決を受けて緊急フォーラムを開催。佐賀県知事ら430人が参加し、開門をはじめとする中長期の有明海再生ロードマップ作成の必要性が訴えられる。
佐賀市をはじめ佐賀県内沿岸全自治体が次々に早期開門を求める決議。
鹿野農相が来週にも長崎県訪問と一斉に報道されるも、受け入れられるか調整難航は必至。
    11日 弁護団が見解「上告は百害あって一利なし」を発表し、開門をめぐる長年の諍いに終止符を打つよう国に呼び掛ける。またよみがえれ!有明訴訟を支援する長崎の会が緊急集会を開催、130名の参加者からは開門協議会の合意で即時開門をの声相次ぐ。
    12日 諌早で諫早湾防災干拓事業推進連絡本部主催の開門反対集会。主催者発表2500人だが実際は700人ほど(写真)。国会議員の出席も10人中3名、出席県議12名中民主党1名だけで、従来の集会とは様子が異なる。中村知事は挨拶の中で「この事業で一切の湛水を防ぐというものではなかった」と述べ、防災機能は限定的とした高裁判断を事実上追認。しかし「最高裁でも因果関係は否定された」という発言は事実誤認(弁護団作成参考文書)。
    13日 中村知事が自民党本部を訪れ「開門阻止」を要請。自民党幹部は、「民主党のパフォーマンス」と批判するのみで開門反対とは明言せず。
    14日 支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信121号122号)に続いて上告断念を求めて座り込み。
ラムサール・ネットワーク日本など環境保護4団体が、開門による生物多様性回復を求める緊急共同声明を発表。
長崎県干拓室が高裁判決への批判文書を作成し県議会に提出。
佐賀・福岡・熊本県選出の民主党議員でつくる「有明海の再生を考える議員の会」が、上告を断念し、一刻も早く開門調査を行うよう鹿野道彦農相に要請。
    15日 根拠のない憶測やリーク記事が氾濫していることに対し、弁護団が「諍いを終結するための鍵は上告断念と開門協議である」とする見解を発表。なお農水省が「開門調査はするが判決は受け入れず上告する」とする報告書をまとめていたことも報道で明らかに(最終的には内閣官房が上告見送り方針案を代わって作成)。
菅首相・仙谷官房長官・鹿野農相の三者会談で上告見送りを決定し、菅首相が「「開門により海をきれいにしていこうという高裁の判断は重いものがある」「農漁業・防災対策にも万全の措置を講ずるよう指示した」と記者団に語る(長崎新聞電子号外)。農水省前で座り込み中の支援者ら(写真)から歓声。これを受けて弁護団が「上告断念の政治決断を受けて」と題する声明を発表。
民主党農水部門会議の「諫早湾開拓事業検討ワーキングチーム」の緊急会合開かれ西岡・山田・福田ら長崎選出議員から根拠なき異論続出。干拓地営農者らも開門差し止めなどの法的措置の検討を開始。
中村・長崎県知事は県選出10人の国会議員に電話を入れ、その中の西岡武夫参院議員は「農相と会ってはだめだ」と忠言。
WWFジャパンが、声明「諫早水門の開門決定によせて」を発表。
    16日 京都新聞が社説「首相決断、再生に生かせ」、熊本日日新聞が社説「「宝の海」再生につなげたい」、新潟日報が社説「農と漁の共存をどう図る」を掲載。
有明海漁民・市民ネットワークが、上告見送り方針を歓迎する声明を発表(長崎新聞佐賀新聞)。農水省前早朝宣伝行動(国会通信123号)に引き続いて、議員への集会案内と早期の開門協議会設置を求めた座り込み、さらに昼休み中に行われた農水省前緊急集会には国会議員も次々と祝福に駆けつける(写真)。
3県漁連が開門アセスの実施要望を決定。

長崎県議会が上告断念に抗議する決議を賛成多数で可決。
長崎県中村知事が、鹿野農相がこの日に予定していた長崎訪問を拒否し、法的手段で対抗することを示唆。他方、農水省は他の訴訟について和解の検討を開始すると伝えられる。弁護団も、今後の開門協議の進捗状況次第では残りの提訴取り下げの可能性に言及。
    17日 琉球新報が社説「直ちに開門して調査せよ」、宮崎新聞が社説「大型公共事業の大転換点だ」、福井新聞が社説「課題積み残せば地方混乱」を掲載。
菅内閣が開門見送り方針を閣僚懇で確認。衆院議員会館では、原弁団主催の院内集会が開催される。仙谷官房長官は閣議後会見で、開門時の農業・漁業被害や災害の防止策などを検討する副大臣級会合を近く設置する意向を明らかに。また農相は「開門の方法、時期、期間は関係者と協議が必要」と語る。

公明党農林水産部会が、判決の意味は大きいが地元に十分説明をとの意見を集約。事業推進・開門反対の立場をとってきた長崎県内の公明党組織とのねじれが始まるか。
諫早市議会が上告見送りに抗議する決議。熊本県議会は、環境保全に配慮した方法などを検討し開門調査をするよう国に求める意見書を全会一致で可決。開門を求める決議は03年に続き2度目。
中村県知事が、国が上告しない限り農相と会う意志はないと、この日の農水省からの打診にも拒否回答するとともに、地元が訴訟による開門差し止めを検討していることを受け、県も法的な問題を検討して相談に応じ、支援する考えを示す。また長崎県議会議長が古川官房副長官を訪ね、16日に可決した上告断念に抗議する決議書を手渡す。他方、鹿野農相は閣議後の会見で「今後、営農や漁業、防災対策に万全を期すことが必要で、農水省の予算では限界がある、政府全体として予算措置に取り組んでいく」と表明し、農水・法務・総務の3省副大臣で今後の対応を協議していく意向。長崎選出の高木文科相は閣議後会見で「上告すべきだった」と語り、民主党長崎県連山田正彦会長は首相の来県を要求することを決める。
    18日 愛媛新聞が社説「大型公共事業を見直す契機に」を掲載。
中村知事が営農者らの法的措置支援を表明するとともに、県100%出資の農業振興公社(理事長は中村知事)が原告となる提訴も検討すると表明。長崎県干拓室は干拓地の営農者らを対象に開門した場合の補償などについての法律相談会(非公開で40人が出席)を開催。
ラムサール条約事務局公認のメーリングリストや韓国国内でもISAHAYA開門決定のニュースが大きな話題に。
    19日 産経新聞が主張「政治決断の先が見えない」を掲載。
毎日新聞社が18・19日実施した全国世論調査で、上告を断念し、開門調査に踏み切る方針を表明した菅首相の判断を評価するが59%、評価しないは30%。
    20日 中村知事らが菅首相に上告を要請するも物別れ。首相は開門調査に必要な対策工事については、長崎県や訴訟原告団と協議する意向を示す。政府と県の会談時、首相官邸前にはハチマキ姿の諫早市議団や農民など20人が集まり気勢。またこれより先、長崎県議会本会議終了後の議場内は、ハチマキ姿の自民党や公明党会派の県議25人がシュプレヒコールを発するという前代未聞の出来事も。
    21日 午前0時までに政府が最高裁への上告手続きをとらなかったため高裁判決が確定し、遅くとも3年以内に常時開門されることが決定。この日は奇しくも1997年4月14日の閉め切りから数えてちょうど5000日目に当たる。
農水省が段階的開門を想定していたのであれば、前倒しで制限的開門に着手し、3年後までに常時開門(高潮時以外はいつも開けておくことであり、常時全開である必要はない)に移行すればよいことになる。準備工が高くつくいきなりの常時全開開門法を採用しない以上は、制限的開門からの前倒し実施は不可避である。

鹿野農相が長崎入りして説明したいとの意向を改めて表明したのに対し、中村知事は諫早湾干拓農地を所有する県農業振興公社が原告となって国に対し訴訟を起こすことを検討する考えをあらためて示す。
    22日 長崎県島原市有明漁協の臨時総会で、新理事に選出された11人中7人が開門訴訟原告が占めることに。新組合長には漁民ネット世話人でもある松本正明氏が選出され、今後は漁協あげて早期開門実現に取り組んでいくことに。
    23日 民主党長崎県連が諫干対策本部(本部長に山田前農相)を設置。開門反対派と連携して開門差し止め訴訟支援も
    24日 朝日新聞「声」欄に、諫早湾を「海の畑」に戻そうと題する銀座日本料理組合理事の投書が、長崎新聞「声」欄に、判決への反発根拠説明せよと題する長崎大学名誉教授の投書が掲載される。週刊金曜日にも的確な記事掲載。
閣議決定された来年度政府予算案に、諫早湾干拓・有明海関係事業(環境アセスの着実な実施と有明海再生の取組の推進)費用として、開門準備費4億円を含む12億円が盛り込まれる。
    25日 民主党長崎県第2区総支部(総支部長・福田衣里子衆院議員)が福田議員を本部長とする現地対策本部を設置。
    26日 共同通信社が25・26日に実施した全国電話世論調査で、首相の上告断念と開門調査の方針表明に対して57・5%が評価し、評価しないは29・5%。
    27日 府は関係府省の初の副大臣級会合を開き、調査実施に反発を強めている長崎県や諫早市に対し、開門に必要な対策事業などをめぐる協議に参加するよう今後も要請していくことで一致。
諫早市議28人が諫早駅頭で開門阻止のビラ配り。
開門反対の立場を取り続けてきた諫早市小長井漁協の新宮組合長が県職員を同席させて全員協議会を招集し、組合として開門差し止め訴訟を起こしたいと提案するも、多数の若手組合員から「開門は必要」との猛反発を受けて方針化できず。
2011年 1月 4日 太良町大浦の竹崎観音寺に伝わる重要無形文化財「修正会鬼祭(しゅしょうえおにまつり)」が1月2・3日に開かれたが、ハイライト「鬼攻め」が、若者不足で3年連続の中止(報道)。
    6日 長崎選出の西岡参院議長が菅首相の対応を「ちゃんちゃらおかしい」と批判するとともに、開門反対の訴訟を準備している地元住民を支援する考えを示す。
    11日 賀県の鹿島・白石沖の有明海で、低水温でも増殖する種類の珪藻赤潮が3年連続で発生し、ノリの色落ち始まる。諫干後の潮流鈍化、透明度上昇が要因の根底にあるものと考えられる(終息は2月7日)。
    13日 長崎県知事、諫早・雲仙市長が、菅首相宛に公開質問状を郵送し1月31日までの回答を求める。
    18日 11日に確認された佐賀県南西部の赤潮が、太良沖まで拡大。養殖ノリの早期採摘が呼びかけられている。
    19日 鹿野農相が23日に長崎入りへ、知事と協議の予定。
    20日 11日発生の赤潮(アステリオネラ )が六角川河口以西まで拡大。
    22日 諫早市社会福祉会館で、130名が参加しての防災学習講演会(訴訟を支援する長崎の会などが主催)。講師の筆者は開門による防災への影響は回避軽減策を講じれば現在より防災能力を向上させることが可能、また農業は他の有明海沿岸で営農する農家と同じ条件になるにすぎず、塩害の予防・軽減策もあると指摘(会場配付資料パワーポイントスライド)。参加した諫早市議7名のうち開門反対派は4名。その中の一人の市議は、「講演の主張は理解できるが、背後地に住む住民にとっては開門は心情的に受け入れたくない」と語ったと報道され、感情論による反対でしかないことが垣間見える。諫干事業推進のために、長年にわたり防災機能などに対する地元民の誤解を意図的・積極的に醸成してきた農水省や長崎県の責任は重い。もう行政側が過去の宣伝の誤りを正直に語り始めること以外に、開門反対派住民の理解を得るのは困難であるし、農水省とともに嘘宣伝によって事業を推進してきた長崎県も、被害者を装うのではなく漁業者や県民への加害者であるという自らの立場を弁えるべきである。
    23日 弁護団・支援者らが干拓地内外で、早期開門に必要な農業用ため池適地の現地調査(写真)。
鹿野大臣が、諫早市役所で事前に選別された開門反対派の140名との意見交換会に臨むも、感情的な反発にあって、理解を得られず。この中で大臣は、「干拓事業は閉め切りによって流速変化や諫早湾奥部の海域消滅という事実がある。複数の要因の中の一つである可能性は否定できない」と、国として初めて、干拓事業は有明海の漁業に悪影響を及ぼした要因の一つと認める。 知事らの反発の理由は、上告見送り前の地元との協議がなかった点とアセスによる具体策の提示がなたった点。事実審理を行わない最高裁制度への無理解(たとえ上告しても判決が覆ることはなく解決の先延ばしでしかない)と、事業(この場合は開門)実施前提で影響の回避軽減策の検討を目的とするアセス制度への無理解(事業の可否を判断するものではない)が背景にありそう。市役所前には「絶対反対」のハチマキ姿の背後地農民300人が取り囲む中、開門を求めてきた原弁団・支援者ら20人が大臣一行にエール(写真)。両派の直接対峙は、09年4月の開門アセス方法書骨子説明会以来。
    24日 国が、3月29日に設定されていた小長井・大浦訴訟判決(長崎地裁)の延期と他訴訟(小長井第二次・瑞穂・国見)の期日設定に時間的余裕を求める上申書提出。「関係者等との協議や万全の事前対策を円滑に実施するため」というのが理由。
    25日 長崎地裁進行協議において、判決延期に同意できるか否かは原告・被告間の開門協議の進捗状況いかんと言う弁護団の意向に基づき、2月1日東京で協議開始の方向で日程調整することで同意。
    26日 佐賀県が、開門調査項目や効果的な開門手法を国に提言するため、解析モデルをほぼ完成させる。
    28日 諫早市議団有志が開門反対の地域別集会を開始。初日の諫早文化会館に集まった70人の市民から、発言はなかったという。
    29日 NHK総合テレビで「清算の行方〜諫早湾干拓事業の軌跡〜」が全国放送。環境アセス改ざん問題や住民の分裂を図って事業を強行してきた行政手法に視聴者の批判集中。
    31日 1月13日付の県からの公開質問状に対する菅首相からの1月28日付回答書内容が明らかに。「解決の方向性を早急に提示する」ために上告を見送ったが、開門に当たっては開門アセスの結果を踏まえ、「関係者との話し合いを行うとともに、政府一体となって万全の事前対策を講ずる」としているものの、具体策はアセス結果が出ていないことから示されず。県知事はこれに強く反発。
  2月 1日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林秀雄本部長)が会合を開き、背後地の農家らは常時開門で調整池に海水が導入された場合、農業ができなくなることが予想されるとして開門差し止めを求める訴訟を起こす方針を決定。しかし閉め切り前も海に面していた背後地で、開門によって直ちに農業が出来なくなると言う根拠はなく、提訴の意図は不可解。
弁護団・支援者が議員要請後、午後から農水省(矢野農地資源課課長ら)と開門協議(弁護団提案農水省配布資料)。協議のあり方に関する原弁団側提案を農水省側は持ち帰って検討することに。夕刻には民主党有明海議連との会合。
    3日 衆院予算委で、公明党遠山議員が首相判断を批判する立場から、民主党大串議員が支持する立場から、それぞれ質問。
筒井副大臣が定例会見で、開門協議の具体的進展のためには長崎県側のある程度の理解が必要であり、それにはもう少し時間が必要との認識を示す。
    4日 佐賀県古川知事らが菅首相を表敬訪問し「首相の決定は佐賀県民に希望を与えている」と謝辞。
    6日 野田国義衆院議員の支援集会出席のため大牟田市を訪れた鹿野農相に対し、漁業者らが早期の開門実施を訴える横断幕で出迎える。
    10日 背後地の諫早干拓土地改良区(高橋徳男会長)が、臨時総代会で開門差し止めの提訴方針を機関決定。開門のための準備工の内容が明らかになっていない段階での提訴決定は、「開門阻止ありき」であり、論拠は後から考えるということ。事業を推進してきたというメンツだけで、農民に不毛な争いを続けさせようとする地元自治体や政治家の責任は重大である。提訴しても既に佐賀地裁・福岡高裁で争われてきた論争の繰り返しとなるに過ぎず、開門が差し止めになることはありえない。長崎県にとっては戦後県政の重要懸案が否定される思いなのだろうが、すでに取り繕う方策はないのだから、潔く政策転換を図るべき。
長崎県が、諫早湾干拓室を4月から課に格上げ。
新婦人しんぶん2月10日号に「一日も早い開門こそ農業・漁業・ふるさと再生の道」と題する諫早問題特集。
    11日 週刊金曜日に「農業用水の確保は可能--開門反対派論拠に疑問符」の記事。
    12日 原弁団が瑞穂町で行った湾内漁業者への報告集会で、県の一方的な言動のために解決の糸口が見えないとして、湾内漁業者から新たに追加提訴の原告を募っていくことに。
    15日 毎日新聞・福岡記者が「調査で門を開けることにすら激しい反対が起きているのも、調査中に劇的な環境改善が進み、再び閉めることなどできなくなるという恐れの裏返しにほかならない。 」と指摘(発信箱:ダムと日本人)。
海底耕耘事業をめぐり、長崎県は開門賛成に転じた有明漁協に対して執行延期の嫌がらせ(レポート
    19日 NPO法人有明海再生機構主催「有明海再生シンポ」。須藤・滝川氏など評価委委員が登壇。
大浦・道越公民館にて弁護団主催報告集会。
    22日 九州農政局が「海域流動・水質のシミュレーションモデルのプログラム案」を構築し意見募集を開始。数値シミュレーションで開門の効果を予測するものであるが、すでに判決が確定しただけでなく、開門後の流動・水質は実際に開門して調査すれば済むこと。このモデル構築のために開門アセス開始後2年半も費やしてきたが、真に急ぐべきは農業用水の確保や排水機場の建設着手である。
    23日 農水省で弁護団・支援者と第2回開門協議。農水省側からは筒井副大臣はじめ農村振興局吉村局長・斉藤次長・矢野課長らが出席。農水省側は、開門準備内容等の具体的議論は開門アセス中間報告が出てからとの方針に拘泥したため、実質協議に入れず(農水省提出資料)。
    25日 諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林英雄本部長)が開門差し止め訴訟を準備している背後地の農業者らを支援する新組織「諫早湾干拓事業及び地域住民を守る会」(芦塚末光会長)を設立。県や市もオブザーバーで参加。
鹿野農相は衆院予算委分科会での赤嶺議員の質問に答え、開門方法や営農対策など開門に向けた具体的協議は、5月にまとめる環境アセスメントの素案を受けて行いたい考えを示す。
  3月 3日 長崎地裁進行協議。弁護団が記者団に即時開門を求めての追加提訴方針を明らかに。
    6日 「諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センター」などが主催の講演会「排水門、開けたらどうなるシミュレーション」で九大・経塚教授が、潜り開門の手法で早期開門が可能と指摘(レジメ)。
    9日 弁護団上京し、議員要請など(国会通信124号)。午後、矢野課長らと第3回開門協議会開かれるも進展なく(農水省提出資料)、3月29日判決は不可避に。
    11日 東日本大地震発災。
    14日 長崎地裁が3/29に予定していた判決を国側の要請を認めて6/27に延期決定。弁護団は批判の声明
    16日 新干拓地の営農者でつくる「平成諫早湾干拓土地改良区」(山開博俊理事長)が開門差し止めを求めて国を提訴する方針を決定。判決に従って開門しようとする国の行為が「違法」だとする無謀な訴えを裁判所が認めるわけもなく、提訴を煽る長崎県や西岡議員の見識が疑われる。
    17日 諫早市自治会連合会(芦塚末光会長)が、震災募金・眼鏡橋移設募金と並行して開門阻止提訴募金を実施することを決め、各町内会に集金を依頼。これを受けて町内会は回覧板で募金を集めているといわれ、訴訟費用が含まれているとは知らず、震災募金と説明されて応じた市民も。
    24日 雲仙市吾妻土地改良区が開門阻止訴訟原告団への参加を決める。
    25日 「開門調査を求める市民の会」などが諫早市自治会連合会に対し募金中止を求める申し入れ書を提出。
中村・長崎県知事が、自らが理事長を務める県農業振興公社が国を相手に開門差し止め訴訟を起こすことを表明。公社は裁判費用を予算化したが、長崎県のなりふり構わぬ異常な政治風土を象徴。
第12回有明海環境改善連絡協で長崎県は「(有明海の漁獲減には)さまざまな要因がある」と従来主張を繰り返す。主因と見なされる諫干を免罪する根拠にはならない。自らの犯罪を棚に上げて、他人の微罪をあげつらうような態度では、いつまでも問題は解決されない。
    28日 長崎県レッドリストが10年ぶりに改訂され、諫干で生息域が失われたシオマネキが絶滅危機ⅠA類に格上げされる。
    29日 開門訴訟で小長井・瑞穂漁協組合員14人が、即時開門を求めて長崎地裁に追加提訴。湾内漁民の原告数は84名に。
      長崎県が開門反対の宣伝パンフ「諫早湾干拓事業って何だろう」を発行。
  4月 2日 佐賀市で行われた漁民の集いで弁護団が現状報告。
    8日 国会通信125号126号を議員配布。
橘湾のシャットネラ赤潮が有明海と関係している可能性(長崎新聞投稿記事)。
    11日 大浦のアサリ養殖場に、貧酸素頻発海域に発生しやすいというホトトギス貝(写真1)が蔓延。 また小長井・大浦周辺の沿岸には正体不明の海藻(写真1)も繁茂。
    13日  弁護団・支援者が農水省前早朝宣伝行動で漁民側提案の開門方法を分かりやすく解説した新パンフレットを配布開始。午後は農水省との第4回開門協議(農水省配付資料)。農水省は、これまで5月のアセス中間報告発表後に検討するとしていた農業・防災の具体策を、中間報告の中で示すことを明らかに。
    14日 97年の閉め切りから14年目の干潟慰霊祭。
    16日 諫早市で「干潟を守る日in Isahaya」シンポジウム。
    19日 中村長崎県知事が理事長を務める長崎県農業振興公社や干拓農地の入植者ら総勢352人が長崎地裁に開門差し止めを求めて提訴。これに対し有明弁護団が声明「いわゆる開門阻止訴訟の提訴にあたって」を発表。
    20日 長崎新聞が論説「対立深めた国の責任は重い」、西日本新聞が社説「ややこしくしたのは誰か」を掲載。
    22日 今季のノリ生産は、佐賀県が22億5600万枚・234億9700万円、福岡県が15億3028万枚・150億2210万円。
    28日 有明海タイラギ漁終了、佐賀県の水揚げは昨季比4割の43.1トン。
    29日 岩波書店「科学」5月号で有明海問題特集。
  5月 12日 数日前から諫早湾内および島原半島沿岸で漁網が泥で汚れる被害が深刻に(写真1)。
    15日 佐賀大で日本海洋学会海洋環境問題委員会など主催の公開シンポ「諫早湾開門調査について考える」。
    18日 有明海西部海域に赤潮発生。
    20日 浮遊物による漁業被害に関し、島原市の有明漁協が県に調整池からの排水抑制を要望。
鹿野農相が定例会見で、開門アセス素案が今月公表されたら長崎県に説明のため訪問すると言明。
    21日 調整池北部水門内にアオコ(神経毒を出すアナベナ属)の発生を確認。
    24日 西日本新聞朝刊が、諫干アセス概要が判明したとして対策費に300〜1000億円超と報道。これに対し鹿野農相は、具体的な数値は出ておらず西日は推測記事だとのコメント。
    27日 鹿野農相が、アセス発表はサミット出席中の菅総理が帰国後の29日以降になると言明し、28日に予定していた大臣の長崎訪問を延期。
    28日 有明海再生機構が佐賀市で中間成果発表会を開催。
    30日 湾内漁民が即時開門を求めて提訴した訴訟の第3陣の初公判が長崎地裁で行われ、国は6月27日に延期されていた第1陣訴訟判決期日の再延期を求める上申書を提出。他方弁護団は開門阻止訴訟への補助参加を申し立て。
漁民ネットの福岡県漁民有志が、野田国義代議士・椛島徳博県議とともに、半田亮司・県水産局長に小川知事宛の開門要望書を提出。
    31日 鹿野農相が、アセスは「詰めをしているので公表は6月初旬になる」との見通しを明らかに。
菅内閣への不信任決議案上程を前に、首相が原口議員に「諫干問題を一緒にやろう」と電話。
干拓地リース料の10年度滞納が8個人・法人で1635万円だったことが県農業振興公社理事会で明らかに。前年度は15件3000万円だった。また理事長だった中村知事が退任し、田中桂之助副知事が新理事長に就任。
  6月 1日 全国公害被害者総行動デー第1日。原弁団との面談に応じた筒井副大臣が、(1)アセス素案に300〜1000億円などという数値は書かれていない、(2)長崎県農業振興公社などが提訴した開門阻止訴訟において、国・県・有明訴訟原弁団による三者協議を行う必要がある、(3)福岡高裁の確定判決については、三年後に常時開門状態に出来なくても開門に着手していればよいと解釈していることを言明。
    2日 全国公害被害者総行動デー第2日。農水省前早朝宣伝行動(国会通信127号)など。
諫早湾内に有毒赤潮ヘテロシグマが発生。
    3日 鹿野農相がアセス公表は10日頃と表明。
    5日  有明海漁民・市民ネットワーク(漁民ネット)が大牟田市で第10回総会を開催。古賀一成・野田国義議員、椛島県議らが参加。
    8日 読売新聞九州版が、農水省はアセスで想定してきた3つの開門方法よりもさらに限定的な第4の方法を検討と報道。費用は数十億円程度に抑えられるというが、常時開放を求めた判決との整合性や環境改善効果の限定性が問題となるだろう。
    10日 農水省が開門費用に82〜1077億円を要すとする開門アセス準備書素案を発表したのを受けて、弁護団漁民ネットがそれぞれ声明。7月10日締め切りでパブリックコメント募集が開始されたが、漁業者側・長崎県側双方から反発。
佐賀県古川知事が「開門と関係なく大雨が降ったり、高潮が起きたりするとあの辺一帯が、農地が水に浸かるという現象が起きているわけですね。ということは、もともと本来、現時点でも排水ポンプをつけなくちゃいけないのではないかというのが私どもの指摘です。それを、今回の開門調査に合わせて、その経費をのせているというのは、それは開門調査、プロパーの経費ではないんではないかというのが私どもの意見なんです。」と指摘。
    11日 朝日新聞が社説「開門に向け政府は動け」、西日本新聞が社説「これでまとまるだろうか」、佐賀新聞が論説「これが最善策なのか」を掲載。
長崎県中村知事が会見で「開門の方針を見直すべきであり開門協議には応じられない」と述べる。
    12日 愛媛新聞が社説「開門調査につながらぬ内容だ」、熊本日日新聞が社説「有明海再生の本筋見失うな」掲載。
古川知事の10日の指摘通り、今年もまた背後地の釜ノ鼻周辺で広範な田畑が湛水(写真)し、諫干は1年確率の降雨にも対応していない現実が明らかに。この事実は諫干の防災方式が逆効果だったことを示していないか。諫干による増災分と開門に必要なポンプ容量を峻別するには、背後地湛水について、着工前・現況・開門後における同雨量でのシミュレーション比較が必要だが、今回の開門アセスではそうした比較は行われていない。
YouTubeに「驚異の蚊柱-諫早湾調整池の知られざる真実-」が投稿される(English version"Warning from midges (Japan) )。開門すれば消滅するアオコにもユスリカにも10日公表されたアセスには触れられていない。

原弁団が4県漁業者の集いを開き、早期の段階的開門実施を求めていくことを確認。
    14日 南日本新聞が社説「国は実現の責務がある」、山陽新聞が社説「開門調査へ対話を重ねよ」、中国新聞が社説「国の責任で地元合意を」を掲載。
    15日 開門アセスの決定的な難点は、段階的開門の最終段階をアプリオリに全開門のケース1と同一視していること。開門の第1・第2段階で調整池の水底質は改善されるので、第3段階開始時はケース1の開始時と異なる点を無視している。また濁りで漁業に影響ありとする見方も一面的であり、浮泥の多かった諫早湾や有明海の透明度を上げてしまったのは諫干であったが、一定の浮泥(濁り)や流速の回復の漁業に与える好影響を無視している。1.6m以上で洗掘発生とした室内実験での想定もトートロジーであり、洗掘の根拠なき定義によるもの。まずは含水率50・100・150%の泥の水平・垂直の分布状態を示したうえで、第2段階での現地観測で洗掘の兆候を見ながら許容流速を確定すべき。さらにケース3では開度を90cmに固定している点も問題であり、30・60・120cmやその組み合わせでの調整池水位や流速もシミュレートすべき。常時開門時も全開だけでなく、開度を絞った開門法の組み合わせが検討されていない点も、今までの我々との議論を踏まえていないと言わざるを得ない。
新潟日報が社説「国の言い分の後追いでは」を掲載。
    16日 福岡市内で農水省(矢野課長ら)と行った第5回開門協議の中で原弁団が、工期の明示など8項目を口頭で要請(23日に文書化)。
神戸新聞が社説「開門する意思が見えない」を掲載。
    19日 鹿野農相が長崎県佐世保市で中村知事らにアセスの説明を行うも地元は反発。また同行した筒井副大臣が制限的開門が現実的と示唆。
    20日 佐賀・福岡・熊本の3県漁連が全開門を求めていくことを決める。
    21日 佐賀新聞が論説「「制限開門」意味がない」を掲載。
鹿野農相が会見で「副大臣の言われることは、これは、あの、政府の一体でありますので、ひとつの考え方を申し上げたということ」と発言。
    24日 中村知事が定例会見で、制限的開門であっても応じられないと開門を拒否。
農水省が諫早市で農漁業者に対しアセス説明会。参加者からは全体反対の声。
    27日 小長井・大浦訴訟で長崎地裁が大浦漁民への損害賠償を認めるが、「開門しないことが原告らに対する違法な侵害行為とは認め
られない」とする開門反対派も驚く非常識判決(判決骨子判決要旨)。直ちに弁護団が声明を発表。湾内漁業被害を諫干が原因でないと判断した須田啓之裁判長はかつて福岡法務局訟務部付として国の立場にあった人物。
    28日 原弁団・支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信128号)、国会議員17名が参加しての院内報告集会、議員要請活動。弁護団が佐賀県に協力要請。
長崎新聞が論説「司法のねじれに混乱懸念」を掲載。
    29日 原弁団・支援者らが農水省前早朝宣伝行動(国会通信129130131132号)や議員要請行動。弁護団が熊本県に協力要請。
西日本新聞が社説「対立を解くすべはないか」を掲載。
    30日 国が27日の地裁判決のうち大浦の損害賠償が認められた部分について控訴方針を固める。
弁護団が大牟田市で報告集会。
  7月 1日 共産党の赤嶺・紙議員、仁比前議員が吉村農村局長に高裁判決の速やかな履行を求める。
    3日 原弁団が諫早市内で集会を開き地裁判決を批判(写真)。
    5日 長崎地裁での開門阻止訴訟の第1回公判で国は安全な開門は可能として争う姿勢を表明。
佐賀県議会が段階的開門を求める決議案を全会一致で採択。
開門アセス準備書素案に対し、田北徹・長崎大名誉教授がパブコメ提出。
「週刊農林」7月5日号に拙稿「目に余る諫早開門費用の水増し」掲載。
    6日 開門アセス準備書素案に対し、漁民ネット(筆者)がパブコメ提出。
    7日 農村振興局斉藤次長らが中村知事らに、6/27長崎地裁判決に関し、開門には反対せず損害賠償部分に対してのみの控訴方針を伝える。
日弁連が地裁判決を批判する会長談話を発表。
    8日 開門アセス準備書素案に対し、元中央水研の佐々木克之氏がパブコメ提出。
佐賀県が開門アセスへの意見書を九州農政局に提出。
6/27小長井・大浦訴訟の長崎地裁判決を不満として、国・漁民原告双方が福岡高裁に控訴。
    10日 開門アセス素案に対し、高橋徹・熊本保健科学大学教授がパブコメ提出。
    18日 佐賀市で4県漁民の集いが開かれ、早期開門実現のために行動強化を確認。
    20日 佐賀県有明水産振興センターの調査(14日)で、大牟田沖で約半数のタイラギが斃死していることが判明。
    22日 開門方針の再検討を要望した中村知事に対し、筒井副大臣は判決は確定し、国は開門の義務を負っているとの見解を改めて示す。
    25日 福岡市内で第6回開門協議会。農水省は原弁団から要求されていた工程表について、長崎県の理解を得るのが困難になるとして標準的な工期すら今は示せないと回答。また異変原因は複合的であり解明途中として謝罪も拒否。
<予定>      
 
                   
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